※この記事は各行の決算資料をもとにした情報提供です。投資の判断はご自身でお願いします。
※情報基準日:2026年9月4日終値。決算の数字は各行の2027年3月期 第1四半期(2026年4月〜6月)です。
『会社四季報 業界地図 2027年版』の「流通系・ネット銀行」のページを開くと、こんな見出しがあります。
「新規参入増え競争激化。日銀借入金に代わる預金調達が課題に」
日銀(にちぎん)からの借入(かりいれ)に代わって、預金を自分で集めなければいけない。それが課題だ、と書いてあります。
では、それはもう決算の数字に出ているのでしょうか。ネット銀行と流通系銀行、あわせて7行の最新決算を、銀行ごとの一次資料で開いてみました。
そうしたら、見出しどおりのことが、もう数字に出ていました。ただし、想像していたのとは少し違う形で。
1. まず結論
- 預金の多い4行が、この3か月で合計1兆6,509億円の借用金(しゃくようきん)を減らしていました。楽天銀行△5,780億円、auじぶん銀行△7,000億円、ドコモSMTBネット銀行△2,531億円、大和ネクスト銀行△1,198億円です
- 代わりに預金を積みました。7行合計で約1兆3,400億円増えています
- ただし、預金に払う利息は跳ね上がりました。楽天銀行は1.92倍、auじぶん銀行は1.79倍、ドコモSMTBネット銀行は1.59倍です
- それでも、金利で稼ぐもうけ(資金利益)は7行すべてで増えました
- ただし楽天銀行は、「実質ゼロコストの日銀借入を原資とした運用益」が利益を一時的に押し上げていると自ら開示しています。2026年3月期で税引後101.9億円、1株利益で58.4円分。2029年3月期以降に消える見込みです
- 純利益が減ったのは3行。ドコモSMTBネット銀行△3.2%、auじぶん銀行△16.1%、イオン銀行△99.4%。減った理由は金利ではなく、手数料と経費でした
- 株として直接買えるのは楽天銀行(5838)とセブン銀行(8410)の2社だけ。しかも楽天銀行は無配です
2. なぜこの7行なのか
先に、どうやって7行を選んだかを書いておきます。「なぜあの銀行がないのか」と思われそうなので。
業界地図のページには14の銀行が載っています。このうち、株式を上場しているのは楽天銀行とセブン銀行の2社だけです。それ以外は、通信会社や証券会社、ネット企業の傘下(さんか)にある非上場の銀行です。
ふつうなら「2社しかないなら比較にならない」で終わるところです。ところが調べてみると、非上場の銀行も、自社のサイトで四半期ごとの決算を出しています。しかも様式は上場会社の決算短信とほぼ同じで、経常収益・経常利益・純利益、貸借対照表、損益計算書がそろっています。これなら横に並べられます。
そこで、預金残高の上位6行に、上場しているセブン銀行を加えた7行を対象にしました。上位6行のうち四半期の決算が取れなかった銀行はありません。
| 銀行 | 預金残高(業界地図・2026年3月末) | 上場 | 今回 |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 12兆9,644億円 | ○ 5838 | 対象 |
| ドコモSMTBネット銀行 | 11兆0,498億円 | ×(旧 住信SBIネット銀行) | 対象 |
| auじぶん銀行 | 5兆7,145億円 | × | 対象 |
| イオン銀行 | 5兆4,123億円 | × | 対象 |
| 大和ネクスト銀行 | 5兆0,637億円 | × | 対象 |
| ソニー銀行 | 4兆7,115億円 | × | 対象 |
| PayPay銀行 | 2兆7,735億円 | × | 四半期の決算資料がなく除外 |
| オリックス銀行 | 2兆4,999億円 | × | 大和ネクスト銀行が2026年8月3日に買収完了。今回は扱わない |
| GMOあおぞらネット銀行 | 1兆3,151億円 | × | 上位6行と上場2社に絞ったため対象外 |
| セブン銀行 | 9,047億円 | ○ 8410 | 対象 |
※預金残高は『会社四季報 業界地図 2027年版』の記載(単体ベース)です。業界の全体像を見るための二次資料として使い、各行の決算の数字はすべて一次資料から取り直しています。
外した理由も書いておきます。
- PayPay銀行:サイトにあるのは年度と中間期のディスクロージャー誌だけで、第1四半期の決算資料が見つかりませんでした。四半期の比較には入れられません。ただし2026年4月に「1,000万口座突破」、6月に「円定期預金1年もの 税引後でも年1.0%」のキャンペーンを開示しており、預金を集める競争そのものからは降りていません
- オリックス銀行:大和証券グループ本社と大和ネクスト銀行が2026年8月3日に「オリックス銀行の全株式取得を完了」と開示しています。取得価額は3,700億円。業界地図には「26年10月までに」とありますが、前倒しで終わっていました。大和ネクスト銀行の第2四半期から連結に入るため、今回の第1四半期の数字には出ていません
