※この記事は各社の決算資料をもとにした情報提供です。特定銘柄の売買を勧めるものではありません。投資判断はご自身でお願いします。
※情報基準日:2026年9月7日終値。決算は原則2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)です。
『会社四季報 業界地図 2027年版』のリース業界のページには、「金利上昇に一喜一憂。伝統的なリース業からの脱却を急ぐ」という趣旨の見出しがあります。
リース会社は、銀行や社債でお金を調達し、そのお金で機械、車、航空機、不動産などを買い、顧客へ貸します。金利が上がれば、仕入れ値にあたる資金調達コストが上がります。ここだけ聞くと、利上げは一律に逆風だと思いたくなります。
ところが、時価総額1,000億円以上の上場6社を最新決算で並べると、純利益はオリックスが前年同期比161.8%増、東京センチュリーが59.1%増、みずほリースが52.7%増。一方、三菱HCキャピタルは44.8%減、リコーリースは5.3%減でした。
同じ金利環境で、なぜここまで差がついたのでしょうか。
答えは、いまの大手リース会社が、リース料だけで稼ぐ会社ではないからです。不動産、航空機、船舶、再生可能エネルギー、企業投資、保険、BPO。会社によって利益の作り方が大きく違います。さらに今期は、資産売却益、株式の評価益、負ののれんといった項目が純利益を大きく動かしました。
そこで今回は、利益を「毎月入る利益」「資産を売って得る利益」「今回だけ出やすい利益」の3つの箱に分けて、6社を比べます。
1. まず結論
- 純利益の伸び率1位はオリックスの+161.8%。ただし、キオクシア株式に関係する持分法投資損益などの影響が大きい
- 東京センチュリーは+59.1%。航空機の売却益と船舶の売船収益が大きく寄与した
- みずほリースは+52.7%。96億円の負ののれんを含むが、営業利益も39%増えている
- 芙蓉総合リースは営業利益+29.3%に対して、純利益は+5.5%。前年の営業外利益の反動がある
- 三菱HCキャピタルは公表ベース△44.8%だが、前年の子会社決算期変更影響を除くと△8.2%。売却益は下期偏重の計画
- リコーリースは増収でも減益。売上総利益の増加以上に販管費が増えた
- 配当利回りは6社とも3%台だが、リコーリースの256円には年間70円の特別配当が含まれる
- PBR1倍割れは4社。ただし「1倍割れ=即割安」ではなく、利益の再現性とROEを合わせて見る必要がある
見出しの増減率だけでは、会社の実力を正確に測れません。今回の決算で一番大切なのは、増えた利益が翌年も続くのか、資産を回して繰り返せる利益なのか、一度だけ出やすい会計上の利益なのかを分けることです。
2. 対象は時価総額1,000億円以上の6社
| 会社 | コード | 9月7日終値 | 時価総額 | 予想配当利回り |
|---|---|---|---|---|
| オリックス | 8591 | 6,201円 | 6兆9,706億円 | 3.02% |
| 三菱HCキャピタル | 8593 | 1,390.5円 | 2兆397億円 | 3.67% |
| 東京センチュリー | 8439 | 2,708.5円 | 1兆3,329億円 | 3.32% |
| 芙蓉総合リース | 8424 | 4,438円 | 4,033億円 | 3.88% |
| みずほリース | 8425 | 1,368円 | 3,867億円 | 3.80% |
| リコーリース | 8566 | 6,820円 | 2,131億円 | 3.75% |
NECキャピタルソリューションと九州リースサービスなどは、時価総額1,000億円に届かないため対象外です。三井住友ファイナンス&リース、JA三井リース、NTT・TCリースは非上場です。
なお、オリックスだけは会社の性格がかなり違います。リースを起点にした会社ですが、現在は企業投資、保険、不動産、環境エネルギーなどを含む総合金融グループです。純利益額を、そのままリース事業の稼ぐ力と読むことはできません。今回は「リース関連株として直接買える大手」という理由で含め、総合金融枠として扱います。
3. リース会社の利益を3つの箱で見る
リース会社の商売を、大家さんに置き換えてみます。
まず、お金を借りて物件を買います。次に、その物件を人へ貸して、毎月家賃を受け取ります。最後に、物件を売って利益が出ることもあります。ここに、投資先の株価が上がったことによる評価益や、会社を安く取得したときの負ののれんが加わります。
初心者向けには、次の式で考えると分かりやすいです。
