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【王子ホールディングス:3861】未来は明るい!?減配しない安定株の決算を解説!2023年3月期末決算。

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  • 紙・パルプ業界について知りたい人
  • 王子ホールディングスを投資対象に考えている人
  • 王子ホールディングスについて知りたい人

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高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)

 

今回は、紙、パルプ業界で、国内1位の『王子ホールディングス』について解説したいと思います(^^)

 

情報伝達の主要な手段であった新聞や印刷物などの紙の需要は、デジタル化とペーパレス化の進行により減少しています。

一方で、食品や飲料、産業用の包装資材としての紙(特に段ボールなど)の需要は増えています。

 

また、脱プラスチックの流れの中で、環境にやさしい新たな紙素材の開発に対する期待が高まっており、製紙各社はその研究開発に力を入れています。

 

2021年中盤から石炭や天然ガスなどの燃料とパルプなどの原料の価格が高騰しており、これが製造コストの上昇をもたらし、製紙各社は苦しい状況に置かれていました。

 

2023年度が終わり、国内1位の王子ホールディングスの業績はどうだったのか、私の意見も交えて解説したいと思います(^^)

 

王子ホールディングスの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです。

 

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王子ホールディングスの特徴

企業概要

  • 国内トップの製紙メーカー
  • 多角化された製品群
  • 環境への取り組み
  • 買収と提携による成長
  • 革新的な製品開発

 

王子ホールディングスは、国内トップの製紙メーカーで、包装資材(段ボール原紙・白板紙・包装用紙)の分野で、国内トップの地位にあります。

「ネピアシリーズ」の家庭紙や紙おむつなど、人々の日常生活に広く浸透した製品を提供しています。

 

生活産業資材(段ボール、包装材、家庭紙、紙おむつ)、機能材(特殊紙、フィルム)、印刷情報メディア(新聞、情報用紙)、資源環境ビジネス(パルプ、エネルギー)といった、多角化された製品群を提供しています。

 

王子ホールディングスは、環境に配慮したビジネス展開も行っています。

セルロースナノファイバーや、バイオケミカル素材の開発、水処理システムの使用、パルプ原料のプラスチック開発などがあります。

 

王子ホールディングスは、持分法適用会社として三菱製紙、中越パルプ工業、岡山製紙を持ち、これらの企業との提携を通じて成長を遂げています。

また、ニュージーランドのパルプ会社の買収など、海外展開にも積極的に取り組んでいます。

 

革新的な製品開発として、抗菌シート、「ぬらすと!」の開発や、液体紙容器事業への参入など、時代とともに新しい製品やビジネスへの挑戦を続けています。

これにより、王子ホールディングスは、常に市場の先端を行く存在として、競争力を保ち続けています。

 

王子ホールディングスの業績

四半期の業績推移

銘柄スカウターより引用

 

これは、四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。

売上高は増加していますが、営業利益が減少傾向にありそうです。

 

kabutanより引用

 

2023年度第4四半期の業績は、前期比で売上高は6.6%の増加、営業益は1.9%の増加、経常益は22.7%の減少、最終益は16.7%の減少となりました。

 

第4四半期に限っては、売上高、営業益は増加しましたが、経常益、最終益は15%以上の減少という結果になりました。

 

2023年3月期の結果

kabutanより引用

 

2023年度3月期の結果は、前期比で売上高は16.1%の増加、営業益は29.4%の減少、経常益は29.7%の減少、最終益は35.5%の減少となりました。

 

売上高増加の要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大により一時停滞していた経済活動が再開し、それに伴い需要が回復したとしています。

また、パルプ(紙や板紙などを作る原料)の市況(市場価格の動向)が上昇したことも売上増加の一因ということです。

 

原燃料の価格の高騰を受けて価格修正が行われました。

これも売上高を押し上げる要素となりました。

 

営業利益は、会社が普通にビジネスを行って得た利益です。

今回の決算では、売上が上がったけれども、原料の値段も上がったため、結果的に利益は減ったということです。

 

経常利益は、会社の通常の業務から得られる利益です。

今回の決算では、ドルやユーロなどの外貨を持っていて、その価値が変わったため、利益が減ったということです。

 

つまり、前の年に比べて利益が減りましたが、それは原料の値段の上昇や、外貨の価値の変動など、いくつかの理由が影響しているとしています。

 

銘柄スカウターより引用

 

セグメント構成についてです。

こちらが前期末決算における、セグメント別の売上高と利益の表とグラフです。

 

売上高の38%を占めるのは、生活産業資材です。

生活産業資材は、段ボール原紙、段ボール加工、白板紙、包装用紙、家庭紙、紙おむつなどの製品を扱っています。

売上高は38%を占めますが、利益率は-0.16%でした。

 

