小売業 日本株

イオンの株価はなぜ下がった?下落の理由を中間決算で確認|高値から6割安。本業は最高益でも6〜8月は10%減、食品スーパーは赤字に。配当15円と100株の優待も

※この記事は、イオンの決算短信・決算説明会資料・補足資料・お知らせ・有価証券報告書などの公開資料をもとにした情報の整理です。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。

※株価は2026年10月15日終値(株探。Yahoo!ファイナンスでも同じ値を確認)。2025年9月1日の株式分割(1株→3株)をならした値です。

イオンの株価が下がり続けています。2025年11月27日に2,877.5円をつけたあと、2026年10月15日の終値は1,126.5円。高値から6割下がりました。

イオンは、100株以上を持つ個人の株主が約108万人いる会社です。株主優待を目当てに持っている方も多いと思います。「なぜこんなに下がったの?」「会社は大丈夫なの?」と気になっている方も多いはずです。

10月13日に、イオンは2027年2月期の中間決算(2026年3月〜8月)を出しました。今回は、その決算に何が書いてあったかを、会社の資料の言葉と数字で確かめます。

先にお断りしておくと、株価が下がった理由を、会社は書いていません。この記事でも「これが理由だ」とは言いません。決算に書いてある事実を並べて、どこが強く、どこが弱いのかを見ていきます。

1. まず結論

  1. 株価は高値から60.9%安。この1年でもマイナス45.2%。同じ1年で日経平均はプラス35.1%、TOPIX(トピックス)はプラス25.6%
  2. 本業のもうけ(営業利益)は中間で過去最高の1,307億円。ただし3か月ずつに分けると、6〜8月だけは前の年より10.2%減っていた
  3. 食品スーパーの3つの事業は、黒字約164億円から赤字約124億円に。総合スーパーは人件費の増加、スーパーマーケットは値下げで「売って残る利益」が減ったのが大きい
  4. 最後に残った利益のうち、7割は子会社のほかの株主の取り分。5年分を並べると、4年前より本業のもうけは36%増えたのに、イオンの株主の利益は26%減った
  5. 配当は15円(記念配当1円を含む)、利回り1.33%。2010年2月期以降、配当の合計が前の年を下回った年はない。株主優待は、株式分割のあと100株で買い物の1%が戻る

2. 株価:高値から6割安

日付 終値 高値から
2025年11月27日 2,877.5円(この1年あまりで一番高い日) ―
2026年2月27日 2,226.5円(株主の数を数えた2月末の直前の取引日) △22.6%
2026年10月15日 1,126.5円 △60.9%

株式市場全体と比べてみます。日経平均とTOPIXの両方と比べました。

期間 イオン 日経平均 TOPIX
この1年(1年前の2025年10月15日→2026年10月15日) △45.2% +35.1% +25.6%
高値の日から(2025年11月27日→2026年10月15日) △60.9% +28.4% +18.7%
2月末から(2026年2月27日→2026年10月15日) △49.4% +9.5% +1.5%

株式市場全体は上がっているのに、イオンだけが大きく下がっています。「市場全体が下がったから、イオンも下がった」という形ではありません。

なお、10月15日は日経平均が1日で4.9%、TOPIXが2.4%下がった日でした。その日、イオンは0.1%上がっています。

3. 株主は約108万人

イオンの有価証券報告書の「所有者別状況」で、100株以上を持つ個人の株主の数を確かめました。

2月末時点 個人の株主の数(100株以上) 前の年から
2024年 873,158人 ―
2025年 915,535人 +42,377人
2026年 1,078,907人 +163,372人

2026年2月末の株主全体(100株以上)は1,085,170人です。この1年の間に、1株を3株に分ける株式分割(2025年9月1日)があり、100株の値段が3分の1になりました。イオンモールとイオンディライトを完全子会社にする手続きもありました。ただし、株主が増えた理由を会社は書いていないので、ここではつなげません。