- UI銀行・みんなの銀行・01銀行:預金残高がそれぞれ8,059億円、468億円、3億円と小さく、みんなの銀行は純利益△51億円、01銀行は△19億円の赤字です(業界地図の記載)。新規参入した銀行は、まず赤字から始まります
上場している2社は、時価総額(9月4日・株探)が楽天銀行1兆1,619億円、セブン銀行4,013億円で、いずれも1,000億円以上です。非上場の銀行には時価総額がないので、この基準は当てはめていません。
3. 比較の前提
会計基準は7行とも日本基準です。期間も全行、2026年4月〜6月の3か月でそろっています。
ただし、連結か単体かは行によって違います。
| 銀行 | 決算資料 | 連結/単体 | 公表日 |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 第1四半期決算短信 | 連結 | 8月6日 |
| ドコモSMTBネット銀行 | 第1四半期 連結財務諸表の概要 | 連結 | 8月6日 |
| auじぶん銀行 | 第1四半期財務諸表の概要 | 単体 | 8月7日 |
| 大和ネクスト銀行 | 第1四半期 財務諸表の概要 | 単体 | 8月3日 |
| ソニー銀行 | 第1四半期 決算の概要 | 非連結 | 8月10日 |
| イオン銀行 | 第1四半期 財務諸表の概況 | 連結(比較は単体) | 8月12日 |
| セブン銀行 | 第1四半期決算短信 | 連結 | 8月7日 |
イオン銀行だけ注意が必要です。今期から四半期の連結決算を作り始めたため、連結には前年の数字がありません。そこで、イオン銀行は資料に載っている単体の数字で前年と比べます。会社の範囲は前年と同じです(前年の貸借対照表にも割賦売掛金があり、親会社が2026年に行った合併・分割はイオン銀行を当事者としていません)。
もうひとつ。この記事で「資金利益」と呼んでいるのは、資金運用収益から資金調達費用を引いたものです。貸し出しや債券で受け取る利息から、預金や借入で払う利息を引いた、「金利で稼いだもうけ」のことです。7行を同じ式で計算しています。
4. 日銀の「貸出増加支援資金」とは何か
業界地図が言っている「日銀借入金」の正体を先に押さえておきます。
日本銀行には「貸出支援基金」という仕組みがあり、その中に「貸出増加を支援するための資金供給」があります。銀行が貸し出しを増やすと、日銀が低い金利でお金を貸してくれる制度です。楽天銀行はこれを「実質ゼロコスト」の借入と表現しています。ネット銀行はこれを使って、預金を集めなくても貸し出しを伸ばせていました。
それが終わりました。日銀は2025年1月の金融政策決定会合で、この資金供給を「円滑に終了する」ために基本要領を改正。2025年10月10日の実施スケジュールには、こう書かれています。
2025年12月借り換えをもって、経過措置としての借り換えも含めた貸付を終了します。
2025年12月11日の実施結果には「新規貸付は終了済」と注記があり、この最後の借り換え分の返済期日は2026年12月14日です。12月時点の貸付残高は、全国の金融機関あわせて53兆5,328億円(116先)でした。
制度そのものは、日銀の2025年1月の決定で2028年3月31日をもって廃止されます(基本要領の附則に「令和10年3月31日をもって廃止する」)。それまでに全額が返済される仕組みです。
つまり、もう新しく借りることはできず、期日が来たら返すだけの局面です。返すお金は、預金で用意するか、資産を減らすしかありません。
ここまでが前提です。ここから決算の数字に入ります。
5. 借用金が減り、預金が増えた
各行の貸借対照表で、2026年3月末と6月末の「借用金」と「預金」を並べました。
| 銀行 | 借用金 3月末→6月末 | 増減 | 預金 3月末→6月末 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 2兆8,125億→2兆2,345億円 | △5,780億円 | 13兆0,468億→13兆5,415億円 | +4,947億円 |
| ドコモSMTBネット銀行 | 1兆4,067億→1兆1,536億円 | △2,531億円 | 11兆0,477億→11兆4,995億円 | +4,518億円 |
| auじぶん銀行 | 2兆0,599億→1兆3,599億円 | △7,000億円 | 5兆7,145億→5兆8,222億円 | +1,077億円 |
| 大和ネクスト銀行 | 8,324億→7,126億円 | △1,198億円 | 5兆0,637億→5兆3,085億円 | +2,448億円 |
| ソニー銀行 | 5,202億→5,201億円 | △1億円 | 4兆7,115億→4兆7,515億円 | +400億円 |
| イオン銀行(単体) | 1,768億→2,546億円 | +778億円 | 5兆4,123億→5兆3,980億円 | △143億円 |
