※この記事は、株価・指数の公開データと各社の決算短信・配当のお知らせをもとにした情報の整理です。特定の銘柄の売買をすすめるものではありません。過去の値動きは、これからも同じになることを示すものではありません。
※株価は2026年10月19日終値まで(株探・Yahoo!ファイナンス)。比べる会社は、下げる前の日(10月14日)の終値で選びました。
2026年10月15日、日経平均は1日で3,318円下げました。持っている株が気になって、「高配当株は暴落に強いと聞いたけれど、本当?」「配当金は減らない?」と思った方も多いと思います。
そこで今回は、だれでも名前を知っている大型株のうち、配当利回りが3%以上の会社を全部並べて、10月15日にどう動いたかを調べました。さらに、2024年7月から今までに日経平均が1日で4%以上下げた10回すべてで、同じことを確かめました。
先に言うと、「高配当株は暴落に強い」は、下げの中身しだいで半分だけ本当でした。
1. まず結論
- 10月15日、高配当株52社のうち28社は株価が上がった。ほかの大型株は166社中52社だけ。52社の真ん中の値は+0.05%、ほかの大型株は△1.83%
- 理由は「高配当だから」というより、売られた業種に高配当株が少なかったから。売られたのは非鉄金属・電気機器・機械。52社に電気機器は2社、機械は1社、非鉄金属は0社。日経平均の下げ3,318円のうち約65%は、半導体・AIの3社だけで起きていた
- 10月19日までに、52社のうち41社が下げる前の株価に戻った。日経平均はまだ△4.17%、TOPIX(トピックス)は△0.72%
- 過去10回の大きな下げでは、10回中9回、高配当株のほうが下げが小さかった。でも上がった会社が半分を超えたのは3回だけ。2024年8月5日のように市場全体が売られた日は、そのときの高配当株も1社も上がらず、ほかの大型株より大きく下げた
- 10回とも下げが小さかったのは6社だけ(NTT・ソフトバンク・武田・小野・大東建託・積水化学)。配当は、大きな下げがあった年度でも、そのときの高配当株の4分の3が増やしていた。今回、10月14〜19日に配当予想を変えた会社は52社のうち0社
2. 10月15日に何が起きたか
| 10月14日終値 | 10月15日終値 | 1日の動き | |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 67,744.29円 | 64,425.95円 | △3,318.34円(△4.90%) |
| TOPIX | 4,096.78 | 3,999.34 | △97.44(△2.38%) |
日経平均は10月7日から6日続けて下げ、15日の下げ幅は過去3番目の大きさでした(時事通信・QUICKの報道)。報道では、AIや半導体の会社の株が大きく売られたことが原因とされています。
ここで気づいてほしいのは、日経平均とTOPIXで下げ方が2倍ちがうことです。日経平均が4.90%下げた日に、TOPIXは2.38%の下げでした。この差に、今回の答えのヒントがあります(6章で説明します)。
その後、10月16日は日経平均が898円上げ、19日は407円下げて64,916.70円で終わりました。19日のTOPIXは4,067.48で、+0.04%でした。
3. 今回の条件:下げる前の日の株価で選ぶ
| 段階 | 条件 | 社数 |
|---|---|---|
| 1 | 時価総額1兆円以上(10月14日) | 218社(Jリートを除く) |
| 2 | そのうち配当利回り3%以上(会社予想の配当÷10月14日終値) | 52社 |
| 3 | 比べる相手:残りの大型株 | 166社 |
時価総額は会社の値段のことです。だれでも名前を知っている大きな会社に絞るため、1兆円以上にしました。
会社を選ぶ日は、下げる前の日(10月14日)にしました。下げたあとの株価で利回りを計算すると、下げた会社ほど利回りが上がって選ばれやすくなり、比べ方がかたよるからです。
