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【4063 信越化学】塩ビ逆風でもAI半導体が下支え|2026年3月期決算を徹底解説

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Contents

信越化学工業ってどんな会社?

① 世界トップクラスの「素材メーカー」

まずひとつ目。

信越化学は、世界トップクラスの「素材メーカー」です。

主力は、
半導体の土台になる「シリコンウエハー」と、
水道管や建材、インフラに使われる「塩ビ(PVC)」ですね。

どちらも世界シェアは上位クラスで、
普段は全然目立たないんですけど、
これがなくなったら スマホも家もインフラも全部止まる という、
まさに「縁の下の力持ち」みたいな会社です。

② 生活インフラから最先端AIまで、需要が超・分散

続いてふたつ目。

生活インフラから最先端AIまで、需要がめちゃくちゃ分散しています。

スマホ・AI・自動車には半導体材料、
住宅・上下水道・建設には塩ビや化学素材。

つまり信越化学って、
**「最先端分野と生活必需分野の両方に関わっている会社」**なんですよね。

どこか一つの景気だけに依存しすぎない、
このバランスの良さは、企業としてかなり大きな強みです。

③ 売上の約8割が海外の“実質グローバル企業”

そして三つ目。

売上の約8割が海外の、実質グローバル企業です。

北米・アジア・欧州に生産拠点と販売網をしっかり持っていて、
為替の影響は受けますけど、
日本にいながら 「世界市場で稼ぐ構造」 ができあがっている会社なんですね。

いわゆる「内需頼み」ではないのが、信越化学の特徴です。

④ 技術力が強みだが、市況次第でブレる側面もある

四つ目。

技術力はめちゃくちゃ強いんですが、市況次第でブレる側面もあります。

シリコンウエハーや高機能素材って、

・高純度
・高精度
・高付加価値

こうした特徴があって、
相対的に代替が効きにくくて、
傾向としては価格競争に巻き込まれにくいビジネス
と言えます。

ただ一方で、

・半導体の市況
・競合メーカーの設備投資

こういった環境次第では、
利益がブレる可能性も普通にある という点は、きちんと押さえておく必要があります。

✅ 結論:信越化学は景気敏感株?ディフェンシブ株?

結論から言うと、
分類としては「景気敏感株」です。

なぜかというと、

・半導体
・住宅・建設

どちらも、景気の影響を受けやすい分野だからですね。

ただし信越化学の場合は、

・世界シェア上位
・生活インフラにも深く関与
・事業分野がしっかり分散

こうした特徴があるので、

一般的な景気敏感株よりは、
「相対的に下値が硬くなりやすいタイプ」

この位置づけで見ておくと、かなり実態に近いと思います。

決算概要

まずは売上高からです。

売上高は、前年同期比でプラス1.4%の増収となりました。
数字だけ見ると「しっかり伸びてますね」と言いたいところなんですが、
中身を見ると、実はかなり内容に濃淡があります。

半導体関連の電子材料は、AI向けを中心に先端分野が引き続き好調です。
300ミリウエハーは、今年の1〜3月を底にして、4〜6月以降は回復基調を維持しています。

一方で、
塩ビなどの生活環境基盤材料は、中国からの輸出増加の影響で、市況が全体的に緩んだ状態が続いています。
特に北米では、「これ以上価格を下げる意味がない水準」まで来ている、という会社コメントも出ています。

