2026年9月2日、WTI(ダブリューティーアイ)原油が1バレル90ドルに乗せました。
同じ日の東京市場は、日経平均が64,325.64円。前の日より1,889.70円安く、下落率は2.85%です。TOPIX(トピックス)も4,081.60で100.26下げました。東証33業種のうち、上がった業種はゼロ。33業種すべてが下落する全面安でした。
原油が上がって真っ先に損益が動くのが、ガソリンや灯油をつくって売っている石油元売りです。
そこで今回は、ENEOSホールディングス(5020)、出光興産(5019)、コスモエネルギーホールディングス(5021)の3社を、最新の決算で見ていきます。
先に結論を言います。3社とも、最初の3か月で1年分の利益を稼ぎ切っていました。それなのに、3社とも通期の予想を上げていません。据え置いたままです。
なぜそんなことが起きるのか。決算を開くと、はっきりした理由が書いてありました。
1. 今回の3社
| 会社 | コード | 時価総額 |
|---|---|---|
| ENEOSホールディングス | 5020 | 3兆6,406億円 |
| 出光興産 | 5019 | 1兆7,883億円 |
| コスモエネルギーホールディングス | 5021 | 7,041億円 |
国内の石油元売りは、実質的にこの3社です。
決算は3社とも8月上旬に出そろっています。コスモが8月6日、ENEOSと出光が8月7日でした。
数字はすべて2026年4月から6月までの3か月分(第1四半期)です。株価と指標は2026年9月2日の終値を使っています。
2. まず、決算の数字がすごいことになっています
| 会社 | 売上(収益) | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| ENEOS 5020 | 3兆4,078億円 | +18.7% | 4,826億円 | +859.5% |
| 出光興産 5019 | 2兆2,718億円 | +23.8% | 3,075億円 | 赤字から黒字 |
| コスモ 5021 | 7,616億円 | +17.4% | 1,269億円 | 15.9倍 |
ENEOSの営業利益は前の年の503億円から4,826億円へ。8.6倍です。
コスモは80億円から1,269億円で15.9倍。出光にいたっては、前の年が40億円の赤字だったところから3,075億円の黒字になりました。
最終的にいくら残ったかも見てみます。
| 会社 | 前年同期の最終利益 | 今期の最終利益 |
|---|---|---|
| ENEOS 5020 | △145億円 | 4,150億円 |
| 出光興産 5019 | 273億円 | 2,175億円 |
| コスモ 5021 | △20億円 | 840億円 |
ENEOSとコスモは赤字から黒字へ。出光は約8倍です。
なぜこんなに増えたのか。原油が上がったからです。
3社が決算で使っているドバイ原油の価格は、前の年の1バレル67ドルから96ドルへ。29ドル、率にして43%上がりました。為替も1ドル145円から159円へと円安が進んでいます。
3. 原油は、3か月のあいだに乱高下していました
ここで一つ、決算短信に書かれていた原油の動きを紹介します。ENEOSの記載です。
期初は1バーレル当たり109ドルから、中東情勢の緊迫化を背景に120ドルまで上昇しましたが、米国・イラン間の和平合意への期待やホルムズ海峡の正常化観測を受け下落し、期末は68ドルとなりました。期平均では前年同期比29ドル高の96ドルとなりました。
109ドルで始まり、120ドルまで上がって、68ドルで終わっています。3か月のあいだに、これだけ動いていました。
それでも3か月を平均すると96ドルで、前の年より29ドル高い。「平均は高かったが、終わりは安かった」というのが、この3か月の姿です。
この動きが、次に説明する数字に効いてきます。
4. ここで終わると、大事なことを見落とします
ENEOSの決算短信には、営業利益とは別に、もうひとつの数字が書かれています。
営業利益 4,826億円
在庫影響を除いた営業利益相当額 2,874億円
差は1,952億円。この1,952億円は、商売で稼いだお金ではありません。
在庫の評価額が変わっただけの、いわば帳簿の上の利益です。
つまりENEOSの営業利益4,826億円のうち、40.4%は実際の商売以外から出ていたことになります。