確かなのは、株主の数を数えた2026年2月末から見ても、株価が49.4%下がっていることです。

4. 決算などの発表のあと、株価はどう動いたか

イオンの主な発表と、その次の取引日の株価の動きを並べました。発表の時刻はIR BANKの開示一覧で確かめています。

発表(時刻) 中身 次の取引日のイオン 同じ日の日経平均 同じ日のTOPIX
1年前:2025年10月14日 16:00 前の期の中間決算 +9.4%(2025年10月15日) +1.8% +1.6%
2025年12月2日 15:30 ツルハHDの株を買い増す公開買付けの開始 △6.7%(12月3日) +1.1% △0.2%
2026年1月8日 15:30 第3四半期決算 △7.7%(1月9日) +1.6% +0.9%
2026年4月9日 13:30 通期決算と減損760億円のお知らせ △8.2%(当日。取引時間中の発表) △0.7% △0.9%
2026年5月11日 15:30 中期経営計画(2030年度まで) △2.1%(5月12日) +0.5% +0.8%
2026年7月10日 15:30 第1四半期決算 +1.9%(7月13日) △1.9% △0.7%
2026年7月30日 14:00・17:15 熊本地震とイオンモール熊本の事故のお知らせ △4.1%(7月31日) +4.0% +1.3%
2026年10月13日 15:30 今回の中間決算 △6.2%(10月14日) ほぼ横ばい(△0.05%) △0.3%

1年前の中間決算のあとは、株価は9.4%上がりました。ところが、そのあとの第3四半期・通期・今回の中間の3回の決算では、6〜8%下がっています。どの日も、日経平均やTOPIXは大きく下がっていません。

5. 今回の中間決算(2026年3月〜8月)の全体

前の年の中間 今回の中間 増減
営業収益(売上) 5兆1,900億円 5兆9,041億円 +13.8%
営業利益(本業のもうけ) 1,181億円 1,307億円 +126億円(+10.7%)。中間で過去最高
支払利息 236億円 340億円 +104億円
経常利益(利息などを払ったあとのもうけ) 1,065億円 1,083億円 +18億円(+1.7%)
特別損失 310億円 175億円 減損60億円・災害による損失42億円・店舗を閉める費用36億円など
中間純利益(グループ全体の最後の利益) 318億円 473億円
うち子会社のほかの株主の取り分 277億円 340億円
イオンの株主の取り分 40億円 133億円 3.3倍
1株あたりの利益 1.53円 4.81円

(億円未満は四捨五入。会社の説明会資料は切り捨てのため、経常利益は1,064億円・1,082億円と表示されています)

本業のもうけは126億円増えました。しかし、借りたお金の利息も104億円増えたため、利息を払ったあとのもうけは18億円しか増えていません。

6. 3か月ずつに分けると、6〜8月は本業のもうけが10%減っていた

「中間で過去最高」というのは、3月〜8月の6か月を合わせた数字です。第1四半期(3〜5月)の決算短信の数字を引いて、3か月ずつに分けてみました(私の計算)。

本業のもうけ(営業利益) 前の年 今年 増減
3〜5月(第1四半期) 563億円 752億円 +33.6%
6〜8月(第2四半期) 618億円 555億円 △10.2%
6か月の合計 1,181億円 1,307億円 +10.7%

過去最高は、3〜5月の大きな伸びに支えられていました。6〜8月だけを見ると、ツルハHDがまるごとグループに入っているのに、前の年より63億円少なくなっています。

6〜8月の3か月で、事業ごとに増えた・減ったを見ると、こうなります(同じ計算)。

事業 6〜8月 前の年 6〜8月 今年 増減
GMS(総合スーパー) +15.6億円 △91.8億円 △107.4億円
総合金融 135.6億円 78.9億円 △56.7億円
スーパーマーケット 59.3億円 6.2億円 △53.0億円
ディスカウントストア 18.8億円 2.0億円 △16.8億円
ヘルス&ウエルネス(ドラッグストア) 142.6億円 329.9億円 +187.3億円
ディベロッパー・エンターテイメント 215.8億円 264.0億円 +48.1億円

総合金融の減益について、会社は「国内における政策金利上昇に伴う預金金利等の金融費用の増加や、クレジットカード基幹システム更改に係る一時費用の計上等」と書いています。

総合スーパーについて、会社が6〜8月だけの理由を書いているわけではありません。ただ、イオンリテールの既存店(1年以上営業しているお店)の売上は、6月が前の年の94.8%と大きく落ちていました(会社の月次)。3〜5月は既存店の売上が102.4%、客数が101.1%と伸びていましたが、それでも営業損失は37億円でした(第1四半期決算短信)。

7. 事業ごとのもうけ(中間の6か月)

