こんな方におすすめ
- リース業について知りたい人
- オリックスについて知りたい人
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今回は、その他金融業に属している、『オリックス』について銘柄分析しました。
オリックスといえば思い出すのが、野球でお馴染みの『オリックスブルーウェーブ』、現在は『オリックスバファローズ』ですよね。
そう、オリックスは球団経営もしています。
その他金融業は主に『リース』企業が多いのですが、昨年の売上の上位5社は下記のようになります。
1位は銘柄分析をする『オリックス』、2位は『東京センチュリー』、3位は『三菱UFJリース』、4位は『芙蓉総合リース』、5位は『みずほリース』となっています。
オリックスの売上は2位の東京センチュリーの2倍近い売上を誇ります。
高配当が好きな私は、配当利回りも気にします(^^)
2020年11月下旬時点でのオリックスの配当利回りは、一時期よりは株価が上昇し下がりましたが、4.7%と高配当です。
そんな、高配当銘柄でもある、オリックスについて銘柄分析しましたので、企業分析の参考にしてください(^^)
Contents
オリックスの企業分析
企業分析
- 国内最大手の総合リース会社
- 金融、自動車、不動産、環境エネルギーなどの多角的金融サービス事業をグローバルで展開
- 10の事業セグメントで売上を構成
- アジアではリース業を中心に多角化ビジネスを展開
- 米国ではリース業の他に手数料業務もある
- 傘下企業複数
金融には主に、融資、投資、生命保険、銀行、資産運用があります。
具体的にどんなことをやっているのかは、セグメント業績のところで解説します。
オリックスの業績推移
ますは、直近の四半期の業績から見ていきましょう。
四半期の業績推移
売上と営業利益のグラフです。
最近の売上は若干下がり気味傾向で、営業利益は前期の本決算時に急落してしまいましたが、V字回復してきています。
第2四半期の業績
- 売上高 約5470億円 前年比-6.8%
- 営業益 約743億円 前年比-13.6%
- 経常益 約665億円 前年比-48.7%
- 最終益 約437億円 前年比-51.3%
7月~9月は売上高、営業益は10%前後の落ち込みながら、最終益は約50%前年を下回ってしまいました。
通期の業績推移
2013年度から急激に売上を伸ばしてきましたが、ここ2年は一服という感じで下がってきています。
第2四半期終了時点では、21年3月期の売上高、営業利益は、非開示です。
通期の業績予測
- 売上高 非開示
- 営業益 非開示
- 経常益 非開示
- 最終益 1900億円 -37.2%
- 1株益 152.3円 -35.8%
売上高、営業益、経常益は、非開示ですが、最終益は1900億円を予測しています。
1株益は、152.3円を予測しており、配当は中間35円、期末41円で、年間76円で配当維持となる予測です。
オリックスのセグメント業績
売上構成比
- 法人営業・メンテナンスリース
- 不動産
- 事業投資・コンセッション
- 環境エネルギー
- 保険
- 銀行・クレジット
- 輸送機器
- ORIX USA
- ORIX Europe
- アジア・豪州
セグメントは、10個の事業で構成されています。
下記は、当期のそれぞれのセグメントの四半期の売上高推移です。
事業投資が売上が落ちたというのが見てわかりますね。
それ以外は横ばいか、若干上がっているようにみえます。
当期のセグメント別の利益に落とし込むと、下記のようになります。
輸送機器のように大きく減少しているセグメントもあれば、ORIX USAや、不動産のように大きく増加しているセグメントもあります。
一つずつ簡単に説明したいと思います。
法人営業・メンテナンスリース
事業内容
- 金融
- 手数料ビジネス
- 自動車、電子計測器、IT関連機器等のリース
- 弥生
セグメント利益は、249億円でした。
法人営業においては、投資先のサービス収入が増加しましたが、金融資産の減少に伴う金融収益の減少や、復調してきたものの、レンタカーの売上は本来の想定とまではいきませんでした。
不動産
事業内容
- 不動産の開発・賃貸・管理
- 施設運営
- アセットマネジメント
セグメント利益は104億円でした。
運営施設の休館や、稼働率の低下の為、サービス収入が減少しています。
賃貸不動産の売却益が減少したことや、去年の消費増税の駆け込み需要の反動もあり、不動産請負工事収入が減少しました。
事業投資・コンセッション
事業内容
新たなビジネスセグメント
- 9月時点の投資先は14件
セグメント利益は41億円でした。
コンセッションとは、道路や空港などの料金を徴収する公共施設などにおいて、所有権は公的機関に残したまま、運営権を売却することです。
オリックスは、関西3空港(関西国際空港、伊丹空港、神戸空港)における客数や発着回数が減少したことによる利益減などがあります。
環境エネルギー
事業内容
- 国内外の再生可能エネルギー
- 電力小売り
- 省エネルギーサービス
- ソーラーパネル、蓄電池販売
- 廃棄物処理
セグメント利益は141億円でした。
環境エネルギーは前年同期比で+56億円の利益をあげています。