つまり売上は、
👉 「AI関連が押し上げて、塩ビが足を引っ張った結果、トータルでは微増」
こんな構図です。


次に、営業利益です。

営業利益は、前年同期比でマイナス17.7%と、大きめの減益になりました。

この最大の要因は、
塩ビを中心とした市況悪化による利益率の低下です。

塩ビは、
・中国要因による需給の緩み
・海外市況に北米価格が引きずられる
このダブルパンチを受けています。

さらに、
半導体は売上こそ回復基調ですが、まだ“フル回転”ではないため、
工場の稼働率が完全に戻りきっていない分、固定費の重さが利益を圧迫しています。

その結果、
👉 「売上はそこそこ、でも利益はしっかり削られた」
というのが、今回の営業利益の正直な評価になります。


続いて、経常利益です。

経常利益も、前年同期比でマイナス17.1%の減益です。

ここは基本的に、
・営業利益の減少
これがそのまま影響しています。

加えて、
為替差損益や、営業外収益の減少も重なって、
営業段階よりもさらに若干の押し下げ要因が入った形です。

とはいえ、
経常利益の水準そのものは依然としてとんでもなく高いので、
「落ちた」とはいえ、絶対額は依然としてバケモノ級です。


最後に、最終利益です。

最終利益は、前年同期比でマイナス12.3%の減益となりました。

営業・経常よりも、減少率が少しマイルドなのは、
投資有価証券の売却益などの特別利益が一部入っているためです。

ただし本業ベースで見ると、
やはり
・塩ビ市況の悪化
・半導体の回復が“途中段階”
この2点が、最終利益にもストレートに効いています。

 

通期予想ですが、
会社のスタンスとしては「全体的に減収減益」予想になっています。

▶ 売上高について

売上高は、2兆4,000億円予想
前の期と比べると、マイナス6.3%の減収予想です。

この背景にあるのは、やはり
塩ビを中心とした化学市況の悪化が、通期を通して続く前提になっていることですね。

中国からの供給過剰、
それに引きずられる海外市況、
住宅・建設関連の回復の鈍さ。

このあたりをかなり慎重に見た結果、
会社としては
👉 「今期は売上が一段落ちる」
という前提で計画を組んでいる、ということになります。

▶ 営業利益について

営業利益は、6,350億円予想
前期比では、マイナス14.4%の減益予想です。

ここはもうシンプルで、
売上の減少に加えて、塩ビの市況悪化による“利益率の低下”
これが一番大きな要因です。

塩ビは、市況が良いときは爆発力がある反面、
悪くなると 利益が一気に削られやすい構造でもあります。

さらに、半導体関連についても、
AI向けは引き続き好調を見込んでいますが、
PC・スマホ・車載向けなどの本格回復までは、まだ織り込んでいないため、

・工場の稼働率はフル回転ではない
・固定費の重さが相対的に効いてくる

結果として、
👉 「売上以上に、利益の方が大きく落ちる」
という計画になっています。

▶ 経常利益について

経常利益は、7,000億円予想
こちらも前期比で、マイナス14.7%の減益です。

基本構図は、
👉 「営業利益の減益が、そのまま経常利益にも影響する」
この形です。

為替の前提については、
会社は期初に 1ドル=140円前後
その後 145円程度へやや円安側に見直しを行っています。

なので、
「おおよそ1ドル=140〜145円程度の、やや円安寄り前提」
このくらいの認識が一番、実態に近い表現になります。

ただ、その為替の追い風よりも、
塩ビ市況の逆風の方が大きい
これが今期予想のポイントですね。

▶ 最終利益について

最終利益は、4,700億円予想
前期比で、マイナス12.0%の減益予想です。

営業利益・経常利益よりも、
最終利益の減少率が少しマイルドなのは、

・大型の特別損失は想定していない
という前提で組まれているからです。

ただし、本業ベースで見れば、

・塩ビ市況の逆風
・半導体の回復がまだ“途上段階”

この2点は、最終利益にもきっちり影響する、
という見通しになっています。

 

