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好決算株は買い場?アスクル・マルマエ・大阪有機化学を決算資料でチェック

はじめに:好決算を見ると、つい買いたくなる

株式投資をしていると、決算シーズンにこういうニュースを見かけます。

「営業利益が大幅増」
「通期見通しを上方修正」
「配当予想を増額」

こういう言葉を見ると、初心者ほどワクワクします。

しかも、株価がまだ上がりきっていないように見えると、ついこう思います。

「これ、買い場なのでは?」

気持ちはすごく分かります。

決算が良い。
会社が上方修正している。
配当も増える。
それなら株価も上がりそう。

一見すると、とても自然な考え方です。

ただし、株式投資ではここに大きな落とし穴があります。

好決算だから、必ず買い場とは限りません。

理由はシンプルです。

株価は、今出た数字だけでなく、これからの期待も先に織り込みます。すでに株価が大きく上がっている場合、良い決算が出ても「想定通り」と受け止められることがあります。逆に、見た目は赤字でも、来期の回復期待が強ければ株価が反応することもあります。

つまり、決算を見るときに大事なのは、良いか悪いかだけではありません。

大事なのは、次の3つです。

  • その好材料は一時的なのか、続きそうなのか
  • 株価にはすでにどれくらい期待が入っているのか
  • 次に確認すべきポイントは何か

今回取り上げるのは、次の3社です。

  • アスクル
  • マルマエ
  • 大阪有機化学工業

テーマは、「好決算株は買い場なのか」です。

ただし、この記事は特定銘柄の購入をすすめるものではありません。買うべき、売るべきと断言する記事でもありません。あくまで、決算資料を使って、初心者が好決算株を見るときの考え方を整理する記事です。

投資の世界では、「良いニュースを見つけた!」と思った瞬間が、いちばん財布のひもがゆるみます。財布のひもがゆるむ前に、決算資料のひもを少しだけ引っ張ってみましょう。

まずは3社の株価とバリュエーション

最初に、2026年7月3日終値ベースの株価・PER・PBR・配当利回りを確認します。

銘柄 株価 PER PBR 配当利回り 時価総額
アスクル 1,226円 27.4倍 2.30倍 1.63% 1,101億円
マルマエ 2,962円 25.5倍 5.53倍 1.52% 842億円
大阪有機化学工業 5,870円 23.0倍 2.30倍 1.47% 1,315億円

この表を見ると、3社とも極端に割安というより、一定の期待が入っている銘柄に見えます。

特にマルマエはPBR5.53倍です。これは、純資産に対して市場がかなり高い評価をつけている状態です。半導体関連の成長期待が入っていると考えられます。

アスクルはPER27.4倍、PBR2.30倍。業績が一時的に大きく悪化したあと、来期回復を見込む銘柄として見られている可能性があります。

大阪有機化学工業はPER23.0倍、PBR2.30倍。こちらも、上方修正と半導体材料関連の期待を考えると、単純な低評価銘柄とは言いにくい水準です。

ここで大事なのは、株価の数字だけで「高い」「安い」と決めないことです。

PERが高いからダメ。
PERが低めだから買い。
配当利回りが低いから魅力なし。

こういう見方だけだと、決算の中身を見落とします。

同じ好材料でも、アスクル、マルマエ、大阪有機化学工業では意味がかなり違います。

アスクルは、直近の通期決算そのものは赤字です。良いポイントは、2027年5月期に黒字転換を見込んでいることです。

マルマエは、2026年8月期第3四半期累計で売上高・利益が大きく伸びています。こちらは、まさに業績モメンタムが強い銘柄です。

大阪有機化学工業は、2026年11月期の業績予想と配当予想を上方修正しています。ただし、決算発表予定日は2026年7月9日で、詳細な決算内容はこれから確認する必要があります。

