こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
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安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
Contents
「赤字 7,500 億円ショック!」――日産が期末直前に利益警報
📉「7,500 億円赤字」ってどういうこと?
日産が発表した最新の見通しでは、2025年3月期(つまり今年度)の最終的な赤字が7,000~7,500億円になりそうという衝撃の内容でした。
もともとは「800億円の赤字くらいかな?」と予想されていたので、約10倍も悪化したということになります。
📊 売上は微増。でも利益はガクンと落ちた
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売上:12.6兆円 → 前の年とほぼ同じ(+0.8%)
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営業利益:850億円 → 前の予想から29%減
売上はそこそこあるのに、なぜこんなに利益が減ったのか?
💥 利益が吹き飛んだ2つの爆弾
💣 ①「資産減損」=使えない工場などの“帳簿上の損失”
「この工場、もうあんまり稼げないな…」という資産の価値をいったんゼロに近づける処理です。
それがなんと5,000億円以上! → 帳簿上で一気に損失に反映されます。
💣 ②「構造改革費用」=立て直しにかかる“お金”
例えば、工場の閉鎖、人員整理、新しい工場や技術の準備などにかかったコストが600億円ほど。
これも一時的な“出費”として、今年の利益を押し下げました。
🔄「ターンアラウンド費用」って?
日産は今、「業績を立て直す(=ターンアラウンド)」ための大改革の真っ最中です。
そのための費用が今年の決算に一気に計上され、「あえて今、全部洗い出した」という感じです。
これをよく「キッチンシンク戦略」とも言います。
👉 いったん“全部ドサッと損失を出して”、来期からの見通しをスッキリさせる作戦です。
💸 キャッシュフローは赤字でも、お金は持ってる?
はい、ここはちょっと安心ポイントです。
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自動車事業のフリーキャッシュフロー:▲2,500億円(お金の流れはマイナス)
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でも、手元にある現金・預金(ネットキャッシュ)は1.5兆円!
つまり、「今は赤字でお金が出ていってるけど、貯金はまだたくさんあるよ」という状態です。
🈚️ 配当 0 円――ついに“株主還元”がストップ
日産は今年(2025年3月期)、1円も株主に配当を出さないと決定しました。
これ、投資家からするとかなりのサプライズ。
去年(2024年3月期)は…
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中間配当:5円
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期末配当:15円
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合計:20円
それが今年は…
👉 中間もゼロ・期末もゼロ=年間配当ゼロ円!
🤔 なぜゼロに?――理由は「お金を温存したいから」
日産が配当を出さない理由は、シンプルに言えば:
「今は会社の立て直し(ターンアラウンド)が最優先。
株主より、まずは会社を救いたい。」
という方針です。
具体的にはこんな背景があります:
理由 | 内容 |
---|---|
🔴 赤字が大きすぎる | 最終赤字は 最大7,500億円。黒字すら出ていない状態。 |
🔧 改革にお金がかかる | 工場の整理や新技術投資など、構造改革に莫大な費用がかかっている。 |
💰 手元資金は死守したい | 配当でお金を外に出すよりも、会社に残して防衛ラインを維持。 |
🍜 ラーメン屋さんの例
あなたが投資しているラーメン屋さんが、
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毎年 2万円の「ありがとう券(=配当)」を送ってくれていたのに、
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今年は「ごめん、赤字すぎてゼロ円。まずお店を立て直すよ」と言われたイメージです。
ちょっとショックだけど、「立て直して来年また券をくれるなら…応援しようかな」と思える人もいれば、「もう応援やめよう」と思う人もいるでしょう。
🔍 今後の焦点:配当が復活する条件は?
日産自身がこう言っています:
「営業利益・純利益・キャッシュフロー・ネットキャッシュを総合的に見て、配当を決めます」
つまり、以下が揃えば配当復活の可能性アリ!
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黒字化
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自動車事業がちゃんとお金を生み出している
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手元の資金が十分にある
🗣 投資家のリアクションは?
📉 株価は発表直後に 9%も下落。
インカム(配当)目的で持っていた人が、一斉に売り始めたからです。
📊 今後は「配当ゼロでも応援したい」と思えるかどうかが、投資判断の分かれ道になりそうです。
❓なぜ決算の直前に「下方修正」したの?
