こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
※本ページはプロモーションが含まれています
安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
Contents
ダスキンの企業概要
🧹どんな会社?
「清掃・衛生サービス」と「ミスタードーナツ」で有名な会社です。
大きく分けて 2つの事業 があります。
■ 事業内容
【訪問販売グループ】
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モップ・マット・クロスなどの清掃用品をレンタル
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一般家庭・オフィス・店舗へ定期訪問してサービスを提供
主なサービスカテゴリ:
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クリーンサービス:モップ、マット、クロス、空気清浄機、衛生用品
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ケアサービス:掃除代行、家事代行、害虫・害獣駆除、住宅修理(ホームリペア)
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ヘルスレントサービス:介護用品・福祉用具のレンタル
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その他訪販:ユニフォーム、化粧品、シニアケアなど
【フードグループ】
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ミスタードーナツ:国内約1,000店舗のドーナツチェーン(日本最大規模)
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とんかつレストランなども展開
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※2019年:中国本土から「ミスタードーナツ」事業を撤退
■ 主な提携・新規事業
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2017年:ホームリペア事業に参入
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2018年:フランチャイズ最大手ナック(9788)と資本業務提携(持分法適用会社化)
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2022年:クラシアン(水まわり緊急メンテナンス)と業務提携
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2023年:JPホールディングス(2749)と業務提携(保育事業分野、持分法適用会社化)
■ 注力領域
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衛生領域:除菌・抗菌などクリーンニーズへの対応
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ワークライフマネジメント:家事・仕事の両立を支援するサービス
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高齢者サポート:介護・シニア向けサービスの充実
決算概要
📌 増収・増益の要因【全体】
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全セグメントが増収(訪販・フード・その他)
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RFID(電子タグ)導入が完了し、検品コスト・原価が改善
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株式売却益や持分法利益(JPホールディングスなど)の増加
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政策保有株式の売却により特別利益を計上
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自己株買いなどによる株主還元も強化
🧹 訪販グループ(家庭・事業所向け清掃・サービス)
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売上高:1,084億円(前年比 +0.9%)
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営業利益:57.2億円(前年比 +38.1%)
要因:
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家庭用モップは減収だが、新商品(ペット用モップ)は好調
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価格改定やデジタル施策で新規客増加
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**ケアサービス事業(家事代行・掃除代行)**は価格改定やエアコンクリーニング好調で増収
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RFID導入完了により、コスト減少が利益を押し上げた
🍩 フードグループ(ミスタードーナツ等)
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売上高:667億円(前年比 +14.2%)
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営業利益:85.6億円(前年比 +23.7%)
要因:
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ミスド来客数・客単価ともに増加
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新商品・コラボ企画(ピエールマルコリーニ、ポケモンなど)が好評
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新規出店増で全体売上増加
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ボストンハウス(イタリアン)の売上も計上
🧳 その他事業(海外・子会社など)
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売上高:165億円(前年比 +5.4%)
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営業利益:5.1億円(前年比 +16.0%)
要因:
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海外ミスド(シンガポール・香港)好調
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ダスキン共益(リース・保険代理業)が増益
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一方、病院施設管理のダスキンヘルスケアは人件費増で減益
💰 最終利益
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最終利益:88.1億円(前年比 +91.9%)
要因:
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**株式売却益(投資有価証券)**を計上
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**持分法利益(JPホールディングスなど)**が増加
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増益により1株益は185.7円(前年比+94.8円)
✅ 業績予想の背景とポイント
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5期連続の増収見通し(訪販・フードともに堅調)
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RFID導入効果の本格化
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原価低減・業務効率化により利益率が改善傾向
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訪販グループ
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家庭向け営業専任組織が本格稼働 → 新規客獲得が増加
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ケアサービス(掃除・家事代行)などの需要も底堅い
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売上:+3.3%、営業利益:+17.1%の予想
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フードグループ
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ミスタードーナツは新商品・コラボ企画を継続
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売上:+2.9%、営業利益:+0.5%の予想
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増益率は控えめ(前年が好調だった反動やコスト増を見込む)
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その他事業
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海外ミスド(シンガポール・香港など)が引き続き好調
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海外向け原材料売上が伸びており、安定的に貢献
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🎯 今後の注目点
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「増収・増益」の計画を維持できるのは、
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価格転嫁力・ブランド力、
