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【MS&AD:8725】2023年3月期第2四半期の決算を解説!業績下方修正も配当金増額の謎!?

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  • 保険業業界について知りたい人
  • MS&ADを投資対象に考えている人
  • MS&ADについて知りたい人

 

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  • 個別株高配当株投資(米国、日本株)
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高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)

 

今回は、私の持ち株でもある、『MS&ADインシュアランスグループホールディングス』の2023年3月期第2四半期の決算が発表されましたので解説したいと思います(^^)

 

保険業は大きく分けて、『生命保険』『損害保険』がありますが、MS&ADは、主に後者の損害保険寄りの会社です。

 

損害保険は主に『物にかける保険』なので生産された『モノ』や『サービス』の総和である『GDP(国内総生産)』との相関関係が深いです。

 

MS&ADの2023年度上半期はどのような結果になり、下半期はどうなっていくのか、MS&ADの情報をもとに、私の意見も含めて解説したいと思います(^^)

 

保険業は比較的配当利回りが高い『高配当銘柄』です。

 

その保険業の中でもMS&ADは特に配当利回りが高い銘柄です。

 

MS&ADの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです(^^)

 


 

MS&ADの企業分析

企業概要

企業概要

  • 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
  • 損害保険、生命保険、金融、リスク関連サービス事業を行う
  • 損害保険料収入は、『東京海上HD【8766】』と並びトップ水準
  • 大手株主は、『トヨタ自動車』(約8.8%)
  • 2020年に生命保険販売で、『セブンイレブン』と提携
  • 2021年に新損害サービスシステムを稼働
  • 2022年に米国損害保険Transverse社を買収

 

損害保険の種類には、『火災』、『海上』、『傷害』、『自動車』、『自賠責』などがあります。

 

現在の『MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス』に社名変更されたのは、2010年と若い会社です。

 

日本国内に限らず、アジアの生命保険会社に資本参加や損保会社を買収したりもして海外にも進出しています。

 

直近では米国Transverse社を買収し、『世界トップ水準の保険・金融グループの創造』の実現に向け、世界最大の損保市場である米国事業の拡大を断行しています。

 

取り扱い商品

  • 損害保険
    『三井住友海上火災保険』、『あいおいニッセイ同和損害保険』、『三井ダイレクト損害保険』
  • 生命保険
    『三井住友海上あいおい生命保険』、『三井住友海上プライマリー生命保険』
  • 海外損害保険
  • 金融サービス、リスク関連

 

損害保険に関しては、よくCMで流れているので、名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。

 

MS&ADの業績

四半期の業績推移

銘柄スカウターより引用

 

四半期ごとの売上高と経常利益のグラフです。

 

第1四半期の4月~6月の業績が良くなる傾向がありそうです。

 

その反動か、第2四半期はいづれも業績を落とす結果となっています。

 

第3四半期になると業績を戻しやすい傾向も読み取ることができます。

 

kabutanより引用

 

2023年度第2四半期の業績は、前期比で売上高は、20.4%の増加、経常益は赤字転落、最終益も赤字転落となりました。

 

売上高は増加しましたが、経常益、最終益は赤字転落という結果でした。

 

2023年3月期第2四半期の累計

kabutanより引用

 

2023年3月期第2四半期の累計は、前期比で売上高は10.7%の増加、経常益は赤字転落、最終益も赤字転落となりました。

 

第2四半期の累計でも売上高は増加していますが、経常益、最終益は赤字転落になりました。

 

『特殊要因』により減益となりました。

 

特殊要因については、後ほど触れますが、年初予想における大きな特殊要因は、ロシア・ウクライナの影響くらいしかありませんでした。

 

第1、第2四半期が終わり、振り返ってみると、特殊要因が数多くでてきて収益を押し下げることになりました。

 

業績の修正

kabutanより引用

 

決算時に業績の下方修正がありました。

 

以前の予想と比較して、経常益は37.1%の減少、最終益は41.7%の減少へと修正されました。

 

減益幅が増加するものの、配当金は前回発表から増額され、1株あたり、年間200円になりました。

 

利益が下がっているのに配当金の増額をおこなうという、私には理解し難い状況がおこりました。

 

通期の業績推移

銘柄スカウターより引用

 

通期の売上高と経常利益のグラフです。

 

売上高は、2019年に過去最高を出して以降、減少傾向のグラフとなっています。

 

経常益は業績の下方修正により前期と比べて大きく減少する予想となっています。

 

kabutanより引用

 

2023年度の業績は前期比で売上高は非開示、経常益は43.7%の減少、最終益は46.7%の減少を予想しています。

 

自然災害の多発に加え、ロシア、ウクライナ情勢、新型コロナウイルス感染症拡大、金融マーケット変動などの『特殊要因』による影響を大きく受けるが、収益力強化の取り組みは着実に進捗しているとしています。

 

