こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
※本ページはプロモーションが含まれています
安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
Contents
伊藤園ってどんな会社?
-
日本を代表するお茶メーカー
・主力商品は「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」などの飲料
・緑茶や麦茶で圧倒的なシェアを持ち、国内無糖茶市場をけん引 -
幅広い事業展開
・飲料(緑茶・麦茶・野菜ジュース・コーヒーなど)が中心
・茶葉、ティーバッグ販売も展開
・「タリーズコーヒー」「チチヤス」など飲食・乳製品ブランドもグループに含む -
海外展開に注力
・北米・ASEANを中心に「お~いお茶」を拡販
・海外でも抹茶や緑茶人気を取り込み成長を目指す -
社会貢献・ブランディング戦略
・MLBや大谷翔平選手とのコラボでグローバル展開を加速
・環境保護や地域貢献プロジェクトも積極的に実施 -
チャネルの多様性
・販売はスーパー・コンビニ・自販機・ECなど幅広い
・容器はPET、缶、紙パックなど、ニーズに合わせた商品を展開
景気敏感株?ディフェンシブ株?
-
ディフェンシブ株に分類
・生活必需品の飲料が主力で、不況でも需要が大きく減りにくい
・嗜好品ではなく「日常の飲み物」であるため安定感がある -
ただし、原材料価格や天候要因には影響を受けやすいため、完全に安定ではなく「ディフェンシブ寄り」と理解すると良いです。
決算概要
-
売上高:1,308億円(前年比 +4.7%)
・主力の「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」が堅調
・猛暑の影響で飲料需要が増加
・一方で物価高による消費抑制や大型PETの不振はマイナス要因 -
営業利益:84億円(前年比 +17.3%)
・売上拡大に加え、広告宣伝費の減少(前年より-22.9%)が利益を押し上げ
・一方で運送費・減価償却費の増加がコスト要因 -
経常利益:89億円(前年比 +23.6%)
・営業利益の増加に加えて、為替差益(約3.7億円)がプラスに寄与
・前年は為替差損があったため改善幅が大きい -
最終利益:57億円(前年比 +28.6%)
・経常利益の増加がそのまま純利益押し上げに貢献
・特別損益では大きな影響なし(資産売却益+1億、固定資産廃棄損-0.4億など)
・法人税負担増も吸収して大幅増益に
👉 まとめると、売上は「お茶・麦茶の需要増」と「海外事業拡大」で伸び、利益面は「広告宣伝費の減少」「為替差益」が大きく寄与し、最終利益は前年から大幅改善しました。
-
売上高:4,900億円(前年比 +3.7%)
・主力の「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」ブランドが堅調
・海外(北米・ASEAN)で日本茶需要が拡大し、輸出・現地販売が伸長
・ただし国内では物価高や天候による消費動向の影響も残るため、成長率は控えめ -
営業利益:255億円(前年比 +11.0%)
・前期は広告宣伝費を先行投資した反動で効率化が進む
・販売費削減や価格改定効果により収益性が改善
・物流費・原材料費の高止まりは依然としてコスト圧迫要因 -
経常利益:257億円(前年比 +11.9%)
・営業利益増に加えて、為替差益がプラス要因
・海外売上比率の拡大が為替変動の影響を強める一方、円安基調が追い風 -
最終利益:160億円(前年比 +13.0%)
・経常利益の増加が直接寄与
・特別損益では大きなマイナス要素は見込まれず、安定的な純利益増
・法人税負担増を吸収しつつ、過去最高水準の純利益を予想
👉 まとめると、国内需要の底堅さ+海外成長+コスト効率化で増益を見込み、売上・利益ともに過去最高水準の計画です。
業績予想のリスク
-
天候・季節性リスク
今期1Qは「記録的な高温・少雨」や猛暑で需要が伸びましたが、逆に冷夏・長雨・災害だと需要が萎みます。
実際、月次では「6月の猛烈な暑さで拡大」一方、「7月は物価高+高温で外出抑制=需要伸び悩み」という振れが確認できます。 -