境目にいる会社は、ゆうちょ銀行(3.01%)が入り、INPEX(2.99%)、セブン&アイ(2.996%)、SOMPO(2.98%)、KDDI(2.94%)、関西電力(2.92%)は外れました。東京海上(3.09%)は入っています。東京海上は9月30日に1株を15株に分けたので、配当予想は分けたあとの株数で直した16.34円で計算しました(会社の8月25日のお知らせ)。
注意:利回りが特別配当込みの会社が2社あります。 ネクソン(17.40%)と堀場製作所(3.11%)です。13章で説明します。決まりどおり52社に入れていますが、外しても結論は変わりません。
4. 言葉の説明
- 日経平均:225社の株価から計算する指数。値段の高い株の動きが大きく効きます
- TOPIX(トピックス):主に東証プライム市場の会社を、会社の値段(時価総額)の大きさに合わせて計算する指数。大きな会社ほど効きます
- 配当利回り:株価に対して、1年でもらえる配当が何%か。今回は会社の予想の配当で計算しています
- 真ん中の値:全部の会社を動きの順に並べて、ちょうど真ん中にいる会社の値。一部の会社の大きな動きに引っぱられにくい見方です
5. 10月15日、高配当株52社の28社が上がった
| 社数 | 上がった会社 | 真ん中の値 | 日経平均より下げが小さい | |
|---|---|---|---|---|
| 高配当株(利回り3%以上) | 52社 | 28社(54%) | +0.05% | 50社 |
| ほかの大型株 | 166社 | 52社(31%) | △1.83% | 124社 |
| 大型株全部 | 218社 | 80社 | △1.23% |
日経平均が4.90%下げた日に、高配当株の真ん中の値はほぼ0%でした。
上がった会社は、武田薬品 +4.99%、アステラス製薬 +4.15%、小野薬品 +3.88%、エーザイ +3.75%、東京海上 +2.57%、JT +2.25%など。薬の会社が目立ちます。
下げた会社は、堀場製作所 △7.84%、日立建機 △6.34%、きんでん △4.78%、大成建設 △4.43%、しずおかFG △3.95%などでした。
比べると、アドバンテスト △14.96%、レーザーテック △13.56%、ソフトバンクグループ △9.33%、東京エレクトロン △7.78%。下げたのは、半導体やAIに関わる会社でした。
6. なぜ?売られた業種に、高配当株が少なかった
時価総額1兆円以上の218社を、東証の33業種に分けて、10月15日の動きを見ました(3社以上の業種)。
| 業種 | 社数 | 真ん中の値 | 上がった会社 |
|---|---|---|---|
| 非鉄金属 | 6社 | △11.21% | 0社 |
| 電気機器 | 33社 | △7.22% | 5社 |
| ガラス・土石製品 | 4社 | △5.30% | 0社 |
| 機械 | 11社 | △5.27% | 0社 |
| 海運業 | 3社 | △3.46% | 0社 |
| 建設業 | 8社 | △3.21% | 2社 |
| 銀行業 | 17社 | △2.45% | 0社 |
| 情報・通信業 | 16社 | +0.59% | 11社 |
| 食料品 | 8社 | +1.98% | 7社 |
| 小売業 | 13社 | +2.09% | 13社 |
| 不動産業 | 5社 | +2.68% | 5社 |
| 医薬品 | 9社 | +3.76% | 9社 |
(業種はJPXの上場会社一覧の33業種)
医薬品は9社全部が上がり、非鉄金属・機械は1社も上がりませんでした。
大型株218社のうち電気機器は33社ありますが、高配当株52社では2社(キヤノン・堀場製作所)だけ。機械は1社(日立建機)、非鉄金属は0社です。高配当株に多いのは、建設業7社、輸送用機器6社、医薬品6社、保険業5社でした。
つまり、「高配当株だから下げなかった」というより、「売られた業種に、高配当株がほとんど入っていなかった」のです。
日経平均の下げの約65%は、3社だけ
日経平均とTOPIXで下げ方が2倍ちがった理由も、ここにあります。
日経平均は、225社の株価に会社ごとの係数をかけて足し、決まった数で割って計算します(日経の算出要領)。日経が公表している構成銘柄の重さ(9月30日時点)に、10月1日の見直し(アドバンテストの重さを下げる調整と、3社の入れ替え)を入れて計算し直すと、10月15日の日経平均は64,425.96円になり、実際の終値(64,425.95円)と1円以内で一致しました。そのうえで、会社ごとの押し下げ幅を出しました。
