こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
※本ページはプロモーションが含まれています
- 企業概要:企業の基本情報や事業内容を紹介
- 決算概要: 対象企業の決算のキーポイントを簡潔に紹介
- 株価と配当:過去の傾向と推移を見る
- 株主優待:あれば紹介
- 財務:資金について確認
- まとめ: 全体の要約
- と言う流れでお話ししたいと思います^ ^
日本最大の情報通信建設会社のコムシスHDについて解説します
1、コムシスHDの企業概要
日本最大の情報通信建設会社で、通信インフラやITソリューション、社会システム関連事業を展開
NTT設備やNCC設備の構築を中心に、全国8つの統括事業会社が地域密着型で事業を展開しています
NCCとは、New Common Carrierの略で、通信業界においてNTT以外の通信事業者を指します
日本では、電気通信事業の自由化後に登場した新規参入の通信キャリアの総称として使われています
NCCの代表例
- KDDI(旧DDI、KDD、IDOが統合)
- ソフトバンク(旧日本テレコムを基盤)
- 楽天モバイル
これらの企業は、固定通信やモバイル通信、インターネットサービスなどを提供し、NTTグループと競合しています
コムシスHDとの関係
コムシスホールディングスは、NCCを含む通信キャリア向けに通信設備の構築や保守、ネットワーク関連サービスを提供し、通信インフラの発展を支えています
企業の特徴
-
主な事業
- 有線ネットワーク:光回線・地下ケーブル敷設、通信設備構築・保守。
- 無線ネットワーク:携帯基地局設置、無線LAN構築。
- ITソリューション:ICT基盤構築、アプリ開発。
- 社会システム:防災設備、再生可能エネルギー導入。
- 特殊プロジェクト:海底ケーブル敷設、山岳通信鉄塔建設など。
注力分野
- グリーン事業、都市再生、地域活性化への貢献
主要取引先はNTTグループ
幅広い規模のプロジェクトに対応し、国内通信インフラの発展を支えています
2、決算概要
2025年度3月期第2四半期の累計
売上高:2,641億円(前年同期比 +7.9%)
- 増加要因:
- NTT設備事業(+6.9%)や社会システム関連事業(+19.6%)が売上の牽引役
- 都市再開発プロジェクトや防災設備工事、データセンターの需要増が貢献
- 通信インフラ整備の継続需要が支えとなっている
営業利益:164億円(前年同期比 +16.1%)
- 増加要因:
- 売上総利益の増加(前年同期比 +12.1%)と利益率の向上(12.7% → 13.2%)
- 販売費及び一般管理費(販管費)は前年から+8.9%と抑制的な増加に留まり、収益性が改善
- 特に社会システム関連事業の高収益案件が利益成長を後押し
経常利益:172億円(前年同期比 +15.5%)
- 増加要因:
- 営業利益の増加に加え、営業外収益(受取配当金など)の増加。
- 特別損益の影響が軽微であったことから、利益成長に直接的な影響を与えた
最終利益:108億円(前年同期比 +13.8%)
- 増加要因:
- 売上と営業利益の増加が最終利益を押し上げ
- 法人税負担率も安定しており、持続的な利益成長を実現
好調な理由と背景
- 通信インフラ需要
- 特にNTT設備事業での光回線や通信基地局の建設需要が継続的に伸びている
- 5Gインフラやデータセンター間の接続需要の増加が業績に貢献
- 社会システム関連事業の拡大
- 都市再開発や防災設備、国土強靭化プロジェクトが売上・利益の大幅増加に寄与
- 効率的なコスト管理
- 販管費の増加を抑制しつつ、売上総利益率が向上
- 適切なプロジェクト管理が収益性の改善を支えた
課題
- NCC設備事業の売上減少(-17.6%)が全体の足かせとなっている
主要キャリア以外での需要減退が要因と考えられるため、対応が必要
コムシスホールディングスは、通信インフラや社会インフラ事業を基盤に堅実な成長を遂げており、特にNTT関連事業と社会システム事業が業績を牽引しています
一方、NCC事業の回復が今後の重要な課題です
通期の業績推移
