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エン・ジャパン(4849)とパーソル(2181)の最新決算を徹底比較!高配当株投資の視点から構造改革と安定成長を読み解く

こんな方におすすめ

  • 安定した収入源を求めている人
  • 投資知識の向上をしたい人
  • 投資判断の材料が欲しい人

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執筆者『たぐ』の紹介

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Contents

0. 先に3行まとめ(結論)

  • 結論: エンは「求人サイトや採用システムなどの『採用の土台(HRプラットフォーム)』全体の立て直し」に注力、パーソルは「派遣を軸とした多角化(BPO・ITアウトソーシング等)」で絶好調。
  • 今回の印象: パーソルは過去最高益を更新中。エンは「構造改革の大掃除」の真っ最中で、将来の利益回復を優先し、足元の業績や配当をあえて抑制している状態です。
  • 次に見る1点: エンは「カカクコムとの協業による集客・成約率の向上」、パーソルは「派遣スタッフの単価水準の維持と成長」に注目です。

1. 【基礎知識】人材ビジネスの「0から1」と稼ぎ方

そもそも、人材サービス会社はどうやってお金を稼いでいるのでしょうか? その仕組みは業界標準として大きく3つのステップで成り立っています。

① 「0から1」:マッチングの基盤(プラットフォーム)を作る

人材サービスにとって最大の資産は「仕事を探している人(求職者)」と「人を欲しがっている企業(求人)」のデータです。この両方を集め、出会いの場を整えることがビジネスの「土台」になります。

  • 人の集め方: 自社の転職サイトを運営したり、SNS広告を出したりして「求職者数」を増やします。
  • 企業の集め方: 営業担当者が企業へアプローチし、預かる「求人件数」を増やします。
  • チェックポイント: エン・ジャパンの「engage」の利用企業数や、パーソルの「doda」の求人数などが、この土台の大きさを測る重要指標(KPI)になります。

② サービスの種類によって「利益の出方」が変わる

マッチングの方法によって、収益が発生するタイミングとリスクが異なります。

  • 求人広告(メディア型): サイトに求人情報を載せる「場所代」をもらうモデルです。典型的な掲載課金型では、採用の成否に関わらず掲載料が発生します。景気が悪くなると企業が真っ先に削る予算(広告費)であるため、景気の波を最も受けやすいのが特徴です。(※最近は応募や採用ごとに費用が発生する成果報酬型も増えています)
  • 人材紹介(エージェント型): 採用が実際に決まった時に「理論年収の30〜35%程度」を手数料としてもらう「成功報酬」モデルです。一件あたりの利益は大きいですが、入社が決まるまで収益は発生しないというリスクがあります。
  • 派遣(スタッフィング型): 派遣先企業が支払う「時間単価 $\times$ 稼働時間」から、スタッフの賃金や社会保険料を引いた「差額(マージン)」が会社の利益になります。一度契約が続く限り継続的に収益が発生するため、積み上げ型で非常に安定した稼ぎ方です。

③ 「総合型」がなぜ強いのか?

これらすべてのモデルを組み合わせているのが「総合型」の強みです。 景気が良い時は、企業の採用意欲が高まるため「求人広告」や「人材紹介」という**「攻め」の事業で一気に利益を伸ばします。逆に景気後退期にはこれらが減速しますが、安定した「派遣」や、企業のコスト削減・効率化を助ける「BPO(業務請負)」という「守り」**の事業が会社を支えます。このバランスの取れたポートフォリオ(事業の組み合わせ)が、大手が安定して増収を続けられる最大の理由です。

 

2. 2社の現在の戦略:大掃除 vs 安定拡大

エン・ジャパン(4849):HRプラットフォームの「再構築」

中核の「エン転職」や「engage(エンゲージ)」などのサイト運営において、現在は事業ポートフォリオの見直しとコスト構造の改善を掲げ、利益の出やすい「筋肉質な体質」にするための構造改革を進めています。

  • カカクコムとの戦略的提携: engage事業を承継した新会社の株式85.1%を45億円でカカクコムに譲渡しました(エン側の持分は14.9%)。これにより、「価格ドットコム」や「求人ボックス」が持つ圧倒的な集客力を梃子(てこ)に、多額の自前広告費を投じる従来モデルから、効率的にユーザーを獲得するモデルへの転換を狙っています。
  • 「入社後活躍」まで見据えた成長投資: 採用候補者の評判を確認するリファレンスチェックサービス「back check」を約19.5億円で買収しました。単に人を集めるだけでなく、入社前の信頼性を担保する付加価値を加えることで、競合他社と差別化し、同社が掲げる「入社後活躍」の支援体制を強化しています。
  • 意図的なコスト管理: 不採算事業の整理や、事業規模以上に膨らんでいた広告宣伝費の適正化を断行しています。足元の売上減少は、この「選択と集中」による大掃除を計画的に進めている結果と言えます。