| セブン銀行 | 135億→106億円 | △29億円 | 8,752億→8,930億円 | +178億円 |
借用金がいちばん減ったのはauじぶん銀行の7,000億円。3か月で借用金の34%を返した計算です。楽天銀行の5,780億円がそれに続きます。
楽天銀行は、この借用金が何なのかを短信に書いています。
借用金は、日本銀行の貸出増加を支援するための資金供給、気候変動対応を支援するための資金供給を活用しているものですが、前連結会計年度末比578,000百万円減の2,234,500百万円となりました。
楽天銀行は6月9日の開示で、このうち貸出増加支援資金の分が2026年3月末で2.58兆円、2027年3月末には0.98兆円まで減り、2028年3月期末で完済する予定と説明しています。なお、同じ日銀の資金供給でも「気候変動対応を支援するための資金供給」は続いていて、2026年7月にも実施されています。楽天銀行の借用金にはこの分も含まれます。
他の行は四半期の資料に借用金の内訳を書いていないので、この記事では「借用金」とだけ呼びます。ただ、日銀の制度が返済局面に入ったのと同じ3か月に、預金上位4行がそろって借用金を大きく減らしているのは事実です。
そして、預金は増えています。楽天銀行が+4,947億円、ドコモSMTBネット銀行が+4,518億円。7行を合計すると約1兆3,400億円の増加です。
例外はイオン銀行で、7行で唯一、預金が減り、借用金が増えました。貸借対照表を見ると、割賦(かっぷ)売掛金という、分割払いの債権が9,312億円から1兆1,421億円へ2,108億円増えています。
6. 預金に払った利息は倍になった
ここからが業界地図の見出しの核心です。預金を集めるのは、タダではありません。
各行の損益計算書にある「預金利息」を、前年の同じ3か月と比べました。
| 銀行 | 預金利息 前年→今年 | 倍率 |
|---|---|---|
| 楽天銀行 | 77.2億→148.3億円 | 1.92倍 |
| auじぶん銀行 | 62.1億→111.5億円 | 1.79倍 |
| ドコモSMTBネット銀行 | 92.4億→147.1億円 | 1.59倍 |
| イオン銀行(単体) | 43.0億→60.1億円 | 1.40倍 |
| 大和ネクスト銀行 | 87.3億→119.0億円 | 1.36倍 |
| ソニー銀行 | 109.3億→115.6億円 | 1.06倍 |
| セブン銀行 | 3.4億→6.3億円 | 1.83倍 |
預金の多い3行は、払う利息がほぼ倍です。楽天銀行は短信に「2026年2月に実施した当行普通預金金利の引き上げによる預金利率の上昇」と理由を書いています。単体の預金利回りは前年同期の0.24%から0.42%へ上がりました。
ドコモSMTBネット銀行も、預金等利回りが0.29%から0.46%へ。「預金残高の増加及び預金金利の引き上げによる資金調達費用の増加」と資料にあります。
預金の額が増えて、しかも1円あたりの値段も上がった。だから利息が倍になっています。
ひとつ、様子が違うのがソニー銀行です。預金利息が+5.8%しか増えていません。ソニー銀行は預金4兆7,515億円のうち7,617億円が外貨預金で、もともと払う利息が高い構造でした。日本の金利が上がっても、上がり方が小さかったことになります。
7. それでも、金利のもうけは7行すべてで増えた
ここが、この記事でいちばん意外だったところです。
預金の利息が倍になったのなら、金利のもうけは減っていそうなものです。ところが、資金利益(資金運用収益−資金調達費用)は7行すべてでプラスでした。
| 銀行 | 資金運用収益の増加 | 資金調達費用の増加 | 資金利益 前年→今年 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | +194.8億円 | +82.8億円 | 325.4億→437.5億円 | +34.4% |
| ソニー銀行 | +52.2億円 | +6.6億円 | 129.7億→175.4億円 | +35.2% |
| ドコモSMTBネット銀行 | +118.7億円 | +77.2億円 | 142.6億→184.1億円 | +29.1% |
| 大和ネクスト銀行 | +61.5億円 | +30.2億円 | 117.2億→148.6億円 | +26.7% |
| auじぶん銀行 | +91.3億円 | +70.3億円 | 118.9億→140.0億円 | +17.7% |
| セブン銀行 | +8.0億円 | +3.3億円 | 31.8億→36.4億円 | +14.6% |
| イオン銀行(単体) | +31.3億円 | +19.9億円 | 228.7億→240.0億円 | +5.0% |
理由は単純で、受け取る利息のほうが、払う利息より大きく増えたからです。楽天銀行は資金運用収益が+194.8億円、資金調達費用が+82.8億円。日銀の政策金利が上がって、貸出金や債券の利回りが上がりました。楽天銀行の単体の貸出金利回りは1.76%から2.04%、資金運用利回りは1.16%から1.50%です。