「もうすぐ決算発表なのに、なぜ今さら赤字予想を出すの?」
投資初心者の方が最初に感じる疑問かもしれません。
実は、これには**日産なりの“戦略的な狙い”**があります。
🎯 3つの狙いをわかりやすく解説!
狙い | わかりやすく言うと | 解説 |
---|---|---|
① 東証のルールを守るため | 「大きくブレたら、すぐ言いなさい」っていう決まりがある | 東証(東京証券取引所)のルールで、利益見通しが30%以上動いたら速やかに発表しなきゃいけません。日産の場合、なんと ▲800億円 → ▲7,000〜7,500億円。これは700%超の下振れなので、黙っているわけにはいかないのです。 |
② “キッチンシンク戦略” | 「今年の悪材料は全部まとめて出しておこう!」 | 日産の新CEO・エスピノーサ氏の方針は、「汚れは今年で全部出す」スタイル。来期以降にスッキリした状態で再スタートしたいので、減損や改革費用を一気に計上しました。これは米GMなども使ったやり方で、投資家から見ても分かりやすい“清算”になります。 |
③ 資金対策のため | 「悪いニュースは早めに出して、銀行や格付け会社と話をしやすく」 | いくらキャッシュ1.5兆円あるとはいえ、EVや電池の開発には莫大なお金が必要。大赤字・無配をあらかじめ開示しておけば、金融機関や投資家に納得感を持ってもらいやすく、資金調達もしやすくなるんです。 |
🧠 初心者向けイメージ:テストの成績発表みたいなもの?
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ギリギリまで隠して「赤点でした~」って言うと、親(投資家)は怒りますよね?😅
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でも、「もう大失敗しちゃったけど、今から塾に通うことにしたよ!」とセットで話せば、まだ信頼は保てるんです。
→ まさに日産は「先に悪い成績(赤字)を自分から言った+再建プランも出す」ことで、信用を落とさないように動いたというわけです。
🔍 業績悪化の“4つの地雷”――日産が踏んだ落とし穴とは?
日産が「思ってたより大赤字になりそう…」と発表した背景には、いくつもの“悪材料”が重なっています。
中でも特に大きなインパクトがあったのが、以下の 4つの要因です。
① 北米・欧州工場の“減損”――価値が下がった工場
💣「せっかく建てたけど、もうこの工場、そんなに使わないかも…」
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EV(電気自動車)の競争が激しくなり、生産ラインの稼働率が低下。
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利益が出せない工場は、帳簿上の価値を下げる必要あり(=減損)。
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北米だけで 約3,500億円の減損損失、欧州でも 800億円超。
📉 → 帳簿上でドカンと“損”が発生し、これが赤字の主因に。
② 米国の「対日関税」――24%の追加ショック
📦「日本のクルマ、高くしてやる!」by アメリカ
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アメリカは日本製のクルマに 追加で24%もの関税をかけました(2024年)。
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特に影響を受けたのが、メキシコ工場で作った日産車を日本に輸出していた分。
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販売奨励金(ディーラーへのインセンティブ)を増やさざるを得ず、利益率が激減。
📉 → 売れても儲からない状態に。これは厳しい…。
③ モデルライフサイクルの“谷間”――売るクルマが少ない
🚗「新車がない…。お客さんに出せる目玉商品がない!」
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高級車ブランド「インフィニティ」の2モデルは新規受注を停止。
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EVセダン2モデルも発売計画を中止。
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結果、**2025年の販売台数は335万台(2018年比 ▲40%)**まで激減。
📉 → 新しい車が出せなければ、当然売上も利益も落ちる。
④:円高・コストインフレ
――「想定より儲からない」状況が続いている
🪙 1. 想定為替レートの「迷走」
2025年3月期、日産は想定為替レートをなんと4回も変更しています。
そのたびに業績見通しがブレて、最終的には“見誤った”形に。
時期 | 1ドル想定 | 1ユーロ想定 | 内容 |
---|---|---|---|
期初(2024年5月) | 145円 | 157円 | 初期計画 |
中間(2024年秋) | 155円 | 167円 | 円安を反映し上方修正 |
年明け(2025年1月) | 149円 | 164円 | 円高方向に再修正 |
2025年2月以降 | 152円 | 維持 | 再度、円安想定に変更(最新) |
📌 何が問題?
→ 計画と実勢レートのズレに振り回され、業績が安定しない構図に。
💸 2. 実際の為替と比べてどうだった?