同じ「好材料」でも、正体はバラバラです。

ここから1社ずつ見ていきます。

アスクル:直近は赤字。でも来期は黒字転換予想

まずはアスクルです。

アスクルというと、法人向け通販のイメージが強い会社です。オフィス用品や日用品を扱い、個人向けにはLOHACOも展開しています。

今回のアスクルを見るときに、最初に注意したいことがあります。

アスクルは、直近の2026年5月期決算が好決算だったわけではありません。

むしろ、数字だけを見ると厳しい決算です。

2026年5月期の連結業績は、売上高が4,001億99百万円で前期比16.8%減。営業損失は174億45百万円、経常損失は190億62百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は221億50百万円でした。

前期は営業利益140億4百万円でしたので、かなり大きな悪化です。

では、なぜ今回取り上げるのか。

ポイントは、来期の見通しです。

アスクルは2027年5月期の業績予想として、売上高4,900億円、営業利益70億円、経常利益63億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を見込んでいます。

つまり、2026年5月期は赤字でしたが、2027年5月期は黒字転換を見込んでいます。

投資家が見るポイントは、ここです。

「直近の数字が悪いからダメ」ではなく、
「悪化要因が一時的で、来期にどこまで戻るのか」

この見方になります。

アスクルの赤字要因:ランサムウェア攻撃と物流の影響

アスクルの2026年5月期が大きく悪化した主な要因として、決算短信では2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃による影響が説明されています。

物流システムなどが被害を受け、ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOなどで注文受付を一時的に停止しました。その影響で売上が減少し、物流センター内の業務効率も低下しました。

さらに、2025年6月に稼働した「ASKUL関東DC」による立ち上げ一時コストや減価償却費などの固定費増加も影響しています。

ここで初心者が見るべきポイントは、赤字の理由です。

赤字には、いろいろな種類があります。

需要がなくなって売れなくなった赤字。
価格競争で利益率が落ちた赤字。
投資費用が先行している赤字。
一時的なトラブルで売上やコストに影響が出た赤字。

アスクルの場合、決算資料上はランサムウェア攻撃によるシステム障害と、その復旧・物流効率低下の影響が大きく説明されています。

もちろん、一時的なトラブルだから安心、と簡単には言えません。セキュリティ対策、顧客離れ、復旧後の事業回復、物流コストの正常化など、確認すべき点は多いです。

ただ、見るべき論点ははっきりしています。

アスクルは「好決算株」というより、赤字からの回復を会社がどこまで実現できるかを見る銘柄です。

ここを間違えると、記事の読み方も投資判断もズレます。

「好決算だ、買いだ!」ではありません。

「大きく傷んだ業績が、会社予想どおり回復するのか」を見る銘柄です。

ちょっと地味に聞こえるかもしれませんが、投資ではこの地味さが大事です。派手な見出しで入って、地味な注記で現実に戻る。決算資料は、投資家にとっての現実確認タイムです。

アスクルで見るべきポイント

アスクルを見るうえで、初心者が確認したいポイントは3つです。

1つ目は、2027年5月期の売上回復です。

会社予想では、売上高4,900億円、前期比22.4%増を見込んでいます。2026年5月期にランサムウェア攻撃の影響で落ち込んだ売上が、どこまで戻るかが重要です。

2つ目は、営業利益率です。

2027年5月期予想の営業利益は70億円です。売上高4,900億円に対して営業利益70億円なので、営業利益率は高い水準ではありません。復旧後に、物流効率や利益率がどこまで戻るかを見たいところです。