ただ、伸び方には差があります。楽天銀行とソニー銀行は運用の伸びが調達の伸びの2倍以上。auじぶん銀行は+91.3億円に対して+70.3億円で、差が小さい。イオン銀行は+5.0%にとどまりました。
業界地図が「預金調達コストが利ザヤを圧迫する」と書いているのは、この差が縮まっていく心配です。第1四半期の時点では、まだ全行で資金利益が増えている。ここは正確に押さえておきたいところです。
ただし、注意点があります。楽天銀行は6月9日の開示で、こう書いています。
当行の足元の利益には、日本銀行からの低利借入(実質ゼロコスト)を原資とした運用益による一時的な利益の押し上げが含まれています。
金額も出ています。2026年3月期で税引後101.9億円、2027年3月期の予想で92.7億円、2028年3月期で24.2億円。返済が進むにつれて減り、2029年3月期以降には消えるとのことです。資金利益が増えているのは、まだゼロコストの借入が残っているからでもあります。楽天銀行の借用金2兆2,345億円は、そういう意味で「これから減っていくもうけの元」です。他の6行は、同じような試算を開示していません。
8. 決算の一覧。純利益は4行が増え、3行が減った
7行の経常収益・経常利益・純利益です。
| 銀行 | 経常収益 | 前年比 | 経常利益 | 前年比 | 純利益 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 784.2億円 | +36.3% | 302.0億円 | +26.1% | 209.6億円 | +24.5% |
| セブン銀行 | 568.5億円 | +6.6% | 108.0億円 | +63.4% | 65.8億円 | +57.1% |
| ドコモSMTBネット銀行 | 529.1億円 | +28.1% | 77.2億円 | △1.8% | 53.5億円 | △3.2% |
| 大和ネクスト銀行 | 394.5億円 | +54.0% | 72.6億円 | +66.7% | 49.8億円 | +64.6% |
| ソニー銀行 | 357.4億円 | +17.7% | 55.7億円 | +87.0% | 34.6億円 | +81.7% |
| auじぶん銀行 | 359.4億円 | +27.4% | 18.8億円 | △15.4% | 12.5億円 | △16.1% |
| イオン銀行(単体) | 629.6億円 | +13.6% | 0.4億円 | △96.9% | 7百万円 | △99.4% |
経常収益は7行すべて増収です。しかもドコモSMTBネット銀行が+28.1%、auじぶん銀行が+27.4%と、楽天銀行の+36.3%に近い伸びです。
それなのに純利益は、楽天銀行+24.5%、ドコモSMTBネット銀行△3.2%、auじぶん銀行△16.1%に割れました。イオン銀行は単体の純利益が11.5億円から7百万円へ、ほぼ消えています。
なお、大和ネクスト銀行の+64.6%は、そのまま実力とは読めません。損益計算書の「その他経常収益」が前年の0.3億円から82.0億円に増え、「その他業務費用」も25.3億円から95.2億円に増えていて、この2つの中身が四半期の資料に書かれていないからです。親会社の大和証券グループ本社は、この銀行の収益を「為替差損益やデリバティブを含む有価証券売買関連損益等」まで含めて管理していると注記しているので、市場の値動きに関わる項目とみられますが、内訳は開示されていません。金利のもうけ(資金利益)だけを見れば+31.3億円、+26.7%です。
9. 減益の3行は、何で減ったのか
金利のもうけは全行で増えていました。では減益の3行は何で減ったのか。損益計算書を分解すると、金利以外の場所でした。
ドコモSMTBネット銀行は、連結の資金利益が+41.5億円でした。ところが役務(えきむ)取引等利益、つまり手数料の収支が30.2億円から9.2億円へ△20.9億円。営業経費も+16.3億円増えました。会社の資料はこう説明しています。
貸出金に係る団体信用生命保険料、保証料やネオバンク提携先への支払手数料といった役務取引等費用の増加の他、営業経費の増加によるものです。営業経費は、広告宣伝費や継続的なシステム投資に係るシステム関連費用が増加しております。
その結果、経常利益は△1.4億円の77.2億円でした。
auじぶん銀行は、資金利益が+21.0億円。一方で役務取引等収益が75.0億円から50.0億円へ△24.9億円、役務取引等費用は+6.4億円。手数料の収支だけで31.4億円悪化しています。四半期の資料に理由の説明はありません。
イオン銀行(単体)は、資金利益が+11.3億円。それに対して役務取引等費用が+31.0億円、その他業務費用が4.1億円から35.9億円へ+31.7億円。この2つで資金利益の増加分を大きく上回りました。こちらも四半期の資料に理由の記載はありません。
まとめると、こうなります。