| 会社 | 10月15日の動き | 日経平均を動かした幅 |
|---|---|---|
| アドバンテスト | △14.96% | △1,303円 |
| 東京エレクトロン | △7.78% | △442円 |
| ソフトバンクグループ | △9.33% | △404円 |
| この3社の合計 | △2,149円(下げ全体の約65%) | |
| 日経平均に入っている高配当株41社の合計 | +29円 |
(日経の公表データと株探の株価から私が計算。アドバンテストの1,303円は報道の数字とも一致)
10月14日時点で、アドバンテスト1社の重さは日経平均の約13%。一方、高配当株52社のうち日経平均に入っている41社の重さを全部足しても約9%です。日経平均が4.9%下げたほどには、高配当株は下げていなかったのは、このためです。
7. 10月19日までに、41社が下げる前の株価に戻った
10月14日(下げる前)から19日までの動きです。
| 社数 | 下げる前の株価を上回った会社 | 真ん中の値 | |
|---|---|---|---|
| 高配当株 | 52社 | 41社 | +1.36% |
| ほかの大型株 | 166社 | 82社 | △0.06% |
| 日経平均 | △4.17% | ||
| TOPIX | △0.72% |
戻りが大きかったのは、小野薬品 +7.50%、アステラス製薬 +7.18%、第一三共 +6.09%、武田薬品 +6.03%、エーザイ +5.22%。上位5社は薬の会社でした。
まだ下にいるのは11社です。堀場製作所 △6.53%、横浜ゴム △2.82%、日立建機 △2.65%、日本郵船 △2.26%、しずおかFG △2.04%、AGC △1.87%、きんでん △1.48%、川崎汽船 △1.17%、双日 △0.88%、清水建設 △0.54%、大成建設 △0.39%。建設・海運の会社が多く入っています。
8. 過去10回の大きな下げで確かめる
10月15日だけでは、たまたまかもしれません。そこで、2024年7月から2026年10月19日までに、日経平均が1日で4%以上下げた10回すべてで確かめました。
比べ方:それぞれの下げの日の前日に、時価総額1兆円以上で、その日までに発表されていた直近の年度の配当(実績)で利回り3%以上だった会社を「その時の高配当株」としました。「今の高配当株」で過去を見ると、その後よく上がった会社ほど利回りが下がって外れてしまい、比べ方がかたよるからです。
| 日付 | 日経平均 | TOPIX | その時の高配当株:上がった/真ん中 | ほかの大型株:上がった/真ん中 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/8/5 | △12.40% | △12.23% | 0社/52社、△13.29% | 0社/104社、△11.43% |
| 2025/4/7 | △7.83% | (取れていない) | 0社/53社、△6.80% | 0社/103社、△7.24% |
| 2024/8/2 | △5.81% | △6.14% | 3社/49社、△4.10% | 4社/112社、△6.22% |
| 2026/3/9 | △5.20% | △3.80% | 7社/29社、△1.41% | 17社/168社、△3.94% |
| 2026/10/15 | △4.90% | △2.38% | 22社/43社、+0.03% | 58社/175社、△1.80% |
| 2024/9/30 | △4.80% | (取れていない) | 5社/45社、△2.62% | 5社/123社、△3.67% |
| 2024/9/4 | △4.24% | (取れていない) | 2社/44社、△2.81% | 12社/121社、△3.44% |
| 2026/6/26 | △4.15% | △1.32% | 32社/50社、+0.70% | 75社/153社、0.00% |