事業 前の年の中間 今回の中間 増減
ヘルス&ウエルネス(ツルハ・ウエルシアのドラッグストア) 227.1億円 596.9億円 +369.8億円
ディベロッパー・エンターテイメント(イオンモール・映画など) 410.1億円 542.5億円 +132.4億円
総合金融 269.7億円 260.8億円 △8.9億円
国際(アジア) 48.9億円 56.2億円 +7.3億円
サービス・専門店 87.8億円 71.1億円 △16.8億円
GMS(総合スーパー:イオンリテール・イオン九州など) △2.3億円 △126.3億円 △124.1億円
スーパーマーケット(U.S.M.H・フジ・マックスバリュ東海など) 128.9億円 △1.8億円 △130.6億円
ディスカウントストア(イオンビッグなど) 37.0億円 4.6億円 △32.4億円
食品スーパー3事業の合計 +163.6億円 △123.5億円 △287.1億円

もうけを伸ばしたのはドラッグストアとモールです。イオンモールについて会社は「過去最高益を更新」と書き、国内の既存モールの専門店の売上は前の年の104.7%でした。会社は「体験型・時間消費型コンテンツが専門店売上を牽引」と説明しています(説明会資料)。

一方で、食品スーパーの3つの事業は、合わせて黒字から赤字に変わりました。

8. ドラッグストア:ツルハを除いた同じ規模で比べても30%増

ツルハHDは2026年1月に連結子会社になりました。前の年の中間には入っていません。会社は「ツルハHDを連結化したことにより大幅増益」と書いています。

では、ツルハの分を除くとどうなのか。説明会資料に、その数字が載っていました。

営業利益 前の年から
ヘルス&ウエルネス事業 596億円 +369億円(+162.9%)
(ツルハグループの実績を除いた単純合算) 333億円 +77億円(+30.0%)

同じ規模で比べても30%伸びています。残りの263億円(596−333、私の計算)は、ツルハのグループが加わった分と、連結のための調整です。596億円は、ツルハHDを子会社にしたことによる「のれん等償却費」44億円を差し引いたあとの数字です。

ツルハHDのグループの中間の売上は1兆2,755億円、営業利益は548億円でした(イオンの中間決算短信)。イオンが持っているツルハHDの議決権は50.9%です(2026年4月15日のお知らせ)。

9. 食品スーパーの赤字の中身

説明会資料には、もうけが増えた・減った理由の内訳がグラフで載っています。前の年の中間と今年の中間を比べたものです(億円)。

売って残る利益(営業総利益) 人件費 設備費 その他 合計
GMS(△2→△126) +52 △97 △47 △32 △124
スーパーマーケット(128→△1) △119 △33 +22 +0 △130
ディスカウントストア(36→4) △4 △17 △8 △2 △32

総合スーパーは、売って残る利益が52億円増えたのに、人件費が97億円増えて追いつきませんでした。スーパーマーケットは、売って残る利益そのものが119億円減りました。3つの事業の人件費の増加を足すと、147億円になります(私の計算)。

会社ごとに見ると、減り方が大きかったのは次の会社です(説明会資料)。

  • 総合スーパー:イオンリテール △96億円、イオン九州 △13億円、イオン北海道 △9億円
  • スーパーマーケット:ミニストップ △39億円、U.S.M.H △34億円、フジ △22億円、まいばすけっと △19億円

総合スーパーの中で最も大きいイオンリテールの赤字(132億97百万円)について、会社は「食品における価格競争力強化や前年の米特需の反動影響に加え、天候不順による衣料・住居余暇の販売不振、人件費の増加等」と書いています。総合スーパーの事業全体については「食品売上の伸び悩みや天候不順による衣料・住居余暇の苦戦を主因に営業損失額が増加」です。

イオンリテールの既存店の売上は前の年の100.6%でした。客数は、決算短信では「前年水準を維持」、説明会資料の数字では99.5%です。売上は落ちていないのに、もうけが減ったという形です。

10. 会社が自分で挙げた課題と、下期の改善策

説明会資料には「食品小売事業 上期苦戦の要因分析」というページがあります。会社は原因を「外部要因」と「内部要因(課題)」に分けて書いています。

外の要因

  • 「前期の政府備蓄米影響等によるコメ特需の剥落」
  • 「中東情勢等に伴うコスト上昇」
  • 「物価高の長期化を背景とする消費者の節約志向の強まり」

内の要因(課題)

  • 「①価格政策の選択と集中」
  • 「②販促施策の運用管理」
  • 「③既存店客数の回復」

外のせいだけにせず、自分たちの課題も3つ挙げています。そのうえで、「第2四半期以降…荒利率、客数ともに改善傾向へ」と書いています。

ただし、売上に対する「売って残る利益」の割合は、6〜8月もまだ前の年より低いままです(スーパーマーケット・総合スーパーで0.5ポイント、ディスカウントストアで0.2ポイント低い。同じ資料のグラフ)。