5. 「在庫影響」とは何なのか
出光の決算説明資料に、とても分かりやすい図が載っていました。仕組みはこうです。
原油は産油国で船に積んでから日本に届くまで、およそ1か月かかります。さらに石油備蓄法という法律で、70日分を備蓄しておく義務があります。
すると、こういうズレが生まれます。
- 3月に買った原油が、4月に届いて、製品になって売られる
- 決算に使う「原価」は、3月に買ったときの値段
- 売る値段は、4月の相場をもとに決まる
原油が上がっている局面では、安いときに買った原油を、高くなった相場で売ることになります。だから利益が膨らみます。これが「タイムラグ」です。
そして備蓄している70日分の在庫も、原油が上がれば評価額が上がります。これが「在庫影響」です。
ENEOSは決算短信で、在庫影響をこう定義しています。
総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響
大事なのは、これが逆にも動くということです。原油が下がれば、高いときに買った在庫を安い相場で売ることになり、同じ仕組みでマイナスが出ます。
実際、前の年の同じ時期は3社とも在庫影響がマイナスでした。
6. 3社で、在庫の効き方がまったく違いました
| 会社 | 在庫影響 | 前年同期 | 対象の利益 | 利益に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 出光興産 5019 | +1,666億円 | △505億円 | 営業利益3,075億円 | 54.2% |
| ENEOS 5020 | +1,952億円 | △848億円 | 営業利益4,826億円 | 40.4% |
| コスモ 5021 | +109億円 | △169億円 | 経常利益1,330億円 | 8.2% |
出光は利益の半分以上が在庫影響でした。
一方、コスモは8.2%しかありません。同じ原油高なのに、効き方が6倍以上違います。
なお、ここは注意が必要です。ENEOSと出光は営業利益、コスモは経常利益に対する割合です。会計のルールが違うため、開示している指標がそろっていません。それでも、差の大きさは十分に伝わると思います。
7. 在庫の分を除くと、伸び方はこう変わります
| 会社 | 指標 | 前年同期 | 今期 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| ENEOS 5020 | 営業利益(在庫影響除き) | 1,351億円 | 2,874億円 | +113% |
| 出光興産 5019 | 金融費用除き税引前利益(在庫影響除き) | 620億円 | 1,561億円 | +151.6% |
| コスモ 5021 | 経常利益(在庫影響除き) | 211億円 | 1,221億円 | +1,010億円 |
ENEOSで比べてみます。
- 見かけの営業利益:503億円 → 4,826億円で+859.5%(8.6倍)
- 在庫を除くと:1,351億円 → 2,874億円で+113%(2.1倍)
8.6倍が、2.1倍になりました。
2.1倍でも十分すごいのですが、8.6倍とは受ける印象がまるで違います。
8. そして、進捗率が異常です
第1四半期の利益が、会社が出している1年分の予想の何%まで来ているかを計算しました。
| 会社 | 第1四半期 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 出光興産 5019 | 2,175億円 | 750億円 | 290.0% |
| コスモ 5021 | 840億円 | 440億円 | 190.9% |
| ENEOS 5020 | 4,150億円 | 4,150億円 | 100.0% |
1年を4等分すれば25%です。
出光は290%。最初の3か月で、1年分の予想の3倍近くを稼いでしまいました。コスモも190.9%です。
そしてENEOSはぴったり100.0%。実際の数字は4,149億81百万円に対して予想が4,150億円ですから、ほぼ完全に一致しています。3か月で1年分をちょうど稼ぎ切った形です。
在庫の分を除くと、進捗率も変わります
同じ進捗率を、在庫影響を除いた利益で計算し直してみます。
| 会社 | 指標 | 第1四半期 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| コスモ 5021 | 当期純利益 | 763億円 | 400億円 | 190.8% |