コスト高(原材料・エネルギー・物流)
会社側も「原材料・エネルギー価格の高止まり」を環境認識として明記。
1Qの販売費内訳でも運送費は増加しており、燃料や人件費の上振れが続くと利益計画の下振れ要因になります。 -
為替・海外比率拡大リスク
1Qは為替差益が発生し経常利益を押し上げましたが、通期は為替の振れで利益が増減し得ます。
さらに「お~いお茶」の海外販売を積極拡大中のため、為替影響度は相対的に高まりやすい点も留意です。 -
商品ミックス・容器トレンドの変化
物価高の影響で“大型PETが不振”という足元の構造変化が示されており、容器サイズ・カテゴリの需要シフト次第で売上効率や原価率が振れます。 -
プロモーション依存・反動
1Qは前年の先行投資効果や広告宣伝費の減少が利益に寄与しました。
一方で、広告費が期中に戻る/キャンペーンの効果が一巡すると、通期の収益押し上げ効果が細るリスクがあります。
営業利益率(売上営業利益率)
-
2024年4月期:5.51% → 2025年4月期:4.86% → 2026年4月期予想:5.20%
-
2025年は広告宣伝費や物流コストの増加で一時的に低下。
-
今期は再び効率化が進み、原材料価格の上昇を価格改定で吸収し、改善を見込む。
ROE(自己資本利益率)
-
2024年:8.89% → 2025年:7.96% → 2026年予想:8.97%
-
ROEは株主資本を活用した収益力を示す指標。
-
前期は利益率低下により7%台に落ち込んだが、今期は純利益増加(前年比+13%予想)で改善を見込む。
-
9%前後はディフェンシブ株としては合格点で、資本効率は安定している。
ROA(総資産利益率)
-
2024年:4.52% → 2025年:4.05% → 2026年予想:4.49%
-
総資産全体からどれだけ利益を稼いでいるかを示す。
-
2025年は在庫増や借入金増加で資産規模が膨らみ、効率が低下。
-
2026年は売上・利益の増加により改善見込み。
👉 まとめると、伊藤園は 利益率が安定しているディフェンシブ企業 で、2026年は営業利益率・ROE・ROAともに改善方向。「堅実さ重視のビジネスモデル」といえます。
株価と株主還元
株価(2025年9月2日時点)
-
株価:3,600円(前日比 +220円、+6.51%)
・決算発表を受けて大きく上昇
・直近安値は2025年3月の2,932円で、そこから反発基調
・過去最高値は2020年11月の8,590円、そこから大きく下げたあと調整中
PER(株価収益率)
-
26.5倍
・現在の利益水準に対して株価がやや割高水準
・成長期待(海外展開やブランド力)が株価に織り込まれている
PBR(株価純資産倍率)
-
2.38倍
・会社の純資産に対して株価が2.4倍で取引されている
・ディフェンシブ株としては高めの評価水準
・「お~いお茶」などブランド力の強さがプレミアムとして反映
配当利回り
-
1.31%
・高配当株投資の観点では低め
・伊藤園は配当よりも成長投資・ブランド戦略に資金を回す傾向
・長期保有優遇の株主優待(緑茶製品など)があるため、実質利回りはやや上乗せ
👉 まとめると、伊藤園は 株価はブランド力で高めに評価され、配当利回りは低いディフェンシブ株。短期の高配当狙いよりも、ブランド成長や海外展開に注目する投資家に向いた銘柄です。
配当の特徴
-
長期にわたり安定配当
・2015年〜2023年まで1株40円で据え置き。
・急な増減がなく、安定重視の方針がうかがえる。 -
直近は漸増傾向
・2024年:42円
・2025年:44円
・2026年予想:48円
→ 少しずつではあるが、増配基調に入っている。 -
利回りは低め
・株価3,600円時点で配当利回りは約1.3%。
・高配当株ではないが、優待と合わせて「総合利回り」で評価されやすい。 -
配当性向は上昇傾向
・利益増加に伴い余力を還元へシフト。
・株主還元姿勢がやや強まっている。
👉 まとめると、伊藤園の配当は「守り重視から少しずつ攻めに転じつつある」状態で、 安定+優待込みで魅力を感じる投資家向け と言えます。
株主還元方針
-
安定配当の維持
