こんな方におすすめ
- 不動産業について知りたい人
- センチュリー21・ジャパンについて知りたい人
今回は、私の持ち株でもある、『センチュリー21・ジャパン』を解説したいと思います。
センチュリー21は、名前だけ知っている人も多いのではないでしょうか?
以前、ケイン・コスギさんをCMキャラクターにしていましたよね(^^)
賃貸を探す時に検索していると、よくセンチュリー21は目にします。
名前は有名でも、時価総額は100億円を超えるくらいで小型株になります。
2020年9月30日時点で株主数は8551名とそれほど多くはありません。
センチュリー21が気になる人は、企業分析の参考にしてください(^^)
動画でご覧になりたい方は、下記をご覧ください(^^)
Contents
センチュリー21・ジャパンの企業分析
企業概要
企業概要
- 不動産流通のフランチャイズ会社
- 米センチュリー21のフランチャイズを日本で展開
- 総合商社の伊藤忠商事系列
- 直営店を持たずフランチャイズの本部機能のみの事業形態
- ヤマダ電機のヤマダ不動産と業務提携
センチュリー21の最大の特徴は、直営店がなく、フランチャイズのみを事業とした独立会社であるという事だと思います。
なので、従業員数は87名(2020年9月30日時点)と一見、少ないように感じますが、フランチャイズ経営はそんない多くの人はいらないようです。
不景気にも強かった総合商社の伊藤忠商事が筆頭株主になっていると、なぜだか安心感があります。
フランチャイズの事業モデル
センチュリー21・ジャパンは、おおもとのセンチュリー21・リアルエステートに対し、フランチャイズ契約をしています。
そして、センチュリー21・ジャパンは、日本国内のセンチュリー21加盟店(2020年9月末:974店舗)と契約をし、加盟金、サービスフィーを受け取っています。
センチュリー21・ジャパンの業績推移
四半期の業績推移
売上高と営業利益のグラフです。
売上高、営業利益ともに徐々に落ちているのがわかります。
詳しい数字で見ていきましょう。
第2四半期の業績
- 売上高 9.47億円 前年比-8.5%
- 営業益 2.66億円 前年比-2.2%
- 経常益 2.83億円 前年比-4.1%
- 最終益 1.93億円 前年比-3.5%
- 利益率 28.1%
前年同期でどれも若干ながらマイナスになっています。
コロナの影響があったので、踏ん張ったといえば、聞こえはいいですね。
利益率は28.1%と非常に高いです。
通期の業績推移
当期予測を出しています。
前期と比べて売上高、営業利益は減少しているのがわかります。
通期の業績予測
- 売上高 約37.6億円 前年比-8.4%
- 営業益 約7.9億円 前年比-28.1%
- 経常益 約8.8億円 前年比-24.7%
- 最終益 60億円 前年比2.6%
2017年には全ての項目において、過去最高の業績をたたき出しました。
2018年以降、売上高は横ばいですが、営業利益は徐々に落ち始めています。
そして、今回のコロナショックによりさらに売上高、営業利益を落とし、さらにはここ4年間維持していた1株あたり50円の配当を10円減配し、1株あたり40円になってしまいました(>_<)
個人的には、減配というのは、高配当投資の観点から、しっかりと企業の未来を予測しなければならないフェーズに入りました。
センチュリー21・ジャパンのセグメント業績
セグメント構成
- サービスフィー
- ITサービス
- 加盟金
売上の8割近い金額を冒頭でも説明した、サービスフィーであげています。
当期のサービスフィー売上は、5月を底に緩やかに回復傾向になっていますが、1Qは前年同期で82.6%でしたが、2Qは前年同期で92%と改善がみられていました。
フランチャイズ加盟店
フランチャイズである以上、加盟店がどのくらい稼いでくれるかにかかっています。
加盟店数
- 974店舗(2020年9月30日時点)
全国のセンチュリー21の店舗数は974店舗です。
店舗件数自体は右肩上がりで、その時は業績も上がってきていました。
加盟店の増減
- 2020年上期 -4店舗
