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コジマ(7513)は今から買い?34%増益・配当28円・優待拡充を徹底確認

家電量販店のコジマが、好決算と同時に「増配」「株主優待の拡充」「自社株買い」を発表しました。

2026年8月期第3四半期累計の営業利益は前年同期比34.1%増。年間配当予想は24円から28円へ引き上げられ、100株でもらえる基本優待は年間3,000円相当から4,000円相当へ増えます。

7月17日の終値は1,320円。100株なら13万2,000円で、予想配当利回りは約2.12%です。さらに年間4,000円相当の優待券を額面どおり使い切れれば、配当と優待を合わせた参考総合利回りは約5.15%になります。

数字だけを見ると魅力的ですが、コジマは「配当だけで高利回りの銘柄」ではありません。優待券を本当に使うか、エアコンやゲームの好調が続くか、現在の株価に好材料がどこまで織り込まれているかを分けて考える必要があります。

今回は、最新決算、増配、株主優待、自社株買い、株価指標を確認し、コジマ株は今から買いなのかを初心者向けに整理します。

まず結論:優待を使う人には魅力的。ただし配当だけなら高配当ではない

先に私の考えをまとめます。

  • 第3四半期累計は売上高6.0%増、営業利益34.1%増の好決算
  • 営業利益は社内計画を20.1%上回り、通期予想に対する進捗率は90.3%
  • 年間配当は24円から28円へ増額し、配当性向40%を目指す方針へ変更
  • 100株の基本優待は年間4,000円相当へ拡充
  • 株価1,320円では配当利回り2.12%、基本優待込みの参考総合利回り5.15%
  • 2年以上保有すると、100株の優待は年間6,000円相当となり、参考総合利回りは6.67%
  • ただし優待券は現金ではなく、使わない人にとって価値は大きく下がる
  • エアコンとゲームの好調には、需要の前倒しや駆け込み需要も含まれる

私なら、コジマやビックカメラの店舗を定期的に利用し、優待券を無理なく使い切れるなら100株を検討対象にします。

一方、現金配当を重視する高配当株投資として見ると、利回り2.12%はそれほど高くありません。優待を使わない人が、総合利回り5%という数字だけを理由に買う銘柄ではないと考えます。

コジマの株価は1,320円。100株で13万2,000円

2026年7月17日時点の株価指標は次のとおりです。

項目 数値
終値 1,320円
最低投資額 13万2,000円
年初来高値 1,473円
年初来安値 1,153円
予想PER 19.29倍
PBR 1.39倍
予想配当利回り 2.12%

PERは、会社が稼ぐ1株利益に対して株価が何倍まで買われているかを見る指標です。PBRは、会社の純資産に対して株価が何倍かを見る指標です。

予想PER19倍台、PBR1.39倍は、極端な割高水準とは言い切れませんが、家電量販店の利益率や成長性を考えると「誰が見ても割安」とも言いにくい水準です。

株価は年初来高値1,473円より約10%下です。決算発表翌日の7月14日は一時1,400円まで上昇しましたが、終値は1,312円。好材料は評価された一方、買い一色で上昇し続けたわけではありません。

第3四半期は売上6%増、営業利益34%増

2025年9月から2026年5月までの第3四半期累計実績は次のとおりです。

項目 実績 前年同期比 社内計画比
売上高 2,228.24億円 +6.0% 101.6%
売上総利益 607.96億円 +6.6% 102.0%
営業利益 74.02億円 +34.1% 120.1%
経常利益 76.02億円 +30.7% 119.9%
四半期純利益 51.88億円 +30.5% 121.9%

売上の伸びは6%ですが、営業利益は34%増えました。単に商品をたくさん売っただけでなく、利益を残す力が改善しています。

売上総利益率は前年同期の27.15%から27.28%へ上昇しました。売上総利益率とは、商品を売った金額から仕入れ代を引いた後、どのくらい残るかを示す割合です。

一方、販売費及び一般管理費、略して販管費の比率は24.5%から24.0%へ改善しました。販管費には人件費、広告費、物流費、家賃、電気代などが含まれます。

販管費の金額自体は3.6%増えましたが、売上高の6.0%増より伸びを抑えたため、営業利益率は2.6%から3.3%へ上昇しました。

家電量販店は価格競争が激しく、もともと利益率の高い業種ではありません。その中で営業利益率が0.7ポイント改善した点は、今回の決算で評価したいポイントです。

通期利益への進捗は約9割。ただし会社予想は据え置き

2026年8月期の会社予想と、第3四半期までの単純進捗率を確認します。

項目 通期会社予想 前期比 進捗率
売上高 2,940億円 +4.0% 75.8%
営業利益 82億円 +11.9% 90.3%
経常利益 85億円 +9.9% 89.4%
当期純利益 53億円 +12.5% 97.9%

