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積水化学工業が、建材製品を最大30%値上げすると発表しました。その背景にあるのは、中東情勢の緊迫化による原油・素材価格の急騰です。
「なぜ中東の話が、住宅の雨といや水道管の値段に関係するの?」と思った方も多いでしょう。この記事では、値上げの内容と、中東情勢から建材値上げへとつながる「連鎖の仕組み」をわかりやすく解説します。
1. 積水化学工業ってどんな会社?
| 会社名 | 積水化学工業株式会社(証券コード:4204) |
| 特徴 | 住宅・パイプ・フィルムなど幅広い製品を手がける大手化学メーカー。「セキスイハイム」ブランドの住宅でおなじみ。 |
| 事業構成 | 3つのカンパニー+メディカル事業 |
カンパニー①
🏠 住宅カンパニー
セキスイハイムなどの戸建て住宅・リフォーム・まちづくり
カンパニー② ⚠️ 今回の値上げ対象
🔧 環境・ライフラインカンパニー
水道管・排水管・雨といなどの配管・建材製品
カンパニー③
⚗️ 高機能プラスチックスカンパニー
スマホ・自動車・航空機向けの高機能材料
メディカル事業
🏥 メディカル事業
臨床検査薬・医薬品原薬・創薬支援など
2. 今回の値上げの中身
今回の値上げは2回に分けて発表されました。それぞれの発表日・適用日・対象製品を確認しておきましょう。
対象:水道・ガス・農業用水などに使われる配管製品
| 製品 | 値上げ幅 |
|---|---|
| 塩化ビニル管・関連製品 | 12%以上 |
| 塩化ビニル継手・マス・関連製品 | 6%以上 |
| バルブ・関連製品 | 10%以上 |
| ポリエチレン管 | 20%以上 |
| ポリエチレン継手・関連製品 | 5%以上 |
| 架橋ポリエチレン管 | 15%以上 |
対象:住宅の外装・排水まわりに使われる建材製品
| 製品 | 値上げ幅 |
|---|---|
| カラー継手(排水管の接続部品) | 15%以上 |
| 雨とい製品・関連製品・波板 | 20%以上 |
| カラーパイプ本体(排水用) | 30%以上 |
合計で10品目以上が対象となっており、値上げ幅は6%〜30%と製品によって大きく異なります。
3. なぜ中東情勢が建材値上げにつながるのか
「中東で何かあったらしいけど、なんで雨といが高くなるの?」という疑問はもっともです。以下の4ステップで整理します。
中東で軍事的緊張が高まる
イランとの対立が激化し、中東の石油が通る重要な航路「ホルムズ海峡」の航行が事実上の封鎖状態に。通常は1日約135隻が通航していた海峡の交通量は数隻まで激減し、通行船舶に1バレル1ドル規模の通航料が課されるなど、原油・ナフサの調達環境が急速に悪化しました。
原油・ナフサの価格が急騰
ナフサとは原油を精製して作られる石油製品の一種で、プラスチック原料の出発点です。供給が滞ると価格が急上昇します。
塩ビ・ポリエチレンの調達コストが上昇
雨といや水道管は「塩化ビニル(塩ビ)」や「ポリエチレン」でできており、どちらもナフサ由来の素材です。原料コストの上昇がそのまま響きます。
メーカーが値上げに踏み切る
積水化学はコスト削減や事業効率化を続けてきましたが、自助努力の限界を超えたとして今回の価格改定に至りました。
4. 業界全体に広がる値上げの波
今回の動きは積水化学に限った話ではありません。中東情勢の悪化を受け、建材・化学業界の各社が相次いで価格改定や供給制限を発表しています。
| 企業 | 対応内容 |
|---|---|
| LIXIL | 価格改定・供給制限の可能性を発表(4月10日)※改定幅は詳細確定次第 |
| YKK AP | 5〜10%値上げ(5月受注分〜) |
| 日新工業 | アスファルト防水材など40%値上げ(4月出荷分〜) |
| 旭化成建材 | 断熱材の受注制限・生産停止 |
| 関西ペイント | シンナー製品を50%以上値上げ |
国内では化学製品やアルミ合金など主要資材の3分の2で価格上昇が見込まれており、断熱材・防水材・塗料・壁紙など幅広い建材カテゴリーで同様の動きが相次いでいます。積水化学だけが突出しているわけではなく、業界全体の潮流といえます。
5. まとめ
今回の積水化学の値上げは、中東情勢→原油高→素材高→建材値上げという連鎖の結果です。対象製品は水道管から雨とい・デッキ材まで幅広く、値上げ幅も最大30%と大きなインパクトがあります。
雨といや水道管は住宅に欠かせないインフラ部材であるため、需要が極端に落ちるわけではありませんが、建設コストの上昇が住宅価格にどう波及するかは今後の注目点のひとつです。
投資家・住宅購入者として押さえておきたい、今後の3つの注目点を整理します。
| ① 値上げより深刻な供給停止 | クボタケミックスが4月に新規注文受付を一時停止するなど、「価格を払ってもモノが届かない」事態が建設現場で発生しています。積水化学を含む複数メーカーでも出荷制限・納期調整が続いており、価格以上に供給面の動向が実務上の焦点となっています。 |
| ② 住宅価格への波及 | 業界試算では、今回のイラン情勢による建築費上昇率は+5%以上と予測されており、2021年のウッドショック(+5〜7%)や2022年のウクライナ危機(+5〜8%)に匹敵する規模とされています。住宅購入を検討されている方は、この点も念頭に置いておくとよいでしょう。 |
| ③ 第3弾の可能性 | 積水化学は公式リリースで「今後の関連情勢によっては、追加の価格改定をお願いせざるを得ない可能性がある」と明言しています。中東情勢の長期化次第では、今回が最後の値上げにならない可能性も十分あります。 |
引き続き中東情勢と建材各社の動向に注目していきましょう。
※ 本記事は公開情報をもとにした情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)
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