| 銀行 | 資金利益の増減 | 手数料の収支の増減 | 営業経費の増減 | 経常利益の増減 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモSMTBネット銀行 | +41.5億円 | △20.9億円 | +16.3億円(費用増) | △1.4億円 |
| auじぶん銀行 | +21.0億円 | △31.4億円 | △0.6億円(費用減) | △3.4億円 |
| イオン銀行(単体) | +11.3億円 | △10.7億円 | +4.3億円(費用増) | △14.5億円 |
「預金の値段が上がって減益」ではなく、「預金の値段は上がったが金利では稼げていて、手数料と経費で減った」。これが3行の減益の中身です。
ここから1行ずつ見ていきます。
10. 楽天銀行:上方修正、無配、そして10月に楽天カードと楽天証券の親会社へ
楽天銀行は経常収益784.2億円(+36.3%)、純利益209.6億円(+24.5%)。口座数は1,846万口座、単体の預金残高は13兆3,656億円で、前年同期の11兆7,282億円から+14.0%です。
内訳で目を引くのは定期預金です。単体の定期預金が1兆0,925億円から2兆2,416億円へ、1年で2.05倍になりました。普通預金は+4.7%なので、増えた預金の多くは金利の高い定期預金です。「円定期預金に特別金利を適用する『夏のボーナスキャンペーン』を実施」と短信にあります。
8月6日には通期予想を上方修正しました。純利益は813.2億円から881.4億円(前期比+20.6%)へ、+8.3%の引き上げです。理由は「本年6月に国内政策金利の利上げが実施されたことを主因に、資金運用収支が当初の予想を上回る見通しとなったため」。第1四半期の進捗率(しんちょくりつ)は23.8%です。
配当は、2026年3月期が0円、2027年3月期の予想も0円。楽天銀行は無配です。代わりに株主優待があり、2026年9月末基準で100株以上を持つ株主に、円定期預金の金利を年0.25%〜最大1.00%上乗せする内容を8月24日に発表しています。
もうひとつ、大きな話があります。2026年10月1日に、楽天銀行が楽天カードと楽天証券ホールディングスの親会社になります。「株式交付」という方法で、楽天銀行が新しく種類株式(しゅるいかぶしき)を2億3,089万株発行し、楽天グループとみずほ銀行に渡す形です。希薄化(きはくか)の比率は132.32%と開示されています。同じ日に、みずほ銀行が楽天銀行の主要株主になります。
注意点は、通期予想に、この再編が織り込まれていないことです。5月20日の開示に「本再編による影響を織り込んでおりませんが、本再編関連費用2,908百万円のみを仮置きにて含んでおります」とあり、8月6日の修正開示にも再編への言及はありません。1株あたり利益505.10円も再編前の株数で計算した数字なので、PERを見るときはこの点を頭に入れておく必要があります。
6月9日の開示には、再編後の1株利益の見通しも出ています。2030年3月期に経常利益4,000億円以上を目標とし、その場合の1株利益は約640円(再編後の発行済株式数4億539万株で計算、政策金利の上昇は織り込まず)。一方で、2026年3月期の実績418.76円のうち58.4円は日銀借入による押し上げ分で、「本来の収益力ベース」では360.3円だと会社自身が示しています。収益の構成も、金利75%:非金利25%から、再編後は概ね55%:45%になる見込みとしています。
11. ドコモSMTBネット銀行:預金2位、増収28%で減益
ドコモSMTBネット銀行は、この1年で名前も親会社も変わった銀行です。もとは住信SBIネット銀行で、東証スタンダードに上場していました。NTTドコモがTOB(ティーオービー=株式公開買い付け)を実施し、2025年9月に上場廃止、10月にNTTの連結子会社になりました。12月に三井住友信託銀行への第三者割当増資を実施し、2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更。個人向けの新ブランド「ドコモの銀行」も始めています。
決算は経常収益529.1億円(+28.1%)、純利益53.5億円(△3.2%)。預金は11兆4,995億円で、3か月で+4,518億円。貸出金も住宅ローンを中心に+2,465億円の10兆8,171億円です。
金利のもうけは伸びています。単体の資金運用利回りは0.77%から1.02%、預金等利回りは0.29%から0.46%。差し引きの総資金利鞘(りざや)は0.11%から0.14%へ広がりました。
減益の理由は、前の章で見たとおり手数料の収支と経費です。前年の同じ時期は住信SBIネット銀行の名前だった期間なので、社名変更と減益を結びつけて考えるのは早計です。数字として見えているのは、資金利益+41.5億円を、役務取引等利益△20.9億円と営業経費+16.3億円が食ったということまでです。
12. auじぶん銀行:借用金を7,000億円返して、減益