上期の国内自然災害の影響は、6月の雹害、台風14号、台風15号の影響をうけました。

 

海外自然災害の影響は、北米ハリケーンのイアンによる自然災害ロスを受けました。

 

決算説明会資料より引用

 

新型コロナウイルスの影響としては、台湾におけるコロナ保険金支払いの拡大による影響を受けました。

 

コロナ関連ロスは国内損保が292億円、国内生保が113億円、海外事業は90億円でした。

 

これらは、特殊要因として考慮されており、特殊要因を除く利益は計画通り進捗しており、グループの基礎的な『稼ぐ力』は維持されているとしています。

 

今後は想定される減益要因が少ないとすれば、稼ぐ力は維持されているということなので、収益は増加していくことを想定していると、私自身、理解しました(^^)

 

MS&ADの株価と配当

MS&ADの株価

kabutanより引用

 

2022年11月27日時点での月足チャートです。

 

株価はコロナショック後の2020年の7月に2590円をつけて以降、上昇傾向になっています。

 

決算発表後は業績の下方修正を嫌気され一時、3866円まで下落しましたが、すぐに買い戻され、翌日からは買い圧力が強くなっていきました。

 

業績の下方修正により、売り圧力が強まりましたが、配当金増額や決算の詳細を確認するとそんなに悪い決算でもないという、マーケットの印象だったのでしょうか。

 

ホームページより引用

 

また、普通株式5780万株の自己株式消却も発表されました。

 

5780万株は消却前の発行済株式総数に対する割合は9.7%と、とても大きな数字となっています。

 

消却予定日は2022年11月30日となっています。

 

MS&ADの配当

銘柄スカウターより引用

 

2023年度の配当金は、年間200円を予想しています。

 

当期が始まったころは既に180円から5円の増配で、年間185円となっていましたが、今回の決算で15円増額の年間200円になっています。

 

配当方針としては、『1株当たりの配当水準の安定性を維持することを基本としつつ、グループ修正利益の50%を原資とした基本的還元に加え、市場環境・資本の状況も踏まえて機動的・弾力的に実施する追加的還元により、配当および自己株式の取得による株主還元をおこなう方針』としています。

 

この方針により、配当増額もおこなわれたことになります(^^)

 

2014年以降、現在は9期連続増配であり、10期連続増配に挑戦しています(^^)

 

個人的には増配を意識しており、毎年増配してくれそうに感じます(^^)

 

利回り

銘柄スカウターより引用

 

直近の配当利回りは株価は上昇していますが、配当金増額の影響もあり、4.8%前後もあります。

 

配当利回り4.8%は高配当です(^^)

 

市場全体から見ても高配当ですし、同じ損害保険業の中でも『SOMPOホールディングス【8630】』や『東京海上ホールディングス【8766】』と比べても、飛びぬけて利回りが高いです。

 

配当性向

銘柄スカウターより引用

 

2022年度の配当性向は37.9%でした。

 

2023年度の配当は1株200円で、1株利益が262円を想定しているので、計算すると、配当性向は76.3%くらいになりそうです。

 

ホームページより引用

 

株主還元方針としては、利益の50%を基本に配当および自己株式取得によって還元をおこなうとしています。

 

当期に関しては特殊要因により減益になっているということから、特殊要因が無くなれば配当性向も下がってくるという試算かもしれません。

 



 

MS&ADの財務

kabutanより引用

 

自己資本比率は減少し、11.1%でした。

 

自己資本4000億円程減少し、利益剰余金については2013年から毎年増えておりましたが、第2四半期を終えた時点では減少しています。

 

有利子負債倍率も0.03倍増加しています。

 

財務的には、自然災害リスクにより全体的に数字が若干悪くなりました。

 

2023年度が終わった時点ではどのようになっているのか注目していきたいです(^^)

 

MS&ADのまとめ

ホームページより引用

【まとめ】

  • 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
  • 売上の約6割を国内損害保険、約2割を国内生命保険であげている
  • 2023年3月期第2四半期は業績下方修正で配当増額を発表!
  • 特殊要因を除けば稼ぐ力は強化できている
  • バリュー株の高配当で10期連続増配に挑戦!

 

2023年3月期第2四半期の決算を発表したMS&ADを解説しました(^^)

 

今後の日本は高齢化が進行していきます。

 

リスクに備える保険も売れていくでしょうし、自動車の自動化によってまた新たな保険が生まれるでしょう。

 

日本の人口は減少していくという試算が出ていますが、アジアで見るとまだ増えていくことになっています。

 

アジアの売上も増えてくる可能性が大いにあります。

 

一方で自然災害による保険金支払いは増加傾向にあります。

 

世界的な気候変動の影響で風水災などの自然災害に加え、温暖化で山火事などの発生リスクが高まっています。

 

私は株主でもありますので、引き続き注視していき、ご報告いたします(^^)

 

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)

 


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