3つ目は、配当です。

アスクルは2026年5月期の年間配当金を10円とし、2027年5月期は年間20円を予想しています。配当が増えるのは好材料ですが、利益回復が前提になります。

つまり、アスクルは「黒字転換予想」と「配当増額予想」が魅力に見える一方で、会社予想の達成度をしっかり確認する必要があります。

初心者向けに一言でまとめるなら、アスクルはこうです。

赤字からの回復シナリオを買う銘柄。だから、次の決算で回復の進み具合を見る。

マルマエ:数字だけ見ると、かなり強い

次はマルマエです。

マルマエは、半導体・FPD製造装置向けの真空パーツメーカーです。決算説明資料でも「半導体・FPD製造装置 真空パーツメーカー」と説明されています。

半導体関連というだけで、投資家の注目を集めやすい分野です。しかも今回は、決算の数字がかなり強いです。

2026年8月期第3四半期累計の連結業績は、売上高140億22百万円で前年同期比92.9%増、営業利益26億44百万円で84.1%増、経常利益24億60百万円で85.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益24億31百万円で159.7%増でした。

かなりの増収増益です。

さらに、2026年8月期の通期予想は、売上高200億円、営業利益41億円、経常利益39億円、親会社株主に帰属する当期純利益33億円です。

前期比では、売上高75.4%増、営業利益98.3%増、経常利益105.2%増、当期純利益145.4%増を見込んでいます。

ここだけ見ると、かなり魅力的に見えます。

ただし、ここでも注意点があります。

株価もすでにかなり動いています。

2026年7月3日終値ベースで、マルマエの株価は2,962円。PER25.5倍、PBR5.53倍です。

業績が良いから評価が高い。
評価が高いから、次も良い数字を求められる。

これが成長株の難しいところです。

数字が良いのに株価が下がることもあります。逆に、数字が良くても「もっと良いと思っていた」と受け止められることもあります。

好決算株を見るときは、会社の業績だけでなく、市場の期待値もセットで見る必要があります。

マルマエの強さ:半導体とFPDの回復

マルマエの決算資料を見ると、業績拡大の背景として、半導体製造装置市場の回復が説明されています。

決算短信では、半導体分野について、半導体工場の高稼働と製造装置市場の回復に伴い、業績が急拡大したとされています。受注額と売上高は、四半期としての過去最高を更新しました。

決算説明資料でも、半導体分野は四半期売上高が過去最高、四半期受注も継続して過去最高更新と説明されています。

FPD分野についても、売上回復やG6、G8 OLED向け案件が豊富であることが説明されています。

さらに、KMACについても、半導体向けが第4四半期には過去最高ペースへ向かうとされています。

ここまで見ると、マルマエは今回の3社の中で、もっとも「好決算株」という言葉に近い銘柄です。

ただし、半導体関連株には注意点があります。

半導体関連は、需要が強いときは一気に伸びます。一方で、市況が変わると受注や在庫調整の影響を受けやすい面もあります。

マルマエの決算短信にも、半導体装置部材分野では顧客在庫の調整が2026年2月で終了した後、一気に受注が拡大したと説明されています。

これは良い材料ですが、同時に「在庫調整」や「受注サイクル」を見続ける必要があるということでもあります。

マルマエを見るうえで大切なのは、次の3つです。

  • 受注の強さが続くか
  • 半導体・FPDの回復が一過性ではないか
  • 高いバリュエーションを正当化できる成長が続くか

初心者向けに一言でまとめるなら、マルマエはこうです。

業績モメンタムは強い。ただし、株価にも期待が入っているので、次の受注と利益率を確認したい。

大阪有機化学工業:上方修正と配当増額が好材料

次は大阪有機化学工業です。

大阪有機化学工業は、公式サイトで特殊アクリル酸エステルのリーディングカンパニーと説明されています。化成品、電子材料、機能化学品などを扱う会社です。

公式サイトでは、アクリル酸エステルの生産技術を強みとし、紙、塗料、化粧品、液晶・電子製品など幅広い用途に使われる製品を提供していると説明されています。

今回の注目点は、2026年7月2日に発表された「業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」です。