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業務改善によるコスト削減効果が背景
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配当は115円へ増配予定
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配当性向60% or DOE 3%という新しい還元方針に基づく
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ダスキンは、ミスドの好調・清掃事業の安定成長・RFIDによる効率化を背景に、
5期連続の増収・増配を見込む堅実な企業。
増益幅はやや鈍化も、業績は引き続き安定基調。
⚠️ ダスキン業績予想に対する主なリスク
🏭 1. 原材料・エネルギー価格の高騰
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モップやマット、ドーナツ原料(小麦粉・油など)の価格が高止まり
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エネルギーコスト(工場や店舗の電気代等)も圧迫材料
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価格転嫁が難しい場合、利益率低下のリスク
🧍♀️ 2. 人件費の上昇
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家事代行・清掃サービスの担い手不足で人材確保コストが上昇傾向
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ミスタードーナツ店舗も人手不足により営業時間制限のリスクあり
🌏 3. 海外情勢・為替の不透明感
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シンガポール・香港など海外ミスドの成長に期待する一方で、
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円高が進行すれば海外売上の円換算が目減り
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地政学リスクやインバウンド需要の鈍化もリスク要因
📉 4. 消費者の節約志向
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ドーナツなどの外食・中食支出が値上げで敬遠される可能性
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家庭用モップなど「定期支出」の見直しが進むと解約リスク
🔧 5. RFID・IT投資の成果が限定的な場合
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RFIDによるコスト改善が予定通り進まない場合、想定利益に届かない可能性
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IT・DX関連投資も先行コストが先に立つと一時的な利益圧迫に
👥 6. ミスドに頼る収益構造の偏り
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売上構成上、フード事業(特にミスド)の好調依存度が高い
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人気コラボ頼みの集客が一過性のブームに終わるリスク
- そのほかは、関西を中心に展開する、とんかつレストラン「かつアンドかつ」
- 北関東を中心に展開する、イタリアンレストラン「ナポリの食卓」など
ダスキンの2026年3月期は「5期連続増収・増配」の見通しですが、
コスト上昇と外部環境の変化により、利益の伸びにブレーキがかかる可能性あり。
今後のポイントは「価格転嫁力」「効率化の進捗」「海外展開の安定成長」です。
📈 営業利益率(売上営業利益率)
▶︎ 2026年3月期予想:4.05%
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過去20年で見ると、2008年の7.42%がピーク
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リーマン後は低下し、2015〜2016年には3%割れも
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近年は徐々に改善傾向だが、全体的に低い水準
🔍 評価:
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4%前後は、総合サービス業としては物足りない
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ミスタードーナツなどのフード事業は原価率が高め
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訪販(清掃用品)も労働集約型でコスト構造が重たい
📊 ROE(自己資本利益率)
▶︎ 2026年3月期予想:5.95%
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2020年以降は改善傾向だが、依然として6%未満
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資本効率が高いとは言いがたい
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成長株として評価されにくい指標水準
🔍 評価:
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10%以上が理想的とされる中で、やや控えめ
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ダスキンは自己資本比率が高すぎる=資本を有効活用しきれていない
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保守的経営の裏返しとも言える
💼 ROA(総資産利益率)
▶︎ 2026年3月期予想:4.43%
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過去と比較してはかなり改善
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2020年以降は3〜4%台に回復
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資産に対しての収益力は徐々に上昇傾向
🔍 評価:
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ROEよりは良い水準に見えるが、
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これは自己資本比率が高いためで、あくまで相対的に良く見える
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資産を持ちすぎていない分、効率は悪くない
ダスキンは「安定型・守りの経営」であり、
高い利益率や資本効率を期待する成長株ではない。
その代わり、増配・キャッシュフロー・自己資本比率の高さなど、
ディフェンシブ株としての魅力が際立つ銘柄です。
株価と株主還元
📊 株価情報(2025年5月16日時点)
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株価終値:3,730円
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高値:4,190円(2024年10月18日)
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全体的に右肩上がりだが、直近は調整局面
🧮 PER(株価収益率):19.4倍
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市場平均(15倍前後)と比較するとやや割高
🔍 評価:
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成長期待を織り込んでやや高め
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ただし、安定性・連続増配の安心感がプレミアムになっている可能性
📚 PBR(株価純資産倍率):1.16倍
🔍 評価:
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「1倍超え=純資産以上に評価されている」
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市場からの評価はまずまず良好
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高ROEではないが、ブランド力・財務安定性を評価
💰 配当利回り:3.08%
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まぁ、高配当株と呼べるレベル
🔍 評価:
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利回り3%以上で配当目的の投資対象としても魅力的
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増配基調&新方針(DOE3.0%・配当性向60%)で、持続性にも期待あり
✅ 株主還元の基本スタンス
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株主還元は経営の重要課題
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成長投資と財務の健全性を優先しつつ、業績に応じた還元を実施
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配当+自己株買いの両輪で対応する方針
💸 新しい配当方針(2026年3月期 中間配当から適用)
指標 | 内容 |
---|---|
配当性向 | 60%(利益の6割を配当として還元) |
DOE(自己資本配当率) | 3.0%以上(自己資本の3%以上は株主に配当) |
📌 ※従来はDOE **2.5%**だった → 0.5ポイント引き上げ
🪙 自己株式取得(自社株買い)
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財務状況を見ながら柔軟に実施
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今後も「機動的に自己株式の取得を行う」と明言
📌 直近3年間の還元実績
→ 総還元性向119%(配当+自己株買いで利益以上を還元)