✅ 信越化学 2026年3月期・通期予想に対するリスク

ここまで見てきた通期予想ですが、
「この数字、もしブレるとしたら、どんなリスクがあるのか?」
ここも、しっかり押さえておきたいところです。

信越化学の場合、一般的な景気リスクだけでなく、この会社“特有”のリスクがいくつかあります。


▶ ① 最大のリスクは、やっぱり「塩ビ市況」

まず、最大のリスクは何かというと、
間違いなく「塩ビの市況」です。

今期予想は、
・中国からの供給過剰
・海外市況の軟化
これが 「通期を通して続く前提」 で組まれています。

問題はここで、
👉 もし塩ビ市況が、想定以上に悪化すると、利益は一気に下振れする
という点です。

塩ビは、
・売上が大きい
・利益への影響も大きい
いわば 「信越化学の収益エンジンの一つ」 なので、
ここがコケると、通期予想そのものがグラつきます。

▶ ② 半導体は「AIだけが頼り」というリスク

次に、半導体関連のリスクです。

会社は、
「AI向けは引き続き好調」
という前提で計画を立てています。

ただし現状、

・PC向け
・スマホ向け
・車載向け

このあたりは、まだ本格回復を織り込んでいません。

つまり今の半導体は、
👉 「AIだけが一人で頑張ってる状態」
とも言えます。

もし、このAI向けの投資が減速したり、
調整が入った場合は、
半導体セグメント全体が一気に冷え込む可能性があります。

▶ ③ 中国リスクは、信越化学にとって“構造的”

次が、**信越化学ならではの「中国リスク」**です。

塩ビの市況悪化も、
磁性材料の輸出規制も、
結局のところ 「中国が起点」 になっています。

・中国の過剰生産
・中国の輸出攻勢
・中国の資源規制

これらはすべて、
👉 信越化学が“自分ではコントロールできない外部要因”
なんですね。

ここが荒れると、
・価格が下がる
・供給が不安定になる
・交渉が難航する
こうしたことが同時に起きる可能性があります。

▶ ④ 為替は追い風にも逆風にもなる「両刃の剣」

信越化学は、売上の約8割が海外です。

今期の前提は、
おおよそ1ドル=140〜145円程度の、やや円安寄り
という想定です。

もしこれが、

・急激な円高
に振れた場合は、
👉 為替だけで、利益がゴリっと削られるリスクも出てきます。

逆に円安が進めば追い風ですが、
為替は 「読めないし、逃げられない」 のが最大の怖さですね。

▶ ⑤ 巨額の設備投資は「未来への種まき」だが、短期的にはリスク

信越化学は今も、
半導体向けを中心に、ものすごい金額の設備投資を続けています。

これは中長期では、

・生産能力アップ
・シェア拡大
・競争力の強化

につながる “超ポジティブ材料” なんですが、短期では、

・減価償却費の増加
・稼働率が上がるまでの固定費負担

という “一時的な利益圧迫リスク” でもあります。

 

 

まず最初に見るのが、営業利益率です。

2024年3月期が 29.0%
2025年3月期が 29.0%弱(約28.97%)
そして2026年3月期の予想が 26.5%前後 になっています。

これ、どういう数字かというと、
👉 売上100円あったら、営業利益が26〜29円残る という水準です。

これ、冷静に考えると 異常に高いです
普通の製造業だと、
・営業利益率5〜10%
で「優良企業」って言われる世界ですからね。

信越化学は、
「半導体素材 × 塩ビ」という、価格決定力の強い事業を持っているので、
このレベルの利益率が成立しています。

ただ今期予想では、
👉 塩ビ市況の悪化と半導体の回復がまだ途上という前提で、26%台まで低下する想定
になっています。

それでも26%。
正直、まだ“化け物クラス”です(笑)


次に、**ROE(自己資本利益率)**です。

2024年が 12.80%
2025年が 11.98%
2026年予想が 11.15%

ROEは、
👉 「株主から集めたお金で、どれだけ効率よく利益を出しているか」
を見る指標ですね。

一般的には、
・ROE 8% → 合格
・ROE 10%超 → 優秀
と言われます。

信越化学は、
今期予想でも 11%超え

しかもこの会社、
ほぼ無借金レベルの超健全財務なので、
レバレッジ(借金ブースト)なしでこのROEを出しています。

つまり、
👉 「純粋な実力で11%のROE」
という、めちゃくちゃ強い体質です。


最後に、**ROA(総資産利益率)**です。

2024年が 10.53%
2025年が 9.90%
2026年予想が 8.77%

ROAは、
👉 「会社が持っている全資産を使って、どれだけ稼げているか」
を見る指標です。

製造業でROAが
・5%あれば優秀
と言われる中で、
信越化学は 8〜10%台

これも普通に
👉 世界トップクラスの稼ぐ力 です。

ただし今期予想では、
・塩ビの逆風
・半導体の回復がまだ途中
この影響で、ROAも 8%台まで一段低下する想定になっています。

 