大阪有機化学工業は、2026年11月期第2四半期累計と通期の業績予想を上方修正しました。

まず、第2四半期累計の連結業績予想です。

前回予想では、売上高182億円、営業利益31億円、経常利益32億円、親会社株主に帰属する中間純利益22億円でした。

今回修正予想では、売上高200億円、営業利益44億円、経常利益45億50百万円、親会社株主に帰属する中間純利益30億50百万円となりました。

増減率は、売上高9.9%増、営業利益41.9%増、経常利益42.2%増、中間純利益38.6%増です。

次に、2026年11月期通期の連結業績予想です。

前回予想では、売上高375億円、営業利益64億円、経常利益66億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円でした。

今回修正予想では、売上高390億円、営業利益75億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益52億円となりました。

増減率は、売上高4.0%増、営業利益17.2%増、経常利益16.7%増、当期純利益15.6%増です。

さらに、配当予想も修正されました。

従来は第2四半期末40円、期末40円、年間80円の予想でした。今回修正後は、第2四半期末43円、期末43円、年間86円の予想です。

年間で6円の増配予想です。

これは分かりやすい好材料です。

大阪有機の上方修正理由

大阪有機化学工業の修正資料では、第2四半期累計の業績について、ArFレジスト向けを中心に半導体材料が好調に推移したことが説明されています。

また、電子材料関連の販売が増加したことや、子会社の高純度特殊溶剤の販売が好調だったことも要因として挙げられています。

さらに、需要増加に加えて、中東情勢悪化によるコスト上昇分の価格転嫁が進んだことにより、営業利益、経常利益、中間純利益も前回予想を大きく上回る見込みとなったと説明されています。

通期についても、第2四半期累計の業績予想修正に伴い、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が前回予想を上回る見込みとなっています。

ここで初心者が見るべきポイントは、上方修正の質です。

売上が伸びているのか。
利益率が改善しているのか。
価格転嫁ができているのか。
半導体材料の需要が続きそうなのか。

大阪有機化学工業の場合、今回の修正理由には、半導体材料の好調、電子材料関連の販売増、子会社の高純度特殊溶剤の好調、価格転嫁の進展が含まれています。

これはポジティブです。

ただし、注意点もあります。

2026年7月3日終値ベースで、株価は5,870円。PER23.0倍、PBR2.30倍、配当利回り1.47%です。株価チャートを見ると、すでに大きく上昇しているように見えます。

また、決算発表予定日は2026年7月9日です。今回の修正資料だけでなく、実際の決算短信でセグメント別の動き、受注や需要環境、利益率の変化を確認したいところです。

初心者向けに一言でまとめるなら、大阪有機化学工業はこうです。

上方修正と増配は強い材料。ただし、株価はすでに期待を織り込んでいる可能性があるので、7月9日の決算で中身を確認したい。

3社を比較すると、性格がかなり違う

ここまで見てきたように、アスクル、マルマエ、大阪有機化学工業は、同じように「好材料がある銘柄」として並べられても、中身はかなり違います。

アスクルは、2026年5月期が赤字でした。注目点は、2027年5月期に黒字転換できるかです。これは「好決算株」というより、「回復予想株」です。

マルマエは、2026年8月期第3四半期累計で売上高・利益が大きく伸びています。半導体関連の受注も強く、今回の3社の中ではもっとも素直な好決算株です。ただし、PBR5.53倍と評価も高いため、期待値の高さには注意が必要です。

大阪有機化学工業は、業績予想と配当予想を上方修正しています。半導体材料や電子材料関連が好調で、価格転嫁も進んでいます。ただし、決算発表がこれからなので、修正資料だけで判断せず、実際の決算内容を確認したい銘柄です。

表にすると、こうです。

銘柄 今回の注目点 良い材料 注意点
アスクル 赤字からの回復予想 2027年5月期は黒字転換予想、配当20円予想 ランサムウェア影響後の回復度、物流効率、利益率
マルマエ 強い第3四半期決算 売上高92.9%増、営業利益84.1%増、受注・売上が過去最高 半導体サイクル、受注継続、PBR5.53倍
大阪有機化学工業 上方修正と増配 通期営業利益75億円へ上方修正、年間配当86円予想 決算本番の中身、株価上昇後の期待値