・長年40円配当を継続し、近年は漸増(42円→44円→予想48円)。
・業績連動よりも「安定性」を重視する姿勢が明確。 -
配当性向の向上
・2026年4月期予想:1株利益135.7円に対し配当48円、配当性向約35%。
・過去の30%前後からやや引き上げられており、今後も改善余地あり。 -
株主優待制度の充実
・自社製品(「お~いお茶」など飲料・茶葉)詰め合わせを贈呈。
・配当利回りの低さを補う株主還元策。 -
自己株式取得は限定的
・現状、自社株買いは積極的ではなく、基本は「配当+優待」で株主還元。
・内部留保を成長投資(海外展開・新ブランド育成)へ優先して活用する方針。 -
長期的なブランド価値向上と両立
・還元だけでなく、大谷翔平選手とのコラボや海外抹茶需要対応など「ブランド力=株主価値向上」につながる施策を重視。
・成長と還元のバランスを意識した経営スタンス。
👉 伊藤園の株主還元は「高配当で魅せるタイプ」ではなく、 安定配当+優待+ブランド成長 を組み合わせて、長期保有株主に報いるスタイルです。
財務
自己資本比率
-
2023年:50.4% → 2024年:51.3% → 2025年:50.6% → 25.05-07:50.0%
-
おおむね50%前後で安定推移。
-
自己資本比率50%は「負債と資本が半々」という水準で、上場食品企業としては十分健全。
-
積極的な成長投資(海外展開・広告宣伝)をしつつも、財務体質は安定している。
剰余金
-
2023年:1388億円 → 2024年:1491億円 → 2025年:1533億円 → 25.05-07:1563億円
-
毎期の利益蓄積により増加傾向。
-
剰余金の積み上がりは配当・優待の安定につながる基盤。
-
今後も増配余地があることを示す要素。
有利子負債倍率(Debt Equity Ratio)
-
2023年:0.45倍 → 2024年:0.42倍 → 2025年:0.42倍 → 25.05-07:0.41倍
-
1倍を大きく下回り、借入依存度は低い。
-
キャッシュフローで十分返済可能な範囲にとどまっており、財務リスクは小さい。
-
設備投資や海外展開余力も確保できる安全な水準。
👉 総合すると、伊藤園は 自己資本比率50%・有利子負債倍率0.4倍前後という堅実な財務体質。剰余金も着実に積み上げており、配当・優待を安定的に支える企業体質といえます。
伊藤園の決算の感想
-
売上・利益ともに堅調
・売上高は前年同期比+4.7%、最終利益+28.6%と二桁増益。
・国内主力ブランド「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」が好調。 -
コスト圧力をうまく吸収
・物流費や原材料価格は上昇したが、広告宣伝費削減や価格改定効果で利益を確保。
・営業利益率も前年から改善。 -
為替差益の寄与が大きい
・前年は差損だったが、今期は差益が出て経常利益を押し上げ。
・海外売上比率拡大が追い風になる一方、為替リスクも増大。 -
財務基盤の安定感
・自己資本比率50%、有利子負債倍率0.4倍と健全。
・剰余金も積み上がり、株主還元の余力がある。 -
株主還元の強化姿勢
・配当は漸増基調で今期は年間48円予想(前年比+4円)。
・配当性向も35%台へ改善しており、株主重視姿勢が明確に。
投資初心者へのヒント
-
業績は順調で安心感あり
→ 売上も利益も増えており、「長期的に持ちやすい銘柄」といえる。 -
コストが上がっても利益を出せた
→ 経営の安定性が確認できるので、景気が悪くなっても持ちやすいディフェンシブ株。 -
為替の影響がある点は注意
→ 円安はプラスだが、円高になると利益が減る可能性もあるので、他の業種と組み合わせて分散投資が安心。 -
財務が堅い=倒産リスクが低い
→ 自己資本比率50%超で借金も少なく、長期投資の土台として安心できる。 -
配当はゆっくり増えている
→ 高配当株ではないが、「安定配当+優待」で長く持つとメリットが大きい。
👉 まとめると、伊藤園は「大きな値上がり益よりも、安定を求めて長期保有したい人」に向いた銘柄です。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)