こんな方におすすめ
- 保険業界について知りたい人
- MS&ADについて知りたい人
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今回は、私の持ち株でもある、保険業業界の『MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス』について分析してみました。
社名が長いので、ここから『MS&AD』にします(^^)
保険業は大きく分けて、『生命保険』と『損害保険』がありますが、MS&ADは、主に後者の損害保険寄りの会社です。
代表的な保険業の会社は下記の通り12社ほどあります。
MS&ADは、売上高を基準とすると、1位は、『かんぽ生命』、2位は、『第一生命』、3位は、『東京海上』に続く第4位ということになります。
右側の配当利回りを見る限り、保険業は比較的配当利回りが高い『高配当銘柄』ではあるのですが、MS&ADは、その中でも一番配当利回りが高いです。(2020.11記事執筆時点)
そんな、高配当銘柄でもある、MS&ADについて銘柄分析をしましたので、企業分析の参考にしてください(^^)
Contents
MS&ADの企業分析
企業分析
- 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
- 損害保険、生命保険、金融、リスク関連サービス事業を行う
- 損害保険料収入は、ランキング3位の『東京海上HD』と並びトップ水準
- 筆頭株主は、『トヨタ自動車』
- 2020年生命保険販売で、『セブンイレブン』と提携
損害保険の種類には、『火災』、『海上』、『傷害』、『自動車』、『自賠責』などがあります。
現在の『MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス』に社名変更されたのは、2010年と若い会社です。
日本国内に限らず、アジアの生命保険会社に資本参加や損保会社を買収したりもして海外にも進出しています。
取扱商品
- 損害保険
『三井住友海上火災保険』、あいおいニッセイ同和損害保険』、『三井ダイレクト損害保険』 - 生命保険
『三井住友海上あいおい生命保険』、『三井住友海上プライマリー生命保険』 - 海外損害保険
- 金融サービス、リスク関連
損害保険に関しては、よくCMで流れているので、名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。
生命保険は現在育成中のようです。
MS&ADの業績推移
まずは、直近の四半期の業績から見てみましょう。
四半期の業績推移
売上と経常利益のグラフです。
四半期ごとに見てみると、売上の波はあるようです。
比較的新年度が始まる1Qが売上が高くなる傾向なのかなぁという感じです。
新年度になると、生活が変わる人が多くなるから、保険に加入しようということや、勧められることも多くなるのではないかと推測します(^^)
第2四半期の業績
- 売上高 約1兆1827億円 前年比-13.0%
- 経常益 約53億円 黒字転換
- 最終益 約‐6900万円 赤字転落
7月~9月で見ると、前年同期比で売上高は-13%でした。
経常利益は前年が赤字だったので、黒字転換しています。
最終益は逆に若干ながら赤字転落となりました。
通期の業績推移
売上高は良い感じに右肩上がりになっていました。
2020年に若干下げて、今回のコロナになりました。
今のところ、21年の予測は非開示です。
経常利益は2017年が一番高く、それ以降下げ気味傾向です。
通期の業績予測
- 売上高 非開示
- 経常益 2000億円 黒字転換
- 最終益 1400億円 -2.1%
- 1株益 248.0円 -0.2%
売上高は非開示ですが、経常利益は2000億円を予測しており、前年同期比で26.8%のプラス予測です。
最終益となると、前年同期比で-2.1%の1400億円を予測しています。
1株益は、前年と変わらないくらいの248円をキープできそうです(^^)
MS&ADのセグメント業績
売上構成比
- 国内損害保険 約63%
- 国内生命保険 約20%
- 海外 約16%
- その他 約1%
2020年度のデータを基にすると、国内損害保険が売上の約6割を占めています。
国内生命保険が約20%なので、国内で8割以上の売上をあげています。
セグメント業績推移
国内生命保険が苦戦しているように見えますが、国内損害保険売り上げは安定しているようです。
最近は、三井ダイレクト損保のCMをよく見るような印象があります。
三井ダイレクト損保は、2020年度で約366億円の売上がありますが、三井住友海上の約1兆5479億円や、あいおいニッセイ同和損保の約1兆2767億円の売上と比較するとまだまだ成長の余地が大いにあります。
MS&ADの株価と配当
2020年11月27日の時点で、3157円です。
PBRは0.65なので割安です。
PERは12.7倍なので悪くない水準です。
配当利回りは、4.75%なので高配当です。
競合との比較
昨年にMS&ADよりも売上が高かった保険業の企業と比較してみたいと思います。
どの企業も年初来を『0』とすると、まだ年初来を下回っています。
特にMS&ADはまだ約11%程下回っています。
コロナショックの始まりの3月~4月はMS&ADの下落は約26%くらいで一番底堅かったですが、夏場にかけて再び下がり、11月下旬時点では4社の中で一番低迷しています。
配当金、配当利回り
MS&ADの配当金
MS&ADの配当金方針について見ていきましょう。
株主還元方針
- 安定的な配当
- 自己株式取得
安定的な配当かつ、配当性向40~60%をめどとしています。
自己株式取得に関しては、2020年度決算分で200億円を上限に実施の予定となっています。
配当推移
年間の配当推移は右肩上がりです。
21年度は配当維持で1株あたり、150円(中間75円、期末75円)を予定しています。
配当利回り
2020.11.27時点での配当利回りは、『4.75%』です。
4.75%は市場全体からみても、もちろん高配当の部類に入ります。
配当性向に関しては、昨年の実績で60.4%です。
今年度も先ほどの今期予測から推測すると、同じく60.4%前後になりそうだと思います。
現状でMS&ADの株主還元方針の配当性向60%の上限まで来ているので、今後業績を回復させ、さらなる増配を期待しましょう!
MS&ADの財務
財務
- 自己資本比率 11.4%
- 自己資本 約2兆7318億円
- 剰余金 約1兆734億円
- 有利子負債倍率 0.3倍
自己資本比率は、11.4%と一見低く見えがちですが、前年よりも上がっています。
ちなみに、競合の自己資本比率は、かんぽ生命は3.5%、第一生命は6.9%、東京海上は13.5%です。
東京海上よりは低いですが、保険業という業種柄、自己資本比率は低めになります。
剰余金は多くなり、有利子負債倍率は下がっています。
財務的には問題無いと思います。
MS&ADのまとめ
MS&AD【まとめ】
- 『三井住友海上火災保険』と『あいおいニッセイ同和損害保険』を中心とする保険持ち株会社
- 売上の約6割を国内損害保険、約2割を国内生命保険であげている
- バリュー株の高配当
- 財務的には問題なく今後も買い増したい銘柄
損害保険で大手のMS&ADを分析しました。
今後の日本は高齢化が進行していきます。
リスクに備える保険も売れていくでしょうし、自動車の自動化によってまた新たな保険が生まれるでしょう。
日本の人口は減少していくという試算が出ていますが、アジアで見るとまだ増えていくことになっています。
アジアの売上も増えてくる可能性が大いにあります。
現在比較的割安なうちに仕込んでおくのも一つですね(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)