auじぶん銀行はKDDIの金融子会社、auフィナンシャルホールディングスの傘下です。2025年1月にKDDIがauフィナンシャルホールディングスを完全子会社にしています。
第1四半期は、経常収益359.4億円(+27.4%)、経常利益18.8億円(△15.4%)、純利益12.5億円(△16.1%)。
貸借対照表の動きが7行でいちばん大きい銀行です。借用金を2兆0,599億円から1兆3,599億円へ7,000億円減らし、総資産も8兆5,458億円から8兆1,248億円へ△4,210億円。貸出金△1,595億円、現金預け金△3,106億円と、資産を減らして返済に充てた形です。預金は+1,077億円でした。
預金利息は62.1億円から111.5億円へ1.79倍。それでも資金利益は+21.0億円と増えました。減益になったのは役務取引等収益が△24.9億円と落ちたためで、業務粗利益は113.8億円から105.0億円へ△7.7%です。四半期の資料には要因の説明がありません。親会社のKDDIは決算説明会資料で、金融事業について「1Q減益は想定通り」「預金増強と時価評価損影響」と説明し、「auじぶん銀行 預金残高 前年比1.2倍」と書いています。ただしこれはKDDIの金融事業全体の話で、auじぶん銀行の手数料収入が減った理由の説明ではありません。
13. ソニー銀行:預金の利息はほぼ横ばい。増益87%
ソニー銀行は、2025年9月に東証プライムに上場したソニーフィナンシャルグループの銀行です。
第1四半期は経常収益357.4億円(+17.7%)、経常利益55.7億円(+87.0%)、純利益34.6億円(+81.7%)。増益率は7行でトップですが、前年の同じ時期が経常利益△51.3%と落ち込んでいたので、その反動が入っています。
数字の形が他の行と違います。預金は4兆7,515億円で+400億円と増え方は小さく、借用金は5,202億円から5,201億円でほぼ動いていません。預金利息は109.3億円から115.6億円で+5.8%。日銀への返済も、預金の利息の急増も、ソニー銀行には見えません。
理由は預金の中身です。円預金3兆9,898億円に対して外貨預金が7,617億円。ソニーフィナンシャルグループの資料によると、外貨預金の預金利回りは2.9%前後で、円預金の0.61%より高い水準を前から払っていました。円の金利が上がっても、全体の預金コストへの影響が小さかったわけです。
一方で運用側は+52.2億円伸びたので、資金利益は+35.2%。7行でいちばん高い伸びです。口座数は218万、投資信託残高は4,035億円で+626億円でした。
14. イオン銀行:純利益がほぼ消えた
イオン銀行はイオンフィナンシャルサービスの傘下です。イオンやイオンモールなど全国175店舗に窓口を持ち、ATM(エーティーエム)は6,802台です(業界地図)。
単体の第1四半期は、経常収益629.6億円(+13.6%)に対して、経常利益0.4億円(△96.9%)、純利益7百万円(△99.4%)。前年の同じ時期の純利益11.5億円が、ほぼ消えました。
資金利益は+11.3億円と増えています。減った場所は役務取引等費用+31.0億円と、その他業務費用+31.7億円。四半期の資料に理由の記載はありません。
親会社のイオンフィナンシャルサービスの第1四半期短信(2026年3〜5月)には、イオン銀行が2026年3月1日に円預金、5月1日にローンの店頭表示金利を改定し、定期預金キャンペーンや、WAON POINTを上乗せする1か月定期を4月から始めたこと、それでも預金残高は5月末時点で期首から631億円減ったことが書かれています。費用が増えた理由の説明はありません。
貸借対照表では、7行で唯一、預金が△143億円と減り、借用金が+778億円と増えました。同時に割賦売掛金が+2,108億円増えています。預金で賄えない分を借入で調達した形に見えますが、資料に説明はないので、数字の並びとして書くにとどめます。
なお、イオン銀行は今期から四半期の連結決算を作っており、連結では経常収益637.4億円、純利益2.9億円です。
15. セブン銀行:上方修正の中身は、ATMの耐用年数
セブン銀行は、他の6行とは商売の形が違います。預金で貸すのではなく、セブン-イレブンを中心に置いたATMの手数料で稼ぐ銀行です。経常収益568.5億円のうち、ATM受入手数料が419.3億円を占めます。
第1四半期は経常利益108.0億円(+63.4%)、純利益65.8億円(+57.1%)。8月7日に通期予想も上方修正し、純利益は170億円から200億円(前期比+48.4%)になりました。
ただし、この上方修正には会計上の理由があります。短信にこう書いてあります。
ATMは耐用年数を5年として減価償却を行ってきましたが、第4世代ATMへの全台の入替えに伴い使用実態及び将来の利用見込みの検討を行ったところ、従来の耐用年数と経済的使用可能期間との乖離が明らかになりました。
耐用年数(たいようねんすう)を5年から7年に延ばした結果、第1四半期の減価償却(げんかしょうきゃく)費が10.7億円減りました。上方修正の理由も、この変更です。
