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【旭化成3407】企業分析!株主として2020年上半期の業績を振り返る。

こんな方におすすめ

  • 化学業界について知りたい人
  • 旭化成について知りたい人

執筆者『たぐ』の紹介

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こちらものぞいてみてください!

  • 個別株高配当株投資(米国、日本株)
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2020年12月に、旭化成より、『第130期上半期、株主通信』をいただきました。

2020年9月30日時点での株主数は145,411名と多くの株主がいらっしゃいます。

旭化成はサランラップで有名ですが、住宅ヘルスケア領域も得意分野です。

今回は、そんな旭化成について分析したので企業分析の参考にしてみてください。



 

動画でご覧になりたい方は、下記をご覧ください(^^)

旭化成の企業分析

企業概要

企業概要

  • 総合化学メーカー
  • マテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの事業領域
  • 複数の上場企業を傘下に持つ
  • 2012年に米国『ゾール・メディカル』を買収
  • 2015年に米国『ポリポア社』を買収
  • 2018年に米国自動車内装大手の『Sage Automotive Interior』を買収
  • 2019年に米国製薬『ペロキシス』を買収

最近は、米国企業を次々に買収しています。

企業規模がどんどん大きくなっています。

業績の前に先に各事業領域について解説します(^^)

 

マテリアル領域

4つの事業

  • 基盤マテリアル事業
  • パフォーマンスプロダクツ事業
  • スペシャルティソリューション事業
  • エレクトロニクス事業

マテリアル領域でもさらに4つに分かれています。

 

基盤マテリアル事業は、石油化学製品を展開し、幅広い産業に対し、製品を提供しています。

ホームページより引用

 

パフォーマンスプロダクツ事業は、繊維素材、高機能樹脂、エコタイヤ向け合成ゴム、キッチン商品などをグローバルに展開しています。

ホームページより引用

 

スペシャルティソリューション事業は、リチウムイオン電池向けのセパレータ、医薬や食品向けの添加剤、自動車・電気機器などのコーティング原料、産業化薬や金属加工など、高付加価値製品を提供しています。

ホームページより引用

 

エレクトロニクス事業は、旭化成エレクトロニクスを中心に集積回路のLSI、磁気センサー・赤外線センサーなどのセンサー製品、水や空気の殺菌に使用されるLEDなどの高機能製品を販売しています。

ホームページより引用

 

住宅領域

2つの事業

  • 住宅事業
  • 建材事業

 

住宅事業

3つの事業

  • 建築請負事業
  • 不動産関連事業
  • リフォーム事業

住宅事業の中でも3つの事業に分かれています。

 

建築請負事業は、旭化成ホームズを中心として、『ヘーベルハウス™』、『へーベルメゾン™』などの商品を提供しています。

ホームページより引用

 

不動産関連事業は、分譲マンションの『アトラス™』シリーズ、『ヘーベルハウス™』の分譲地などの開発事業を行っています。

ホームページより引用

 

リフォーム事業は、高い資産価値を維持し、安心して生活できるよう、外壁塗装や防水などのメンテナンスやライフスタイルに合わせたリフォーム提案をしています。

ホームページより引用

 

建材事業

ホームページより引用

建材事業は、旭化成建材を中心に、軽量気泡コンクリート『へーベル™』をはじめ、省エネルギー住宅に最適な断熱材の『ネオマフォーム™』など高度化するニーズにこたえる製品とサービスを提供しています。

 

ヘルスケア領域

ヘルスケア領域は、3つの事業に分かれています。

3つの事業

  • 医薬事業
  • 医療事業
  • クリティカルケア事業

それぞれ解説していきます。

 

医薬事業

医療用医薬品は、旭化成ファーマを基盤として、整形外科を中心に、血液・循環器、泌尿器、免疫、中枢神経などの領域で有用な新薬を送り出しています。

 

診断薬は、糖尿病関連に強みを持ち、検査キットなどを提供しています。

 

医療事業

4つの事業

  • 血液透析事業
  • アフェレシス事業
  • バイオプロセス事業
  • 輸血フィルター事業

旭化成メディカルを中心に販売しています。

医療事業でも4つに分かれています。

それぞれ解説します。

 

血液透析事業は、グループのコア技術である、膜分離技術をもとに人工透析に使用される製品を開発し、世界70か国以上に供給しています。

ホームページより引用

 

アフェレシス事業は、体外に導いた血液から病因物質を除去した後に体内に戻す治療法です。薬物治療が困難な患者さんへの治療において期待されています。

ホームページより引用

 

バイオプロセス事業は、ウィルス安全性向上と精製プロセスの効率化を実現する製品とサービスを提供しています。

ホームページより引用

 

輸血フィルター事業は、輸血時に起こる発熱や悪寒などの副作用の原因となる白血球を除去するフィルターなどを販売しています。輸血医療の安全と発展に貢献しています。

ホームページより引用 『セパセル®』

 

クリティカルケア事業

ゾール・メディカルを中心に、販売しています。

 

着用型自動除細動器は、『Life Vest®』と呼び、心不全、心筋梗塞後の早期、冠動脈再建術後の患者さんなどに使用されます。

ホームページより引用

 

除細動器は、駅や学校など、公共機関に設置される一般向けの自動体外式除細動器(AED)や医療機関向けのモニタリング付き除細動器まで多彩なラインナップがあります。

ホームページより引用

 