| 2025/3/31 | △4.05% | (取れていない) | 0社/40社、△2.78% | 1社/127社、△3.49% |
| 2026/7/17 | △4.03% | △2.72% | 23社/45社、+0.02% | 42社/165社、△2.39% |
(日経平均の下げ率の大きい順。株価はYahoo!ファイナンス、2026年の分は株探でも照合。TOPIXは株探と、2024年8月の2回はゆうちょアセットマネジメントのマーケットレポート。残り4回は出どころのはっきりした値が取れませんでした。10月15日は、この表では実績の配当で数えたので43社です)
分かったことは3つです。
- 10回中9回は、その時の高配当株のほうが、ほかの大型株より真ん中の値の下げが小さかった
- でも、上がった会社が半分を超えたのは3回だけ(2026年6月26日、7月17日、10月15日)。どれも、日経平均の下げがTOPIXよりずっと大きく、一部の業種に下げがかたよった日でした
- 市場全体が売られた3回(2024年8月5日、2025年3月31日、4月7日)は、高配当株も1社も上がっていない
9. 2024年8月5日は、高配当株のほうが大きく下げた
日経平均が4,451円(12.40%)下げた2024年8月5日。このときの高配当株52社の真ん中の値は△13.29%で、ほかの大型株(△11.43%)より大きく下げていました。
当時の高配当株には、銀行・商社・海運が多く入っていました。
| 業種 | その時の高配当株 | 8月5日の動き |
|---|---|---|
| 銀行 | みずほ、三井住友トラスト、ゆうちょ | みずほ △19.71%、三井住友トラスト △16.92% |
| 商社 | 豊田通商、丸紅、住友商事 | 豊田通商 △19.07%、丸紅 △18.30%、住友商事 △17.68% |
| 海運 | 川崎汽船、日本郵船、商船三井 | 川崎汽船 △22.00% |
JTも△16.83%でした。下げが小さかったのは、大東建託 △0.12%、日本オラクル △0.90%、KDDI △2.06%、小野薬品 △2.58%、ソフトバンク △3.65%です。
ここで大事なのは、「高配当株」の顔ぶれは時期で変わることです。 2024年8月の高配当株52社と、今の高配当株52社で、重なるのは27社だけ。当時入っていたみずほ、三井住友トラスト、住友商事、丸紅、豊田通商などは、今は利回りが3%を下回っていて入っていません。代わりに、今は薬・保険・建設の会社が多く入っています。今回、高配当株が強く見えたのは、今の顔ぶれが、売られた業種とあまり重ならなかったからでもあります。
10. 下げに強い業種・弱い業種は、10回ともほぼ同じだった
大型株218社を業種に分け、10回それぞれで「業種の真ん中の値」が「218社全体の真ん中の値」より下げが小さかった回数を数えました(5社以上の業種)。
| 10回中 | 業種 |
|---|---|
| 10回 | 小売業(13社)、食料品(8社)、陸運業(6社) |
| 9回 | 情報・通信業(16社)、医薬品(9社)、不動産業(5社) |
| 8回 | サービス業(7社) |
| 7回 | 輸送用機器(11社)、建設業(8社) |
| 6回 | 化学(14社) |
| 5回 | 保険業(7社) |
| 3回 | その他製品(5社) |
| 2回 | 銀行業(17社) |
| 1回 | 卸売業(9社。商社をふくむ) |
| 0回 | 電気機器(33社)、機械(11社)、非鉄金属(6社) |
食べ物、お店、鉄道、通信、薬は、景気が悪くても売上が落ちにくいとされる業種で、「ディフェンシブ」と呼ばれます。10回の結果も、その呼び方どおりでした。
一方で、銀行・商社・保険は、配当利回りが高いことが多いのに、全体が売られた日には大きく下げました(2024年8月5日の真ん中の値:銀行業 △16.8%、卸売業 △16.5%、保険業 △16.8%)。
高配当株かどうかより、どの業種かで、急落の日の動き方がほぼ決まっていたと言えます。
11. 10回とも下げが小さかったのは6社だけ
今の高配当株52社が、10回それぞれで「大型株218社の真ん中の値」より下げが小さかった回数を数えました。
- 10回とも:NTT、ソフトバンク、武田薬品、小野薬品、大東建託、積水化学(6社)
