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【三井物産(8031)決算解説】2026年3月期3Q:一過性損失を本業で相殺、CF上方修正と累進配当の安心感

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Contents

① 【稼ぐ力】純利益の実績と「進捗率」

「1年間のゴールに対して、順調に75%を突破!」

  • 第3四半期累計利益:6,119億円
  • 通期利益目標(8,200億円)に対する進捗率:75%

三井物産の第3四半期(4月〜12月の9ヶ月間)までの利益は6,119億円となりました。通期の利益目標8,200億円に対して、ちょうど**75%**という、計算上「完璧なペース」で進捗しています。

なぜ「75%」が目安なの? 1年間は12ヶ月ですが、今回の決算はそのうちの9ヶ月分(4分の3)の結果です。計算すると $9 \div 12 = 0.75$ となるため、**75%に達していれば「予定通りのペースで順調に稼げている」**と判断できます。

ここがポイント:損失を跳ね返した「本業の強さ」 今回の決算で特筆すべきは、一過性の大きな損失があったにもかかわらず、この75%という高い進捗を維持したことです。 後述する「JA三井リース関連の損失(約494億円)」というマイナス要因がありましたが、それを金属資源やエネルギーといった本業(Vale社からの配当やLNG関連など)による約560億円の増益分でしっかりと相殺しています。通期利益予想の8,200億円も据え置いており、目標達成に向けて視界は良好です。

② 【お財布への還元】配当金と自社株買い

「6期連続増配と2,000億円の自社株買い。消却まで見据えた盤石の還元」

  • 年間配当予想:115円(中間55円/期末60円。前期比15円の増配)
  • 自社株買い:最大2,000億円(8,000万株上限、2026年3月19日まで)

三井物産は、株主還元に対して極めて具体的かつ積極的な姿勢を示しています。

6期連続増配と驚異の成長率 2026年3月期の年間配当は115円を予定しており、前期(100円)から15円の増配となります。これで6期連続の増配となる見込みです。2021年3月期からの配当成長率(CAGR)は約22%に達しており、利益の成長をダイレクトに株主へ還元し続けています。

「累進配当方針」の継続を明記 三井物産は「累進配当方針」を導入しています。これは「配当を維持、または増配し、減配はしない」という約束です。今回の資料では、現在の中期経営計画(2026年3月期まで)が終了した後も、この累進配当を継続する方針であることが改めて明記されました。長期投資家にとってこれ以上ない安心材料です。

自社株買いの進捗と「消却」のインパクト 現在実施中の2,000億円(上限8,000万株)の自社株買いは、2026年1月末時点で約1,223億円(約61%)まで進捗しており、着実に実行されています。 さらに、取得した全ての株式は**2026年3月30日に消却(無効化)**される予定です。これにより発行済株式総数の最大約2.77%が削減される計算となり、1株あたりの価値が恒久的に高まります。

中期経営計画を通じた高い還元意欲 中期経営計画(2024年3月期〜2026年3月期)の3年間累計で見ると、稼いだ現金(基礎営業CF)の53%超、純利益の57%超を株主還元に充てる見通しとなっており、稼いだ利益を余すことなく株主に報いる姿勢が鮮明です。

③ 【予想の変化】上方修正の有無

「利益は『据え置き』、でも実質の稼ぎは『上方修正』の好決算!」

  • 当期利益目標:8,200億円(変更なし)
  • 基礎営業キャッシュ・フロー(基礎営業CF)目標:9,500億円(前回予想から+500億円の上方修正)

今回の決算で最も注目したいのが、この「利益」と「キャッシュ・フロー」の差です。

利益が「据え置き」だった理由 本来なら利益も上方修正できるほど絶好調でしたが、JA三井リース関連の損失(約494億円)という「一時的なマイナス」が発生したため、トータルでは期初予想のまま据え置く形となりました。しかし、この損失をVale社の配当やLNG関連などの「基礎収益力」の向上(+560億円)で完全にカバーしており、中身は非常に力強い内容です。

キャッシュ・フローが「上方修正」された意味 商売で実際に稼いだ現金を示す「基礎営業CF」は、前回予想の9,000億円から9,500億円へと上方修正されました。 従来予想に対する進捗率は、第3四半期時点で既に80%を超えており、非常に早いペースでお金が積み上がっています。配当の原資となるのはこの現金ですので、投資家にとっては利益の据え置き以上にポジティブなニュースです。

上方修正を主導した3つの柱:

  1. 金属資源(+200億円): 鉄鉱石価格が想定より堅調だったことや、円安の影響がプラスに。
  2. エネルギー(+250億円): 米国ガス価格の上昇に加え、資産リサイクル(事業の入れ替え)が順調に進展。
  3. 機械・インフラ(+100億円): インフラ事業などの投資先から入ってくる配当金が増加。