下期の改善策は4つです(説明会資料)。

  1. 価格政策の立て直し(トップバリュの販売を増やす、値段で人を呼べる商品に絞る)
  2. 販促のやり方の見直し
  3. 来店のきっかけになる商品と、付加価値の高い商品の強化(生鮮・デリカ)
  4. 経費の構造改革(2024年度下期と同じ規模)

11. 月ごとの既存店:6月に落ち込み、9月は持ち直し

イオンリテール 既存店売上(前の年=100) 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
100.5 100.9 105.9 94.8 101.5 100.0 102.6

(イオン「9月度 主な連結各社の月次売上高前期比伸び率一覧」2026年10月13日)

6月に大きく落ち、9月は102.6まで戻りました。会社は、食品スーパーの客数が6月に大きく落ち込んだ主な原因として「天候不順」を挙げ、「7月以降は一部バラつきはあるものの回復基調に」と書いています(説明会資料)。一方、スーパーマーケットのフジ(9月の既存店98.6)やマックスバリュ東海(98.7)は、まだ前の年を下回っています。

これは売上の数字です。もうけが戻ったかどうかは、次の第3四半期の決算で確かめる必要があります。

12. 借金は1年半で7,412億円増え、利息は半年で104億円増えた

時点 有利子負債(金融子会社を除く)
2025年2月末 2兆5,355億円
2025年8月末 2兆5,979億円
2025年11月末 2兆6,880億円
2026年2月末 3兆264億円
2026年8月末 3兆2,767億円

(各回の決算説明会資料「連結貸借対照表」)

同じ期間に、ツルハHDの株の公開買付け(1株2,900円×40,727,772株で約1,181億円、私の計算)や、イオンモール・イオンディライトの完全子会社化がありました。ただし、借金が増えた内訳を会社は1つずつ書いていないので、「何のために借りたか」までは言えません。

利息の負担は、はっきり重くなっています。補足資料の金融費用(支払利息と社債利息など)を、毎年の中間(3〜8月)で並べるとこうです。

中間(3〜8月) 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年
金融費用 177億円 191億円 209億円 237億円 343億円

この1年で一気に増えました。会社は中期経営計画(2026年5月11日)で「財務構造の刷新」を掲げ、「有利子負債の削減と財務基盤の強化」を目指すとしています。

13. 利益の7割は子会社のほかの株主の取り分

イオンのグループには、上場している子会社がたくさんあります(ツルハHD・イオンフィナンシャルサービス・ミニストップ・フジ・イオン北海道・イオン九州など)。

子会社がもうけても、その会社にはイオン以外の株主もいます。その人たちの取り分を引いたあとが、イオンの株主の分です。

今回の中間では、グループ全体の最後の利益約473億円のうち、約340億円(71.8%)が子会社のほかの株主の取り分でした。イオンの株主の分は133億円です。前の年の中間は87%がほかの株主の取り分でした(私の計算)。

5年分を並べると、この影響がよく分かります(説明会資料「連結業績5ヵ年推移」、各年3〜8月)。

中間(3〜8月) 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年
営業収益 4兆4,871億円 4兆7,113億円 4兆9,994億円 5兆1,899億円 5兆9,041億円
営業利益 958億円 1,176億円 986億円 1,181億円 1,307億円
イオンの株主の利益 180億円 233億円 37億円 40億円 133億円

4年で、売上は31.6%、本業のもうけは36.4%増えました。それなのに、イオンの株主の利益は180億円から133億円へ、26.1%減っています(私の計算)。本業のもうけから株主の利益までの間で、利息、特別損失(減損・店舗を閉める費用・災害など)、税金、子会社のほかの株主の取り分が引かれていくためです。

14. 通期の見通しと、下期に必要なもうけ

通期の予想(変更なし) 中間の実績 進み具合
営業収益 12兆円 5兆9,041億円 49.2%
営業利益 3,400億円 1,307億円 38.4%
経常利益 2,900億円 1,083億円 37.3%
イオンの株主の最終利益 730億円 133億円 18.2%

前の年の中間の進み具合(営業利益)は43.7%でした(1,181億円÷2,705億円、私の計算)。

下期(9月〜2月)に必要な営業利益は、3,400億円−1,307億円で2,093億円です。前の年の下期は1,523億円だったので、37%多く稼ぐ必要があります(私の計算)。ただし、前の年の下期はツルハHDがグループに入る前の月を含むので、単純には比べられません。