- 9回:JAL、大和ハウス、協和キリン、ヒューリック、アサヒ、ZOZO、JT、JR西日本、三菱HCキャピタル
- 3回以下:堀場製作所 1回、横浜ゴム 1回、オリックス 1回、双日 2回、日立建機・しずおかFG・AGC 3回
※ここでいうソフトバンクは携帯電話の会社です。10月15日に△9.33%だったソフトバンクグループとは別の会社です。
保険の会社(東京海上・MS&AD・第一ライフ・T&D)は10回中4〜5回で、全体が売られた日に大きく下げました(2025年4月7日:第一ライフ △12.98%、東京海上 △12.65%)。
なお、「日経平均より下げが小さかった」で数えると、10回ともの会社は17社に増えます。日経平均は値段の高い一部の会社に引っぱられるので、基準としては甘くなります。この記事では、218社の真ん中の値を基準にしました。この6社が次も強いとは限りません。 過去10回はこうだった、という結果です。
12. 暴落すると配当金は減る?
今回は、52社とも配当予想を変えていない
10月14日から19日までの東証の適時開示(1,029件)を調べました。52社の配当予想や業績予想の修正は、1件もありませんでした。
配当は、会社が利益と配当の方針で決めます。株価が下がっただけでは変わりません。持っている人がもらう配当は同じで、これから買う人にとっての利回りが上がります(例:日立建機は10月14日の3.38%が19日には3.47%、日本郵船は3.19%が3.26%)。
過去の大きな下げの年度は?
その時の高配当株が、大きな下げの日をふくむ年度に、配当を前の年度より増やしたか・減らしたかを数えました(株探の1株配当。株式分割をならした値)。
| 大きな下げ | その時の高配当株 | 増配 | 据え置き | 減配 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年8月5日 | 52社 | 39社 | 11社 | 2社 |
| 2025年4月7日 | 53社 | 39社 | 8社 | 6社 |
大きな下げがあった年度でも、その時の高配当株の4分の3は配当を増やしていました。
配当を減らした会社の数字は、各社の決算短信・配当のお知らせで確かめました。
| 会社 | 前の年度 | その年度 | メモ |
|---|---|---|---|
| 日本オラクル | 674円 | 190円 | 674円は普通配当174円+特別配当500円(2024年6月25日のお知らせ)。ふだんの配当は増えている |
| 日産自動車 | 20円 | 0円 | 無配 |
| 日本郵船 | 325円 | 230円 | 230円には記念配当25円が入っている |
| 商船三井 | 360円 | 200円 | |
| JFE HD | 100円 | 80円 | |
| 日本製鉄 | 32円 | 24円 | 2025年10月1日に1株→5株に分割。分割をならした値 |
| ヤマハ発動機 | 50円 | 35円 |
減らした理由は、この記事では書きません(会社の資料で理由まで読んでいないため)。ただ、日本オラクルのように、特別配当がなくなっただけの会社もあります。
配当が変わりうるのは、決算のとき
52社の次の決算は、10月27日から11月19日に集中しています(JPXの決算発表予定日の一覧で確認)。
- 10月27日:キヤノン、日本取引所グループ
- 10月28日:ヒューリック
- 10月29日:JT、武田薬品、デンソー、アイシン、小野薬品、日立建機、ZOZO
- 10月30日:第一三共、双日、大東建託、きんでん、積水化学
- 11月2日:JAL、協和キリン
- 11月4日:NTT、アステラス製薬、川崎汽船
- 11月5日:トヨタ、日本製鉄、日本郵船、JR西日本、AGC
- 11月6日:いすゞ、JFE
- 11月9日:ソフトバンク、オリックス、清水建設、東京センチュリー
- 11月10日:ネクソン、SUBARU、しずおかFG、エーザイ
- 11月11日:大和ハウス、鹿島、大成建設
- 11月12日:ブリヂストン、三菱HCキャピタル、ソニーフィナンシャルG
- 11月13日:ゆうちょ銀行、第一ライフ、アサヒ、T&D、大林組、横浜ゴム、堀場製作所
