こんな方におすすめ
- 小売業業界について知りたい人
- ツルハホールディングスを投資対象に考えている人
- ツルハホールディングスについて知りたい人
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高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています。
今回は、『ツルハホールディングス』の2023年5月期の決算について、解説したいと思います(^^)
ツルハホールディングスの株価は、数年前は1株1万5,000円前後で、一般庶民の私にはとても手が出せない株でしたが、2021年11月から6か月間下落し続け、2022年6月には1株6230円をつけました。
下落局面の際に念願のツルハホールディングスの株を取得しました(^^)
2023年5月期の決算を解説していきますので、ツルハホールディングスの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです。
タグの10箇条についての内容を詳しくご覧になりたい人は下記からご覧ください(^^)
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Contents
ツルハホールディングスの企業分析
企業概要
- ツルハホールディングスは日本全国に2,589店舗(調剤薬局850店舗)を展開する大手ドラッグストアチェーン(2023年5月時点)
- 北海道・東北地区では市場シェアNO.1
- カウンセリング販売と自社ブランド商品に注力
- 他社をM&Aにより子会社化して事業を拡大中
- 2015年にローソンとヘルスケア強化型コンビニの展開で提携
ツルハホールディングスは大手ドラッグストアチェーンで、北海道を中心に東北・関東・関西でドラッグストアを展開しています。
「ツルハドラッグ」、「くすりの福太郎」、「ウェルネス」、「くすりのレデイ」、「杏林堂ドラッグストア」等を運営し、店舗数は日本全国に2,589店舗(調剤薬局850店舗)を展開しています。
特に北海道・東北地区では市場シェアNO.1を誇っています。
カウンセリング販売と自社ブランド商品「エムズワン」、「メディズワン」、「くらしリズム」、「くらしリズムMEDICAL」に注力しています。
「くすりの福太郎」(千葉)、「サクラドラッグ」、「レデイ薬局」(愛媛)、「杏林堂グループ」(静岡)、「ウイング・ウォンツ」(広島)、「ビー・アンド・ディー」(愛知)、「JR九州ドラッグイレブン」(福岡)等をM&A(合併や買収)により子会社化し、勢力を拡大させています。
2015年にはヘルスケア強化型コンビニの共同展開のため、ローソンと業務提携しています。
ツルハホールディングスの業績
四半期の業績推移
これは、四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。
売上高に関しては徐々に右肩上がりを形成しているのがわかります。
営業利益の上下はありますが、最近は第4四半期の営業利益が下がる傾向にあります。
2023年5月期第4四半期の業績は前期比で、売上高は6.6%の増加、営業益は20.5%の増加、経常益は28%の増加、最終益は42.7%の増加となりました。
前期と比べて売上高も上昇していますが、利益面の上昇が顕著となっています。
2023年5月期の結果
2023年度5月期の結果は、前期比で売上高は5.9%の増加、営業益は12.3%の増加、経常益は14.1%の増加、最終益は18.1%の増加となりました。
増収増益を維持した形となりました。
既にある店舗の売り上げが、前の年と比べて上がりつつあります。
これは、ビジネスが改善している良い兆候と言えるでしょう。
医薬品販売が増えたことで、売上の中の利益(粗利)が0.6%上がったということです。
従業員に払うお金(人件費)を少なくしましたが、水道や電気など(水道光熱費)の値上がりによって、結局は全体の経費(販管費率)が0.3%ほど上がったとしています。
以上の情報を踏まえると、全体的に良い経済状況にありますが、経費の増加には注意が必要であると言えます。
従来予想との比較
期初に発表していた業績予想と、今回の結果を比較してみたいと思います。
修正率は、売上高は0.1%の増加、営業益は6.7%の増加、経常益は7.3%の増加、最終益は11.6%の増加となりました。
売上高はほぼ一致ということで、素晴らしい予想でした。
市販の薬(OTC医薬品)と食品の割合が増えたことと、売った商品の利益率(粗利率)が上がったことで、全体の利益(売上総利益率)が前の年と比べて0.6%増えたということもあり好調といえますね(^^)
通期の業績推移
これは、通期の売上高と営業利益のグラフです。
素晴らしい右肩上がりを形成しています。
2022年度の営業利益は減少しましたが、再び増加の予想をしています。
ツルハホールディングスは「お客様の生活に豊かさと余裕を提供する」という考え方を持って、美と健康に関する高い知識を活かして、お客様の相談に乗るサービスを充実させるとともに、自社ブランドの商品などを揃えて、お客様にとって便利なお店を目指しています。