パーソルホールディングス(2181):圧倒的土台を活かした「多角化」

日本最大級の派遣事業を収益の柱(キャッシュカウ)とし、その安定した資金力を武器に、BPOやIT、海外事業などへ多角化を広げる戦略をとっています。

  • 収益の心臓部「スタッフィング事業」: 主力である派遣(Staffing SBU)の売上は、2026年3月期 第3四半期累計で約4,571億円に達しています。この巨大かつ安定した稼ぎがあるからこそ、新規事業やAI活用といった成長分野への攻めの投資が可能になっています。
  • 第2の成長エンジン「BPO事業」: 単なる「人を貸す」派遣から一歩進み、企業の事務業務などを丸ごと請け負うBPO事業が躍進しています。BPO事業の利益(EBITDA)は前年同期比39%増を記録しており、グループ全体の成長を力強く牽引しています。
  • 高付加価値化へのシフト: 転職サイト「doda」を展開するCareer事業では、ハイクラス領域への注力やAIによるマッチング効率の向上を進めています。「規模」だけでなく「利益の質」を追う体制を整え、過去最高益の更新ペースを維持しています。

3. 決算ハイライト(2026/3期 3Q累計)

エン・ジャパン:改革による「意図的な足踏み」

  • 売上高:437.2億円(前年同期比 9.7% 減少)
  • 営業利益:31.0億円(前年同期比 17.8% 減少)
  • 純利益:23.1億円(前年同期比 63.1% 減少) 【注意】 昨年の「タイミー株」を売った臨時収入(約47億円)がなくなったことによる「反動減」であり、本業が急崩壊したわけではありません。

パーソル:全事業が伸びる「盤石の過去最高」

  • 売上収益:1兆1,542億円(前年同期比 6.3% 増加) すべての事業ユニットで売上が増加しました。
  • 営業利益:約540億円(前年同期比 11.5% 増加) 売上の伸び以上に利益が伸びており、稼ぎ効率が上がっています。
  • 親会社所有者に帰属する四半期利益:343.9億円(前年同期比 10.4% 増加) 全ての段階で過去最高益(3Q累計ベース)を塗り替えています。

4. どこを見れば「次の一手」が決まる?(重要KPI)

投資家として、株価の先読みのためにチェックしておくべき数字をさらに深掘りします。

エン・ジャパン:復活の「兆し」を探す

  • カカクコム提携後の「集客コスト」と「ユーザー数」 エン・ジャパンの課題の一つは「自前の広告宣伝費に依存した集客体質」にありました。カカクコムの「求人ボックス」等の強力なプラットフォームからの流入を活用することで、**「広告費を抑制しながら、ユーザー数や成約率を維持できるか」**が将来の利益回復に向けた戦略的な注目点です。提携したengage事業において、集客の効率化がどのように数字に現れるかが鍵となります。
  • 営業利益率の底打ち(3Q累計:約7.1%) 最新の累計営業利益率は約7.1%(売上437億円に対し利益31億円)です。前期比では減収減益となっていますが、今後の四半期推移において利益率が横ばいから改善に向かうかが、「不採算事業の整理(大掃除)」が成功しているかを判断するための重要なサインになります。

パーソル:安定成長の「持続力」と「高付加価値化」を探す

  • 派遣スタッフの「請求単価」(現在:約2.1万円) これは「企業がパーソルに払う料金」です。深刻な人手不足を背景に、**「単価2.1万円」**という高い水準を維持・上昇させられるかが、利益を守るための最大の防衛ラインです。景気が多少揺らいでも、この単価が崩れなければ利益の土台は揺らぎません。
  • BPOとTechnology事業の利益押し上げ効果 売上の大きい派遣(Staffing)に注目しがちですが、利益の「伸び」は多角化している他事業が支えています。
    • BPO(業務請負): EBITDA(本業の利益に近い指標)が**65億円(前年比39%増)**と急成長。収益性も、3Q累計で6%台前半、直近の3Q単体では7.7%と向上しています。
    • Technology(IT支援): EBITDAが61億円と、高水準の利益率を維持。 稼ぎの良いこれらの事業がグループ全体の利益をどこまで底上げできるかが、成長の質を左右します。

5. 配当と投資の考え方:どちらが自分のスタイルに合うか?