売上高:6,000億円(前期比 +5.0%)
- 増加理由:
- 通信インフラ整備需要の継続的な拡大
- NTT設備事業や社会システム関連事業を中心とした受注拡大
- 特に、防災設備やデータセンター建設、5Gインフラ関連プロジェクトの寄与が見込まれています
営業利益:400億円(前期比 +2.0%)
- 増加理由:
- 売上高の増加に伴う利益拡大
- 販管費増加を抑えた効率的なコスト管理
- 高利益率の社会システム関連事業が利益成長を支える一方で、NCC設備事業の低迷が一部影響
経常利益:405億円(前期比 +0.3%)
- 増加が限定的な理由:
- 営業利益の増加に加え、配当収入などの営業外収益が寄与するものの、一部コスト上昇が影響
- 経常利益成長率は売上高成長率を下回っており、さらなる効率化が課題
最終利益:270億円(前期比 -1.7%)
- 減少理由:
- 法人税負担率の影響や一部の特別損失が見込まれるため、純利益は微減
- 前年には特別利益や税務上の要因が最終利益を押し上げたが、今年度はその影響が軽微
総括
- 売上高成長は堅調であり、特に通信インフラや社会インフラ関連事業が牽引役
- 利益成長はあるものの、営業利益や経常利益の伸びは売上高ほど強くない
- 最終利益の減少は一時的な要因であり、基盤事業の強さにより中長期的には回復が期待される
通信・インフラ市場の需要が続く中で、コスト管理や収益性向上への取り組みが引き続き重要です
3、株価と配当
株価
コムシスホールディングス(2024年11月19日時点)の株価分析
1. 株価推移
- 現在株価:3,281円
- 前日比 -20円(-0.61%)
- 1年の高値・安値:
- 高値:3,796円(2024年4月30日)
- 安値:2,595円(2024年8月5日)
株価動向のポイント:
- 2024年4月に3,796円で高値をつけた後、調整局面に入りました
- 8月5日に2,595円まで下落しましたが、その後は反発基調で推移
株価指標
- PER(株価収益率):14.4倍
- 業界平均並みであり、割高感はありません
- 安定した業績が予想される通信インフラ業界において、適正な評価水準といえます
- PBR(株価純資産倍率):1.07倍
- 純資産に対してほぼ同等の株価水準
- 1倍をわずかに超えており、安定した財務基盤を背景にした評価といえます
配当利回り
- 配当利回り:3.35%
- 日本市場における高配当株の水準
- 配当金が1株あたり110円(2025年3月期予想)であることを考慮すると、インカムゲインを目的とした投資先として魅力的です
総評
- コムシスホールディングスの株価は、2024年の一時的な調整局面を経て回復基調にあります
- PER・PBRは割高感がなく、業績の安定性と財務健全性を反映した適正水準
- 3.35%の高配当利回りは、長期保有を検討する投資家にとって魅力的なポイント
- 今後も通信インフラ需要や株主還元姿勢が株価の下支えになる可能性があります
株価が安値圏を脱しつつあることや、増配が継続していることから、今後の株価動向には期待が持てる局面といえます
配当
配当金の増加傾向
- 2013年3月期には1株当たり20円だった配当金が、2025年3月期予想では110円と、約12年間で5.5倍に増加しています
- 毎年安定的な増配が行われており、株主還元を重視した経営方針が伺えます
配当増加の背景
- 業績の安定成長
- 通信インフラ需要の拡大や社会インフラ関連事業の強化により、安定した利益を確保
- 株主還元の重視
- 長期的に増配を続けることで、株主価値の向上を図る姿勢
- 財務基盤の強化
- 自己資本比率が70%を超える健全な財務体質が、安定的な配当を可能にしている
コムシスホールディングスは、業績の安定成長と財務の健全性を背景に、着実に配当金を増加させています
特に、2025年3月期の110円予想は、株主還元を最優先する姿勢を反映しており、今後も持続的な増配が期待されます
4、株主優待
株主優待はありません
5、財務
自己資本比率:72.7%(2024年9月時点、前年70.3%)
- 高水準の背景:
- 純資産が微増(前年末比 +47億円)しつつ、総資産が減少(前年末比 -168億円)したため、自己資本比率が向上
- 高い自己資本比率は、財務の安定性を示しており、負債依存が低い堅実な経営体質を表しています
- 日本企業平均(約40%)を大幅に上回り、優れた財務健全性を持っています
利益剰余金:3,052億円(2024年9月時点、前年末3,009億円)
- 増加の理由:
- 中間期純利益(約108億円)の計上が主な要因
- 利益剰余金の増加は、収益性の高さと安定した利益の蓄積を表します
- 利益剰余金を活用した株主還元(配当や自己株式取得)にも対応可能な資金力を示します
有利子負債倍率:0.01倍(2024年9月時点、前年0.01倍)
- 低水準の背景:
- 有利子負債(長期・短期借入金)の総額が極めて少なく、自己資本に対する依存度が低い
- 有利子負債倍率が低いほど、金利負担リスクが少なく、財務の柔軟性が高いことを示します
- コムシスはキャッシュリッチな経営で、資金調達におけるリスクがほぼ皆無
コムシスホールディングスは、自己資本比率72.7%や、低い有利子負債倍率から、極めて健全な財務基盤を有しています
また、利益剰余金の増加は収益性と成長力を裏付けています
これにより、安定した事業運営と株主還元(増配・自己株式取得)の継続が可能である点が強みです
6、コムシスHDのまとめ
会社概要
- 業種:情報通信建設業(日本最大規模)
- 主な事業内容:
- 通信インフラ構築:NTT設備事業、NCC設備事業を中心とした光回線・無線基地局構築。
- ITソリューション事業:ICT基盤やアプリケーション開発、ネットワーク構築。
- 社会システム関連事業:防災設備、都市再開発、再生可能エネルギーなど。
- 大規模な海底ケーブル敷設や通信トンネル建設なども手掛ける。
- 主要取引先:NTTグループ
業績動向
第2四半期累計業績(2025年3月期)
- 売上高:2,641億円(前年同期比 +7.9%)
- NTT設備事業や社会システム関連事業の好調が牽引
- 営業利益:164億円(+16.1%)
- 収益性向上
- 経常利益:172億円(+15.5%)
- 最終利益:108億円(+13.8%)
- 利益剰余金の増加を支える安定収益
通期業績予想(2025年3月期)
- 売上高:6,000億円(前期比 +5.0%)
- 営業利益:400億円(+2.0%)
- 最終利益:270億円(-1.7%)
- 法人税負担など一時的要因で最終利益は微減見込み
配当動向
- 2025年3月期予想配当:1株当たり110円(前期比 +5円)
- 過去12年間で配当金が約5.5倍に増加
- 増配を毎年継続しており、株主還元姿勢が顕著
財務状況
- 自己資本比率:72.7%(2024年9月時点)
- 非常に高い水準で、財務の安定性が際立つ
- 利益剰余金:3,052億円
- 中間期の純利益計上により、堅調な増加を維持
- 有利子負債倍率:0.01倍
- 借入依存がほぼ皆無で、金利リスクが極めて低い
強み
- 通信インフラ需要の継続:
- 5Gインフラやデータセンター建設需要が安定して成長
- 高い財務健全性:
- 自己資本比率や低有利子負債倍率により、柔軟な資金運用が可能
- 株主還元:
- 安定した利益剰余金を活用し、増配を継続
課題
- NCC設備事業の不調:
- 売上減少(前年同期比 -17.6%)が全体の足を引っ張っている
- NCCキャリア以外の新規需要開拓が課題
- 利益成長の鈍化:
- 通期予想では最終利益が前年より微減の見込み
- コスト削減や効率的な事業運営が求められる
コムシスホールディングスは、安定した業績と高い財務健全性を誇る企業で、特に通信インフラや社会システム関連事業が成長の柱となっています
一方で、NCC設備事業の不調や最終利益の成長鈍化といった課題があり、これらへの対応が今後の課題です
それでも、毎年増配を継続する姿勢や、高い収益性を背景にした株主還元は評価が高く、中長期的な成長が期待されます
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)