これからも、自社のお店のデータを使ってマーケティングを進め、調剤薬局の新規開設を積極的に推進し、自社ブランドの商品の新規開発と販売促進を進めていくとしています。
通期の業績予想は前期比で、売上高は6.5%の増加、営業益は3.6%の増加、経常益は3.7%の増加、最終益は2.5%の増加を予想しています。
当期も増収増益の予想をし、売上高は1兆円を超える予想をしています。
新しいお店を出すことについては、お店を増やすことと同時に、早く利益を出せるようにすることを重視して、126店舗の出店を計画しています。
ツルハホールディングスの株価と配当
ツルハホールディングスの株価
これは、2023年7月2日時点での月足チャートです。
直近高値の2020年12月の1株16,490円から約1年半で約62%の下落をしました。
株価のレベルとしては、2014年の12月くらいのレベルまで下落しました。
当時はさすがに急激に株価が下落しましたので、購入時を見計らって無事に購入できました(^^)
わずか半年ほどで急激に株価下落したツルハホールディングスですが、財務健全株であれば再び株価上昇という経験があったので、臆することなく購入できました(^^)
ツルハホールディングスの配当
配当金についてです。
配当金は年に2回、中間と年度末に配当をしています。
前期は、1株につき中間に116.5円と期末に143.5円を配って、1年で合計260円の配当を出しました。
当期は、1株につき中間に133.5円と期末にも133.5円を配って、1年で合計267円の配当を出す予想をしています。
ツルハホールディングスは、ビジネスを強化し、株主に利益を安定して分けることを目指しています。
その他の利益は、内部留保として、新店舗の開設や既存店舗の改装などに必要な投資、またはM&A(他の会社との合併や買収)などの成長に向けた投資に使われる予定としています。
これは、ツルハホールディングスの将来的な価値を高めるための方針になります。
新中期経営計画における、財務戦略の株主還元には、2023年5月期~2025年5月期までの3年間は、『配当性向50%~70%』を目途に実施との記載があります。
これにより配当金額がいっきに増額されました。
ある程度、安定した配当金が見込めそうですね(^^)
利回り
配当利回りについてです。
配当利回りはいまのところ、2.49%となっています。
今までは良くても2%前半の配当利回りでしたが、2%中盤の利回りになっています。
配当性向
2023年度の配当性向は、50%でした。
2024年度は1株配当が267円で、1株利益が532.9円を想定しているので、計算すると配当性向は、約50.1%くらいになりそうです。
先ほど申し上げた、配当性向の下限の目途である50%の予想となっています。
今後さらに業績が上向けば増配すると思いますし、業績が思わしくなくても配当性向70%くらいまでは許容範囲になります。
ツルハホールディングスの株主優待
株主優待カード、自社商品券または、自社PB商品詰合せ(選択制)
必要枚数 | 優待内容 |
100株 | 株主優待カード(5%割引) 【3年未満保有】※下記より1点を選択 1、株主ギフト券2,500円相当 2、自社PB商品詰合せ 3、北海道グルメカタログギフト1点 4、花田養蜂園の純粋蜂蜜(マロニエ・りんご) 【3年以上保有】 追加で株主ギフト券1,000円相当を贈呈 |
1,000株以上 | 【3年未満保有】※下記より1点を選択 1、株主ギフト券5,000円相当 2、自社PB商品詰合せ 3、北海道グルメカタログギフト1点 4、花田養蜂園の純粋蜂蜜(マロニエ・アカシア・りんご) 【3年以上保有】 追加で株主ギフト券1,000円相当を贈呈 |
2,000株以上 | 【3年未満保有】※下記より1点を選択 1、株主ギフト券10,000円相当 2、自社PB商品詰合せ 3、北海道グルメカタログギフト1点 4、花田養蜂園の純粋蜂蜜(マロニエ・クローバー・アカシア・りんご) 【3年以上保有】 追加で株主ギフト券1,000円相当を贈呈 |
100株以上で5%割引の株主優待カードがもらえます。
お客様感謝デー等と併用すると10%の割引になるのでとてもお得です(^^)
また、3年以上保有すると追加でギフト券がもらえます。
100株、1,000株以上、2,000株以上の3段階ありますが、直近株価で100株は100万円になるので、自身のポートフォリオと相談して買い進めていくことになりそうです。
ツルハホールディングスのキャッシュフローと財務
キャッシュフローと財務についてです。
「営業キャッシュフロー」とは、会社が日々のビジネスを通じて得たお金のことを指します。
つまり、商品を売ったりサービスを提供したりして得た利益から、商品を作るための原材料費や給料などの経費を引いた金額です。
今回の場合、会社が得た営業キャッシュフローは8億4千万円となりましたが、これは前年度と比べて97.8%減少しています。
この減少の原因はいくつかあります。