| 出光興産 5019 | 当期利益 | 1,035億円 | 900億円 | 115.0% |
| ENEOS 5020 | 営業利益 | 2,874億円 | 5,900億円 | 48.7% |
ENEOSだけ、5割を切りました。
見かけの進捗率は100.0%でしたが、在庫の分を除くと48.7%です。1年を4等分すると25%ですから、48.7%は「順調に前倒し」といった水準になります。
出光も290.0%が115.0%まで下がりました。コスモはほとんど変わりません。もともと在庫影響が小さいためです。
9. なのに、3社とも予想を据え置きました
普通なら上方修正が出そうなところです。ところが3社とも決算短信の「業績予想の修正の有無」は「無」。5月に出した予想のままです。
しかも中身を見ると、出光とコスモは減益の予想を出したままです。
| 会社 | 通期の最終利益 予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| ENEOS 5020 | 4,150億円 | +60.4% |
| 出光興産 5019 | 750億円 | △57.4% |
| コスモ 5021 | 440億円 | △40.6% |
出光は第1四半期だけで2,175億円を稼いだのに、1年の予想は750億円。残りの9か月でマイナスが出ることを前提にしているということです。
10. 会社は理由をはっきり書いています
3社とも、説明資料に据え置きの理由を書いていました。
出光興産
4Qにかけて65$/バレルまで原油価格が下落する前提では、2-4Qでマイナスのタイムラグ発生/タイムラグに影響する期末の原油価格は不透明なため現時点では業績予想の修正は行わない
コスモ
第2四半期以降は中東情勢緊迫化後の原油の受入により負のタイムラグが発生することで、第1四半期のプラス影響は縮小していく想定。5月公表の通期計画は据え置く。
ENEOS
5月公表時の通期見通しの作成前提「中東情勢の影響は2026年4〜5月までに限定」に対し、現時点でも収束には至っていない中、海外製品市況高を主因に、第1四半期は想定を上回る進捗。年間を通じて、当要因によるプラス影響が残る
出光とコスモは、これから在庫影響がマイナスに転じると見ています。第1四半期に稼いだ分が、後から戻ってくるという読みです。
11. どのくらい振れるのか、会社が数字を出しています
各社は「原油や為替が動いたら利益がいくら変わるか」を開示しています。
ENEOS(2026年4月以降の営業利益への影響)
| 変動 | 在庫影響を除いた分 | 在庫影響 | 合計 |
|---|---|---|---|
| ドバイ原油 5ドル上昇 | +210億円 | +500億円 | +710億円 |
| 為替 5円の円安 | +150億円 | +200億円 | +350億円 |
出光興産(税引前利益への影響)
原油が10ドル上がり、為替が5円円安になった場合。
- 在庫影響を除くと:+200億円
- 在庫影響を含めると:+1,050億円
しかも会社は「逆符号の場合、同額の減益影響」と明記しています。下がれば同じだけマイナスが出ます。
在庫影響のほうが、実力ベースより5倍前後大きく振れる。ここが石油元売りの決算を読むうえで、いちばん大事なところだと思います。
12. ENEOSは、何で増えたのかを分解しています
ENEOSは在庫影響を除いた営業利益が1,351億円から2,874億円へ、1,523億円増えました。その内訳も開示しています。
| 要因 | 金額 |
|---|---|
| タイムラグ | +834億円 |
| 製油所トラブル改善、海外市況高ほか | +416億円 |
| その他 | +146億円 |
| 石油・天然ガス開発 | +116億円 |
| 機能材 | +64億円 |
| 電気・再生可能エネルギー | △53億円 |
| 合計 | +1,523億円 |
在庫影響を除いた数字なのに、タイムラグで834億円が乗っています。
つまりENEOSも、増益1,523億円のうち半分以上はタイムラグでした。製油所のトラブルが減ったこと、海外の製品市況が高かったことによる+416億円のほうが、本来の実力に近い部分といえます。
13. どの事業で稼いだのか(ENEOS)
営業利益を部門別に見ます。
