こんな方におすすめ
- 電気・ガス業界について知りたい人
- 沖縄電力を投資対象に考えている人
- 沖縄電力について知りたい人
高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)
今回は、『沖縄電力』について解説したいと思います(^^)
高配当株投資として安定した配当金をだしていた沖縄電力ですが、2023年3月期の配当金は無しという発表をしました。
今まで安定配当株であった、沖縄電力に何があったのか、決算資料をもとに私の意見も含め、解説したいと思います(^^)
タグの10箇条についての内容を詳しくご覧になりたい人は下記からご覧ください(^^)
-
高配当投資で押えておきたい項目を10箇条で紹介!
こんな方におすすめ 高配当投資をしたい人 高配当投資をしている人 執筆者『タグ』の紹介 Twitter、You Tubeもやっています(^^) こちらものぞいてみてください! 個別株高配当株投資(米国 ...
続きを見る
Contents
沖縄電力の企業分析
企業概要
- 浦添市が本社の電力会社
- 沖縄本島を含む、37の有人離島に電力を供給
- 発電事業、一般送配電事業、小売電気事業を運営
- 日本10電力会社で唯一の原子力発電所、水力発電所を持たない電力会社
- 2015年 ガス供給事業を開始
- 2019年 沖縄セルラー電話【9436】と電気、通信を組み合わせた新サービス『auでんき』で業務提携
沖縄電力は石炭と石油火力が主体となっていますが、最近はLNG(液化天然ガス)火力を拡大しています。
沖縄電力の特色がら、最近のロシア・ウクライナ情勢により高騰している石炭、原油価格の上昇が業績に大きな打撃を与えています。
次は、業績についてみていきたいと思います。
沖縄電力の業績
四半期の業績推移
四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。
直近では、毎年第1四半期の4月~6月の営業利益が赤字になっていますが、今回の決算では赤字幅がかなり多くなっているのがわかります。
2023年度第1四半期の業績は、前期比で売上高は32.3%の増加、営業益、経常益、最終益は赤字が拡大してしまいました。
ご覧の通り、直近でも過去の第1四半期は営業赤字になることが多いのですが、当期は特に赤字幅が広がってしまっているのがわかります。
通期の業績推移
通期の売上高と営業利益のグラフです。
売上高は上昇傾向に見えますが、営業利益は逆に減少傾向になっています。
2023年3月期の営業利益は急降下し大幅な営業赤字の予想をしています。
通期の業績予想は、前期比で売上高は24.3%の増加、営業益、経常益、最終益は赤字転落の予想となっています。
売上高が24%も上昇する理由は、電気代が上昇することや、燃料価格の高騰による他社への販売電力料金が増加するためです。
それに伴い営業利益も上昇すればよいのですが、そうはいかない予想です。
会計における、減価償却方法の変更による減価償却費の減少や、役員給与、社員の賞与減額等による人件費の減少はあるものの、燃料費の上昇、石炭価格の上昇、円安による影響の方が強く、営業利益は大きくマイナスになっています。
石炭価格は下記のような推移となっています。
直近の石炭の価格が急上昇しています。
2020年4月と2022年6月の価格を比較すると、短期間で3.9倍に急騰しています。
原油価格は下記のような推移となっています。
原油価格についても直近は値上げの傾向で、2020年4月と2022年6月の価格を比較すると、短期間で2.8倍の大幅上昇しているのがわかります。
為替レートは下記のような推移になっています。
2020年4月と2022年6月のレートを比較すると、短期間で1.2倍であり、急激な円安が進行しており、沖縄電力に打撃を与えています。
下記は平均燃料価格の推移です。
毎⽉の電気料⾦は、『燃料費調整制度』により、燃料価格や為替の変動に伴い平均燃料価格が基準燃料価格を上回る場合はプラス調整で値上げ、下回る場合はマイナス調整で還元される仕組みです。
2008年の料⾦改定から2021年度までのプラス調整とマイナス調整の差額は455億円のマイナス調整であり、トータル的には顧客へ還元されてきました。
調整単価における、平均燃料価格には上限価格が設けられています。
2022年4⽉以降、この平均燃料価格が上限価格を超過している状況ですが、『燃料費調整価格制度』の上限にも達しているため、いまのところ電気料金のさらなる値上げはできない状況です。
この状態が長く続くと、沖縄電力自体の危機にもつながってくる可能性があり、とても厳しい状況です。
沖縄電力の株価と配当
沖縄電力の株価
2022年7月31日時点での月足チャートです。
コロナショック時の2020年3月の安値は1574円でしたが、同年12月に1357円になり、2019年の最安値1452円を割ってしまいました。
その後、1年以上1350円付近で耐えていましたが、2022年4月以降ジリジリと値を下げ、6月上旬には1株1165円まで下落しました。
直近の決算発表前には1350円でしたが、決算の内容を見る限り、厳しい状況と言わざるを得ません(>_<)
沖縄電力の配当
2022年の配当金は1株当たり60円でした。
2023年度は業績の悪化もあり、配当金はなしの予想となっています。
いままで安定してきたと言える、沖縄電力の配当が34期ぶりになくなる予想となりました。
利回り
配当利回りは配当金がないため、0%です。
安定していると言われていた沖縄電力が配当利回り0%となってしまいました。
配当性向
2022年度の配当性向は166%でした。
2022年度は1株益36円なのに、1株の配当を60円だしていたため、配当性向は100%を超えていました。
貯金を切り崩して配当を出していたことになります。
2023年度は配当金はありませんので、配当性向も計算できません。
沖縄電力のキャッシュフローと財務
連結による営業キャッシュフローの見通しは、マイナス271億円となる予想で、前期比444億円のマイナスとなる予想です。
投資キャッシュフローは、固定資産の取得によるマイナス計上予想で、財務キャッシュフローは、前期比プラス611億円の資金調達をおこなう見通しとなっています。
自己資本比率は、32.3%と約10年前の水準に落ち込んでしまっています。
電力会社だけで比較すると、沖縄電力の自己資本比率は高いですが、今後の推移にも気をつけておく必要がありそうです。
利益剰余金は積みあがってきていましたが、2022年度に久しぶりに減少を記録し、今回の決算では85億円の減少となっています。
電力会社の中では、財務健全でしたが、借入が増え、有利子負債倍率も上昇しています。
今すぐにどうこうという話ではありませんが、ホルダーの方は気にしておく必要がありそうです。
沖縄電力のまとめ
【まとめ】
- 浦添市が本社の電力会社
- 沖縄本島を含む、37の有人離島に電力を供給
- 2023年度は増収減益予測
- 石炭、原油の上昇、円安により打撃を受ける
- 利益が大幅に悪化する見通し
沖縄電力を解説しました。
私は、電力関係では、『Jパワー』の株をもっているので、沖縄電力の購入は慎重に考えていました。
-
【電源開発:Jパワー9513】銘柄分析!脱炭素社会への注目銘柄【2021年3月期第3四半期の決算】
こんな方におすすめ 脱炭素社会に追い風の銘柄を知りたい人 電気・ガス業界について知りたい人 Jパワーを投資対象に考えている人 Jパワーについて知りたい人 執筆者『タグ』の紹介 Twitter、You ...
続きを見る
原子力発電所、水力発電所を持たず、火力発電の依存度が高い沖縄電力は、今後どのような対策を打ち出してくるのでしょうか。
引き続き、注視していきたいですね!
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)