- 11月19日:東京海上、MS&AD
- 予定日の表示なし:ホンダ、積水ハウス(ホンダはJPXの一覧で「未定」。積水ハウスは1月決算で、JPXの10月15日時点の一覧には載っていない)
13. 落とし穴:利回りが特別配当込みの2社
- ネクソン(17.40%):配当予想475円は、中間30円+特別配当415円(基準日2026年9月30日)+期末30円。会社は特別配当を「これまで蓄積された超過資金を解消する一時的な措置」と書いています。ふだんの配当だけなら利回りは約2.2%で、特別配当の基準日はもう過ぎています
- 堀場製作所(3.11%):配当予想790円は、普通配当360円+特別配当190円+記念配当240円(2026年8月7日のお知らせ)。ふだんの配当だけなら約1.4%です
利回りランキングで上にいても、こうした会社は「ふだんの高配当株」とは言えません。
14. 自分で確かめる方法
- 自分の株の業種を見る:急落の日の動きは、業種でかなり決まっていました。電気機器・機械・非鉄金属・銀行・商社は、全体が売られた日に大きく下げやすい業種でした
- 下げた日の動きを、日経平均とTOPIXの両方と比べる:日経平均は一部の値段の高い会社に引っぱられます。TOPIXと比べると、自分の株の本当の下げ方が分かります
- 配当予想の開示を見る:株価が下がっても、配当予想が変わるのは会社が発表したときだけ。東証の適時開示や会社のホームページで、「配当予想の修正」が出ていないかを確かめます
- 利回りの中身を見る:特別配当・記念配当が入っていないか。ふだんの配当だけで計算し直してみます
15. まとめ
- 10月15日、日経平均が3,318円下げた日に、大型の高配当株52社のうち28社は上がっていた
- でもそれは「高配当だから」というより、売られた業種(半導体・AIに関わる電気機器・機械・非鉄金属)に高配当株が少なかったから。日経平均の下げの約65%は3社だけで起きていた
- 過去10回では、高配当株は10回中9回、下げが小さかった。でも市場全体が売られた日は1社も上がらず、2024年8月5日はむしろ大きく下げた
- 高配当株の顔ぶれは時期で変わる。今は薬・保険・建設が多く、2024年8月は銀行・商社・海運が多かった
- 配当は、大きな下げの年度でも4分の3の会社が増やしていた。配当が変わるかどうかは、10月27日から始まる決算で分かる
「高配当株だから安心」ではなく、自分の株がどの業種で、配当をどう決めている会社なのかを、1社ずつ確かめてみてください。
16. 52社の一覧(10月14日→19日の動きが大きい順)
| 会社(コード) | 業種 | 10/14終値 | 利回り(10/14) | 10/15の動き | 10/19終値 | 10/14→10/19 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小野薬品工業(4528) | 医薬品 | 2,265.5円 | 3.53% | +3.88% | 2,435.5円 | +7.50% |
| アステラス製薬(4503) | 医薬品 | 2,262.5円 | 3.54% | +4.15% | 2,425円 | +7.18% |
| 第一三共(4568) | 医薬品 | 2,601円 | 3.84% | +1.92% | 2,759.5円 | +6.09% |
| 武田薬品工業(4502) | 医薬品 | 5,889円 | 3.46% | +4.99% | 6,244円 | +6.03% |
| エーザイ(4523) | 医薬品 | 4,692円 | 3.41% | +3.75% | 4,937円 | +5.22% |
| 東京海上HD(8766) | 保険業 | 529円 | 3.09% | +2.57% | 554.9円 | +4.90% |
| ZOZO(3092) | 小売業 | 1,172円 | 3.41% | +1.92% | 1,221.5円 | +4.22% |
| ヒューリック(3003) | 不動産業 | 1,665円 | 4.02% | +0.87% | 1,725.5円 | +3.63% |