では本業は伸びていないのかというと、そうでもありません。減価償却の効果を除いても経常利益は97.2億円で、前年比+47.2%です。ATM設置台数は28,614台(+1.8%)、総利用件数は2億8,600万件(+2.9%)。2026年6月からはファミリーマートへの設置も始めました。
セグメント別では海外事業が2.6億円から11.8億円へ4.4倍。米国が経常利益10.6億円、フィリピン1.3億円、インドネシア0.3億円です。国内事業は67.2億円から97.2億円、クレジットカード・電子マネー事業は△3.7億円から△0.5億円に赤字が縮みました。
配当は年11円で据え置き。9月4日終値340.3円で利回り3.23%です。
16. 通期予想と進捗率
通期予想を出しているのは、上場している2社です。
| 会社 | 通期純利益予想 | 前期比 | 修正 | 第1四半期の進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 881.4億円 | +20.6% | 8月6日に上方修正(813.2億円から) | 23.8% |
| セブン銀行 | 200.0億円 | +48.4% | 8月7日に上方修正(170.0億円から) | 32.9% |
楽天銀行は6月の利上げが理由、セブン銀行はATMの耐用年数の変更が理由。同じ「上方修正」でも中身は正反対です。
非上場の5行は四半期の資料に通期予想を載せていません。ソニー銀行については、親会社のソニーフィナンシャルグループが銀行事業の修正純利益の見通しを150億円(前年比+17.2%)で据え置いています。
17. 株価は楽天銀行が+21.65%
決算の発表日が8月3日から8月12日までばらついているので、全行の発表前の7月31日から、直近の9月4日までで比べました。
| 7月31日終値 | 9月4日終値 | 騰落率 | |
|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 5,473円 | 6,658円 | +21.65% |
| セブン銀行 | 318.6円 | 340.3円 | +6.81% |
| TOPIX | 4,003.30 | 4,103.23 | +2.50% |
| 日経平均 | 64,362.02円 | 65,020.94円 | +1.02% |
楽天銀行は同じ期間の日経平均の20倍以上、TOPIXの8倍以上の上昇です。上方修正や10月の再編が意識された可能性はありますが、株価は相場全体・金利・需給などいろいろな材料で動くので、決算だけが理由とは言い切れません。
18. PER・PBR・配当利回り
| 会社 | 株価 | 予想EPS | PER | 1株純資産 | PBR | 年間配当 | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽天銀行 | 6,658円 | 505.10円 | 13.18倍 | 2,250.5円 | 2.96倍 | 0円 | 0.00% |
| セブン銀行 | 340.3円 | 17.12円 | 19.88倍 | 240.3円 | 1.42倍 | 11円 | 3.23% |
PER(ピーイーアール)は株価を会社予想の1株利益で割った値、PBR(ピービーアール)は株価を1株あたり純資産で割った値です。1株純資産は短信の自己資本を発行済株式数(自己株式を除く)で割って計算しました。
楽天銀行のPBR2.96倍は、銀行としてはかなり高い水準です。ただし前の章で書いたとおり、10月1日の株式交付で株数が大きく変わるので、この数字は9月時点のものと考えてください。
直接買えない5行は、親会社を通じて持つことになります。
| 銀行 | 親会社(コード) | 親会社の時価総額 |
|---|---|---|
| ドコモSMTBネット銀行 | NTT(9432)/三井住友トラストグループ(8309) | 15兆6,290億円/5兆342億円 |
| auじぶん銀行 | KDDI(9433) | 11兆9,462億円 |
| 大和ネクスト銀行 | 大和証券グループ本社(8601) | 2兆9,300億円 |
| ソニー銀行 | ソニーフィナンシャルグループ(8729) | 1兆1,178億円 |
| イオン銀行 | イオンフィナンシャルサービス(8570) | 3,514億円 |
ただし、親会社の株価にとって銀行は一部門です。NTTの時価総額15兆円の中で、ドコモSMTBネット銀行の純利益53.5億円がどれだけの重さかを考えると、「ネット銀行に投資したくて親会社を買う」のは筋が違います。
19. これから何を見るか
- 借用金の残り:楽天銀行2兆2,345億円、auじぶん銀行1兆3,599億円、ドコモSMTBネット銀行1兆1,536億円。返済期日はどこまで来ているか、次の四半期でどれだけ減るか