🧾 政策保有株式の見直し
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2028年3月期までに、純資産に占める政策保有株の比率を10%以下に縮減
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売却で得た資金を、成長投資や株主還元に充当
🏦 財務方針とのバランス
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高い自己資本比率を維持しつつ、
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株主資本の「最適化」を目指す
-
→ 過剰な資本を眠らせず、配当や成長に生かす方針
ダスキンは、
・配当性向60% or DOE3.0%の高い水準での配当方針に転換
・機動的な自社株買いも併用
・不要な株式資産の縮減にも取り組み中
というように、株主還元への姿勢を一段と強化しています。
📈 年間配当金の推移(2013年3月期〜2026年3月期予想)
▶︎ 2013年〜2021年:長らく横ばい
▶︎ 2022年以降:増配トレンドが加速
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2022年:83円(記念配含む大幅増配)
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2023年:88円
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2024年:100円
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2025年:112円
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2026年(予想):115円 ← 5期連続増配の見込み
ダスキンは、2022年以降で明確な増配路線に転換。
2026年3月期も115円(過去最高)を予定しており、
株主還元重視の姿勢が強まっていることがわかります。
財務も健全で、今後も持続的な高配当が期待できる銘柄といえます。
財務
🏦 自己資本比率(財務の安定性を示す指標)
年度 | 自己資本比率 |
---|---|
2023年3月期 | 76.6% |
2024年3月期 | 76.3% |
2025年3月期 | 74.4% |
✅ 解説
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一般的に40%以上で優良水準、70%超は超安定
-
ダスキンは驚異の74〜76%台を維持
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借金に頼らず、自己資本中心の超健全経営
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企業の倒産リスクが極めて低い水準
💰 剰余金(過去の利益の蓄積)
年度 | 剰余金(百万円) |
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2023年3月期 | 124,943 |
2024年3月期 | 122,533 |
2025年3月期 | 119,146 |
✅ 解説
-
剰余金は企業の内部留保
-
配当・投資・自己株取得などの原資
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直近3年はやや減少(=配当や自己株買いによる支出が上回った)
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還元重視の姿勢が数字にも反映
💸 有利子負債倍率(財務リスクの指標)
年度 | 有利子負債倍率 |
---|---|
2023年3月期 | 0.01倍 |
2024年3月期 | 0.01倍 |
2025年3月期 | 0.00倍 ← 借入ゼロ |
✅ 解説
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有利子負債倍率=借金 ÷ 自己資本
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0.00倍は実質「無借金経営」
-
金利上昇局面でもリスク極小
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自己資本の厚み+借入ゼロで超低リスク企業
ダスキンは典型的な「財務健全・堅実企業」。
成長よりも安定・還元重視の投資スタイルに合う銘柄です。
ダスキンのまとめ
📌 1.前期(2025年3月期)決算の結果
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売上高:1,887億円(前年比+5.6%)
-
フード(ミスタードーナツ)事業が大きく牽引
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営業利益:72.7億円(+43.0%)
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RFID導入完了で原価改善、訪販・フード両セグメントが増益
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経常利益:106.9億円(+35.8%)
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持分法利益や投資有価証券売却益も寄与
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最終利益:88.1億円(+91.9%)
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株主還元原資として十分な利益水準
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📌 2.2026年3月期の業績予想
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売上高:1,950億円(+3.3%)
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5期連続の増収予想
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営業利益:79.0億円(+8.7%)
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RFID本格稼働によるコスト改善を織り込む
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経常利益:116.0億円(+8.4%)
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最終利益:90.0億円(+2.2%)
📌 3.株価と配当(2025年5月16日時点)
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株価:3,730円
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年初来安値1,626円 → 高値4,190円 → 現在は高値圏
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予想PER:19.4倍
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やや割高感あり(成長期待込み)
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PBR:1.16倍
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純資産に対しては適正〜やや高めの評価
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予想配当:115円(前年比+3円)
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配当利回り:3.08%
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5期連続増配中
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配当方針:配当性向60% or DOE3.0%のいずれか高い額
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📌 4.財務内容(2025年3月期実績)
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自己資本比率:74.4%
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超健全。財務リスク極小
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剰余金:1,191億円
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高水準だが、自己株取得・配当で3期連続減少傾向
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有利子負債倍率:0.00倍
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実質無借金経営
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ダスキンの2025年3月期決算は、売上・利益ともに堅調で、非常に良い内容だったと言えます。特に注目したいのは、営業利益が前年比43%増、最終利益が91.9%増と大幅な伸びを記録した点です。これは、ミスタードーナツ事業の好調に加え、訪販グループでのRFID導入による業務効率化が実を結んだ結果だと考えられます。
配当も引き続き増配方針が継続され、今期は112円から115円へと5期連続の増配を予定。新たな配当方針(配当性向60%またはDOE3.0%)が適用されることもあり、今後も安定的な還元が見込まれます。財務面でも自己資本比率74.4%、有利子負債ゼロと、盤石な健全経営が続いており、守りの強さが際立っています。
一方で、ROEや営業利益率は依然として中庸であり、成長株と比べて目立ったインパクトはありません。株価は下落してきたものの、指標的には、割安感はやや乏しくなっている印象もあります。
それでも、業績・財務・還元の三拍子がそろった堅実銘柄として、長期保有に値する企業であることは間違いありません。地に足のついた企業経営と、着実に強化される株主重視の姿勢に、今後も注目していきたいと思います。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)