| セグメント | 前年同期 | 今期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 石油製品ほか | 16億円 | 4,066億円 | +4,050億円 |
| (うち在庫影響) | △848億円 | 1,952億円 | +2,800億円 |
| (うち在庫影響を除く) | 864億円 | 2,114億円 | +145% |
| 石油・天然ガス開発 | 155億円 | 271億円 | +75% |
| 機能材 | 53億円 | 117億円 | +121% |
| 電気 | 80億円 | 27億円 | △66% |
| 再生可能エネルギー | 3億円 | 3億円 | ±0 |
| その他 | 196億円 | 342億円 | +74% |
| (うち金属) | 80億円 | 220億円 | +175% |
石油製品ほかが+4,050億円と、増益のほとんどを占めています。ただしそのうち2,800億円は在庫影響でした。
目立つのは電気の△66%です。5部門で唯一の減益でした。
金属が+175%と伸びているのも意外な発見でした。
14. どの事業で稼いだのか(出光興産)
出光は「在庫影響を除いた」ベースで部門別を出しています。
| セグメント | 前年同期 | 今期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 燃料油 | 317億円 | 1,272億円 | +955億円 |
| 基礎化学品 | △20億円 | 1億円 | +21億円 |
| 高機能材 | 172億円 | 145億円 | △27億円 |
| 電力・再生可能エネルギー | 10億円 | △13億円 | △23億円 |
| 資源 | 129億円 | 189億円 | +60億円 |
| 合計 | 620億円 | 1,561億円 | +940億円 |
ここで面白いのが燃料油の中身です。会社は+955億円の内訳をこう書いています。
- プラス:タイムラグ+987億円(前の年は△280億円 → 今年は+707億円)、トレーディング+158億円、製品輸出入+132億円
- マイナス:主燃料の数量減△57億円、主燃料のマージン△55億円、自家燃コストほか△210億円
在庫影響を除いた数字なのに、タイムラグで987億円が乗っています。
つまり増益955億円は、タイムラグ987億円がなければマイナスだった計算になります。売る量も、1本あたりの利幅も、実は減っていました。
15. どの事業で稼いだのか(コスモ)
コスモは経常利益で開示しています。
| セグメント | 経常利益 | 前年差 | 会社の説明 |
|---|---|---|---|
| 石油事業 | 1,180億円 | — | 在庫影響を除くと1,071億円(前年差+967億円) |
| 石油化学事業 | 72億円 | +101億円 | 期初在庫の影響により増益 |
| 石油開発事業 | 76億円 | △13億円 | 中東情勢緊迫化に伴う生産数量への影響で減益 |
| 再生可能エネルギー事業 | 3億円 | +1億円 | 新規サイトの運転開始により改善 |
石油開発事業は減益でした。理由は原油安ではなく、中東情勢の緊迫で生産量が減ったためだと会社は書いています。
なお、コスモの決算短信12ページには「在庫影響」という言葉が一度も出てきません。載っているのは決算説明資料のほうです。短信だけを見ると「開示していない」と誤解しそうな作りになっています。
16. 株価はどう動いたか
決算発表前の8月5日から、9月2日までを比べます。
| 対象 | 8月5日 | 9月2日 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 出光興産 5019 | 1,241円 | 1,462円 | +17.81% |
| コスモ 5021 | 3,753円 | 4,266円 | +13.67% |
| ENEOS 5020 | 1,283円 | 1,345円 | +4.83% |
| TOPIX | 4,046.17 | 4,081.60 | +0.88% |
| 日経平均 | 66,300.44 | 64,325.64 | △2.98% |
日経平均が2.98%下げるなかで、3社とも上がっています。TOPIXと比べても3社すべてが上回りました。
上がり方の順番も気になるところです。在庫影響の比率がいちばん高かった出光が、いちばん上がっています。ただし決算資料に株価の理由は書かれていないので、ここは事実の指摘にとどめます。