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実際の平均レート(2024年通年):約151.5円
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2025年YTD(4月時点):約146~147円
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最も円高だったのは 139.58円(2024年9月)
📉 つまり…
「155円」で利益を見積もっていたときに、「146円」で推移していたら、
1ドル=9円のズレ → 輸出1台あたりの利益が数万円単位で減少!
2025年4月24日現在のYTD平均ドル円レート
→ これは 2025年1月1日から4月24日までの平均レート のことを指します。
投資の世界では「年初来」がとても重要な指標なので、「YTD」は見かけたら「あ、今年に入ってからって意味ね」と押さえておくと便利ですよ😊
🚢 3. さらに追い打ち:コストインフレ
項目 | 状況 | 補足 |
---|---|---|
原材料費 | 鋼材や電池原料が高止まり | EV関連は特に価格上昇が顕著 |
物流費 | 海上運賃・倉庫費用ともに上昇 | スエズ運河・紅海情勢の影響も |
コスト転嫁の限界 | 値上げが追いつかない | 特に欧米では価格競争が激化中 |
🔍 投資家視点:チェックポイントはココ!
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✅ 次期の想定為替レート(FY2026)
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✅ 為替ヘッジの有無と効果
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✅ コスト削減計画の進捗(特にEV開発分野)
日産は復活できるのか?
3つの重要なチェックポイントをわかりやすく・深掘りして**解説していきます👇
🚗 チェックポイント①:2026年発売 EV4車種のコスト競争力
✅ ポイントは「安く、早く、ちゃんと走るか」
日産は2026年までに新型EV(電気自動車)4車種を投入予定。
これが成功すれば、日産の未来は明るくなります。
項目 | 期待される内容 |
---|---|
車種構成 | セダン・SUV・軽EVなどを予定 |
コスト目標 | 既存のガソリン車と同等かそれ以下の製造コスト |
強み | 長年のEV技術(リーフやe-POWERなど)とルノー・三菱との共同開発 |
💬 初心者向けコメント
→「テスラより安い。だけどちゃんと走る。」そんなEVが作れれば世界で勝てます!
🧩 課題
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原材料(リチウム等)高騰の中、本当に安く作れるか?
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生産ラインの柔軟性や電池のコスト削減がカギ
🤝 チェックポイント②:Alliance 2.0(ルノーとの再提携)の実効性
✅ 過去の“喧嘩別れ状態”からの再スタート
日産・ルノー・三菱の3社は、かつて「アライアンス(同盟)」として協力していましたが、
カルロス・ゴーン問題以降、関係は悪化していました。
2023~2024年にかけて、以下のような**“再構築”**が進んでいます👇
内容 | 詳細 |
---|---|
知財・EVソフト協業 | 共通EVプラットフォーム・ソフト開発でコスト削減 |
資本関係の見直し | ルノーの持株比率を**43% → 15%**に減らし、対等関係へ |
日産の投資 | EV新興会社「Ampere」に出資、EV開発で協力加速 |
💬 初心者向けコメント
→「親子関係」から「ビジネスパートナー」へ。関係の再構築がうまくいけば、開発費もシェアできて◎!
🧩 課題
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ソフト開発のスピード・クオリティで欧州勢や中国勢に勝てるか?
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実際の商品投入までのリードタイムの短縮が求められる
🏭 チェックポイント③:固定費3,000億円削減計画の進捗
✅ 収益改善の“土台づくり”
日産は2026年度までに年間3,000億円の固定費(動かなくてもかかる経費)を削減すると公表しています。
対策内容 | 詳細 |
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北米2工場閉鎖 | 稼働率が低く、赤字の工場を止めることで赤字縮小 |
生産体制の見直し | モデル数を減らし、ラインの共通化・簡素化 |
本社コスト削減 | 管理部門の効率化や海外拠点の統合も含む |
💬 初心者向けコメント
→「お店を減らす・店員も減らす」ことで、儲けが出やすい体質に変える作戦です!
🧩 課題
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販売台数も減っている中で、どこまで維持費を減らせるか
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工場閉鎖に伴う一時的な費用負担や地域反発の処理
🗣 投資家向け所感
日産の“ターンアラウンド”は2025年が痛みのピーク。
ここから「EVでの存在感 × 固定費カット × 同盟復活」の三本柱が回り出せば復活はありえる。
ただし、2026年の収益回復と配当復活が見えてこない限り、本格的な再評価は難しいでしょう。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)