最終利益は通期予想の約98%まで進んでいます。数字だけなら上振れ期待を持ちたくなります。

ただし、会社は2026年4月に上方修正した業績予想を、今回の決算では変更していません。

家電販売は天候、ボーナス商戦、新商品の発売、販促費などの影響を受けます。第3四半期の進捗率が高いからといって、通期の上方修正や大幅上振れを断定するのは早いです。

好調の中心はエアコン、ゲーム、携帯電話

商品別では、エアコンとゲームの伸びが目立ちます。

商品 売上高 前年同期比
エアコン 171.12億円 +30.3%
ゲーム 96.01億円 +47.2%
携帯電話 377.99億円 +9.5%
パソコン本体 147.16億円 +12.5%
冷蔵庫 136.20億円 -5.4%
テレビ 129.42億円 -6.1%

エアコンは、東京都の「東京ゼロエミポイント」拡充に加え、会社が「エアコン2027年問題」と呼ぶ買い替え意識の高まりで、東京都以外の店舗でも伸びました。

ここは誤解しやすい部分です。

資源エネルギー庁によると、2027年4月から家庭用壁掛けエアコンの新しい省エネ基準が始まります。しかし、現在使っているエアコンが使用禁止になるわけではありません。新基準を満たさない製品が一律に販売禁止になる制度でもありません。

メーカーは年度ごとの出荷製品全体の平均で省エネ基準を達成するよう求められます。省エネ性能向上に伴う価格上昇への警戒などから、買い替え需要が前倒しになった可能性があります。

ゲームはNintendo Switch 2の在庫回復、人気ソフトの発売、5月の値上げ前の駆け込み需要が寄与しました。

エアコン30%増、ゲーム47%増は強い数字ですが、需要の前倒しや駆け込み需要を含みます。同じ伸び率が毎年続く前提では考えない方が安全です。

店舗、EC、法人の全経路が増収

販売経路別では、店舗売上が6.6%増、既存店売上が6.1%増、ECが2.1%増、法人事業が9.7%増でした。

既存店売上とは、新しく開店した店舗の効果を除き、以前からある店舗がどれだけ伸びたかを見る数字です。既存店が6.1%増えているため、新店だけに頼った成長ではありません。

一方、ECの伸びは2.1%と全社売上の6.0%増を下回りました。ネット通販の価格競争は引き続き厳しく、会社はECクーポン費用の増加も説明しています。

年間配当は28円へ増配。配当性向40%を目指す

コジマは年間配当予想を24円から28円へ4円引き上げました。

  • 2025年8月期:22円、うち普通配当20円・記念配当2円
  • 2026年8月期予想:普通配当28円
  • 100株の年間配当:税引前2,800円
  • 株価1,320円での予想配当利回り:約2.12%

さらに、2026年8月期から配当性向40%を目指す方針へ変更しました。

配当性向とは、会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主へ返すかを示す数字です。予想1株利益68.41円に対して配当28円なので、予想配当性向は40.7%です。

株主還元を重視する姿勢は評価できます。ただし、「40%を目指す」は、必ず40%以上を配当する保証ではありません。配当の下限を約束する累進配当でもありません。

また、2021年から2023年の配当は14円で横ばいでした。コジマを連続増配株と呼ぶのは正確ではありません。

100株の優待は年間4,000円相当へ拡充

2026年8月末基準分から、100株保有者の株主優待は次のようになります。

基準日 基本優待
2月末 2,000円相当
8月末 2,000円相当
年間合計 4,000円相当

これまで8月分は1,000円相当でしたが、2,000円相当へ増えます。年間では3,000円相当から4,000円相当への拡充です。

長期保有の追加分もあります。

  • 1年以上2年未満:8月に1,000円相当を追加、年間合計5,000円相当
  • 2年以上:8月に2,000円相当を追加、年間合計6,000円相当

長期優待には、同一株主番号で株主名簿へ連続して記録されるなどの条件があります。

優待券はコジマの指定店舗のほか、ビックカメラ店舗でも利用できます。ただしビックカメラ.comでは利用できません。コジマネットで使う場合は、注文前に専用フォームか電話での問い合わせが必要です。有効期限にも注意が必要です。

参考総合利回りは5.15%。2年以上なら6.67%

株価1,320円で100株を13万2,000円で購入した場合を計算します。

1年未満

  • 年間配当:2,800円
  • 基本優待:4,000円相当
  • 合計:6,800円相当
  • 参考総合利回り:約5.15%

2年以上

  • 年間配当:2,800円
  • 基本優待と長期優待:6,000円相当
  • 合計:8,800円相当
  • 参考総合利回り:約6.67%

魅力的な数字ですが、配当2,800円は現金、優待4,000円・6,000円は買物券です。

優待券を使うために不要な家電を買ったり、有効期限までに使い切れなかったりすれば、額面どおりの価値は得られません。税金や売買手数料も、この計算には含めていません。

「総合利回り5%だから高配当」と一括りにせず、現金配当2.12%と優待価値を分けて判断する必要があります。

自社株買いは最大50万株、9億円

コジマは自社株買いも発表しました。

  • 取得株数:50万株を上限
  • 自己株式を除く発行済み株式の0.64%
  • 取得金額:9億円を上限
  • 取得期間:2026年7月15日から9月30日
  • 取得方法:東京証券取引所での市場買付