会社は「食品小売事業における収益構造改革の断行により、通期業績予想達成を目指す」と書いています。

前の期にあった「一回きり」の利益と損

前の期(2026年2月期)の営業利益は2,705億円、純利益は727億円でした。このとき、お店などの値打ちを帳簿で下げる「減損」が975億円(うち第4四半期だけで760億円)ありました。一方で、ツルハHDを子会社にしたときに、もともと持っていた株を時価で評価し直した利益が691億円ありました。会社は「さまざまなコストが発生しましたが…段階取得に係る差益によってこれらのコストを吸収し」と書いています。

今期の最終利益の予想は730億円で、前の期の727億円とほぼ同じ(+0.4%)です。1株あたりの利益の予想は26.39円。10月15日の終値1,126.5円は、その約43倍です。1株あたりの純資産440.50円に対しては約2.6倍です(私の計算)。

15. 熊本の地震と事故

2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県で最大震度7の地震(令和8年熊本地震)が起きました。イオンモール熊本では、お客さまの避難誘導のあとに爆発が起き、7人の方が亡くなりました(2026年7月30日の会社発表の時点)。亡くなられた方々に、心からお悔やみを申し上げます。

中間決算短信には、イオンモール熊本とイオンモール宇城で事故が起きたと書かれています。原因は、外部の専門家だけでつくる事故調査委員会が調べています。会社は、報告書を受け取ったらすぐに公表するとしています。

中間決算の「災害による損失」42億円は、主に熊本地震による被害額です。

16. 配当

決算期 1株配当(株式分割をならした値) 分割前の値 メモ
2010年2月期 6.67円 20円
2011年2月期 7円 21円
2012年2月期 7.67円 23円
2013年2月期 8円 24円
2014年2月期 8.67円 26円
2015年2月期 9.33円 28円 記念配当2円を含む
2016年2月期 9.33円 28円 記念配当がなくなっても合計は同じ
2017〜2018年2月期 10円 30円
2019年2月期 11.33円 34円
2020年2月期 12円 36円 記念配当2円を含む(2019年4月の決算短信の予想)
2021〜2024年2月期 12円 36円 記念配当がなくなっても36円を維持
2025年2月期 13.33円 40円 記念配当4円を含む
2026年2月期 13.67円 41円
2027年2月期(予想) 15円 (45円) ふだんの配当14円+株式会社化100年の記念配当1円

(2010〜2015年2月期は有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」、2013年2月期以降は各年の決算短信で確認)

会社の方針は「1株当たり年間配当金については前年以上を維持しつつ、連結配当性向30%を目標」です(2026年2月期決算短信)。

2010年2月期以降、配当の合計が前の年を下回った年はありません。記念配当が入った年の翌年も、合計は下がっていません(2015→2016年2月期、2020→2021年2月期、2025→2026年2月期)。今期の記念配当1円が来期どうなるかは、資料には書いていません。記念配当を除いたふだんの配当は14円です。

利回りは、15円÷1,126.5円で1.33%。高配当株ではありません。今期の配当性向(利益のうち配当に回す割合)の予想は56.8%です。

17. 株主優待:株式分割のあと、100株でどう変わったか

イオンの株主優待(オーナーズカード)は、イオンでの買い物の金額に応じて、半年ごとにお金が戻る仕組みです。株式分割に合わせて、株数の区切りが変わりました。

株数(今) 戻る割合 分割前の株数でいうと
100〜199株 1% (新しくできた区切り)
200〜299株 2% (新しくできた区切り)
300〜1,499株 3% 分割前の100〜499株
1,500〜2,999株 4% 分割前の500〜999株
3,000〜8,999株 5% 分割前の1,000〜2,999株
9,000株以上 7% 分割前の3,000株以上

(2025年6月12日のお知らせ。2026年2月末の株主から、分割後の株数で判定)

お客さま感謝デーの割引などのそのほかの優待は、100株から使えます。イオンラウンジは、100〜299株で月4回、300〜1,499株で月8回、1,500株以上で月16回です(2026年2月16日のお知らせ。2026年5月1日から)。3年以上持ち続けた株主へのギフトカードは、1,500株以上からです。

100株の計算の例

  • 100株の金額:112,650円(10月15日終値)
  • 1年の配当:1,500円(15円×100株)
  • 優待:イオンでの買い物の1%。たとえば月3万円の買い物なら、1年で36万円の1%で3,600円
  • 300株(337,950円)なら3%。同じ買い物で10,800円