毎月入る料金 − お金を借りる費用 − 資産を持つ費用 + 資産を売った利益 + 今回だけ出やすい利益
厳密な会計式ではありません。しかし、6社の違いを読む入口としては役立ちます。
1つ目の箱は、契約から積み上がる比較的継続性の高い利益。2つ目は、不動産、航空機、船舶などを売って得る利益。3つ目は、株式の評価益や負ののれんなど、同じ金額が毎年出るとは限らない利益です。
ここで大事なのは、売却益をすべて悪者にしないことです。航空機を買い、貸し、価値があるうちに売るところまでを一つの商売にしている会社にとって、売却益は本業の一部です。見るべきなのは「翌年も似た案件を作れるか」「一つの大型案件だけに頼っていないか」です。
4. 金利上昇は「借りる値段」と「貸す値段」の時間差
金利上昇は、リース会社にとって借金の値上げです。ただし、新しい契約は高い金利を前提に料金を決められます。
問題は時間差です。借入金や社債の金利が先に上がり、リース料の改定が遅れれば、一時的に利益が圧迫されます。反対に、料金改定や高い利回りの資産への入れ替えが追いつけば、影響を吸収できます。
芙蓉総合リースでは、資金原価が前年同期の86億円から115億円へ34.1%増え、調達利回りは1.33%から1.70%へ上昇しました。それでも、資金原価を引く前の差引利益が384億円から480億円へ増えたため、営業利益は29.3%増えました。
みずほリースも、資金原価が78億円から94億円へ増えましたが、差引利益は291億円から367億円へ伸び、営業利益は116億円から162億円へ増えています。
つまり「金利が上がったから利益が落ちる」と一行で決めるのは早い。借りる値段が何円上がり、貸す・運用する側の利益が何円増えたのかを比べる必要があります。
5. 決算一覧。増益率と利益の質は別
| 会社 | Q1最終利益 | 前年同期比 | 通期予想 | 単純進捗率 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| オリックス | 2,808億円 | +161.8% | 5,300億円 | 53.0% | キオクシア関連など |
| 東京センチュリー | 351億円 | +59.1% | 1,230億円 | 28.6% | 航空機・船舶売却益 |
| みずほリース | 233億円 | +52.7% | 520億円 | 44.8% | 負ののれん96億円 |
| 芙蓉総合リース | 140億円 | +5.5% | 480億円 | 29.2% | 前年営業外利益の反動 |
| 三菱HCキャピタル | 316億円 | △44.8% | 1,600億円 | 19.8% | 前年の特殊要因と売却時期 |
| リコーリース | 33億円 | △5.3% | 119億円 | 27.7% | 販管費増加 |
進捗率は、単純に四半期利益を通期予想で割った数字です。リース会社は資産売却益が特定の四半期へ偏りやすいため、25%を超えたら順調、下回ったら不調と機械的に判断しません。
6. オリックス:+161.8%の中身
オリックスの第1四半期は、営業収益8,766億円、営業利益1,339億円、当社株主に帰属する四半期純利益2,808億円でした。営業利益は11.7%増ですが、純利益は161.8%増です。
この差を作った大きな項目が、持分法投資損益です。前年同期の約194億円から2,079億円へ、約10.7倍に増えました。さらに、子会社・持分法投資の売却損益なども約63億円から643億円へ増えています。
APAC部門では、東芝が計上したキオクシア株式の売却益・評価益を、TB投資事業有限責任組合を通じて取り込んだことが主因です。加えて、仮設機材の会社SGKホールディングスの株式譲渡益を計上しました。
したがって、2,808億円を「毎月のリース料が増えて稼いだ利益」と説明するのは誤りです。投資先の価値上昇や売却を含む、総合金融会社としての利益です。
通期純利益予想は5,300億円ですが、第2四半期累計予想は8,400億円と通期を上回ります。これは誤植ではありません。第2四半期にもキオクシア関連の大きな利益を見込む一方、その評価益は株価で動き、現金回収を伴わないため、会社は通期の調整後利益を公表していません。
配当も、キオクシア関連をそのまま原資にしていません。年間配当予想は187.36円ですが、キオクシア関連を除いた調整後EPSの39%か、156.10円の高い方という方針です。ここは、見た目の利益と株主還元を分けている点として重要です。
7. 三菱HCキャピタル:△44.8%をそのまま読まない
三菱HCキャピタルの純利益は316億円。前年同期の572億円から44.8%減りました。