今まで順調に店舗数を伸ばしてきましたが、直近の2017年上期の6店舗減少から、久しぶりに2020年度上期は4店舗減少でした。
2020年上半期は、フランチャイズ店舗が4店舗の減少でしたが、2020年度の予測では、店舗数は『998店舗』と、前年対比で20店舗増やすという発表をしています。
フランチャイズ加盟店を後押しするツールとして、『イタンジ株式会社』と10月1日に業務提携を行っています。
『ITANDI BB』は、物件検索が簡単にでき、内見予約・入居申し込みができるサイトです。
管理会社と物件の情報がリアルタイムに連携しているので、情報の更新が早く365日24時間稼働しているのが特徴ということです。
もう一つ、加盟店の業務効率化として、『AR株式会社』と業務提携をしました。
この『VRROOM』は、不動産向けに開発されたアプリで、ゴーグルなしでもVR画面を見ることが出来るように作られています。
このVRROOMの採用企業は、『三井のリハウス』、『住友林業』、『ピタットハウス』など有名企業も導入しています。
センチュリー21・ジャパンの株価と配当
2017年の2月を高値に下降トレンドを形成しています。
1000円というところが一つの節目でしょうか。
1000円を割れると、800円~850円くらいまでは下がってしまいそうな気がします(>_<)
本当に、正念場だと思います。
競合との比較
私が思う競合と、株価について、年初来を0%として、比較してみます。
赤は、『センチュリー21・ジャパン』です。
青は、『タカラレーベン』です。
緑は、『明和地所』です。
黒は、『コスモスイニシア』です。
センチュリー21・ジャパンは、コロナショック時は、一番底堅かったのがわかります。
6月頃には年初来まで戻そうとしましたが、戻しきれず、じりじり下落しています。
タカラレーベンは、直近の四半期でも前年同期比で、減収と、大幅減益により、元気がない状態です。
明和地所は8月には年初来より、40%下落していますが、そこから復調を見せてきています。
明和地所の業績予測
現に、明和地所の11月の決算では、当期の予測が上方修正され、ストップ高、15円の増配が発表されました。
コスモスイニシアは、5月に発表した赤字転落予測から変更なしで、10月~3月までの下期予測も最終赤字を発表し、元気がない状態です。
配当金、利回り
ポイント
- 10円減配の『40円』
ついに減配が来てしまいました(>_<)
今後の業績次第ではさらなる減配、無配もあり得るので注視が必要です。
昨年の配当性向は、90.4%でした。
儲けた分は株主にほぼ還元していました。
当期は、1株益予測が57.6円で配当が40円なので、計算すると、配当性向は約70%になりそうです。
仮に減配していなかったら、配当性向は約87%と昨年よりも低い水準でした。
配当利回り
配当利回りは、3.67です。
減配した分、利回りが落ちています。
高配当投資という観点から言うと、物足りなくなってきています。
センチュリー21・ジャパンの財務
財務
- 自己資本比率 89.4%
- 自己資本 約60億円
- 剰余金 約57億円
- 有利子負債倍率 なし
自己資本比率約90%は高すぎますね。
どんだけ貯めてるんや!という感じです。
無借金経営で、財務的には問題ありません。
センチュリー21・ジャパンのまとめ
センチュリー21・ジャパン【まとめ】
- 不動産流通のフランチャイズ会社
- 直営店を持たずフランチャイズの本部機能のみの事業形態
- 業績は2017年をピークに下降気味
- 10円減配し、年間配当は40円
- 業務効率化の施策で加盟店を後押し
不動産流通のフラチャイズ会社のセンチュリー21・ジャパンを解説しました。
利益率は28%と非常に高いので、コロナ禍の中で不動産業としても踏ん張っている感じです。
また、物件検索の利便性の向上や、現場に行かないで物件を見ることができるVRを導入し、加盟店を後押ししています。
減配になってしまったのは残念ですが、コロナが続きそうななかで利益を残すべく頑張って欲しいですし、利益を残せるような活動はしていると思います。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)