| MS&AD(8725) | 保険業 | 4,987円 | 3.41% | +0.60% | 5,160円 | +3.47% |
| JR西日本(9021) | 陸運業 | 2,959円 | 3.30% | +0.20% | 3,061円 | +3.45% |
| アサヒグループHD(2502) | 食料品 | 1,603円 | 3.56% | +1.84% | 1,657.5円 | +3.40% |
| 第一ライフグループ(8750) | 保険業 | 1,812円 | 3.97% | △0.36% | 1,872円 | +3.31% |
| 協和キリン(4151) | 医薬品 | 2,255円 | 3.10% | +2.08% | 2,328円 | +3.24% |
| 大和ハウス工業(1925) | 建設業 | 2,185.5円 | 4.07% | +0.80% | 2,253円 | +3.09% |
| トヨタ自動車(7203) | 輸送用機器 | 3,011円 | 3.32% | +0.60% | 3,102円 | +3.02% |
| 日本取引所グループ(8697) | その他金融業 | 2,189円 | 3.75% | +0.46% | 2,242.5円 | +2.44% |
| SUBARU(7270) | 輸送用機器 | 2,588円 | 4.48% | +0.62% | 2,648円 | +2.32% |
| ネクソン(3659) | 情報・通信業 | 2,729.5円 | 17.40%(特別配当込み) | +0.62% | 2,790円 | +2.22% |
| JT(2914) | 食料品 | 7,335円 | 3.71% | +2.25% | 7,491円 | +2.13% |
| ソフトバンク(9434) | 情報・通信業 | 241.8円 | 3.64% | +0.37% | 246.3円 | +1.86% |
| ホンダ(7267) | 輸送用機器 | 1,775.5円 | 3.94% | +0.03% | 1,807.5円 | +1.80% |
| ブリヂストン(5108) | ゴム製品 | 3,976円 | 3.14% | +0.65% | 4,043円 | +1.69% |
| 積水ハウス(1928) | 建設業 | 3,375円 | 4.30% | +0.56% | 3,428円 | +1.57% |
| NTT(9432) | 情報・通信業 | 172.5円 | 3.13% | +0.46% | 175.1円 | +1.51% |
| 大東建託(1878) | 不動産業 | 3,154円 | 5.17% | +0.92% | 3,201円 | +1.49% |
| 大林組(1802) | 建設業 | 2,863.5円 | 3.28% | △2.46% | 2,902.5円 | +1.36% |
| デンソー(6902) | 輸送用機器 | 1,844.5円 | 4.01% | +0.03% | 1,869.5円 | +1.36% |
| キヤノン(7751) | 電気機器 | 4,745円 | 3.37% | +0.55% | 4,807円 | +1.31% |
| いすゞ自動車(7202) | 輸送用機器 | 2,121.5円 | 4.43% | △0.85% | 2,148.5円 | +1.27% |
| 積水化学工業(4204) | 化学 | 2,538円 | 3.19% | △0.35% | 2,566円 | +1.10% |
| T&D HD(8795) | 保険業 | 4,793円 | 3.42% | △0.69% | 4,843円 | +1.04% |
| オリックス(8591) | その他金融業 | 5,798円 | 3.23% | △1.33% | 5,851円 | +0.91% |
| ゆうちょ銀行(7182) | 銀行業 | 3,093円 | 3.01% | △1.68% | 3,118円 | +0.81% |
| 三菱HCキャピタル(8593) | その他金融業 | 1,312.5円 | 3.89% | +0.15% | 1,318円 | +0.42% |
| ソニーフィナンシャルG(8729) | 保険業 | 148.8円 | 5.38% | +0.07% | 149.3円 | +0.34% |