ただし、前年には子会社の決算期変更による228億円の特殊要因がありました。これを除くと前年は344億円で、比較可能な減益幅は28億円、8.2%です。それでも減益ですが、見出しの44.8%とは印象が変わります。
契約から積み上がるインカムゲインは、比較可能ベースで986億円から1,029億円へ4.4%増えました。一方、資産売却などのアセット関連損益は145億円から84億円へ42.1%減りました。
不動産で前年に計上した大口売却益の反動、鉄道貨車の売却益減少、航空機が借り手から戻って次の貸し手が決まるまで空く「オフリース」の増加、European Energyの持分法損失などが重荷です。一方、海外カスタマー部門では貸倒関連費用が改善しました。
通期純利益予想は1,600億円、Q1進捗は19.8%。会社は年間の資産売却益の過半を下期に見込み、「概ね予定どおり」と説明しています。投資家が次に見るのは、下期の売却計画が実際に進むかどうかです。
8. 東京センチュリー:増益130億円のうち87億円がトランスポート
東京センチュリーは、売上高3,884億円、売上総利益923億円、経常利益511億円、純利益351億円。純利益は59.1%増えました。
6つの事業部門のうち、トランスポート部門の利益が35億円から122億円へ、87億円増えています。会社は、航空機の機体売却益と船舶の売船収益の増加を主因に挙げています。全社の増益130億円の約3分の2がこの部門です。
これは単純な一時益と切り捨てるべきではありません。航空機・船舶を貸し、売ること自体が事業モデルです。ただし、四半期ごとの利益が売却タイミングで大きく動くことは覚えておく必要があります。
通期純利益予想は1,230億円で、進捗率は28.6%。年間配当は90円で、会社は累進配当を基本とし、配当性向35%以上を掲げています。
もう一つの注目は、航空機リース会社ACGの50%を伊藤忠商事へ譲渡し、共同出資体制に移る計画です。会社は純利益への影響を約300億円の増益と見込みますが、許認可や為替で計上時期と金額が変わる可能性があります。Q1実績の351億円とは別の将来材料として扱う必要があります。
9. 芙蓉総合リース:営業利益+29.3%、純利益+5.5%
芙蓉総合リースは、売上高2,012億円、営業利益197億円、経常利益207億円、純利益140億円です。
ここでは、利益の階段を見ると中身が分かります。資金原価を引く前の差引利益は384億円から480億円へ95億円増えました。資金原価は29億円、人件費・物件費は18億円増えましたが、営業利益は44億円ほど増えています。
ところが、営業外損益は34億円から10億円へ減りました。前年にあった持分法投資損益、具体的には負ののれん相当額がなくなったためです。その結果、営業利益の29.3%増に対して、経常利益は11.2%増、純利益は5.5%増にとどまりました。
悪い話ではありません。むしろ、前年の特殊要因が落ちたのに本業側の伸びで純増益を保った、と読むこともできます。金利上昇の影響もはっきり出ていて、資金原価は86億円から115億円、調達利回りは1.33%から1.70%。会社は「運用利回りの改善は進む一方、当面は調達コストの上昇が先行」と説明しています。
通期純利益予想は480億円、年間配当172円。三井住友トラスト・パナソニックファイナンスの持分法適用会社化による今期影響は、7月30日時点で精査中です。利益を上乗せして先回り計算しないほうが安全です。
10. みずほリース:96億円の負ののれんを引いても進捗31%
みずほリースは、営業利益162億円、経常利益291億円、純利益233億円。前年同期比ではそれぞれ39%増、57%増、53%増でした。
純利益を大きく押し上げたのが、みずほキャピタルに関する96億円の負ののれんです。簡単に言うと、出資比率が上がったとき、会計上受け取ったとみなされる純資産の価値が投資額を上回り、その差額が利益に入ったものです。毎月のリース料が96億円増えたわけではありません。
ただし「増益は全部一時益」でもありません。資金原価が16億円、販管費が15億円増えた一方、不動産売却益やインドのMizuho RA Leasingの好調などで差引利益が76億円増え、営業利益は46億円増えました。
通期純利益予想520億円に対する進捗率は44.8%。会社は、負ののれんを除くQ1純利益を137億円、特殊要因を除く通期予想を440億円と示し、進捗率は31%と説明しています。一時益を引いた数字を会社自身が開示しているため、ここを使うのが最も安全です。
なお、連結子会社が不動産信託受益権として保有するイオンモール熊本の爆発事故について、7月30日時点で業績への影響は調査中です。「影響なし」とは言えません。
