こんな方におすすめ
- 脱炭素社会に追い風の銘柄を知りたい人
- 電気・ガス業界について知りたい人
- Jパワーを投資対象に考えている人
- Jパワーについて知りたい人
この記事を動画でご覧になりたい方は、下記をご覧ください(^^)
高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)
今回は、私の持ち株でもある、『Jパワー』の決算が出ていましたので、解説したいと思います(^^)
電力、ガス業界にとっての最重要課題の一つが、『脱炭素化』への取り組みです。
日本政府は2030年度には、2013年と比べて温室効果ガスの排出を26%削減する国際公約を表明しています。
また、電力分野に関しては、2030年度の発電電力量構成に占める、石炭火力発電の割合を26%に抑える目標を設定しています。
資源エネルギー庁によると、2019年度の石炭火力発電の比率は31.9%となっています。
石炭削減のペースは緩やかではありますが、徐々に減少しているようです。
日本最大の卸電気事業者であるJパワーは、火力発電所を7か所保有しています。
Jパワーは、2021年10月29日に22年3月期第2四半期の決算を発表しましたので、今後の展望を含めて解説したいと思います(^^)
Jパワーの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです。
私の高配当投資のポイントである、『タグの10箇条』の内容を詳しくご覧になりたい人は下記からご覧ください(^^)
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Contents
Jパワーの企業分析
企業概要
- 日本最大の卸電気事業会社
- 保有発電所や再生可能エネルギー発電所から電力会社10社へ電気を供給
- 水力発電は日本の20%を占める
- 石炭火力発電は国内最大級
- 風力発電は国内2位の規模
- 海外はアメリカ、中国など7か国で営業
- 主要取引先は、中国電力、東京電力、エナジーパートナー、関西電力、九州電力
- 大間原子力発電所(青森県)は建設中断中
Jパワーは、水力・風力・地熱など再生可能エネルギーに加え、石炭火力発電所など全国各地に約100か所の発電所を保有・運営し、地域の電力会社などに販売しています。
保有する発電設備のうち約7割が国内、3割が海外と、国内だけでなく海外でも事業を展開しています。
Jパワーは、2021年2月に『BLUE MISSION 2050』を公表しました。
内容としては、2050年に発電事業のCO2排出実質ゼロを目指すとしています。
そのために、2030年にはCO2排出40%削減を実現するということです。
2030年までの具体的な内容としては、『石炭から水素発電への移行開始』、水力、風力、地熱などの『再生可能エネルギー開発を加速』、『原子力発電』などをあげています。
原子力発電については、『大間原子力発電所』計画を推進していくということでした。
Jパワーの業績
四半期の業績推移
四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。
前期の第2四半期と比較すると、青い棒グラフの売上高は増加していますが、赤い営業利益が大きく減少しているのがわかります。
第2四半期の7月~9月の業績を前期と比較すると、売上高は8.8%の増加、営業益は58.1%の減少、経常益は79.7%の減少、最終益は81.1%の減少となりました。
売上高が増加している一つの要因は、卸電力取引市場から調達した電力の販売が増加したことや、そもそもの電力販売価格が上昇したことにあります。
一方、費用面では、他社購入電源費や火力の燃料、定期点検などの費用が増加しています。
第2四半期の累計をみると、前期比で売上高は5.7%の増加、営業益は35.8%の減少、経常益は44.9%の減少、最終益は46.2%の減少となりました。
対通期の進捗率は64.9%とそこまで悪くないものの、営業益、経常益、最終益は前期を大きく下回る結果となってしまいました。
予想為替レートは1ドル105円としています。
営業外費用として、為替差益として195億円を計上していましたが、法人税等を差し引くと最終益としては、181億円になったということでした。
また、業績の修正をおこなっています。
売上高は約17%増加するものの、営業益は25.4%、経常益は18%、最終益は約11%、6月に発表した数字よりも減少の修正がおこなわれました。
ただ、1株の配当金は75円から変更はありませんでした。
通期の業績推移
通期の売上高と営業利益のグラフです。
売上高はいい感じの右肩上がりになっていますが、営業利益が大きく減少しているのがわかります。
