こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
※本ページはプロモーションが含まれています
- 企業概要:企業の基本情報や事業内容を紹介
- 決算概要: 対象企業の決算のキーポイントを簡潔に紹介
- 株価と配当:過去の傾向と推移を見る
- 株主優待:あれば紹介
- 財務:資金について確認
- まとめ: 全体の要約
- と言う流れでお話ししたいと思います^ ^
安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
世界トップのモーターメーカーであり、成長性と財務健全性を兼ね備えた企業のニデックについてお話しします
1、ニデックの企業概要
企業の特徴
- 総合モーターメーカーとしての強み
精密小型モーター(HDD用)から中・大型モーター(車載・家電・産業機械向け)まで幅広い製品を展開
特にブラシレスDCモーターやHDD用小型精密モーターで世界トップのシェア - 自動車市場向けの注力
EV用モーター「e-Axle」や次世代ブレーキシステムなど、運転支援や電動化に対応した製品を強化し、車載市場での存在感を拡大 - 家電・産業市場への対応
モーター単品からシステムソリューションまで幅広く対応し、さまざまなニーズに応える製品を提供 - M&Aとグローバル展開
共立マシナリ、シンポ工業、オムロンオートモーティブエレクトロニクスなど多くの企業を子会社化
海外でも産業用モーターや発電機、冷蔵庫部品事業を買収し、事業拡大を図る
2、決算概要
2025年3月期第3四半期の累計
売上高
- 金額: 1兆9,460億円(前年同期比11.5%増)
- 主な要因:
- 精密小型モータ部門が好調で、特にHDD用モータはニアライン用途を中心に需要が回復し、55.9%の大幅な増収を達成
- AIデータセンター向けの水冷モジュールなど高付加価値製品の売上が増加
- 車載部門では、新規連結子会社の効果もあり増収
営業利益
- 金額: 1,755億円(前年同期比5.0%増)
- 主な要因:
- 精密小型モータ部門や水冷モジュールなど、収益性の高い製品へのシフトが寄与
- 車載事業では、不採算機種の受注制限や固定費削減を進めた結果、収益性が改善
- ただし、円安による為替差益が影響する一方で、コスト負担が増加した影響もあり、利益率は前年同期比でやや低下(9.0%)
最終利益(親会社所有者帰属分)
- 金額: 1,346億円(前年同期比6.7%減)
- 主な要因:
- 営業利益の増加に反して、税引前利益が前年同期比4.7%減少
- 車載事業における欧州市場の冷え込みや、その他事業での一時的なコスト負担が影響
- 売上高と営業利益は過去最高を更新する好調な結果でしたが、最終利益は一時的なコスト増加や欧州市場の影響で減少しました
- セグメント別の施策(高付加価値製品へのシフト、コスト削減)が業績に寄与しており、成長基盤が整備されつつあります
通期の業績推移
- 売上高
- 予想額: 2兆5,000億円(前年同期比6.5%増)
- 精密小型モータやAIデータセンター向け水冷モジュールなど高付加価値製品の需要増が主な成長ドライバー
- 車載部門では、電動化や高度な運転支援システム向け製品の需要を取り込み、収益基盤を拡大する予定
- 営業利益
- 予想額: 2,400億円(前年同期比48.3%増)
- コスト構造の見直しや不採算事業の縮小、収益性の高い製品ポートフォリオへの転換を推進
- 精密小型モータ部門や家電・商業・産業用事業での効率化が進む見込み
- 最終利益(親会社所有者帰属分)
- 予想額: 1,850億円(前年同期比48.6%増)
- 営業利益の増加に加え、為替影響を活用した収益拡大が見込まれます
予想の背景
- 精密小型モータ: HDD用モータや水冷モジュールが引き続き収益を牽引
- 車載部門: BEV市場の鈍化に対応するため、戦略的な収益改善施策を進行
- 家電・商業・産業用: データセンター向け発電機やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の需要増が見込まれる
**BEV(Battery Electric Vehicle)**は、日本語で「バッテリー式電気自動車」または単に「電気自動車」を指します
- 駆動方式: 内燃機関(エンジン)を持たず、バッテリーから供給される電力のみでモーターを駆動します。
- エミッション(排出物): 走行中に排気ガスを一切出さないゼロエミッション車です。
- 充電: 外部電源を用いて充電する必要があります。主に家庭用充電器や公共の急速充電器が使用されます
BEVと他の電動車両との違い
- PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle): バッテリーとエンジンを併用するプラグインハイブリッド車
- HEV(Hybrid Electric Vehicle): バッテリーで一部補助されるが、主にエンジンで駆動するハイブリッド車
- FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle): 燃料電池を使用し、水素をエネルギー源とする電気自動車
BEV市場の課題
- 市場鈍化の理由:
- 高価な車両価格: バッテリーコストの高さが価格に影響
- 充電インフラの不足: 特に地方や新興国での充電環境の整備が遅れている