まず、利益が前年度と比べて434億55百万円になり、減価償却費(会社が所有する建物や機械などの価値が時間とともに下がることを反映した経費)が122億44百万円、売上債権(まだ取引相手から受け取っていない売上金)が52億21百万円減少したことが、キャッシュフローを増やす要因となりました。
しかし、これに対して仕入債務(まだ会社が支払っていない仕入れ金)が474億82百万円減少し、棚卸資産(在庫として保有する商品や原材料)が83億6百万円増加し、法人税などの支払いが109億7百万円発生したことが、キャッシュフローを減らす要因となりました。
つまり、会社が得た利益や資金がある一方で、それを使う場所もあったため、最終的には営業キャッシュフローが大幅に減少したというわけです。
「投資キャッシュフロー」とは、会社が新しい設備を購入したり、新しい店舗を開設したりといった投資活動に使ったお金のことを指します。
つまり、将来的に利益を生むための支出を反映したものです。
今回の場合、会社が投資活動に使ったお金は合計で297億74百万円となりました。
これは前年同期と比べて4.8%増えたとのことです。
その増加の主な理由は次の二つです。
1つ目は、有形固定資産の取得による支出が247億1百万円ありました。
有形固定資産とは、ビルや工場、機械などの形がある(つまり触れることができる)財産のことを指します。
これらは、通常、会社の業務を遂行するために必要なもので、これらを取得(購入)するためには相応のコストがかかります。
2つ目は、新規出店に伴う差入保証金の支出が66億69百万円ありました。
新規出店とは新たな店舗を開設することで、差入保証金とはその店舗の建物を借りるために必要なお金です。
新しい店舗を開設することで会社の利益が増える可能性がありますが、そのためには初期投資が必要となります。
したがって、これらの投資により、投資キャッシュフローが増えました。
これは、会社が将来の成長を見据えて積極的に投資を行っていると解釈できます。
「財務キャッシュフロー」とは、会社が株主に配当を支払ったり、借入金を返済したりといった、資金の調達や返済に関する活動で使ったお金のことを指します。
今回の場合、会社が財務活動に使ったお金は合計で190億5百万円となりました。
これは前年同期と比べて大幅に増加し、なおかつ前年同期は収入だったものが支出に転じています。
その主な理由は次の二つです。
1つ目は、配当金の支払いが97億16百万円ありました。
配当金とは、会社がその利益の一部を株主に分配するもので、これが大きいということは株主への還元が多いということです。
2つ目は、長期借入金の返済が72億円ありました。
長期借入金とは、会社がビジネスを行うために借り入れたお金で、その返済が必要になる場合があります。
したがって、配当の支払いや借入金の返済などにより、財務キャッシュフローが増加しました。
これは、会社が自己の財務状況を健全に保つため、また株主への利益還元に重きを置いていることを示しています。
財務についてです。
会社の総資産(会社が所有するお金や物)は、前年度と比べて2253億3千万円減って、合計で5398億3千万円になりました。
これは主に、前の年度末が銀行が休みだったために手元の現金や預金が減り、売り掛け(まだ取引相手からお金を受け取っていない販売分)が減ったからです。
一方、会社の負債(会社が他人に返さなければならないお金)も前年度と比べて4263億1千万円減って、合計で2356億8千6百万円になりました。
これも主に、前の年度末が銀行が休みだったために、買い掛け(まだ会社が支払っていない購入分)が減ったからです。
会社の純資産(会社が本当に持っているお金や物、つまり資産から負債を引いたもの)は、前年度と比べて2009億8千万円増えて、合計で3041億4千4百万円になっていました。
そして、これらの結果から計算される「自己資本比率」という指標が、前年度から5.3ポイント増えて51.2%になりました。
自己資本比率は会社の財務安定度を示すもので、大きいほど会社の財政状況が安定していると言えます。
つまり、会社が自分の持っている資産の51.2%を自分のお金で賄っているということです。
財務は健全だということがわかります(^^)
ツルハホールディングスのまとめ
【まとめ】
- イオングループの大手ドラッグストアチェーン
- M&Aを軸に売上を拡大中
- 2023年5月期の業績は増収増益
- 株主還元にも意欲的な優良株!
ツルハホールディングスについて解説しました(^^)
ドラッグストアは医薬品や化粧品、健康食品といった商品を広く提供する小売業態です。
ツルハホールディングスの売上総利益率が高い商品は『医薬品』、『化粧品』です。
価格を抑えた日用雑貨や食品で集客を図る事業モデルを築いています。
積極的な出店攻勢をかけているツルハホールディングスですが、今後は収益性にも重きをおいています。
売上高1兆円を達成したウエルシアホールディングスに追いつけるか、業界3位のコスモス薬品【3349】、4位のマツキヨココカラ&カンパニーなど、ドラッグストアのトップ争いは今後も続いていきそうですね!
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)