高配当株投資の視点から、2社の「還元姿勢」と「投資の出口」を詳しく解説します。

エン・ジャパン(4849):大幅減配からの復活に賭ける枠

  • 配当の状況: 今期予想は 年間24.0円(前期比で大幅な減配)。
  • 現状の評価(大幅減配の真っ只中): 2024年3月期および2025年3月期の実績配当は、タイミー関連の利益もあって年間「70.10円」という高水準でした。しかし、今期は構造改革に伴う減益や還元方針の変更により24.0円(中間0円・期末24円)まで大きく減少しています。高配当株投資家にとっては、一時的に非常に厳しい局面です。
  • 将来への期待(方針の大きな変更): 2025年3月期までは「年間70.10円の安定配当」を掲げていましたが、今期からは**「連結配当性向50.0%程度を目安」**とする方針へ変更されました。現在は利益そのものが構造改革等により一時的に抑えられているため、この「大掃除」が成功して利益が拡大すれば、方針通りに配当も利益に比例して戻る設計となっています。ただし、これは利益回復を前提とした投資家側の期待シナリオであり、会社側が増配を確約しているわけではない点には注意が必要です。
  • 投資の考え方: 現在はまさに「膿を出し切る」ための我慢の時期。現在の低い利回りを許容しつつ、将来的な利益の回復と、配当性向50%という「増配パワー」のリバウンドを狙いたい方向けの、ややリスク高めの銘柄です。

パーソルホールディングス(2181):安定を重視する「インカムゲイン」狙い

  • 配当の状況: 年間配当 11.00円(中間5.5円+期末5.5円)を予定しています。2025年3月期実績の9.50円(中間4.5円+期末5.0円)から、着実に増配される見通しです。
  • 還元の方針: 売上・利益・配当が右肩上がりで推移しており、安定した利益成長に合わせた「着実な増配」を重視しています。また、2025年5月には次の中期経営計画が公表される予定であり、株主還元の方針がどのように進化するか市場の関心が集まっています。
  • 投資の考え方: 派遣やBPOといった「ストック型(積み上げ型)」のビジネスが強いため、業績の急落リスクが低いのが魅力です。爆発的な株価上昇よりも、「着実な成長と安定した配当を長く受け取り続けたい」という、堅実な資産運用を目指す方向けの銘柄と言えます。

最後に:人材業界を見る時の「共通の罠」

人材業界は、景気が悪くなると真っ先に企業の採用意欲が冷え込むため、**「炭鉱のカナリア(異変をいち早く知らせる存在)」**と呼ばわれます。高配当だからと飛びつく前に、以下のマクロ的なリスクや投資家としての視点も持っておきましょう。

  • 景気敏感リスク(投資家の一般的認識): 一般的に、景気が後退すると企業は真っ先に「広告費(エンの主戦場)」を削り、次に「派遣契約(パーソルの主戦場)」を終了させる傾向があります。今は人手不足が追い風ですが、景気の転換点には注意が必要です。
  • AI活用の影響(注視すべき変化): パーソルの決算資料等でも、AIによる業務効率化やサービス高度化が強調されています。これは生産性向上に繋がる一方、「AIで効率化できるなら人を雇わなくて良い」という企業の慎重姿勢に繋がる可能性もあり、長期的な労働需要への影響を投資家シナリオとして考慮しておく必要があります。
  • 構造的なリスクの分析(投資家目線):
    • エンの場合: カカクコムとの提携は集客効率を高めますが、中長期的には外部プラットフォームへの依存度が高まることによる収益構造への影響という視点も必要です。
    • パーソルの場合: 主力の派遣事業において、現在約2.1万円となっている「請求単価」が、もし景気冷え込み等でわずかでも低下すれば、その巨大な売上規模ゆえに利益へ与えるインパクトは極めて大きくなります。

人材株への投資は、単に利回りだけを見るのではなく、常に**「企業の採用意欲」と「働く現場の単価」**という現場の空気をセットで見守るのが、失敗しないための最大のコツです。

どちらの企業も「強み」と「現在のフェーズ」がはっきりしています。自分の投資目的(将来の爆発力か、今の安定か)に合わせて、じっくり検討してみてください。

 

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)

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