株価と株主還元

信越化学の株価は、
12月8日時点では 4,810円。

長期チャートで見ると、
2024年に2度 7,000円近くまで上昇したあと、
そこから大きく調整して、
現在は 高値からは3割前後下げた水準での揉み合いという位置づけですね。


次に、**PER(株価収益率)**です。

足元の予想PERは、おおよそ19倍前後

PERというのは、
👉 「この会社の利益に対して、株価が何倍まで買われているか」
を見る指標です。

一般的な日本株の感覚だと、

・15倍前後 → 標準
・20倍超 → やや割高

と言われますので、信越化学の 19倍前後というのは、
👉 「割安でも割高でもない、ちょうど中立ゾーン」
という評価になります。

過去の好調局面では
PER25〜30倍近くまで評価された時期もあったので、
今は
👉 「期待が一段落ち着いた水準」
と見ることもできます。


続いて、**PBR(株価純資産倍率)**です。

現在のPBRは、
およそ2.1倍前後。

PBRは、
👉 「会社の純資産に対して、株価が何倍か」
を見る指標ですね。

一般的に、

・PBR1倍 → 解散価値
・PBR2倍 → 優良企業の目安

と言われる中で、信越化学は 2倍ちょっとですから、
👉 「収益力・財務の強さは、きちんと評価されている」
という水準です。

逆に言えば、
PBR1倍割れのような“叩き売り水準”ではない
ここははっきりしています。


最後に、配当利回りです。

現在の利回りは、
およそ2.2%前後。

高配当株と呼ぶには少し物足りない水準ですが、
信越化学の場合は、

・減配しにくい財務体質
・自己株取得も積極的
・長期で安定配当を続けるスタンス

この3点を考えると、
👉 「利回りの数字以上に、“安心感で持たれる銘柄”」
というタイプです。

 

信越化学の「配当」と「株主還元姿勢」**について見ていきましょう。

まず、配当の推移からです。

2013年3月期からしばらくは、
1株20円前後の配当が続いていたんですが、
2019年ごろから流れが一気に変わります。

2019年 → 40円
2020年 → 44円
2021年 → 50円
2022年 → 80円
2023年 → 100円
2024年 → 100円
2025年 → 106円
そして、
2026年3月期の予想も 106円 となっています。

ざっくり言うと、
👉 この10年ちょっとで、配当は「約5倍」まで増えています。

これ、かなりインパクトあります。


ここでポイントなのが、
「毎年キレイに右肩上がり」ではないという点です。

たとえば、直近ですと

・2023年 → 100円
・2024年 → 100円(据え置き)
・2025年 → 106円(増配)
・2026年予想 → 106円(据え置き)

このように、
業績や投資とのバランスを見ながら、増やすときは増やす、慎重なときは据え置く
という、かなり堅実な配当方針が見えます。

いわゆる
👉 「無理して連続増配を演出しないタイプ」
の優等生ですね。


さらに信越化学の株主還元で、
配当と並んで重要なのが、**自己株式取得(自社株買い)**です。

この会社、
・業績が良いときは
・株価が割安と判断したときには

数千億円規模の自己株買いを“ドーン”とやるタイプです。

配当でコツコツ返しつつ、
👉 株数を減らして、1株あたりの価値を引き上げる
この「二段構えの還元」をやってくるのが、信越化学の特徴です。

 

