こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
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安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
Contents
決算概要
🏢 まず全体の数字から。
2025年12月期・第3四半期(1〜9月)は、
・売上高 4,242億円(前年同期比+34.6%)
・営業利益 1,063億円(+19.7%)
・経常利益 915億円(+12.1%)
・最終利益 606億円(+11.0%)
どの項目も前年をしっかり上回り、過去最高益ペースを維持しています。
💬 では、なぜここまで伸びているのか。
ポイントは主に3つです。
① 不動産賃貸と販売の両輪が回っていること。
東京23区を中心に約250件の賃貸物件を持つヒューリックですが、
新規竣工や取得物件の稼働が進み、安定した賃貸収入が増えました。
さらに、「ヒューリック銀座ビル」や「ヒューリックスクエア札幌Ⅱ期」などの
大型プロジェクトが竣工し、ここが業績にしっかり貢献しています。
販売用不動産も堅調で、「浅草ビューホテル」や「ヒューリック広尾ビル」などの売却が利益を押し上げました。
② ホテル・旅館事業が急成長中。
売上全体ではまだ10%未満と小さいですが、
伸び率は非常に高く、今後の成長ドライバー。
「ふふ」シリーズや「THE GATE HOTEL」シリーズなどが好調で、
インバウンド需要の回復も追い風。
宿泊単価の上昇に加えて、新規開業ホテルの売上も加わり、
営業利益は前年比+54%と大幅に増えています。
地味に見えるヒューリックの中で、
このホテル事業が“次の柱”になりつつある点は見逃せません。
③ 利益の質が向上していること。
ヒューリックというと、以前は不動産の売却益に依存する傾向がありました。
しかし今期は、安定的な賃貸収入が業績を牽引しており、
営業キャッシュフローがより安定化。
つまり、「一時的な売却益」から「継続的な賃貸利益」への構造転換が進んでいるんです。
この変化は長期投資家にとって非常にポジティブです。
第3四半期の決算がかなり好調で、なんと今回、上方修正も発表されています。
どこまで利益を積み上げてきたのか、詳しく見ていきましょう。
📈 まず通期の見通しから。
2025年12月期の予想は、
・売上高 7100億円(前年+20.0%)
・営業利益 1830億円(+12.0%)
・経常利益 1700億円(+10.2%)
・最終利益 1120億円(+9.4%)
ほぼすべての利益項目で二桁成長を維持しています。
前回の予想から経常利益を1640億円 → 1700億円へ上方修正。
これで、なんと14期連続の過去最高益がほぼ確定的になりました。
🏢 今回の上方修正の背景をもう少し見ていくと…
好調要因は主に3つ。
① 販売用不動産の売却が順調
ヒューリックは、物件の開発から運用、そして売却までのサイクルを上手く回しています。
特に、浅草ビューホテルや広尾ビルなどの売却が利益を押し上げました。
② 賃貸収入が安定的に伸びている
新規竣工物件の稼働率が高く、既存物件も堅調。
景気に左右されにくい“安定収益”が、しっかり業績の底を支えています。
③ ホテル・旅館事業が急伸
まだ全体の売上比では10%未満ですが、
「ふふ」や「THE GATE HOTEL」シリーズが好調で、
宿泊単価の上昇も相まって、利益面で大きく貢献しています。
💰 そして配当も増額。
年間配当は、従来の57円 → 60円へ引き上げ。
前期の54円から比べると、こちらも着実な増配です。
利益の増加にしっかり応じて還元するあたり、
株主思いの姿勢が感じられますね。
後ほど詳しく解説しますね!
📊 まず営業利益率から。
2023年は32.7%と非常に高かったのですが、
2024年は27.6%、そして今期予想では25.8%へと少し下がる見込みです。
これは一見すると「利益率が落ちてる?」と思うかもしれませんが、
実際には売上の分母が大きく増えているための自然な低下です。
つまり、利益が減っているわけではなく、
事業の規模が拡大している証拠。
不動産賃貸・販売・ホテル事業と、複数のセグメントが動いているので、
全体の平均利益率がならされている形です。
それでも25%を超えているのは驚異的で、
不動産業界の中ではトップクラスの水準を維持しています。
💹 次にROE(自己資本利益率)。
こちらは13.15%と、前期(12.8%)からわずかに上昇。
自己資本をしっかり積み上げながらも、
その資本を効率的に活かして利益を出していることを意味します。
ヒューリックは財務基盤が強く、自己資本比率はおよそ25%前後。
それでもこのROEを維持できているのは、
安定した賃貸収入と、着実な開発・売却サイクルが回っているからです。
🏢 そしてROA(総資産利益率)。
こちらは3.28%と、前期の3.7%からやや低下。
ただし、ヒューリックのように総資産3兆円を超える企業では、
この数字でもかなり優秀な部類です。
不動産を大量に保有するビジネスモデル上、
資産が膨らみやすい構造ですが、
その中で3%以上をしっかり確保しているのは高評価ポイントです。
株価と株主還元
現在(10月31日時点)の株価は 1,590円。
直近の高値が9月19日の 1,663円、
1,600円台の壁を超えられるかというところになっています。
📈 PER(株価収益率)は10.8倍。
不動産業の中でも利益成長を続ける企業としては、かなり割安な水準です。
増益・増配を何年も続けていることを考えると、
