こんな方におすすめ
- 情報・通信業界について知りたい人
- NECネッツエスアイについて知りたい人
今回は、NECグループにおけるネットワークソリューションの中核会社の『NECネッツエスアイ』について企業分析しました。
私は、一応、株主ではあるのですが、株主通信を見ると、株主は25,957名と多くはありませんが、今後の注目銘柄としてみています(^^)
動画でご覧になりたい方は、下記をご覧ください(^^)
Contents
NECネッツエスアイの企業分析
企業分析
- NECグループにおけるネットワークソリューションの中核会社
- 3つのセグメント構成
デジタルソリューション、エンジニアリング&サポートサービス、ネットワークインフラ - 日本電気(NEC)【6701】の持ち分法適用会社
- 主要取引先はNEC
- 大株主はNECで持株比率は約38%
具体的にどんなことをやっているかは、セグメント業績のところで解説します!
NECネッツエスアイの業績推移
まずは、直近の四半期の業績から見ていきましょう。
四半期の業績推移
売上高と営業利益のグラフです。
1Qは毎年、売上高と利益が下がり、期末にその年の最も高い売上高、営業利益を出すことがわかります。
当期も例にもれず、2Qの結果は1Qを上回っています。
第2四半期の業績
- 売上高 約838億円 前年比10.7%
- 営業益 約572億円 前年比25.9%
- 経常益 約583億円 前年比27.3%
- 最終益 約364億円 前年比26.4%
第2四半期だけを見ても前年同期比で軒並み10%以上の増加を見せています。
通期の業績推移
波はありつつも、着実に売上高、営業利益を積み上げています。
当期予測も従来の予測から上方修正しており、調子の良さがうかがえます。
通期の業績予測
- 売上高 約3270億円 前年比7.7%
- 営業益 約1900億円 前年比17.0%
- 経常益 約1900億円 前年比19.2%
- 最終益 約1130億円 前年比19.9%
前期は経常益以外は過去最高でしたが、当期は、経常益も含め、全てにおいて過去最高を更新しそうです。
配当については、2020年6月1日付けで1:3の株式分割をしているので、配当は下がっているように見えますが、14期連続の増配なので安心してください。
配当については、後ほど触れます(^^)
NECネッツエスアイのセグメント業績
セグメント構成
- デジタルソリューション(DSL)
- ネットワークインフラ(NWI)
- エンジニアリング&サポートサービス(ESS)
デジタルソリューションは、オフィスICT、公共系ICT、セキュリティ対策、ネットワーク構築などを行っています。
ネットワークインフラは、IoT総合サービス、携帯電話基地局、クラウド基盤ソフト、社会インフラ、消防・防災システム、CATV設備などを行っています。
エンジニアリング&サポートサービスは、保守・運用、基盤技術開発センターなどを行っています。
保守・ネット運用・監視サービスは、国内400か所のサポートサービス拠点があり、24時間365日対応しています。
後ほど、各セグメントの具体的な事業説明をしますので、まずは、セグメントごとの業績を見てみましょう。
セグメント四半期の業績推移
3つのセグメントの売上高のグラフです。
ネットワークインフラが売上高としては3番手ですが、偏ることなく売り上げを上げていることがわかります。
セグメント別の利益に落とし込むと、下記のようになります。
利益においても偏ることなく、3つのセグメントで稼げています。
それでは、3つのセグメントの事業を説明します。
デジタルソリューション事業
売上
- 売上高 567億円(前年同期比6.6%増)
- 売上高構成比 37.5%
デジタルソリューション事業は、企業の業務に必要なICT(情報通信技術)のシステムやサービスを提供しています。
特にAI(人工知能)やIot(あらゆるものがネットに繋がる)等の技術を活用して、時間や場所にとらわれない、働き方の多様化、高度化を支えています。
文部科学省のGIGAスクール構想案件などにより、売上高は上昇しました。
GIGAスクール構想とは、『Global and Innovation Gateway for All』を略したもので、子供1人1台のコンピュータ整備し、創造性をはぐくむ教育ICT環境を実現するための施策です。
ネットワークインフラ事業
売上
- 売上高 381億円(前年同期比7.3%増)
- 売上高構成比 25.2%
ネットワークインフラ事業は、通信事業者のネットワークや、官庁・自治体、放送事業者、道路・鉄道事業者などを支えるICT(情報通信技術)の提供を行っています。
通信事業者向けが特に拡大し、売上の向上につながりました。
エンジニアリング&サポートサービス事業
売上
- 売上高 516億円(前年同期比23.9%増)
- 売上高構成比 34.1%
NECネッツエスアイが提供するICTシステムやサービスに関する保守・運用・監視や、海外の顧客へのICTインフラの提供を行っています。
GIGAスクール案件や、メガソーラープロジェクトが売上に貢献しました。
NECネッツエスアイの株価と配当
2020年3月から高騰をみせました。
日足チャートのほうがわかりやすいかもしれません。
2020年1月からの日足チャートです。
コロナショックの3月23日に1110円と底値を付けてから、7月30日の2335円と2倍以上になりました。
7月の高値からは、約20%下落しているのが12月上旬の状態です。
競合との比較
私が思う競合と年初来を0%として、比較してみます。
赤は、『NECネッツエスアイ』です。
青は、『伊藤忠テクノ』です。
緑は、『日鉄ソリューションズ』です。
黒は、『NTTデータ』です。
NECネッツエスアイは業績で過去最高を更新する予測ですが、伊藤忠テクノも過去最高を更新する予測になっています。
また、日鉄ソリューションズは、減収減益で減配が発表されています。
NTTデータは、8月の時点では減収減益予測となっています。
配当金、配当利回り
ポイント
- 14期連続増配
現在のところ、14期連続の増配を計画しています。
増配を意識しているので、株主還元に意欲はめちゃくちゃあります(^^)
配当利回り
配当利回りは、1.6%前後と、株価が配当金額と比べて高いので低利回りになっています。
また、信用倍率が19倍なので上値が利益確定で抑えられやすいのと、株価がさらに下がった時の損切で、さらなる下落を招くかもしれませんね。
配当性向は、当期予測の1株益が75.9円で、配当金が年間28円なので、計算すると、配当性向は36.8%くらいになります。
前期の配当性向は、43.2%だったので、1株益が上昇したことにより、配当性向抑えられる予測です。
NECネッツエスアイの財務
財務
- 自己資本比率 48.7%
- 自己資本 約1123億円
- 剰余金 868億円
- 有利子負債倍率 0.08
財務的には問題ありません。
自己資本比率は、40%以上ありますし、自己資本や剰余金も増えています。
借金もほぼありません。
枕を高くして寝れますね(^^)
NECネッツエスアイのまとめ
NECネッツエスアイ【まとめ】
- NECグループにおけるネットワークソリューションの中核会社
- デジタルソリューション、エンジニアリング&サポートサービス、ネットワークインフラの3つのセグメント
- 株価は2020年7月を高値に下落基調
- 業績、財務は優秀で買い時を狙いたい
NECグループのネットワークソリューションの中核会社のNECネッツエスアイを解説しました。
コロナ禍における追い風もあり、業績を伸ばせている会社です。
今後の注力領域として、『デジタル×5G』を掲げています。
デジタルと5Gは今後も成長が期待される分野ですから、NECネッツエスアイも業績を伸ばしていってほしいです(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)