国内事業では、段ボール原紙、段ボール、家庭用紙などの製品の価格を見直し、売上を前年比で増加させることができました。

 

海外事業では、主に東南アジアとインドで段ボール原紙と段ボールの販売が増え、価格も上がりました。

さらに、マレーシアで新しい段ボール原紙の製造機が稼働し始めたため、海外事業の売上も前年比で増加したということです。

 

売上高構成比20%の資源環境ビジネスは、利益率も16%と高く、稼ぎ頭ということがわかります。

資源環境ビジネスは、パルプ、エネルギー、植林・木材加工などの事業を展開しています。

 

国内事業では、パルプの価格が上昇したため、売上が増えました。

また、新たなバイオマス発電所(植物由来の資源を利用する発電所)が稼働したことにより、エネルギー事業も売上が増えました。

 

海外事業においても、パルプ事業の売上が増えました。

商品がよく売れたこと、そしてパルプの価格が上がったことが要因ということです。。

 

その他のビジネスは、商事、物流、エンジニアリング、不動産などの事業も含まれています。

 

印刷情報メディアは、新聞用紙、印刷、出版、情報用紙などを製造しています。

 

国内事業では、新聞用紙の需要は減少していますが、価格を上げたことで、売上は前年と同じレベルを維持しました。

印刷用紙は、輸入紙の減少により、国産紙への需要が増えたことと、価格の修正により、売上は前年より増えました。

 

海外事業では、中国の事業部の売上は、前年に比べて増加したということです。

 

売上高構成比は高くないものの、7%の利益率の機能材は、特殊紙、感熱紙、粘着、フィルムなどの製品を扱っています。

 

生活産業資材での利益をどう上昇させていくか、機能材の売上高を高くしていくことで、さらなる業績の向上が見込めそうな気がします(^^)

 

通期の業績推移

銘柄スカウターより引用

 

通期の業績についてです。

これは、通期の売上高と営業利益のグラフです。

 

売上高は波がありながらも右肩上がりを形成しており、営業益についても右肩上がりのように見えます。

 

2024年3月期は、増収増益の予想をしています。

 

kabutanより引用

 

通期の業績予想は、前期比で売上高は5.5%の増加、営業益は17.9%の増加、経常益は5.3%の増加、最終益は15.1%の増加を予想しています。

金額にすると、売上高は、18,000億円、営業利益は、1,000億円、経常利益も1,000億円、最終益は650億円を目指しています。

 

王子ホールディングスは、中期経営計画の2年目に入っています。

 

原材料の価格上昇や為替の大きな変動など、ビジネス環境の変化に直面しています。

それでも、「環境問題への取り組み」、「収益向上への取り組み」、「製品開発への取り組み」の3つの目標に向かって進んでいくということです。

 

次期業績予想の基礎となる為替レートとして、3点挙げています。

  1. 円/USドル:130.0。USドルが1%変動すると、約9.3億円の利益に影響します。USドルが高くなると、利益は減少します。
  2. ブラジルレアル/USドル:5.20。USドルが1%変動すると、約5.8億円の利益に影響します。USドルが高くなると、利益は増加します。
  3. NZドル/USドル:1.60。USドルが1%変動すると、約8.1億円の利益に影響します。USドルが高くなると、利益は増加します。

海外事業もあるので、為替レートは重要であるということは覚えておきたいですね(^^)

 

王子ホールディングスの株価と配当

王子ホールディングスの株価

kabutanより引用

 

2023年7月9日時点での月足チャートです。

 

コロナショック時の2020年3月には、1株401円まで下落しましたが、1年ほどで1株769円まで上昇しました。

その後の株価は元気がなく、直近では500円前後になっています。

 

業績の割には株価が割安になっています。

PBRについても1倍を割る、0.55倍なので、とても割安な値となっています。

 

王子ホールディングスの配当

銘柄スカウターより引用

 

配当金についてです。

王子ホールディングスは、利益を積み上げる(内部留保)と同時に、株主に安定的に配当を出すことを目指しています。

 

2024年3月期は、中間8円期末8円合計16円を予測しています。

 

王子ホールディングスは、調べられた限りで、2010年以降、配当維持はあれど、減配はありません。

 

減配しないということから、現時点では、安定した配当金を得ることができると言えるでしょう。

 

会社が保持している内部留保(自社の利益を再投資するために保持しているお金)は、新興国などの成長市場でのビジネス展開や他の会社価値を高めるための活動に使うとしています。

これにより、会社の経営をさらに強化し、業績を向上させることを目指しているということです。

 

利回り

銘柄スカウターより引用

 

配当利回りについてです。

 

2023年7月9日時点での配当利回りは、3.09%となっています。

 

