株価が大きく下がってくると、つい考えたくなるのが「そろそろ下げ止まりでは?」というテーマです。
ただし、下げ止まりは後から振り返って初めて分かるものです。リアルタイムでは、誰にも正確には分かりません。
そこで今回は、次の3銘柄を例に、「下げ止まり候補として見るなら、どこを確認すべきか」を整理します。
- MonotaRO(3064)
- ロート製薬(4527)
- ジェイ エイ シー リクルートメント(2124)
この記事では、買い・売りの判断はしません。
見るのは、次の3点です。
- 決算は崩れていないか
- 配当・株主還元は支えになりそうか
- 株価とバリュエーションはどこまで調整したか
結論から言うと、3社とも業績そのものは悪くありません。
ただし、下げ止まりの見え方はかなり違います。
まず結論:下げ止まり候補度は「ロート>JAC>モノタロウ」の順で見たい
今回の3銘柄を、下げ止まり候補として見るなら、現時点では次のような印象です。
| 銘柄 | 下げ止まり候補としての見方 | 一言 |
|---|---|---|
| ロート製薬 | 比較的見やすい | 業績・増配・優待拡充・PER/PBRのバランスがよい |
| JACリクルートメント | 配当利回り面では魅力が出てきた | 業績は強いが、人材市況の影響を受けやすい |
| MonotaRO | 業績は強いが、株価の底打ちはもう少し確認したい | 成長力は高いが、PER/PBRはまだ高め |
これは「ロートを買うべき」「モノタロウはダメ」という意味ではありません。
株価が下がってきたときは、業績が強く見えても、株価が反発するタイミングはバリュエーションや需給で変わります。
今回確認した一次資料上は、3社とも増収増益基調が確認できます。
ただ、株価が下げ止まったと言うには、チャート上の反転確認も必要です。
3銘柄の現在位置
添付のバリュエーション画像では、2026年6月26日時点の株価・指標は次の通りです。
| 銘柄 | 株価 | PER | PBR | 配当利回り | 信用倍率 | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| JACリクルートメント | 856円 | 15.8倍 | 6.83倍 | 4.44% | 7.92倍 | 1,417億円 |
| MonotaRO | 1,781円 | 24.2倍 | 7.60倍 | 2.08% | 12.20倍 | 8,837億円 |
| ロート製薬 | 2,397円 | 15.7倍 | 1.80倍 | 2.09% | 3.38倍 | 5,666億円 |
ここでまず目立つのは、JACの配当利回り4.44%です。
JACは人材紹介会社なので景気や採用意欲の影響を受けますが、添付画像の3社比較では利回りが高い水準です。
一方、MonotaROは業績成長が強いものの、PER24.2倍、PBR7.60倍と、まだ成長株らしい評価が残っています。
ロート製薬はPER15.7倍、PBR1.80倍、配当利回り2.09%で、今回の指標比較ではバリュエーションのバランスが落ち着いて見えます。
MonotaRO:業績は強いが、バリュエーション調整はまだ確認したい
MonotaROの2026年12月期第1四半期は、数字だけ見るとかなり強いです。
決算短信では、売上高は95,582百万円で前年同期比20.8%増、営業利益は13,170百万円で22.6%増、経常利益は13,031百万円で21.6%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,912百万円で18.2%増でした。
通期予想も、売上高381,379百万円で14.2%増、営業利益53,069百万円で14.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益36,180百万円で11.5%増と、増収増益予想です。
説明資料でも、連結売上高は計画を0.1%上回り、連結営業利益は計画比3.5%増とされています。
つまり、業績の中身は崩れていません。
配当も2025年12月期の年間33円から、2026年12月期予想は年間37円へ増配計画です。
ただし、株価面では注意が必要です。
添付チャートでは、MonotaROは2025年5月の3,128円から大きく下がり、2026年6月26日時点では1,781円です。
3月30日の安値1,684.5円、6月26日の安値1,718.5円付近が、目先の下値確認ポイントに見えます。
ここを割らずに反発できるなら、下げ止まり候補として見やすくなります。
ただ、PER24.2倍、PBR7.60倍は、まだ低位バリュー株の水準ではありません。
MonotaROは「業績は強い。ただし株価が本当に底打ちしたかは、1,700円前後を守れるか確認したい」という位置づけです。
ロート製薬:3社の中では一番“下げ止まり候補”として見やすい
ロート製薬は、今回の3軸で見ると、3社の中では下げ止まり候補として比較的見やすい印象です。
2026年3月期は、売上高343,725百万円で前期比11.4%増、営業利益41,118百万円で7.5%増、経常利益47,971百万円で20.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益34,247百万円で11.0%増でした。
説明資料では、売上高・営業利益ともに過去最高を更新したとされています。
2027年3月期予想も、売上高369,500百万円で7.5%増、営業利益43,800百万円で6.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益34,500百万円で0.7%増です。