初心者が好決算株を見るときは、この分類がかなり大事です。

全部を「良い決算」とまとめてしまうと、見誤ります。

アスクルは回復。
マルマエは成長加速。
大阪有機化学工業は上方修正。

この違いを分けて考えるだけで、投資判断の精度はかなり上がります。

好決算株を見るチェックリスト

ここで、初心者向けに好決算株を見るチェックリストをまとめます。

1. 実績が良いのか、予想が良いのか

まず確認したいのは、良いニュースが「実績」なのか「予想」なのかです。

マルマエは、第3四半期累計の実績が大きく伸びています。
アスクルは、直近実績は赤字ですが、来期予想で黒字転換を見込んでいます。
大阪有機化学工業は、業績予想の上方修正です。

どれも前向きな材料ですが、性格が違います。

実績が良い場合は、その勢いが続くかを見ます。
予想が良い場合は、その予想が達成できるかを見ます。
上方修正の場合は、なぜ修正したのか、その理由を見ます。

2. 一時的な要因か、継続的な要因か

次に、一時的な要因か、継続的な要因かを見ます。

アスクルの赤字要因には、ランサムウェア攻撃という一時的な要素があります。ただし、その影響が完全に一時的で済むかは、次の決算で確認する必要があります。

マルマエの好調は、半導体製造装置市場の回復や受注拡大が背景です。これは続けば大きな成長要因になりますが、半導体関連は市況の波もあります。

大阪有機化学工業は、半導体材料の好調、電子材料関連の販売増、価格転嫁が背景です。これもポジティブですが、どこまで継続するかを確認したいところです。

3. 株価はすでに上がっていないか

好決算株でとても大事なのが、株価の位置です。

良い決算が出ていても、株価がすでに大きく上がっている場合、期待がかなり織り込まれている可能性があります。

マルマエと大阪有機化学工業は、株価チャート上で大きく上昇しているように見えます。こういう銘柄は、次の決算で少しでも期待を下回ると、株価が大きく動くことがあります。

「決算が良いから買う」ではなく、
「決算の良さに対して、今の株価はどこまで織り込んでいるか」

ここを見たいところです。

4. 配当は利益に支えられているか

配当も大事です。

アスクルは2027年5月期に年間20円配当を予想しています。大阪有機化学工業は年間86円へ増配予想です。マルマエも配当方針として、中期事業計画で35%以上の配当性向を予定し、期末配当は株式2分割後で26円に修正されています。

配当が増えるのはうれしいです。

ただし、配当は利益があってこそ続きやすいものです。増配ニュースだけで判断せず、その配当が利益やキャッシュフローに支えられているかを見たいところです。

配当だけを見て買うのは、ケーキの上のいちごだけを見て「このケーキ全部おいしいはず」と判断するようなものです。いちごは大事ですが、スポンジもクリームも見ましょう。

5. 次の確認日を決めておく

最後に大事なのが、次の確認日です。

アスクルは、2027年5月期の回復が実際に進んでいるかを次の決算で確認したいです。

マルマエは、受注の強さ、半導体・FPDの回復、利益率の維持を次の決算で確認したいです。

大阪有機化学工業は、2026年7月9日に決算発表予定です。業績修正だけでなく、決算短信でセグメント別の中身を確認するのが大事です。

投資では、買う前に「次に何を見て判断を更新するか」を決めておくと、かなり冷静になれます。

株価が上がった、下がっただけで気持ちが揺れると、判断がブレます。確認ポイントを先に決めておくと、決算を見る目が少しプロっぽくなります。気分だけは決算説明会の最前列です。

3社の初心者向け評価

最後に、初心者向けに3社の見方を整理します。

アスクル:回復シナリオを見たい人向け

アスクルは、直近決算の見た目は良くありません。2026年5月期は赤字です。

ただし、会社は2027年5月期に黒字転換を見込んでいます。ランサムウェア攻撃の影響からどこまで回復できるか、ASKUL関東DCのコストや物流効率がどう改善するかがポイントです。