- 預金利回りの上がり方:楽天銀行0.42%、ドコモSMTBネット銀行0.46%。ここが運用利回りの伸びを追い越したら、資金利益が減り始めます
- 定期預金の比率:楽天銀行は1年で定期預金が2倍。キャンペーン金利で集めた預金は、満期が来たら出ていく可能性があります
- 減益3行の手数料:ドコモSMTBネット銀行の役務取引等利益、auじぶん銀行の役務取引等収益、イオン銀行のその他業務費用。今回は理由の開示がないので、中間決算の説明を待ちます
- 楽天銀行の押し上げ効果の減り方:会社の試算で2027年3月期92.7億円、2028年3月期24.2億円。借用金の返済が進むほど、資金利益の伸びは鈍ります
- 楽天銀行の再編後の株数:10月1日以降、1株利益とPBRは計算し直しになります
- 大和ネクスト銀行のオリックス銀行連結:第2四半期から取り込まれます。預金と貸出金がどれだけ増えるか
- PayPay銀行の預金:四半期開示がないため、中間期のディスクロージャー誌で「1年定期 税引後1.0%」がどれだけ預金を集めたかを見る
まとめ
業界地図の見出しは「日銀借入金に代わる預金調達が課題に」でした。
決算を開くと、その通りのことが起きていました。預金上位4行が3か月で1兆6,509億円の借用金を返し、預金に払う利息はほぼ倍になっている。
ただ、その先が違いました。預金の利息が倍になっても、金利のもうけは7行すべてで増えていた。減益になった3行の理由は、金利ではなく手数料と経費でした。
しかも楽天銀行は、いまの利益にゼロコストの日銀借入による押し上げが含まれ、2029年3月期以降に消えると自ら説明しています。利上げの追い風と、ゼロコスト借入の消滅。この2つがこれから同時に進みます。
そして、この7行のうち株として買えるのは楽天銀行とセブン銀行の2社だけ。1社は無配で、10月に会社の形が変わる。もう1社は預金ではなくATMで稼いでいる。「ネット銀行の決算が好調だから買う」という単純な話には、なりにくい業界です。
次に見るのは、預金利回りの上がり方と、借用金の残りです。
主な参照資料
- 楽天銀行「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」「業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年8月6日)、「フィンテック事業再編に関する頻出質問への回答」(2026年5月29日・6月9日更新版)、「株式交付による楽天カード株式会社、楽天証券ホールディングス株式会社の子会社化等」「みずほ銀行及び楽天銀行による戦略的な資本業務提携」(2026年5月20日)、「株主優待制度の実施に関するお知らせ」(2026年8月24日)
- セブン銀行「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」「業績予想の修正に関するお知らせ」「第1四半期決算説明資料」(2026年8月7日)
- ドコモSMTBネット銀行「2027年3月期 第1四半期 連結財務諸表の概要」「決算説明資料」(2026年8月6日)、同社サイト「沿革」
- auじぶん銀行「2027年3月期 第1四半期財務諸表の概要」(2026年8月7日)
- 大和ネクスト銀行「2027年3月期 第1四半期 財務諸表の概要」(2026年8月3日)、大和証券グループ本社・大和ネクスト銀行「オリックス銀行株式会社の子会社化について」(2026年4月27日)「全株式取得(子会社化)の完了に関するお知らせ」(2026年8月3日)
- ソニー銀行「2027年3月期 第1四半期 決算の概要〔日本基準〕(非連結)」「2026年度第1四半期業績」、ソニーフィナンシャルグループ「2026年度第1四半期業績説明会資料」(2026年8月10日)
- イオン銀行「2027年3月期 第1四半期 財務諸表の概況(連結)」(2026年8月12日)、「2026年3月期 第1四半期 財務諸表の概況(非連結)」(2025年8月12日)
- NTT「住信SBIネット銀行株式会社の連結子会社化に関するお知らせ」(2025年10月1日)
- 日本銀行「『貸出支援基金の運営として行う貸出増加を支援するための資金供給基本要領』の一部改正について」(2025年1月24日)、「貸出増加支援資金供給(2025年12月借り換え)の実施スケジュール」(2025年10月10日)、「貸出増加を支援するための資金供給の実施結果(2025年12月借り換え)」(2025年12月11日)、「気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション」制度変更一覧
- イオンフィナンシャルサービス「2027年2月期 第1四半期決算短信」(2026年7月9日)、KDDI「2027年3月期 第1四半期決算説明会資料」(2026年8月7日)、大和証券グループ本社「2026年度 第1四半期 決算説明資料」(2026年8月3日)
- 株探(株価・時価総額)
- 『会社四季報 業界地図 2027年版』(東洋経済新報社)「流通系・ネット銀行」