こんな方におすすめ
- 鉱業業界について知りたい人
- INPEXを投資対象に考えている人
- INPEXについて知りたい人
高配当が好きな私は日々、企業の分析を行っています(^^)
今回は、石油・天然ガスの開発生産をおこなっている、INPEX決算をまとめましたので、解説したいと思います(^^)
2022年2月に勃発したロシアのウクライナ侵攻により、原油価格は高騰しました。
2022年の中盤まで原油価格は高値圏で推移していますが、上昇は一服し、これ以上の利幅は見込めない状況です。
逆に価格が下落局面に入ると収益悪化が懸念されます。
そんな状況の中、直近の決算を解説しますので、INPEXの株を購入しようかと思っている人の参考になれば幸いです(^^♪
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Contents
INPEXの企業概要
企業概要
- 2008年に『国際石油開発』と『帝国石油』が合併して国際石油開発帝石が誕生
- 2021年に国際石油開発帝石から『INPEX』に商号変更
- 日本最大級の石油・天然ガスの開発企業
- 世界各地で石油・天然ガスの探鉱し、開発、生産販売をしている
- 日本最大の埋蔵量・生産量規模を誇る
- 再生可能エネルギーは、地熱発電、ソーラー水素プラントに取り組む
- 筆頭株主は日本政府(約18%)
- 主要取引先にENEOSも含まれる
INPEXは日本最大級の原油・天然ガスの開発生産企業です。
INPEXは特に、豪州で大型ガス田開発、LNG(液化天然ガス)事業を推進していたり、アラブ首長国連邦でクリーンアンモニア製造事業を展開しています。
また、浮体式洋上風力発電に意欲をみせています。
地面に設置する着床式と異なり、風車を海に浮かべます。
水深50メートル以上の海に適した浮体式は、日本のような近海の水深が深い地域での導入余地があり、長崎県で事業化する計画となっています。
INPEXの業績
四半期の業績推移
四半期ごとの売上高と営業利益のグラフです。
INPEXの期の始まりは1月からとなっています。
なので、直近の決算では第2四半期の決算となっています。
コロナショック時に一番打撃を受けた、2020年度の第2四半期以降、業績がV字で回復してきているのがわかります。
直近では四半期ごとに業績を伸ばし続けているのがわかります。
2022年度第2四半期の業績は、前期比で、売上高は2.4倍の増加、営業益は3倍の増加、経常益は3.1倍の増加、最終益は6.5倍の増加となりました。
第1四半期に引き続きとんでもなく良い結果になりました。
業績は順調であり、営業利益率は安定して40%以上あるのが特徴です。
第2四半期の累計
第2四半期の累計は、前期比で売上高は2.2倍の増加、営業益は2.6倍の増加、経常益は2.8倍の増加、最終益は3.5倍の増加となりました。
前期の倍以上稼いでいるとは、普通の成熟した企業では見られない業績となっています。
INPEX:業績予想の修正
第2四半期の決算時に、第1四半期に引き続き業績予想の上方修正がありました。
今期予想の修正率は、売上高は17.9%の増加、営業益は22.6%の増加、経常益は20.4%の増加、最終益は16.7%の増加へと変更になりました。
配当金についても年間6円の増額となりました。
2022年1月~6月時点での原油価格が上振れしたことや為替において円安に推移したことに加え、原油価格と為替の前提条件を見直したことが上方修正の要因になりました。
また、上限1億2000万株、または1200億円とする自社株買いを実施するという発表もありました。
取得期間は8月9日から12月30日の間ということです。
INPEX:通期の業績推移
通期の売上高と営業利益のグラフです。
2021年度はV字回復と素晴らしい結果となりましたが、2022年度もさらに良い業績予想を発表しています。
それもそのはず、売上高、営業利益は予想通りにいくと、2014年の過去最高をはるかに上回る更新をする予想となっています。
2022年12月期の予測
2022年12月期の業績予想は、前期比で売上高は75.3%の増加、営業益は91.8%の増加、経常益は90.8%の増加、最終益は56.9%の増加となる予想を発表しています。
前期は最高益は過去最高を更新しましたが、当期はさらに記録を更新していく予想となっています。
最終益に関しては2021年度に2008年の統合以来、過去最高利益を更新しましたが、当期は再度更新し、売上高、営業益、経常益、1株益も過去最高を更新する予想となっています。