このPERは“見た目以上に安い”とも言えます。
中長期のバリュー投資先としては魅力的ですね。
🏢 次にPBR(株価純資産倍率)は1.42倍。
資産を多く持つ不動産企業としてはやや高めに見えますが、
裏を返せば“資産を上手に回して利益を生んでいる”証拠です。
開発・賃貸・ホテルといった多面的な事業展開で、
純資産をしっかり活かしてROE13%台を維持している点は高評価。
単なる資産保有型ではなく、“稼ぐ資産”を持つ会社といえます。
💰 そして注目は配当利回り。
今期予想配当は年間60円ですから、
現在の株価1,590円ベースで利回り3.77%。
この水準は不動産セクターの中でも上位クラスで、
増配も続いているので“安定配当+成長性”の両取りができる銘柄です。
まず注目したいのが、この10年間の配当の伸び方。
2015年の年間配当は15円50銭でした。
それが2025年の予想では、なんと60円まで増配。
この10年で約4倍に増えているんです。
安定成長を背景に、しっかり株主へ利益を還元してきた企業ですね。
💰 直近では、2024年の54円から2025年は60円へ。
今回の決算発表に合わせて、配当を57円→60円へ上方修正しています。
つまり、増益と増配がしっかりリンクしているんです。
ヒューリックは、配当を「安定的かつ着実に成長させる」方針を掲げていて、
短期的なブレではなく中長期での増配継続を重視しています。
📈 配当性向も徐々に引き上げ中。
かつて30%台だった還元率は、いまや40〜50%台へ。
利益の拡大に合わせて、株主への分配も強化しています。
また、ヒューリックは自社株買いにも積極的で、
“増配+自社株買い”のダブル還元を続けている点も見逃せません。
🏢 つまり、株主還元の姿勢は一貫しています。
・連続増配
・配当性向の引き上げ
・自社株買いで1株価値を高める
この3つを同時にやっているのが、ヒューリックの強みです。
財務
🎙️ それでは最後に、ヒューリックの財務面をチェックしていきましょう。
まず注目したいのが自己資本比率です。
2024年12月期は 27.3%、
そして最新の2025年9月時点では 24.9% までやや低下しています。
一見すると財務体質が弱くなったように見えますが、
これは悪化というよりも、積極的な投資拡大の結果です。
東京23区を中心とした大型開発案件や、
物流施設・ホテルなどの新規投資を加速させているため、
総資産が3兆4,000億円を超え、その分比率が下がっている形です。
つまり、“攻めの姿勢”が数字に表れているということですね。
💰 次に剰余金。
こちらは年々しっかり増えていて、
2022年が4,010億円 → 2023年は4,612億円、
そして2025年9月時点では 5,402億円 にまで拡大しています。
つまり、内部留保が順調に積み上がっている状態です。
業績で稼いだ利益をしっかり会社に残しつつ、
その一部を配当や自社株買いで株主に還元している。
理想的なバランス経営といえます。
🏦 そして有利子負債倍率。
2023年が1.89倍 → 2024年は2.25倍、
そして最新では 2.60倍 に上昇しています。
これも一見ネガティブに見える数字ですが、
実際には「良質な借入で成長投資を進めている」ことを意味します。
金利負担を抑えつつ、
開発物件やホテル事業など将来収益を生む資産に振り向けており、
財務リスクを大きくしない範囲でレバレッジをかけている。
ヒューリックは借入の多くを長期固定金利で調達しており、
金利上昇局面でも安定した財務運営が可能です。
ヒューリックの決算の感想
今回のヒューリックの第3四半期決算、率直に言ってかなり良かったです。
-
売上・利益ともに大幅増で過去最高益ペースを継続
まず1つ目。
売上・利益ともに大幅増で、過去最高益ペースをしっかりキープしています。
販売用不動産の売却が好調だったうえに、
賃貸収入もしっかり伸びてきました。
売上高は前年同期比+34%、経常利益も+12%と、文句なしの好決算です。 -
通期業績を上方修正し、14期連続の最高益更新が濃厚
2つ目は、
通期業績を上方修正してきた点。
経常利益の予想を1,640億円から1,700億円に引き上げました。
これで14期連続の過去最高益が、ほぼ確定的。
利益成長への自信がしっかり感じられる内容です。 -
ホテル・旅館事業が成長ドライバーに浮上
3つ目。
ホテル・旅館事業が、ついに成長ドライバーとして存在感を見せています。
「ふふ」シリーズや「THE GATE HOTEL」などが好調で、
インバウンド需要の回復や宿泊単価の上昇も追い風に。
営業利益は前年同期比+54%と、勢いがありますね。 -
財務は投資拡大モードへシフト
4つ目は、
財務面で“攻め”に転じていること。
自己資本比率は24.9%とやや下がりましたが、
これは開発やホテル投資を加速させている結果。
守り一辺倒ではなく、将来の収益源を育てるために
積極投資へと舵を切っています。 -
株主還元も強化、配当を57円→60円に増額修正
そして5つ目。
株主還元の強化です。
年間配当を57円から60円に増額修正。
業績好調をそのまま株主に還元する姿勢が見えます。
ヒューリックといえば“連続増配”の実績がありますが、
これでそのブランドをさらに強化した形です。
🎯 まとめると…
売上も利益も好調、通期も上方修正、ホテル事業も伸び、
財務は攻めに転じて、配当も増額。
まさに「攻めながらも安定して稼ぐ」、そんなヒューリックらしい決算でした。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)





