こんな方におすすめ
- 保険業業界について知りたい人
- MS&ADを投資対象に考えている人
- MS&ADについて知りたい人
この記事を動画でご覧になりたい方は、下記をご覧ください(^^)
高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)
今回は、私の持ち株でもある、『MS&ADインシュアランスグループホールディングス』について解説したいと思います(^^)
保険業は大きく分けて、『生命保険』と『損害保険』がありますが、MS&ADは、主に後者の損害保険寄りの会社です。
損害保険は主に『物にかける保険』なので生産された『モノ』や『サービス』の総和である『GDP(国内総生産)』との相関関係が深いです。
MS&ADの2022年度はどのような結果になり、今後はどうなっていくのか、MS&ADの情報をもとに、私の意見も含めて解説したいと思います(^^)
保険業は比較的配当利回りが高い『高配当銘柄』です。
MS&ADの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです。
Contents
MS&ADの企業分析
企業概要
企業概要
- 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
- 損害保険、生命保険、金融、リスク関連サービス事業を行う
- 損害保険料収入は、『東京海上HD【8766】』と並びトップ水準
- 筆頭株主は、『トヨタ自動車』
- 2020年に生命保険販売で、『セブンイレブン』と提携
- 2021年に新損害サービスシステムを稼働
損害保険の種類には、『火災』、『海上』、『傷害』、『自動車』、『自賠責』などがあります。
現在の『MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス』に社名変更されたのは、2010年と若い会社です。
日本国内に限らず、アジアの生命保険会社に資本参加や損保会社を買収したりもして海外にも進出しています。
取り扱い商品
- 損害保険
『三井住友海上火災保険』、『あいおいニッセイ同和損害保険』、『三井ダイレクト損害保険』 - 生命保険
『三井住友海上あいおい生命保険』、『三井住友海上プライマリー生命保険』 - 海外損害保険
- 金融サービス、リスク関連
損害保険に関しては、よくCMで流れているので、名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。
先日、私の自家用車の自動車保険も三井ダイレクト損保に変更しました(^^)
株主であるので、他社の自動車保険を契約している場合ではありません(笑)
MS&ADの業績
四半期の業績推移
四半期ごとの売上高と経常利益のグラフです。
第1四半期の4月~6月の業績が良くなる傾向がありそうですが、当期の場合は第4四半期の業績も良かったです(^^)
第4四半期の業績は前期比で売上高は、51.3%の増加、経常益は1.9%の増加、最終益は黒字転換となりました。
前期の第4四半期は赤字転落してしまいましたので、当期はしっかりと黒字に戻してきました。
2022年3月期の結果
2022年3月期の結果は、前期比で売上高は4.9%の増加、経常益は27.4%の増加、最終益は82%の増加となりました。
配当金は増配され、9期連続増配となりました。
従来予測との比較
2021年11月に発表していた従来予想との比較をしてみたいと思います。
約半年前の予想と比較して、経常益は18.3%の上振れ、最終益は14.3%の上振れ着地となりました。
10%以上の上振れ着地となり、配当金も増額されました。
通期の業績推移
通期の売上高と経常利益のグラフです。
当期は、2019年をピークにした下降基調を覆し、好業績を残しました。
2023年の予想売上高は非開示ですが、経常益や最終益は開示されていますので、見ていきたいと思います。
2023年度の売上高は非開示ですが、経常利益は3500億円、最終益は2400億円の予想をしています。
2023年度が減益になってしまうのは、『特殊要因』を含んでいるからです。
特殊要因とは、ロシア、ウクライナ情勢の影響による、保険金の発生、不確実性への備え、インフレ影響などを織り込んでいるからとしています。
特殊要因を除いた場合は増益になるとしています。
また、1株利益にしては増配額がおとなしいのは、連続増配を意識しはじめたと、勝手に思っています(^^)
最近では台風などの自然災害の保険支払いは1兆円を超えているそうです。
大規模自然災害時に保険金の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する場合に備え、流動性資産を十分に保有するとともに、資金の流出入の動向を踏まえて資産・負債両面から、適切な資金繰りをおこなっているとのことです。
MS&ADの株価と配当
MS&ADの株価
2022年5月29日時点での月足チャートです。
株価はコロナショック後の2020年の7月に2590円をつけて以降、上昇傾向になっています。
決算時には過去最高益に加え、2,000万株、もしくは500億円を上限とした自己株式取得も発表しています。
株価の高値について、2017年6月の4073円から2020年2月の3800円と、高値が切り下がっていましたが、既に下落トレンドからは脱していると感じています。
MS&ADの配当
2022年度の配当金は、最終的に180円になりました。
2023年度は5円増配の年間185円を予測しています。
2014年以降、9期連続増配となり、10期連続増配に挑戦しています(^^)
今の利益が続く限り、毎年増配してくれそうに感じます(^^)
利回り
直近の配当利回りは4.6%前後あります。
配当利回り4.6%はまごうことなき高配当です(^^)
市場全体から見ても高配当ですし、保険業の中でも『SOMPOホールディングス【8630】』と並び、利回りが高いです。
配当性向
2022年度の配当性向は37.9%でした。
2023年度の配当は1株185円で、1株利益が438.6円を想定しているので、計算すると、配当性向は42.3%くらいになりそうです。
株主還元方針としては、利益の40%~60%をめどに、配当および自己株式取得によって還元をおこなうとしています。
前期のように期末にさらに増配をするのか、連続増配を続けていくために内部留保していくのか、自社株買いを促進するのか、今後も注目ですね(^^)!
MS&ADのキャッシュフローと財務
本業で稼ぐことが出来ているかの指標である、営業キャッシュフローは、前期はマイナスでしたが、当期はプラスに転じました。
前期の三井住友海上プライマリー生命保険における外貨建保険契約の払い戻しが増加したことの反動などによりプラスに転じたということです。
投資キャッシュフローはマイナスであり、稼ぐための投資ができているとみることができます。
財務キャッシュフローは、ここ3年間プラス計上となっています。
借金である社債の償還よりも、社債発行が多くなりプラス計上となっています。
一般的な企業の場合はマイナス計上で借金の返済がおこなわれていることが良しとされていますが、複雑な事柄がかみ合っていると認識しており、プラス計上が続いたとしても特に問題視してはいません。
自己資本比率は前期よりは上昇し、13.0%でした。
ちなみに、同じ損保会社の『東京海上ホールディングス【8766】』の自己資本比率は14.8%、『SOMPOホールディングス【8630】』は14.7%と、MS&ADよりも若干高い値です。
同じ損保会社も自己資本比率は低いという事で、特に問題はないとみています。
利益剰余金については2013年から毎年増えており、財務的にも問題ないです。
MS&ADのまとめ
【まとめ】
- 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
- 売上の約6割を国内損害保険、約2割を国内生命保険であげている
- 2022年度は増収増益、2023年度は特殊要因を除けば増益予想
- バリュー株の高配当で10期連続増配に挑戦!
2022年3月期第の決算を発表したMS&ADを解説しました(^^)
今後の日本は高齢化が進行していきます。
リスクに備える保険も売れていくでしょうし、自動車の自動化によってまた新たな保険が生まれるでしょう。
日本の人口は減少していくという試算が出ていますが、アジアで見るとまだ増えていくことになっています。
アジアの売上も増えてくる可能性が大いにあります。
一方で自然災害による保険金支払いは増加傾向にあります。
私は株主でもありますので、引き続き注視していき、ご報告いたします(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)