INPEXの株価と配当
INPEXの株価
2022年9月11日時点での月足チャートです。
直近では、コロナショック前の1200円を突破し、2014年最高値の1661円を超え、1831円まで上昇しましたが、利益確定売りなどにより現在は1500円前後になっています。
急激に株価が上昇したので、1600円を超えるには時間がかかるかもしれませんが、1600円を超えると2000円が次のターゲットとなりそうなので、引き続き注視したいと思います(^^)
INPEXの配当
2021年度の48円から6円増配の54円となっていましたが、今回の決算でさらに6円増配され、年間60円となっています。
配当金に関しても過去最高の配当になります。
ちなみに、中間に30円、期末に30円の合計60円となっています。
当期の配当金の増配発表は今回で2回目になります(^^)
利回り
配当利回りは一時の株価の急上昇から少し落ち着きを戻しているので、配当利回りは3.9%くらいになっています。
INPEXと言えば、長らく4.5%以上の利回りを算出していましたが、直近では4%を切る値になっています。
ただ、3.9%でも高い部類ではあるので、今は以前と比較すると割安とは言えないかもしれませんが、購入タイミングを見計らうのも良いかもしれません(^^)
また、INPEXと同じ石油・天然ガス開発生産の石油資源開発【1662】の配当利回りは5.8%と超高配当になっています。
気になる方は石油資源開発についても検索してみてください(^^)
配当性向
2021年の配当性向は31.2%でした。
2022年は1株配当が60円で、1株益が255.7円を予想しているので、計算すると配当性向は23.4%くらいになりそうです。
2022年から2024年までの3か年の中期経営計画によると、株主還元は、『安定的な配当を基本としつつ、業績の成長に応じて、株主還元を強化する』としています。
業績が悪化した場合でも配当金の下限は30円とし、『総還元性向』40%以上を目指しているということです。
配当金だけでなく、自社株買いも株主還元になるので、すべて含めて40%以上の還元を目指しています。
INPEXの株主優待
オリジナルデザインQUOカード、LNG施設の見学
株主優待はQUOカードと直江津LNG基地の見学です。
株主優待は2019年より開始されました。
100株で抽選ではありますが、LNG基地の見学ができます。
QUOカードは最低限、400株以上持っていないともらえません。
かつ、1年以上持っていないと権利を得られませんので、株主優待も狙っていく方は長期保有が前提となります。
INPEXの財務
自己資本比率は58.7%となっています。
前期終了時点と比較して1.9%減少しています。
自己資本比率は減少していますが、自己資本は6000億円以上増加しています。
総資産の増加に比べ自己資本の増加が少なかったため、自己資本比率は減少していますが、自己資本はしっかりと増えているので問題ありません。
利益剰余金は約700億円増加し、有利子負債倍率は0.37倍と低水準になっています。
財務的には引き続き、特に問題はないと思います(^^)
2020年度は大きく自己資本を減らしましたが、回復しているのが財務実績をみてわかります(^^)
INPEXのまとめ
【まとめ】
- 日本最大級の石油・天然ガスの開発企業
- 販売量増加、平均単価上昇、円安により業績好調
- 2022年度は過去最高業績更新の連発を予想!
- 指標的にはまだまだ割安なバリュー株
- 世界的な脱炭素化の流れにも注視が必要
2022年12月期第2四半期の決算を発表したINPEXを解説しました(^^)
販売数量の増加、平均単価の上昇、平均為替レートが円安になったこと、3つの要素が重なり過去最高の業績を更新していく予想のINPEXです。
直近は世界情勢の影響で良い業績となっておりますが、やはり今後は、世界的な脱炭素の流れで石油需要が大幅に減少していく見通しのなか、石油依存からの脱却など業態変化の加速当面の課題になることに変わりはありません。
イクシスLNGの安定操業の達成により、石油・天然ガス分野のポートフォリオの強化と生産効率を向上させました。
オランダの洋上風力事業の取得などにより、再生可能エネルギーを含む事業のスライド対応を進め、事業面での目標を大きく進展させたINPEX。
今後も追いかけていきたいと思います(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)