自社株買いは、市場に出回る株式数を減らし、1株当たりの利益や資本効率を改善する効果が期待できます。

ただし、50万株と9億円はどちらも上限です。期間内に必ず全額を使い、上限まで買うと決まったわけではありません。

財務は比較的安定。ただし在庫増には注意

2026年5月末の自己資本比率は55.5%、現金及び預金は302.47億円、有利子負債は84.55億円です。

自己資本比率は、会社の資産を返済不要の自己資金でどれだけ支えているかを見る指標です。55%台なら、財務には一定の余裕があると考えられます。

一方、商品在庫は前期末から36.27億円増えて407.10億円となりました。会社は携帯電話、パソコン、エアコンなどの需要に備えた増加と説明しています。

販売が続けば問題になりにくいですが、需要が弱まれば値下げや在庫処分が必要になります。次の本決算では、売上だけでなく在庫の動きも確認したいです。

コジマ株の主なリスク

エアコンとゲームの反動減

エアコンの買い替え前倒し、Switch 2の在庫回復、値上げ前の駆け込み需要は、将来の需要を先に取り込んだ可能性があります。

天候と個人消費

冷夏ならエアコン販売が伸びにくくなります。物価上昇で家計が苦しくなれば、高額家電の買い替えが延期される可能性もあります。

価格競争

家電は比較しやすく、店舗、ECモール、ネット専業との価格競争が激しい商品です。販売を伸ばすために値下げやクーポンを増やすと利益率が低下します。

優待制度の変更

株主優待は会社の判断で将来変更・廃止される可能性があります。総合利回りを重視して買う場合ほど、制度変更の影響が大きくなります。

私ならどうするか

私なら、次の3点で判断します。

  1. コジマやビックカメラで年間4,000円以上の買い物を自然にするか
  2. 配当2.12%だけでも保有を続けられるか
  3. 家電小売の低い利益率と、需要の反動リスクを受け入れられるか

3つとも「はい」なら、13万円台で100株を長期保有し、長期優待まで育てる選択には合理性があります。

反対に、優待券を使うために買い物を増やす人、現金配当を最優先する人には、ほかの高配当株の方が合う可能性があります。

業績、増配、優待、自社株買いはすべて好材料です。ただし、その4つを見て飛びつくのではなく、「自分にとって優待券が現金に近い価値を持つか」を最初に確認するのが大切です。

まとめ

  • 第3四半期累計は営業利益34.1%増の好決算
  • 通期営業利益への進捗率は90.3%だが、会社予想は据え置き
  • 年間配当は28円へ増額、配当性向40%を目指す方針
  • 100株の基本優待は年間4,000円相当へ拡充
  • 株価1,320円で配当利回り2.12%、参考総合利回り5.15%
  • 2年以上保有なら参考総合利回り6.67%
  • 自社株買いは50万株・9億円が上限
  • エアコンとゲームには需要前倒し・一時要因の反動リスクがある

コジマは、配当だけで選ぶ銘柄ではありません。普段からコジマやビックカメラを使い、優待券を無理なく消化できる投資家ほど魅力が大きくなる銘柄です。

※本記事は公開資料を基にした情報整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身でお願いします。

参考資料

  • コジマ「2026年8月期 第3四半期決算補足説明資料」

https://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/settlement20260713_2.pdf

  • コジマ「2026年8月期 第3四半期決算短信」

https://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/settlement20260713.pdf

  • コジマ「配当方針の変更及び期末配当予想の修正(増配)」

https://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/release20260713.pdf

  • コジマ「株主優待制度の変更(拡充)」

https://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/release20260713_2.pdf

  • コジマ「自己株式取得に係る事項の決定」

https://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/release20260713_3.pdf

  • コジマ「株主優待制度」

https://www.kojima.net/corporation/ir/welcome.html

  • 資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!」

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/air_conditioner_2026.html

  • Yahoo!ファイナンス「コジマ 株価時系列」

https://finance.yahoo.co.jp/quote/7513.T/history

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コロナショック直前の2020年に投資をスタート。リアルタイムで暴落を経験しながら独学で投資の基礎を習得。 現在の運用総額5,000万円超・年間配当収入120万円超を達成。投資信託・ETF・個別株・米国株など100銘柄超に分散投資し、相場の波に強いポートフォリオを構築中。 高配当株の長期保有と新NISAの積立を組み合わせた"2刀流"スタイルで資産形成を実践。保有銘柄の決算・配当・株価をブログで赤裸々公開しています。YouTubeでも投資情報を発信中!

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