なお9月2日は全面安の日で、3社もそろって下げました。ENEOSは1,389.0円から1,345.0円、出光は1,482.5円から1,462.0円、コスモは4,353円から4,266円です。
17. 配当と指標
| 会社 | 今期の配当予想 | 配当利回り | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|
| コスモ 5021 | 165.00円 | 3.87% | 15.4倍 | 1.00倍 |
| ENEOS 5020 | 34.00円 | 2.53% | 8.6倍 | 0.95倍 |
| 出光興産 5019 | 36.00円 | 2.46% | 23.4倍 | 1.06倍 |
配当予想の修正は3社ともありません。ENEOSと出光は前期と同額の据え置きです。
コスモの配当については、注意が必要です。コスモは2025年10月1日に1株を2株にする株式分割をしています。短信の配当欄は前期が「第2四半期末150円、期末90円、合計-」という表示になっていて、会社自身が合計を「-」としています。分割の前と後の金額が混ざっているためです。分割後にそろえると前期も165円相当で、今期は据え置きになります。
指標では、ENEOSのPER8.6倍が目を引きます。3社でいちばん低い水準です。出光は23.4倍と高く見えますが、これは通期の予想が△57.4%の減益になっているためです。予想の利益が小さいほどPERは高く出ます。
コスモのPBRはちょうど1.00倍でした。株価4,266円に対して1株当たりの純資産が約4,263円です。
財務の安全性も見ておきます。
| 会社 | 自己資本比率 | 前期末 |
|---|---|---|
| ENEOS 5020 | 38.9% | 37.1% |
| 出光興産 5019 | 27.2% | 27.8% |
| コスモ 5021 | 26.5% | 27.6% |
ENEOSだけが1.8ポイント改善しています。
18. これから何を見るか
1. 原油がどこへ行くか
会社が置いている前提は、出光が第4四半期で1バレル65ドル、コスモが通期平均89ドルです。2026年9月2日時点のWTIは90ドル。会社の前提より高い水準にあります。
ただしWTIとドバイ原油は別の指標です。3社が決算で使っているのはドバイのほうなので、そのまま当てはめることはできません。
2. 在庫影響がマイナスに転じるか
出光とコスモは、第2四半期以降にマイナスのタイムラグが出ると見ています。ここが実際どうなるかが最大の焦点です。
3. 3社が予想を修正するか
進捗率は出光290.0%、コスモ190.9%、ENEOS100.0%。それでも据え置いています。第2四半期の決算でどう動くかを見たいところです。
4. ENEOSの電気事業が戻るか
5部門で唯一の減益(△66%)でした。
5. 出光の燃料油が、タイムラグ以外で稼げるか
今回はタイムラグ987億円に支えられました。売る量も利幅も減っています。
まとめ
石油元売り3社の決算を見てきました。
営業利益はENEOSが8.6倍、コスモが15.9倍、出光は赤字から黒字。数字だけ見れば絶好調です。
でも在庫の影響を除くと、ENEOSは8.6倍から2.1倍になりました。そして在庫影響が利益に占める割合は、出光54.2%、ENEOS40.4%、コスモ8.2%と、同じ原油高なのに6倍以上の開きがありました。
3社とも第1四半期で1年分を稼ぎ切っています。出光290.0%、コスモ190.9%、ENEOSはぴったり100.0%。それでも3社とも予想を据え置き、出光とコスモは減益予想のままです。
理由は会社が書いていました。この利益は「時間のズレ」が生んだもので、原油が下がれば同じ仕組みで逆に出るからです。会社の感応度を見ると、在庫影響のほうが実力ベースより5倍前後大きく振れます。
株価は決算発表前から出光+17.81%、コスモ+13.67%、ENEOS+4.83%。日経平均が△2.98%のなかで、3社とも日経平均・TOPIXの両方を上回りました。
第1四半期は3か月分です。通期の姿はこれから変わります。この記事の数字は2026年9月2日終値時点のものです。投資の判断はご自身でお願いします。
情報基準日:2026年9月2日終値
出典:各社2027年3月期第1四半期決算短信および決算説明資料、株探