体温管理システムは、各種症例により、正常体温維持が必要な患者さんに対して使用するシステムで、救命救急センターなどで使用されています。

ホームページより引用

 

ITソリューションシステムは、救急、消防機関などにおいて、通報時の緊急自動車の出動や追跡管理を行ったり、救急車内の患者さんのデータを病院へ伝達しれ連携をはかります。

ホームページより引用

次は、旭化成の業績を見てみましょう。



 

旭化成の業績推移

四半期の業績推移

銘柄スカウターより引用

売上高と営業利益のグラフです。

当期の2Qは、1Qよりも売上高、営業利益ともに増加しています。

営業利益は、コロナが一番きつかった1Qでも赤字にはならず持ちこたえました。

 

kabutanより引用

第2四半期の業績

  • 売上高 約5342億円 前年比-5.7%
  • 営業益 約466億円 前年比-22.7%
  • 経常益 約472億円 前年比-22.9%
  • 最終益 約331億円 前年比-37.9%
  • 利益率 8.7%

前年同期比で、売上高こそ-5.7%でしたが、営業益、最終益は20%以上の減少となりました。

 

通期の業績推移

銘柄スカウターより引用

当期は売上高、営業益ともに前期を下回りそうとの予測を出しています。

それでも極端な減収減益にはならなそうです。

 

kabutanより引用

通期の業績予測

  • 売上高 約2兆340億円 前年比-5.5%
  • 営業益 約1400億円 前年比-21.0%
  • 経常益 約1420億円 前年比-22.8%
  • 最終益 約870億円 前年比-16.3%

未定としていた配当は、年間で1株あたり34円の『配当維持』を決定しています。

配当に関しては、後ほど取り上げます。

次は、各セグメントの業績を見てみましょう。

 

セグメント業績

株主通信より引用

2020年度上期の業績

総売上高 9894億円
総営業利益 768億円

  • マテリアル 売上高4384億円、営業利益208億円
  • 住宅 売上高3387億円、営業利益317億円
  • ヘルスケア 売上高2049億円、営業利益354億円

2020年度上半期を終えての各セグメント業績です。

コロナ関連でヘルスケア事業が大きく増益になりました。

 

株主通信より引用

セグメント別の売上高構成は、昨年と比較し、マテリアル事業が約5%減少、住宅事業は微増、ヘルスケア事業は5%程上昇しています。

ヘルスケア事業は今後も伸びていく可能性があります。


 

旭化成の株価と配当

kabutanより引用 2020.12.11終値 月足チャート

コロナショック時は、1株606円でしたが、2020年12上旬時点では、1株1000円前後です。

現在の価格は、2018年の最高値1765円から約43%下落した値にあります。

 

競合との比較

kabutanより引用

株価について競合と、年初来を0%として比較してみます。

は、『旭化成

は、『三菱ケミカルホールディングス

は、『クラレ

は、『三井化学』です。

見てすぐにわかるのは、三井化学が年初来をブレイクアウトしています。

kabutanより引用 三井化学の業績予測

三井化学は、1Qこそ赤字転落してしまったものの、2Qはしっかり黒字に戻してきています。

また、通期の業績予測においては330億円の最終益を発表して配当維持も発表しています。

 

クラレは、8月に2円の減配を発表しましたが、11月に2020年12月期の業績予測を上方修正しています。

 

三菱ケミカルホールディングスは、11月に1140億円の黒字予測から一転、160億円赤字に下方修正しました。

当期の予測は経常益、最終益で赤字転落を予測して、5月の時点で減配も発表されているため株価は停滞しています。

 

旭化成の配当金、利回り

決算説明会資料より引用

旭化成は、『安定配当且つ継続的な増配を目指す』としています。

株主還元意欲は高いですね!

 

銘柄スカウターより引用

ポイント

  • 21年中間『17円』
  • 21年期末『17円』配当維持  年間34円

配当は維持です。

安定且つ増配を期待しましょう(^^)

 

配当利回り

銘柄スカウターより引用

配当利回りは、3.3%前後です。

現在の株価(1000円前後)だと高配当とは言えませんが、低くもありません。

 

配当性向

銘柄スカウターより引用

昨年の配当性向は45%でした。

当期の業績予測は、1株益が62.7円で34円の配当なので、配当性向は54%くらいになりそうです。

 

旭化成の財務

kabutanより引用

財務

  • 自己資本比率 48.9%
  • 自己資本 約1兆3798億円
  • 剰余金 約1兆1493億円
  • 有利子負債倍率 0.52

自己資本比率は数年前と比べると落ちていますが、40%以上ありますし、業績は赤字にはなっていません。

剰余金もありますし、借金も少ないです。

財務は問題ないでしょう(^^)

 

旭化成のまとめ

ホームページより引用

旭化成【まとめ】

  • マテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの事業をもつ総合化学メーカー
  • ヘルスケア事業が伸び、全体の減収減益幅を縮小させた
  • 環境の変化を察知し、的確な経営判断をしていく

総合化学メーカーの旭化成を解説しました。

化学業界という位置づけですが、不動産関連や医療関連のセグメントもあり、減収減益幅の穴埋めしあっている結果になっています。

今後もヘルスケア事業が伸びていくと思いますし、さらなる業績上昇を感じます。

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)



 

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