財務

自己資本比率から見ていきます。

信越化学の自己資本比率は、

・2023年 → 81.8%
・2024年 → 82.7%
・2025年 → 82.6%
・直近 → 78.7%

と、ずっと80%前後という異常な高水準で推移しています。

これ、どういう状態かというと、
👉 会社の資産の約8割が「借金じゃなくて自己資本」
つまり、ほぼ自分の筋肉だけで戦ってる会社ということです。

一般的には
・40%で合格
・60%あれば超優良
なので、80%はもう
👉 「財務は異次元に強い」ゾーンです。

直近で少し下がったのは、
大型の自己株式取得を行った影響によるもので、
経営が苦しくなったわけではありません。


次に、**剰余金(利益の貯金)**です。

剰余金は、

・2023年 → 約3.31兆円
・2024年 → 約3.52兆円
・2025年 → 約3.76兆円
・直近 → 約3.91兆円

と、きれいな右肩上がりで積み上がり続けています。

つまりこれは、
👉 「毎年きっちり稼いで、配当を出して、自己株も買って、それでもお金が余っている」
という、個人投資家から見たら“理想の財務構造”です。

この剰余金があるからこそ、

・巨額の半導体設備投資
・市況悪化時の耐久力
・数千億円規模の自己株取得

これを 全部“ムリせず”にやれている わけですね。


「有利子負債」**ですが、

IRBANKなどの公開データベースを基準にすると、

・2023年 → 有利子負債 298億円/有利子負債比率 約0.8%
・2024年 → 243億円/約0.6%
・2025年 → 168億円/約0.4%
・直近(2025年6月末) → 2,447億円/約5.9%

となっています。

ここで大事なのは、
👉 この「5.9%」というのは “自己資本に対する借金の割合” だという点です。
つまり、「借金が自己資本の何倍か」という倍率表示ではありません。

直近で借金が一気に増えた理由は、
大型の自己株式取得に合わせて、長期借入金を増やした影響です。

ただ、それでも、

・自己資本比率は 約80%
・有利子負債比率は 5〜6%程度

という水準なので、
👉 「借金はあるけど、全く問題にならない軽さ」
という評価ができると思います。

 

信越化学の決算の感想

1、塩ビ市況の逆風で利益はやや厳しい
正直に言うとですね、
塩ビの市況が想定以上に厳しくて、利益面はちょっとしんどい内容でした。
売上自体はそこまで大崩れしていないんですが、中国の供給過剰とか、海外市況の軟化がじわじわ効いてきて、主力の塩ビの利益率がしっかり削られています。
「売上は耐えてるけど、利益は削られた」、そんな決算だったな、という印象ですね。

2、AI向け半導体が業績の下支え
一方で、今回の決算で救いになっているのが、
AI向けの半導体材料が引き続き好調だった点です。
300ミリウエハーや先端分野はしっかり稼いでいて、電子材料が業績をガッチリ下支えしています。
正直これがなかったら、今回の決算、もう一段キツかった可能性もあります。
改めて、「信越化学は半導体が柱の一つなんだな」と実感させられる内容でしたね。

3、通期予想はかなり慎重スタンス
そして通期予想ですが、
これはもう一言で言うと、かなり慎重なスタンスです。
為替も140〜145円前後のやや円安前提で見ているんですが、それでも塩ビ市況の回復を楽観視せず、強気な数字は積んでいません。
良く言えば「めちゃくちゃ堅実」、
悪く言えば「夢はあまり見せてくれない予想」ですね。
いかにも信越らしい、安全運転の通期計画だなと感じました。

4、財務と還元余力は依然として別格
ただですね、ここが信越化学の本当にすごいところなんですが、
業績が一服しても、財務と株主還元の余力はまったく揺らいでいません。
自己資本比率は約80%、剰余金は約4兆円。
この体力があるから、
・不況でも耐えられる
・設備投資もできる
・配当や自社株買いも継続できる
という、まさに「不況に強い王者の体型」をしています。
短期の業績は少し減速しても、長期目線の安心感はまったく変わらないですね。

 

今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)

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