このように、一時のトラブル(損失)を本業の稼ぎで跳ね返し、さらにはキャッシュを生み出す力を一段引き上げた、非常に盤石な決算といえます。

④ 【好調の理由】どのビジネスが稼いだか

「資源と非資源の『両輪』で成長。損失を上回る稼ぎを生み出す構造」

三井物産の強みである「資源」と、生活に欠かせない「非資源」の双方が補い合う形で、基礎収益を大きく伸ばしました。

  • 好調な分野(増益の柱):
    • 金属資源(Vale社からの配当): ブラジルの資源大手Vale社からの配当金が435億円(前年同期は193億円)と、242億円の大幅増となりました。市況による鉄鉱石価格の下落を、この配当と為替の円安効果で見事にカバーしています。
    • エネルギー(米国ガスと反動増): 米国ガス価格の上昇(Mitsui EP USA等で185億円の寄与)が貢献しました。また、前年同期にあった一時的な損失がなくなったことも利益を押し上げています。
    • 機械・インフラ(自動車・新事業): Penske Automotive Group等の自動車販売が絶好調です。さらに、宇宙ベンチャーFirefly Aerospace社のIPOに伴う利益(+190億円)などのプラスアルファもありました。
  • 苦戦・懸念点(一過性の損失):
    • JA三井リース関連の損失: 米国の取引先(FBG社)の法的整理に伴い、約494億円の損失(貸倒引当金の影響)を計上しました。
    • ここが安心のポイント: 非常に大きな金額に見えますが、前述した「金属資源・エネルギー等の基礎収益力アップ(+560億円)」だけでこの損失を完全に相殺しています。つまり、**「一時的に大きな大損が出たけれど、本業がそれを上回るスピードで稼いでいるので、トータルの利益は予定通り出せている」**という極めてタフな収益構造が確認できました。

⑤ 【安心材料】財務の状況と将来への投資

「資産の入れ替えを加速し、次なる成長へ」

配当を出しながらも、将来への投資を忘れていないのが三井物産のバランス感覚です。

「資産リサイクル」で投資の質を高める 三井物産は、ただ新しい投資をするだけでなく、持っている資産を賢く入れ替えています。2025年11月から2026年3月期の間に、資産の売却・回収によって約2,010億円の現金を回収しました。

  • 売却したもの: 米国の不動産や、保有していた上場株式(13銘柄)、効率の落ちた既存事業など。
  • 投資したもの: 回収したお金を、オーストラリアの巨大な鉄鉱石事業(Rhodes Ridge)やLNG案件、次世代地熱(米Fervo社)、宇宙ビジネス(Firefly社関連)などの「次世代の稼ぎ頭」へ再投資しています。

「ネットDER 0.52倍」が意味する強固な財務耐性 「ネットDER」とは、自己資本に対して借金がどれくらいあるかを示す指標です。

  • 三井物産の数値:0.52倍(2025年12月末時点) 前年の0.44倍から若干上昇していますが、商社の一般的な健全目安である「1.0倍以下」と比べても極めて保守的(安全)な水準を維持しています。JA三井リースのような一過性の損失があっても揺るがない、非常に高い財務耐性を証明しています。

「稼いだお金」の賢い使い道(今期計画ベース) 今期の基礎営業キャッシュ・フロー(稼いだ現金)は、以下のようにバランスよく配分されています。

  1. 事業維持(約1,930億円): Rhodes Ridgeや既存の鉱山・油ガス田を動かし続けるための「守り」の投資(3年累計で6,900億円の計画)。
  2. 成長投資(約1兆130億円規模): エネルギー転換やウェルネスなど、将来の収益源を作る「攻め」の投資。
  3. 株主還元(約2,360億円規模): 年間配当115円と2,000億円の自己株式取得枠を合わせた還元。 中期経営計画全体で、基礎営業CFの53%超、純利益の57%超を株主還元に充てる計画となっており、「将来への投資」と「今現在の還元」が極めて高いレベルで両立されています。

まとめ:投資家としての振り返り

今回の第3四半期決算を一言でまとめると、**「一時的なトラブルを本業の稼ぎで軽々と跳ね返した、非常にタフで信頼感のある決算」**でした。

1. 一過性損失と本業増益の分離

JA三井リースの損失(約494億円)は、FBG社の破綻に関連した一時的な要因です。対して、金属資源(Vale配当+242億円等)やエネルギーが生み出している増益(+560億円)は継続的な収益力の向上を示しています。この「本業の稼ぎ」が損失を相殺し、累計利益6,119億円を確保している点は、事業ポートフォリオの強さそのものです。

2. キャッシュの強さと将来の還元余力

利益目標は据え置かれましたが、実際に手元に入る現金(基礎営業CF)が**上方修正(9,500億円)**された事実は極めて重要です。第3四半期累計で既に7,488億円を稼ぎ出しており、配当原資は非常に安定しています。中計累計の還元率も53%超を見込むなど、株主還元への余力はむしろ高まっています。

3. 長期投資家にとっての「盤石のセット」

  • 累進配当の継続明記:2021年以降、年率平均22%で成長してきた配当を、今後も「減らさない」と約束。
  • 自社株の全株消却:2,000億円規模の取得株を3月末に消却し、1株あたりの価値を確実に向上。
  • 健全な財務基盤:進捗率75%・ネットDER 0.52倍という、守りの硬さと攻めのバランス。

短期的なニュースで株価が変動しても、企業の「基礎収益力」と「株主を大切にする姿勢」という本質に揺らぎがないことが改めて確認できた、信頼性の高い好決算といえます。

 

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)

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