- バッテリー技術の制約: 充電時間や航続距離に課題
ニデックの車載部門では、こうした市場動向に適応するため、収益性の高い製品群へのシフトを進めています
注目点
- 業績改善のカギとなるのは高付加価値製品へのシフトやコスト削減の成果。
- 為替の円安傾向も業績にプラスの影響を与える見込み。
- 収益性改善をさらに進めるため、既存事業の合理化やグローバル展開が加速
全体的に、持続可能な成長を目指した戦略が反映された予想といえます
3、株価と配当
株価
株価推移
- ニデックの株価は過去数年間で上下動がありましたが、最近ではやや下降傾向にあるようです。
- 2025年1月24日時点での株価は2,853.5円
PER(株価収益率)
- PERは「17.7倍」、これは市場平均と比較してやや高めの水準です
PBR(株価純資産倍率)
PBRは「1.83倍」
-
- 1倍を超えているため、株価が純資産を上回る評価を受けていることを意味します
- 成長性や収益力への市場の期待が伺えます
配当利回り
- 配当利回りは「1.40%」
- この水準はやや低めで、配当よりも成長性への期待が重視されている銘柄と言えます
- 株主還元としての魅力は限定的ですが、業績が安定すれば将来的な増配の可能性も考えられます
株価まとめ
- 株価は下落傾向にあり、下げ渋りで上昇期待
- 配当利回りは低めで、株価上昇を見込んだ長期投資が適した銘柄と考えられます
- 今後の業績動向や市場環境(特に電動車や精密モータの需要)に注目する必要があります
配当
2025年3月期の配当金
- 中間配当金: 40円
- 期末配当予想: 20円
- 年間配当金合計: 60円(分割後ベース)
配当利回り
- 配当利回り: 約1.40%(株価2,853.5円ベース)
- 配当利回りは市場平均と比較するとやや低めですが、ニデックは成長投資を重視する企業であるため、この水準は同業他社と比べても妥当と言えます
配当政策
- 株式分割後も、株主還元を意識しつつ、安定した配当金を維持しています
- 成長企業としての再投資が優先されている一方、長期的に安定した配当を目指す方針を維持
株式分割の影響
- 2024年10月1日に実施された株式分割(1株を2株に分割)により、見かけの配当金額は減少しましたが、実質的な株主への還元水準は維持されています
- 分割後の配当金は、小口投資家が参加しやすい価格水準になったことを背景に、株主の裾野を広げる狙いがあると考えられます
4、株主優待
株主優待はありません
5、財務
自己資本比率
- 数値: 52.1%(2025年3月期第3四半期時点)
- 自己資本比率は企業の財務健全性を示す重要な指標であり、50%を超える水準は非常に健全です
- 高い自己資本比率は、資金調達に依存せず、自社の内部資金で事業を拡大できる強みを表しています
- 一般的に、40%以上で財務の安全性が高いとされているため、ニデックは堅実な財務基盤を持つ企業と評価できます
剰余金
- 2025年3月期第3四半期時点: 1,299,799百万円(約1兆3,000億円)
- 概要:
- 剰余金は、これまでに企業が蓄積した利益のうち、配当金として株主に分配されず、内部留保として残された金額です
- ニデックは、事業拡大や投資を重視する成長企業であり、これだけの剰余金を蓄積している点から、十分な内部資金を活用できる強みがあるといえます
- 剰余金が安定して増加していることは、収益性の高さと長期的な財務健全性を示します
有利子負債倍率
- 2025年3月期第3四半期時点: 0.34倍
- 概要:
- 有利子負債倍率は、有利子負債 ÷ 自己資本で計算され、企業の財務の安定性を評価する指標です
- 一般的に、1倍以下は財務の健全性が高いとされます。ニデックは0.34倍と極めて低い水準にあり、負債依存度が低いことを示しています
- この低い倍率は、事業運営において外部借入に頼らず、内部資金で成長戦略を遂行できる体制を持っていることを表しています
これらの指標から、ニデックは財務面で非常に堅実であり、持続可能な成長を進める基盤が整備されていると評価できます
6、ニデックのまとめ
- 企業概要: 精密小型モータや車載用モータ、家電・産業用機器を手掛ける世界トップのモーターメーカー
- 業績: 2025年3月期第3四半期の売上高は1兆9,460億円(前年同期比11.5%増)、営業利益は1,755億円(同5.0%増)で過去最高を更新
- 財務健全性: 自己資本比率52.1%、有利子負債倍率0.34倍と堅実な財務基盤を保持
- 成長戦略: 高付加価値製品(AIデータセンター向け水冷モジュールなど)やグローバル展開を推進し、BEV市場やデータセンター需要に対応
ニデックの決算を見て感じることは、同社の成長力と財務の健全性が際立っている点です
売上高と営業利益が過去最高を更新している一方で、BEV市場の鈍化や一時的なコスト増による最終利益の減少など、課題も見られます
ただ、精密小型モータや水冷モジュールといった高付加価値製品の成長や、堅実な財務基盤(自己資本比率52.1%、有利子負債倍率0.34倍)が今後の成長を支える大きな強みとなっていると感じます
全体的には、現在の課題に適応しつつ、次の成長段階に向けた施策が進んでおり、引き続き注目すべき企業であるといえます
特に、高付加価値製品やグローバル戦略の成功が、さらなる業績改善のカギになると考えられます
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)