| 日本製鉄(5401) | 鉄鋼 | 649.4円 | 3.70% | △1.29% | 650.9円 | +0.23% |
| アイシン(7259) | 輸送用機器 | 2,175.5円 | 3.45% | △1.22% | 2,180円 | +0.21% |
| 鹿島(1812) | 建設業 | 4,746円 | 3.08% | △2.74% | 4,753円 | +0.15% |
| 東京センチュリー(8439) | その他金融業 | 2,590.5円 | 3.47% | △0.19% | 2,591.5円 | +0.04% |
| JFE HD(5411) | 鉄鋼 | 1,716円 | 4.66% | △1.66% | 1,716.5円 | +0.03% |
| JAL(9201) | 空運業 | 2,947.5円 | 3.26% | △0.92% | 2,948円 | +0.02% |
| 大成建設(1801) | 建設業 | 11,520円 | 3.30% | △4.43% | 11,475円 | △0.39% |
| 清水建設(1803) | 建設業 | 2,034.5円 | 3.78% | △3.69% | 2,023.5円 | △0.54% |
| 双日(2768) | 卸売業 | 5,448円 | 3.30% | △2.11% | 5,400円 | △0.88% |
| 川崎汽船(9107) | 海運業 | 3,494円 | 3.43% | △3.46% | 3,453円 | △1.17% |
| きんでん(1944) | 建設業 | 6,571円 | 3.65% | △4.78% | 6,474円 | △1.48% |
| AGC(5201) | ガラス・土石製品 | 5,603円 | 3.75% | △2.41% | 5,498円 | △1.87% |
| しずおかFG(5831) | 銀行業 | 3,242円 | 3.33% | △3.95% | 3,176円 | △2.04% |
| 日本郵船(9101) | 海運業 | 7,531円 | 3.19% | △3.17% | 7,361円 | △2.26% |
| 日立建機(6305) | 機械 | 5,619円 | 3.38% | △6.34% | 5,470円 | △2.65% |
| 横浜ゴム(5101) | ゴム製品 | 7,244円 | 3.08% | △3.04% | 7,040円 | △2.82% |
| 堀場製作所(6856) | 電気機器 | 25,440円 | 3.11%(特別配当込み) | △7.84% | 23,780円 | △6.53% |
(株価は株探・Yahoo!ファイナンス。利回りは会社予想の配当÷10月14日終値で、私の計算。業種はJPXの上場会社一覧の33業種)
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- 配当予想:Yahoo!ファイナンスの配当利回りランキング(2026年10月16日)・株探。東京海上「株式分割、株主優待制度の導入、…配当予想の修正…に関するお知らせ」(2026年8月25日)
- 配当を減らした会社:日本オラクル 2025年5月期決算短信・「配当予想の修正に関するお知らせ」(2024年6月25日)、日産自動車 2025年3月期決算短信、日本郵船・商船三井・JFE・日本製鉄 2026年3月期決算短信、ヤマハ発動機 2025年12月期決算短信
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- 報道:時事通信・QUICK Money World(10月15日、下げ幅が過去3番目)、財経新聞(10月16日、AI・半導体の大幅下落)
※過去5年度の1株配当は株探の修正1株配当(株式分割をならした値)。配当利回り、真ん中の値、業種ごとの集計、日経平均を動かした幅、その時の高配当株の選び方は、公開データをもとに私が計算したものです。過去の値動きは、これからも同じになることを示すものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。