初心者が見るなら、「赤字から黒字転換できるか」を追う銘柄です。

勢いで買うというより、会社予想の達成度を確認しながら見たいタイプです。

マルマエ:業績モメンタムを見たい人向け

マルマエは、今回の3社の中でいちばん分かりやすく業績が伸びています。

売上高92.9%増、営業利益84.1%増という数字はかなり強いです。半導体分野の受注・売上も過去最高を更新しています。

ただし、株価も上がり、PBRは5.53倍です。

初心者が見るなら、「良い会社か」だけでなく、「良い決算に対して株価がどこまで先回りしているか」を意識したい銘柄です。

大阪有機化学工業:上方修正の中身を見たい人向け

大阪有機化学工業は、業績予想と配当予想の上方修正が好材料です。

半導体材料、電子材料関連、子会社の高純度特殊溶剤、価格転嫁が背景にあります。

ただし、決算発表予定日は2026年7月9日です。業績修正資料だけで判断するのではなく、決算短信でセグメント別の中身を確認したいところです。

初心者が見るなら、「上方修正の理由が次の決算でも確認できるか」を見る銘柄です。

まとめ:好決算株は、買い場ではなく確認作業のスタート

今回は、アスクル、マルマエ、大阪有機化学工業の3社を、決算資料・業績修正資料をもとに確認しました。

結論としては、好材料はあります。

アスクルは、2027年5月期に黒字転換を見込んでいます。
マルマエは、2026年8月期第3四半期累計で大幅な増収増益です。
大阪有機化学工業は、2026年11月期の業績予想と配当予想を上方修正しています。

ただし、これをそのまま「買い場」とは言い切れません。

理由は、それぞれの好材料の性格が違うからです。

アスクルは回復予想。
マルマエは業績モメンタム。
大阪有機化学工業は上方修正と増配。

同じように見えて、中身はまったく違います。

好決算株を見るときは、次のように考えるのがおすすめです。

  • 良いニュースは実績か、予想か
  • その要因は一時的か、継続的か
  • 株価はすでに期待を織り込んでいないか
  • 配当は利益に支えられているか
  • 次の決算で何を確認するか

好決算はゴールではありません。

むしろ、投資家にとってはスタートです。

「お、良さそう」と思ったら、そこで買う前に、決算資料を見ます。
数字を確認します。
理由を確認します。
株価の位置を確認します。

ここまでやってから判断するだけで、投資の失敗はかなり減らせます。

好決算のニュースは、投資家にとっての入口です。入口でテンションが上がるのは自然ですが、そのままレジまで走らないことが大切です。株式投資のレジでは、返品が少し難しいです。

この記事が、好決算株を見るときの整理に役立てばうれしいです。

参考にした一次資料

  • アスクル株式会社「2026年5月期 決算短信」
  • アスクル株式会社「2026年5月期 決算説明資料」
  • 株式会社マルマエ「2026年8月期 第3四半期 決算短信」
  • 株式会社マルマエ「2026年8月期 第3四半期 決算説明資料」
  • 大阪有機化学工業株式会社「業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」(2026年7月2日)
  • 大阪有機化学工業株式会社 公式サイト
  • 2026年7月3日終値ベースのバリュエーション画像

免責事項

本記事は、公開資料をもとにした情報整理であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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たぐ

コロナショック直前の2020年に投資をスタート。リアルタイムで暴落を経験しながら独学で投資の基礎を習得。 現在の運用総額5,000万円超・年間配当収入120万円超を達成。投資信託・ETF・個別株・米国株など100銘柄超に分散投資し、相場の波に強いポートフォリオを構築中。 高配当株の長期保有と新NISAの積立を組み合わせた"2刀流"スタイルで資産形成を実践。保有銘柄の決算・配当・株価をブログで赤裸々公開しています。YouTubeでも投資情報を発信中!

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