配当利回り的には、私の目指している、3.8%には届いていませんが、紙、パルプ業界国内1位の株を持ちたいと思っていましたので、応援という意味も込めて私のポートフォリオに入っています(^^)

 

配当性向

銘柄スカウターより引用

 

2023年度の配当性向は、28.1%でした。

 

2024年度は1株配当が16円で、1株利益が65.6円を想定しているので、計算すると配当性向は、24.3%くらいになりそうです。

2017年以降の配当性向は、30%を越えることは無く、そこそこの配当金と、事業投資や、将来のために蓄えています。

 

個人的には、『安定した配当金』が目的なので、大きく乱高下する配当性向よりかは、30%前後の配当性向で余裕があるくらいが、枕を高くして寝られるというものだと感じます。



 

王子ホールディングスの株主優待

ホームページより引用

 

王子ホールディングスは、株の投資を魅力的にし、長期的に多くの人々に株を持ってもらうために、5,000株以上の株主には、「植林活動応援イベント」、1,000株以上の株主には、「製品カタログギフト」の2つの株主優待制度を導入しています。

 

ホームページより引用

 

「森のリサイクル」を推進し、株主とともに地球温暖化防止に貢献しています。

 

「植林活動応援イベント」では、株主がメッセージを書いた木製プレートを元に苗木を植え、一部の株主は抽選で植樹体験もできます。

これらの活動はウェブサイトで報告していました。

 

ホームページより引用

 

また、1,000株以上の株主には、「王子ネピア」の商品セットを選べるカタログギフトをプレゼントしています。

 

王子ネピアは肌触りや使い心地、環境への配慮、そして社会貢献といった品質を追求しています。

 

株主優待を受けるには、最低1,000株(約50万円前後)が必要になります。

個人的には、株主優待目当てというよりも、株価が値下がりをしたら、地道に購入を進めて、気づいたら1,000株になっていた。

というのを目指しています(^^)

 

王子ホールディングスのキャッシュフローと財務

kabutanより引用

 

営業キャッシュ・フローは、前年度に比べて1,253億円減り、183億円になりました。

 

現金が増えた主な理由は利益と機械などの価値減少分(減価償却)を合わせた1,577億円です。

逆に、現金が減ったのは、お客さんからもらうべきお金や在庫が増えたこと、そして法人税等を支払った結果、183億円になったということです。

 

投資キャッシュフローは、1,233億円のお金を使いました。

これは、新しい機械を買ったり、既存の機械を更新したり、製品の品質を改善したり、生産を効率化したり、安全性や環境対策のために投資しました。

 

一方、会社は短期の貸し付け(コマーシャル・ペーパー)を使って1,018億円を得ました。

王子ホールディングスは、今後も海外の事業や有望な事業に投資をし、それに必要なお金を自社の利益や外部からの借り入れなどで賄っていく計画です。

 

このようにして、最適な資金調達のバランスを保つことを目指しています。

 

kabutanより引用

 

会社の総資産は、物件や売掛金、在庫などが増えたため、前の年度と比べて2,423億円増え、合計22,960億円になりました。

一方、負債も増え、前の年度と比べて1,532億円増えて13,315億円になっていました。

 

負債の中には、利息が発生するお金(有利子負債)も含まれています。

これから現金や現金同等物(すぐに現金にできる資産)を引いた純有利子負債は、前の年度と比べて1,366億円増えて7,313億円になっていました。

 

一方で、純資産(会社の純粋な価値)は、為替差額や利益の増加により、前の年度と比べて891億円増えて9,646億円になっています。

 

これらの結果、自己資本比率は、40.8%になっています。

一般的には、30%以上の自己資本比率が望まれていることを考えると、40%前後の自己資本比率は、安心していられると思います(^^)

 

利益剰余金は、生み出した利益のうち、株主や出資者に分配されずに企業内に残された部分を指します。

2010年以降、毎年増えており、将来の成長や事業拡大のための資金を蓄えることができています。

 

必要があれば、設備や技術の改善、新商品の開発、事業の多角化など、企業の長期的な戦略を支えるためにさらに活用されるでしょう。

 

王子ホールディングスのまとめ

 

【まとめ】

  • 多角化された製品群を持つ、国内トップの製紙メーカー
  • 2023年3月期は、売上増加で増収、原料価格上昇で減益
  • 2024年3月期は、増収増益予想
  • 株価に元気がなく、指標的には割安水準
  • 財務健全で、減配しない企業!

 

王子ホールディングスについて解説しました(^^)

 

競合他社は、最終赤字になる企業もある中、利益を落としたとはいえ、優秀な経営をしている王子ホールディングスでした(^^)

 

さらに株価が下落するようであれば、しっかりと下値で拾っていく準備をしていきたいと思います。

 

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)

 


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