営業利益はここ10年ではないくらい、減少するという予想を発表しています。
業績修正を基にした、通期の業績予想は、前期比で売上高は、8.9%の増加、営業益は43.4%の減少、経常益は32.7%の減少、最終益は34.5%の増加を予想しています。
売上はあがるものの、費用が多くなり思ったように業績が伸びていきません。
ただ、ジリ貧ということではなく、現在の世界の流れに沿った、『カーボンニュートラル』に向け、取り組みもおこなっています。
陸上風力発電の新設やリプレース、水力、水素発電にも力を入れ、現在の21万kwから2025年目標として、150万kwを目指しています。
Jパワーの株価と配当
Jパワーの株価
2021年11月3日時点での月足チャートです。
20年の12月に1株1352円以来、2番底を形成しそうです。
個人的には、1500円をあっさり突破してしまったのが気になります。
今後、何かを契機に急上昇というよりは、上がるとしてもかなり時間がかかるのではないかと思っています。
現状の業績でも配当は維持を継続してくれる前提で引き続き、保有していこうと思います(^^)
ちなみに、私は平均取得単価1440円くらいで保有しているので、含み損が10%くらい出るまでは、買い増しはしない方針でいきたいと思います(^^)
Jパワーの配当
配当金は今のところ維持の年間75円です。
中間35円、期末40円の年間75円となっています。
ここ4年間は配当維持で、ある意味安定しています。
当期は、1株利益が上昇する予測でしたので、最低限、『配当維持』は固いかなと思っています。
利回り
2021年11月時点での配当利回りは5.2%前後です。
電力業界は総じて配当利回りが高く、Jパワーも例外ではありません。
かつてはディフェンシブ株ともいわれていた電力株ですが、石炭火力から再生可能エネルギーへの投資や原子力発電問題など超えるべき山が沢山あり、その分リスクもはらんでいます。
今のところは配当維持で安定していますが、今後は不確定要素が大きいので、私は電力業界はJパワー1社でいきたいと思っています。
配当性向
2021年度の配当性向は、61.6%でした。
2022年度は、業績修正を加味すると、1株配当が75円で、1株利益が163.9円を想定しているので、計算すると配当性向は、45.7%くらいになりそうです。
Jパワーのホームページを参照すると、株主還元の考えかたは、配当性向30%程度を目安にとなっています。
当期の配当性向は40%くらいなので、まだ目安の30%には10%程高い状態です。
未来への投資が莫大な金額にのぼる恐れがあるため、最悪、減配も覚悟する必要があります。
もしJパワーへの投資をやめるなら配当維持のこの辺りかもしれません。
Jパワーのキャッシュフローと財務
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、一番右端の2021年度をみると、84億円のマイナスになっています。 前期が780億円のプラスなので、その差は800億円を超えます。 これは、本業で稼げていないということになります。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローは、再生可能エネルギーへの投資や設備の修繕等へ費用をかけています。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローは、前期、今期ともにプラス計上なので、資金の調達をしています。 前期にはなかった、『コマーシャルペーパー発行による収入』が500億円あります。 コマーシャルペーパーとは、短期の資金調達するための無担保の借金のことです。
とにかく、現在のJパワーは借金を返済するというよりも、借り入れをしているということがわかればいいと思います。
自己資本比率は29.3%と若干改善しています。
利益剰余金は確認できた2008年以降から、毎年増えています。
設備投資が必要なので、有利子負債はしょうがないですね。
Jパワーが2年間で稼ぐ金額分の借金をしていることになります。
Jパワーのまとめ
【まとめ】
- 日本最大の卸電気事業会社
- 火力・水力発電がメイン
- 風力発電は国内2位の規模
- 脱炭素社会における注目銘柄のひとつ
- 大間原子力発電所計画の推進を発表!
2022年第2四半期の決算を発表したJパワーを解説しました(^^)
もともと実力のある企業なので、今後の脱炭素社会における注目銘柄と既になっています。
原子力発電所については賛否があると思います。今後の動向も注視していきたいと思います(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)