こんな方におすすめ
- 情報・通信業業界について知りたい人
- NTTを投資対象に考えている人
- NTTについて知りたい人
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高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)
今回は、『NTT(日本電信電話)』について解説したいと思います(^^)
NTTは2020年の夏に、NTTドコモの株を買い取ることにより、完全子会社化しました。
その機動力の高さ故、携帯料金の値下げについてもいち早く動き、市場を驚かせたのは記憶に新しいですね(^^)
NTTは、NTTグループの持株会社であり、ドコモが収益の柱となっています。
今回は、そんなNTTの業績やグループ企業についてまとめてみましたので、投資の参考にしていただければ幸いです。
Contents
NTTの企業分析
企業概要
企業概要
- 国内通信事業の最大手グループ
- NTTグループ会社を傘下とする持ち株会社
- 主に4つの事業を展開
- 1985年に日本電信電話公社の民営化により設立
- 2015年にパナソニック・日立製作所と業務提携
- 2018年に東京電力HDGとエネルギー関連の新会社を設立
- 2020年にトヨタ自動車【7203】と資本業務提携
- NTTドコモを完全子会社化
- 2021年に次世代通信ネットワークで富士通【6702】と業務提携
4つの事業とは、売上が高い順に、2020年度売上でいうと、
移動通信事業(携帯電話、モバイル通信など)は、約4兆7,000億円、
地域通信事業(固定電話、光通信など)は、約3兆2,000億円、
データ通信事業(ネットワークシステムサービスなど)は、約2兆3,000億円、
長距離・国際通信事業(国際通信、ソリューションなど)は、約2兆500億円となっています。
トヨタ自動車とも資本業務提携をしており、トヨタ自動車はNTTの株を約2%持っています。
また、NECに600億円の出資をしており、NECの第3位の株主になっていたり、富士通とは、『持続可能な未来型デジタル社会の実現』に向けて提携しています。
NTTグループ関連企業
代表的なグループ関連企業を紹介します。
NTTが100%出資しているのは、国内電話最大手の『NTTドコモ』、地域通信業の『NTT東日本』、『NTT西日本』、グローバル中間持株会社の『NTT,Inc.』などがあります。
NTTドコモの子会社は、光回線向け動画サービスの『ひかりTV』をもつ、『NTTぷらら』、TV通販のshop Japa運営の『オークローンマーケティング』、インターネットでの婦人、紳士服販売の『マガシーク』、音楽ソフト販売の『タワーレコード』などがあります。
NTT,Inc. | 100%出資 ⇒ | NTT Ltd.(海外事業会社) |
NTTコミュニケーションズ | ||
約50%出資 ⇒ | NTTデータ【9613】 約45%出資⇒ NTTデータ・イントラマート【3850】 |
グローバル中間持株会社である、NTT,Inc.が100%出資しているのが、海外事業会社の『NTT Ltd.』、国内事業会社の『NTTコミュニケーションズ』です。
約5割を出資しているのが、国内システム構築最大手で、官公庁や金融機関向け大型システムに強みのある、『NTTデータ【9613】』があります。
そのNTTデータの子会社にあたるのが、ウェブシステム基盤構築ソフトに強みがある、『NTTデータ・イントラマート【9613】』です。
そのほか、『NTTアーバンソリューションズ』や、不動産の『NTT都市開発』、電力設備設計管理の『NTTファシリティーズ』もグループ企業です。
また、個別課金の音楽配信サービス『レコチョク』、『エイベックス通信放送』にも動画配信サービス『dTV』を中心に映像、音楽ビジネスで連携しています。
ざっと企業をあげましたが、まだまだ関連企業はたくさんあります。
国の携帯電話料金値下げ圧力もあり、携帯電話事業の伸びが期待できない可能性がある背景があり、海外業務をNTTデータやNTTコミュニケーションズに集中させ、ドコモは金融決済業務を含め、国内に専念させることになると思います。
NTTの業績
四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。
KDDIとソフトバンクも同じようなグラフと営業利益の推移になるのですが、本決算時の営業利益が下がる傾向にあります。
新年度を見据えた広告宣伝費が大きくなることも要因の一つです。
4月~6月の第1四半期の業績は、前年同期比で売上高は4.6%の増加、営業益は2.3%の減少、経常益は0.1%の減少、最終益は24.7%の増加となっています。