特に、インドで風力発電事業を行う投資先を完全子会社化したことにより良い感じになっています。
保険
事業内容
- 生命保険
セグメント利益は347億円でした。
保険も前年同期比で+88億円の利益をあげています。
『シンプルでわかりやすく』、『合理的保障をお手頃な価格で提供』をコンセプトに、ニーズに応える商品ラインナップを拡充出来ました。
保険代理店、金融機関代理店、通信販売、対面コンサルティングを駆使し、商品を訴求していました。
銀行・クレジット
事業内容
- 銀行
- カードローン
セグメント利益は242億円でした。
銀行・クレジット事業も前年同期比で+55億円の利益をあげています。
銀行は店舗網やATM、決済機能を持たず、固定費をかけないビジネスモデルです。
利益については、前の第2四半期の時に計上した、返済されないだろうと見越して損失を計上する、貸倒引当金繰入額に比べて、今年の信用損失費用が減少したことにより利益があがったそうです。
輸送機器
事業内容
- 航空機のリース・管理
- 船舶関連投資
セグメント利益は47億円でした。
航空機のリース収入や売却益の減少により減収でした。
アイルランドの航空機機リースのAvolonの利益が減少したのも響いています。
ORIX USA
事業内容
- 米州における金融
- 投資
- アセットマネジメント
アセットマネジメントとは、投資資産を実際の所有者の代わりに代行して行う事です。
セグメント利益は114億円でした。
前年に計上した、米国の投資銀行の売却益の変動や、販売費、一般管理費、信用損失費用の増加により、前年よりも利益を落としました。
ORIX Europe
事業内容
- 株式・債権のアセットマネジメント
セグメント利益は163億円でした。
前年の株式相場の下落伴う今期の受託資産が前年同期比で減少しているとのことですが、販売管理費や一般管理費が減少していることもあり、少ないマイナスです。
アジア・豪州
事業内容
- 金融
- 投資
セグメント利益は46億円でした。
アジアにおいて、投資先の有価証券売却損や、子会社関連投資の減損を計上したことにより、前年同期比でマイナスとなりました。
オリックスは本当にいろんなことをやっています。
一つの銘柄で十分、分散投資の意味合いもあるかもしれません。
逆に、コングロマリットディスカウントにより、評価されずらいのかもしれません。
コングロマリットディスカウントとは?
- 事業を多角化しすぎて、市場からの評価が低下している状態
オリックスの株価と配当
2020年12月の段階では、1株あたり、1600円前後と一時期よりは上昇してきています。
特に11月に入ってからは、堅調に上昇しています。
しかしながら、まだ年初来や、コロナショック前の株価は取り戻せてはいません。
競合との比較
年初来を『0%』として、オリックスの競合3社と株価の比較をしてみます。
オリックスと芙蓉リースは、年初来の-10%付近まで回復してきています。
東京センチュリーは、年初来、さらにはコロナ前の株価をブレイクアウトしているのがわかります。
逆に三菱UFJリースは年初来の-30%付近とまだ回復しきれていません。
配当金、配当利回り
株主還元
- 1株あたり76円、もしくは配当性向50%!
- 自社株買い実施!
株主還元方針としては、1株あたり76円か、配当性向50%のいずれか高いほうを目指しています。業績が上向けば、増配の期待ができます。
また、発行済株式数の4%に相当する5000万株、または、442億円を上限とした、自社株買いを実施することを発表しています。
これも好材料視のひとつとして、11月に株価が急上昇しました。
配当推移
年間の配当推移は右肩上がりで最近は配当維持が続いています。
減配しないでこのままいってほしいですね。
配当利回り
株価が上昇してきましたが、利回り4.71%は間違いなく高配当です。
市場全体から見ても、高配当です。
配当性向の前期の実績は、32%でした。
第2四半期を終えての業績予測から推測すると、当期の1株益が152.3円予測で、配当は年間76円なので、配当性向は49.9%になりそうです。
さきほどの、配当性向50%というのは、ここから導き出されたのでしょうか(^^)
オリックスの財務
財務
- 自己資本比率 22.6%
- 自己資本 約2兆9796億円
- 剰余金 非開示
- 有利子負債倍率 非開示
自己資本比率の22.6%は競合との比較しても高いです。
ちなみに、東京センチュリーは約10%、三菱UFJリースは約12%、芙蓉総合リースは約9%となっています。
剰余金は非開示となっていますが、今回の第2四半期の決算を見る限り大きく悪くは変動はしていないと思います。
オリックスのまとめ
オリックス【まとめ】
- 国内最大手の総合リース会社
- 10の事業セグメントで売上を構成
- 2020年11月に株価急上昇も、まだ高配当銘柄
- 株主還元意欲も高く、株価上昇も期待できるバリュー株
国内最大手の総合リース会社、オリックスを分析しました。
いったい何をして稼いでいる会社なのだろうと疑問を持っていた人の参考になっていれば嬉しいです(^^)
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)