11. リコーリース:増収でも減益、配当には特別配当
リコーリースは、売上高873億円で5.9%増えました。一方、営業利益47.5億円は3.6%減、経常利益47.8億円は5.7%減、純利益33億円は5.3%減でした。
売上総利益は121.8億円から128.0億円へ増えています。しかし、販管費が72.6億円から80.5億円へ10.9%増えたため、営業利益が減りました。主力のリース&ファイナンス、サービス、インベストメントの3部門とも、セグメント利益は小幅に減っています。
通期は売上高3,700億円、純利益119億円を予想。純利益は7.2%減る見通しです。
一方、年間配当予想は185円から256円へ大きく増えています。ここは内訳が重要です。256円のうち普通配当は186円、特別配当は70円。会社は2032年3月期まで特別配当を実施する予定ですが、普通配当そのものが256円へ恒久的に増えたわけではありません。
12. 配当と株価指標を比較
| 会社 | PER | PBR | 年間配当予想 | 利回り |
|---|---|---|---|---|
| オリックス | 12.83倍 | 1.44倍 | 187.36円 | 3.02% |
| 三菱HCキャピタル | 12.47倍 | 0.99倍 | 51円 | 3.67% |
| 東京センチュリー | 10.77倍 | 1.14倍 | 90円 | 3.32% |
| 芙蓉総合リース | 8.34倍 | 0.78倍 | 172円 | 3.88% |
| みずほリース | 7.37倍 | 0.85倍 | 52円 | 3.80% |
| リコーリース | 17.67倍 | 0.87倍 | 256円 | 3.75% |
利回りだけなら芙蓉総合リース、みずほリース、リコーリースが3.7〜3.9%台です。ただし、リコーリースは特別配当込み。オリックスは、キオクシア関連を除く調整後利益で配当を計算します。
PBRは三菱HCキャピタル、芙蓉総合リース、みずほリース、リコーリースが1倍未満です。しかし、PBR1倍割れは「会社の純資産より株価評価が低い」という計算にすぎません。
リース会社は資産と借金の両方が大きい会社です。市場は、帳簿上の資産がどれだけ利益を生むか、将来損失が出ないか、資産を良い価格で売れるかまで見ます。PBRが低い会社ほどお買い得、と単純には言えません。
見る順番は、PBRが1倍を下回るか、ROEは十分か、今期利益に一時益が多くないか、配当を続けながら成長投資できるか、です。
13. 数字を比べるときに間違えやすい4点
1つ目は、オリックスと残る5社を完全な横並びにしないことです。オリックスは米国会計基準で、しかもオリックス銀行の売却決定により、営業収益、営業利益、税引前利益を非継続事業を除いた数字へ組み替えています。最終利益は比較できますが、事業の範囲と会計表示が同じではありません。
2つ目は、利益が出た場所です。みずほリースの負ののれんは、特別利益ではなく持分法投資損益に入っています。「営業外なら全部本業外」「特別利益でなければ継続利益」といった機械的な分類はできません。会社が説明する発生原因まで確認する必要があります。
3つ目は、前年との比較基準です。三菱HCキャピタルの前年同期572億円には、子会社の決算期変更による228億円が含まれます。公表ベースの△44.8%は正しい数字ですが、事業の変化を見るには特殊要因を除いた△8.2%も併記しなければ、印象が片寄ります。
4つ目は、配当利回りの分子です。リコーリースの256円は普通配当186円と特別配当70円の合計です。オリックスの187.36円はキオクシア関連を除く調整後利益をもとにした予想です。同じ「予想配当利回り」でも、利益とのつながり方が違います。
14. もし金利がさらに上がったら
金利がさらに上がる場面では、まず資金原価が増えます。ただし、新規契約のリース料や貸出金利も上げやすくなります。短期的には調達コストが先行し、少し時間がたつと運用側の利回りが追いつく、という形が基本です。
このとき比較したいのは、資金原価そのものの大小ではありません。営業資産の規模が違うため、100億円のコストが大きい会社もあれば、吸収できる会社もあります。前年から何円増え、差引利益や売上総利益がそれ以上に増えたかを見ます。
芙蓉総合リースは、差引利益+95億円に対して資金原価+29億円。みずほリースは、差引利益+76億円に対して資金原価+16億円でした。少なくともQ1では、両社とも調達コスト増をその前の利益増で吸収しています。