第1四半期は、収益、利益ともに想定よりも好調に推移したと発表がありました。
売上高はドコモの端末販売増加やデジタル化需要を取り込み、4.6%の増加、営業利益はドコモ5Gエリア拡大などにより2.3%の減益、最終益はドコモの完全子会社化による利益取り込み影響により、過去最高益を出しています。
通期の業績推移
通期の売上高と営業利益のグラフです。
2020年3月期の営業利益は落ちましたが、そこからV字回復を予想しています。
2016年以降の売上高、営業利益は安定していると言えます。
通期の業績予測は、前期比で売上高は0.5%の増加、営業利益は3.5%の増加、経常益は3.8%の増加、最終益は18.4%の増加を予想しています。
現在の予想のまま行けば、売上高と最終益は2年連続で過去最高更新、営業益は3年ぶりに過去最高益を更新しそうです。
1株益であるEPSも自己株式取得などにより、着実に伸ばしているのがわかります。
配当金は減っているように見えますが、過去に株式分割をした関係で減っているように見えるだけです。
NTTの株価と配当
2021年10月10日時点での月足チャートです。
一つの壁であった3,000円を突破し、今後にも期待が持てそうなチャートになっています。
PBRは1.4倍前後と高配当投資として私が一つの基準としている1.5倍以下なので、現時点でも高配当投資としての一つの基準をクリアしています。
私の中の高配当投資の基準に関しては、下記をご覧ください(^^)
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NTTの配当金
配当金はきれいな右肩上がりを形成しています。
まさに理想の配当金推移と言えます。
配当利回り
直近の配当利回りは3.5%前後となっています。
グラフで見てもわかる通り、利回り3.5%は市場全体からいうと、高配当の部類に入ります。
個人的には株価の上昇や、増配、株価の下落タイミングの買い増しで、トータル配当利回り3.8%以上を目指しています(^^)
3.8%以上あると、税引き後の配当金が3%を超えるので、一つの目安にしています。
配当性向
2021年度の配当性向は42.3%でした。
2022年度は、1株利益が301.8円を予想しており、1株配当金が110円予想なので、計算すると配当性向は、36.4%くらいになりそうです。
30%台はまだまだ増配の余地もあるので、今後にも期待できそうです(^^)
2021年10月1日に自己株式取得のお知らせがありました。
約1,800万株を585億円で購入したということです。 これで1株あたりの利益が上昇しますね。
欲を言えば、取得した自己株式を償却して無くしていただけるともっと嬉しいですね(^^)
配当だけではなく、自己株式を取得して株主還元をおこなっています。
NTTの株主優待
dポイント付与 【長期保有者向け】
保有株式数 | 優待内容 |
100株以上 | 【保有期間2年以上】 1,500ポイント 【保有期間5年以上】 3,000ポイント |
株主優待は『dポイント』です。
dポイントは色々なところで使えるので、ドコモユーザーでなくとも恩恵をうけることは可能です。
ただ、長期保有が前提の株主優待となっています。
NTTのキャッシュフローと財務
営業キャッシュフローは、3兆円の大台に載せています。稼ぐ力は充分あります!
投資キャッシュフローは、毎年1兆円以上の投資をおこなっており、投資にも力をいれています。
財務キャッシュフローは、マイナス計上なので、借金を毎年返済しているのがわかります。
自己資本比率は33.5%と30%前半となっています。以前は40%あったので、現在は減少気味です。
利益剰余金は7兆円以上積みあがっており、内部留保が進んでいます。
有利子負債は0.07倍と借金はあるものの、比率が低いということがわかります。
財務的には問題ないですね(^^)
NTT:まとめ
まとめ
- 情報・通信業界では売上高、第1位
- 4つの事業で売上を作っている
- 増収増益予測で年間5円の増配予想
- 業績安定で今後にも期待大
NTTについて、グループ企業も含めて解説しました(^^)
NTTは優良株でもあり、機関投資家が目を光らせている銘柄です。
コロナショック時や、携帯料金値下げで株価が落ちましたが、戻るのは早いです。
現状の価格でも高配当投資として優秀ですが、購入するタイミングは難しいですよね。
私も買い増ししたかったですが、今は静観している状況です(^^)
ぜひ、皆さんの投資戦略も聞かせてください。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)
参考図書