これは計算の例で、この株数をすすめるものではありません。

18. 次の決算で見るところ

  1. 食品スーパー3事業の赤字が縮むか。会社は下期に4つの改善策を打つとしています
  2. 下期に営業利益2,093億円を出せるか。前の期の第3四半期決算は1月8日に出ています
  3. 熊本の事故調査委員会の報告書
  4. 中期経営計画の目標(2030年度):営業収益15兆円、営業利益5,300億円、ROE(株主のお金でどれだけもうけたか)8.5%以上(2026年5月11日)。前の期のROEは6.4%でした

会社は外の心配として「中東情勢をはじめとする国際情勢や資源価格・為替動向等」を挙げています(中間決算短信)。

19. まとめ

  • 株価は高値から60.9%安。株式市場全体が上がる中で、イオンは下がった
  • 本業のもうけは中間で過去最高。でも、6〜8月の3か月だけを見ると10.2%減っていた
  • 食品スーパーは赤字。総合スーパーは人件費、スーパーマーケットは値下げで売って残る利益が減ったのが大きい。会社は自分の課題として「価格政策」「販促」「客数」を挙げた
  • グループは大きくなったが、借金と利息、子会社のほかの株主の取り分も大きくなった。4年前と比べて、本業のもうけは36%増、イオンの株主の利益は26%減
  • 配当は2010年2月期以降、合計で下がったことがない。ただし利回りは1.33%。優待は分割後、100株で1%、300株で3%

株価が下がった理由を、会社は書いていません。ただ、決算を読むと、強い所と弱い所がはっきり分かれていることが分かります。持っている方も、これから考える方も、次の第3四半期の決算で「食品スーパーの赤字が縮んだか」「6〜8月の減益が続いていないか」を、まず確かめるとよさそうです。

関連する過去の記事

この記事で見た資料

  • イオン「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信」「決算説明会資料」「決算補足資料」(2026年10月13日)
  • イオン「2027年2月期 第1四半期決算短信」(2026年7月10日)
  • イオン「2026年2月期 決算短信」「決算説明会資料」「決算補足資料」(2026年4月9日)/「特別損失(減損損失)の計上に関するお知らせ」「特別利益(段階取得に係る差益)の計上に関するお知らせ」(2026年4月9日)
  • イオン「2026年2月期 第2四半期決算説明会資料」(2025年10月14日)/「第3四半期決算説明会資料」(2026年1月8日)
  • イオン「株式会社ツルハホールディングスに対する公開買付けの結果及び子会社の異動に関するお知らせ」(2026年1月7日)/「公開買付け後の株式取得の完了に関するお知らせ」(2026年4月15日)
  • イオン「グループ中期経営計画(2026年~2030年度)の策定について」(2026年5月11日)
  • イオン「令和8年熊本地震に伴う連結業績影響について」「イオンモール熊本の爆発事故について」(2026年7月30日)
  • イオン「株式分割及びそれに伴う定款の一部変更、配当予想修正、株主優待拡充に関するお知らせ」(2025年6月12日)/「その他株主優待制度等の決定に関するお知らせ」(2026年2月16日)
  • イオン「9月度 主な連結各社の月次売上高前期比伸び率一覧」(2026年10月13日)
  • イオン 有価証券報告書(第89期・第90期・第99期・第100期・第101期)、2014・2017・2019・2021・2023・2025年2月期の決算短信

※株価・日経平均・TOPIXは株探・Yahoo!ファイナンス。発表時刻はIR BANK。3か月ずつの分解、増減率、利回り、100株の計算の例などは、資料の数字をもとに私が計算したものです。投資の判断はご自身でお願いします。

▶ YouTubeでも発信中!

高配当株・株主優待の情報をわかりやすく動画で解説しています。
ブログとあわせてチェックしてみてください!

チャンネル登録はこちら
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

たぐ

コロナショック直前の2020年に投資をスタート。リアルタイムで暴落を経験しながら独学で投資の基礎を習得。 現在の運用総額5,000万円超・年間配当収入120万円超を達成。投資信託・ETF・個別株・米国株など100銘柄超に分散投資し、相場の波に強いポートフォリオを構築中。 高配当株の長期保有と新NISAの積立を組み合わせた"2刀流"スタイルで資産形成を実践。保有銘柄の決算・配当・株価をブログで赤裸々公開しています。YouTubeでも投資情報を発信中!

-小売業, 日本株

© 2026 タグの株ブログ Powered by AFFINGER5