一方、大型資産を持つ会社では金利だけでなく、航空機や船舶、不動産の稼働率と売却価格も重要です。借り手がつかず資産が空けばリース料が入らず、市況が悪いと売却益も減ります。三菱HCキャピタルの航空機オフリースは、この点が実際の減益要因として出た例です。
15. 「安定配当株」として見る場合の確認順
高配当株として見るなら、最初に利回りを並べるのではなく、次の順番が安全です。
- 配当が普通配当だけか、特別配当を含むか
- 配当性向の基準となる利益に一時益が入っているか
- 毎月入る利益が資金コスト増を吸収できているか
- 売却益を計画どおり繰り返せるか
- 配当後も成長投資と自己資本の厚みを保てるか
この順で見ると、利回り3.88%の芙蓉総合リースと、3.75%のリコーリースを、同じ理由で高配当と評価できないことが分かります。数字は近くても、前者は通期利益予想と普通配当、後者は特別配当込みという違いがあります。
16. 6社はどんなタイプか
| タイプ | 会社 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 投資・売却型の総合金融 | オリックス | 評価益・売却益と調整後利益を分ける |
| 大型資産の複合型 | 三菱HCキャピタル、東京センチュリー | 航空機・船舶・不動産の稼働と売却を両方見る |
| 非リース事業の拡大型 | 芙蓉総合リース、みずほリース | 不動産・環境・海外が継続利益になるか |
| 積み上げ・安定型 | リコーリース | 販管費を吸収する利益成長と配当の中身 |
これは会社の公式分類ではなく、6社を理解しやすくするための整理です。優劣の順位ではありません。
17. 次の決算で見る5項目
- 毎月入る利益は増えたか。三菱HCのインカムゲイン、芙蓉・みずほの差引利益を確認する
- 売却益の計画は実行されたか。特に三菱HCの下期偏重、東京センチュリーの航空機・船舶を見る
- 資金調達コストの上昇を料金改定や運用利回りで吸収できたか
- 特殊要因を除いた通期進捗。オリックスの調整後利益、みずほリースの負ののれん除きが重要
- 配当の普通・特別、配当性向、自己株式取得を分けて確認する
18. まとめ
今回、純利益の増加率だけを並べると、オリックス、東京センチュリー、みずほリースが上位です。しかし中身は、キオクシア関連、航空機・船舶売却、負ののれんと、それぞれ全く違います。
反対に、三菱HCキャピタルは44.8%減ですが、前年の特殊要因を除けば8.2%減。芙蓉総合リースは純利益の伸びが5.5%でも、資金コスト増を吸収して営業利益は29.3%増えました。
リース株を見るときは、増益率の順位よりも、利益がどの箱から出たかを見るほうが大切です。
- 毎月入る利益
- 資産を売って得る利益
- 今回だけ出やすい利益
この3つを分け、借りる値段と貸す値段の時間差、配当の中身まで見る。それだけで、決算の見え方はかなり変わります。
参考資料
- オリックス 2027年3月期 第1四半期決算短信:https://www.orix.co.jp/grp/pdf/company/ir/library/financial_result/ORIXResults2027_1QJ.pdf
- 三菱HCキャピタル 2027年3月期 第1四半期決算概要:https://www.mitsubishi-hc-capital.com/investors/library/assets/pdf/2026080702.pdf
- 東京センチュリー 2027年3月期 第1四半期IR資料:https://www.tokyocentury.co.jp/jp/ir/library/pdf/2026_1q_jp_earnings-call.pdf
- 芙蓉総合リース 2027年3月期 第1四半期決算概要:https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260730/20260729502560.pdf
- みずほリース 2027年3月期 第1四半期IR資料:https://www.mizuho-ls.co.jp/ja/ir/library/presentation/main/014/teaserItems1/0/linkList/0/link/FY2026Q1_Financial_Results_JA.pdf
- リコーリース 2027年3月期 第1四半期決算短信:https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260731/20260731504325.pdf
- 株価・指標:Yahoo!ファイナンス各社ページ(2026年9月7日終値)