経常利益は3.9%減予想ですが、営業利益と最終利益は増益予想です。
配当面も支えになりそうです。
2026年3月期の年間配当は46円、2027年3月期予想は年間50円です。説明資料では23期連続増配予定とされています。
さらに、株主優待制度の拡充も発表されています。
優待は株価の下支えを保証するものではありませんが、個人投資家の関心を集めやすい材料です。
株価は2023年9月の4,117円から大きく調整し、2025年6月に1,964.5円をつけたあと、2026年6月26日は2,397円です。
PER15.7倍、PBR1.80倍まで下がっており、成長・増配・優待拡充を考えると、今回の指標比較ではバランスがよく見えます。
ただし、直近では2025年12月の2,703円から再び押しているため、2,250円から2,400円付近で下値を固められるかが確認ポイントです。
ロートは「業績・増配・優待の支えがあり、バリュエーションも落ち着いてきた。3社の中では下げ止まり候補として見やすい」と整理できます。
JACリクルートメント:利回りは魅力的だが、人材市況の確認が必要
JACリクルートメントは、高配当株として見るとかなり気になる水準まで下がっています。
2026年12月期第1四半期は、売上高13,539百万円で前年同期比14.8%増、営業利益4,389百万円で28.7%増、経常利益4,395百万円で28.4%増、親会社株主に帰属する四半期純利益3,003百万円で28.5%増でした。
説明資料でも、売上高と利益は概ね計画通り、営業利益の上半期進捗率は60.1%とされています。
国内人材紹介事業は過去最高の売上・利益で、全てのセグメントで3期連続増収です。
通期予想は、売上高53,200百万円で15.4%増、営業利益12,600百万円で7.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益8,600百万円で2.4%増です。
配当予想は年間38円で、前期36円から2円増配の予定です。
添付画像の配当利回りは4.44%で、3社の中では最も高いです。
一方で、JACは人材紹介会社です。
説明資料でも、外部環境の変化を踏まえて企業の採用動向を注視する必要があるとされています。
資料では、中東情勢や生成AIによる影響は限定的との前提が示されていますが、外部環境の変化に備え、企業の採用動向を注視する必要があるともされています。
株価は2025年8月から11月にかけて1,200円前後まで上がったあと、2026年5月に820円まで下落し、6月26日は856円です。
目先では820円から850円台を守れるかがポイントです。
JACは「業績と配当利回りは魅力的。ただし、人材市況が崩れないかを確認しながら、820円付近を守れるか見たい」と整理できます。
3社を比較:どの銘柄が一番“底打ち感”があるか
3社を比較すると、下げ止まりの見方は次のようになります。
| 銘柄 | 業績 | 株主還元 | バリュエーション | 株価位置 | 総合印象 |
|---|---|---|---|---|---|
| MonotaRO | 強い | 増配予定 | まだ高め | 1,700円前後を確認 | 業績強いが底打ちは確認待ち |
| ロート製薬 | 強い | 23期連続増配予定・優待拡充 | かなり落ち着いた | 2,250〜2,400円付近を確認 | 最もバランスよく見える |
| JAC | 強い | 利回り4%台・増配予定 | PERは妥当、PBRは高め | 820円付近を確認 | 利回り妙味あり、景気敏感に注意 |
初心者向けに言うなら、次のような分類です。
- 安定感と株主還元のバランスを見るならロート製薬
- 配当利回りを重視するならJAC
- 成長力を重視するならMonotaRO
ただし、下げ止まりの判断では、業績だけでなく株価の動きも必要です。
今回の3社で共通して見たいのは、「直近安値を割らずに、安値を切り上げられるか」です。
下げ止まりは、株価が1日上がっただけでは判断できません。
数週間単位で安値を切り上げる動きが出るかが大事です。
まとめ:下げ止まりを狙うより、確認しながら見る
今回の3銘柄は、どれも業績が崩れているわけではありません。
むしろ、決算だけを見ると3社とも増収増益基調です。
それでも株価が下がっているのは、成長期待の調整、バリュエーションの見直し、業種ごとの先行き不安などが反映されている可能性があります。
現時点での見方をまとめると、次の通りです。
- MonotaRO:業績は強いが、PER/PBRはまだ高め。1,700円前後を守れるか確認
- ロート製薬:業績・増配・優待拡充・バリュエーションのバランスがよく、今回の3軸では下げ止まり候補として比較的見やすい
- JAC:業績と利回りは魅力的だが、人材市況と820円付近の下値確認が必要
「そろそろ下げ止まり?」と考えるときは、いきなり買いに行くのではなく、次の3つを確認したいです。
- 直近安値を割らないか
- 次の決算で業績見通しが維持されるか
- 配当・還元方針が変わらないか
今回の3社は、いずれも候補にはなります。
ただし、下げ止まり確認のしやすさで見ると、今回の3軸ではロート製薬が比較的見やすく、JACは高利回り候補、MonotaROは成長株の底打ち確認待ち、という整理です。
※本記事は公開資料および添付チャート情報をもとにした一般的な情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価・指標は2026年6月26日時点の添付画像に基づきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。