こんな方におすすめ
- 安定した収入源を求めている人
- 投資知識の向上をしたい人
- 投資判断の材料が欲しい人
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安定した収入源を求めている人、投資知識の向上をしたい人、投資判断の材料が欲しい人の参考になれば幸いです
Contents
1. なぜ今、再び「水素」が注目されているのか?
数年前までは「乗用車から商用車まで、すべてが電気自動車(BEV)に置き換わる」という極端な論調もありました。
しかし、2026年現在の世界市場では、用途に応じた「使い分け(棲み分け)」の重要性が再認識されています。
特に大型・長距離輸送の分野において、BEV普及の過程でいくつかの課題が明確になっています。
- インフラ整備と電力網の負荷:
急速充電インフラの整備には膨大なコストと系統増強が必要であり、特に大型トラックが集中する物流拠点では、電力容量の確保が普及の制約になり得ると指摘されています。 - 「寒冷地」と「重量」の物理的制約:
低温環境下でのバッテリー性能低下(航続距離の短縮や充電時間の延長)は技術的な事実です。
また、長距離トラックでは、バッテリー自体の重さが積載量を圧迫し、輸送効率を下げてしまう点が課題視されています。
そこで、これらの課題を解決する**「有力な選択肢の一つ」として期待されているのが水素(FCEV:燃料電池車)**です。
水素は充填時間がディーゼル車に近い運用を可能にし、エネルギー密度が高いため、特に長距離・大型輸送の脱炭素化において重要な役割を担うとされています。
もちろん、都市内の小型配送や乗用車ではBEVが優位性を保つなど、現在は「適材適所」の議論が進んでいます。
2026年、投資の呼び水となる「水素社会推進法」
ビジネスとして水素が成り立つための最大の転換点が、本格始動した**「水素社会推進法(正式名称:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律)」**です。
投資家として、以下の2点を押さえておく必要があります。
- 価格差支援制度:
水素は既存の化石燃料に比べて製造コストが高いことが普及の壁でした。
この制度は、国が既存燃料(天然ガス等)との「価格差」を最長15年間にわたって補填するものです。
これにより、企業は採算確保の見通しが立てやすくなりました。 - 拠点整備支援:
水素の供給拠点(港湾など)や利用拠点(工業地帯など)を結ぶインフラ整備に対し、集中的な予算が投じられています。
これまでは企業の先行投資や「努力」に頼っていた水素導入が、国の「制度」によって収益化への道筋が見えるビジネスへと変化し始めたことが、今、投資マネーが動き出している大きな理由です。
2. 日本メーカーが結束する「水素戦線」と戦略の正体
日本の自動車メーカーは、それぞれの強みを活かしつつ、ライバルの垣根を超えて連携することで、国際的な技術指針の確立や標準化を視野に入れた研究・実証を進めています。
トヨタの「商用車先行」とプラットフォーム戦略
トヨタ自動車(7203)は、あらゆる選択肢を残す「マルチパスウェイ戦略」のなかで、水素の主戦場の一つを**「商用車」**と定めています。
- CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ):
トヨタ、いすゞ、日野などが共同で、水素トラックの実装を進めています。
特定の配送ルートを持つ商用車は、拠点でのインフラ整備が進めやすく、社会実装の呼び水となります。 - 次世代FCスタック:
2026年投入予定の新型燃料電池は、部品点数の大幅削減によるコストダウンを狙っています。
これを自社車両だけでなく、他メーカーのトラックや鉄道、船舶へも提供(システム外販)することで、水素活用のプラットフォーム化を志向しています。
ホンダの「自社開発への転換」と多角化
本田技研工業(7267)は、これまでGM(ゼネラルモーターズ)との合弁で燃料電池システムの量産化を進めてきましたが、2026年現在は自社開発の次世代システムへの移行期にあります。
- CR-V e:FCEV:
自宅で充電できる「プラグイン機能」を備えたFCEVを市場投入。FCEVの課題であるインフラ不足を補う新しい提案です。 - 非自動車分野の収益化:
燃料電池を車に限定せず、データセンターの非常用電源や建設機械など、クリーンなエネルギーが求められる特殊市場への提供を進め、収益の多角化を図っています。
「HySE」:エンジン技術の継承を目指す連合
スズキ、ヤマハ発動機、ホンダ、カワサキ、トヨタが結成した技術研究組合「HySE(ハイス)」は、燃料電池ではなく**「水素エンジン(燃焼)」**の研究に特化しています。
- なぜ「エンジン」なのか?:
日本が世界に誇る精密なエンジン部品のサプライチェーンと雇用を守りつつ、脱炭素を実現するためです。 - 小型モビリティの技術指針:
バイクや軽自動車などの小型車両において、水素エンジンの技術的な指針を日本主導で確立し、将来的な国際標準化を見据えています。
3. 水素サプライチェーンを支える関連銘柄
水素ビジネスは、自動車メーカー(使う側)だけでは成り立ちません。「つくる・はこぶ」を支える企業との相乗効果が不可欠です。
- トヨタ自動車 (7203):使う/プラットフォームの提供
- 2026年に投入予定の「第3世代燃料電池(FC)システム」が大きな焦点です。セル設計や製造プロセスの革新により、大幅なコスト削減を目指しています(外部報道では従来比約半減とも報じられています)。
自社車両のみならず、大型商用車や鉄道、船舶など汎用向けに「外販」を行う方針を明文化しており、水素活用の標準化(プラットフォーム化)を志向しています。
- 2026年に投入予定の「第3世代燃料電池(FC)システム」が大きな焦点です。セル設計や製造プロセスの革新により、大幅なコスト削減を目指しています(外部報道では従来比約半減とも報じられています)。
- 本田技研工業 (7267):使う/多角的なシステム提供
- GMとの共同生産体制が2026年中に終了する転換期にあり、現在は自社開発の次世代FCシステムへの移行を進めています。
新型の「CR-V e:FCEV」のようにプラグイン充電を組み合わせた柔軟な提案を行うほか、データセンターの非常用電源や建設機械といった「非自動車分野」での商用化・収益化を加速させています。
- GMとの共同生産体制が2026年中に終了する転換期にあり、現在は自社開発の次世代FCシステムへの移行を進めています。
- 岩谷産業 (8088):はこぶ・使う/供給インフラのリーダー
- 液化水素で国内シェア100%(自社調べ)、水素ステーション運営でも国内トップクラスの規模を誇る、水素関連の本命企業です。
水素社会推進法による「価格差支援」は、構築済みの同社の供給網の稼働率を高める直接的な追い風となります。
インフラを握る立場として、水素流通量の拡大が収益基盤の強化につながる構造です。
- 液化水素で国内シェア100%(自社調べ)、水素ステーション運営でも国内トップクラスの規模を誇る、水素関連の本命企業です。
- 川崎重工業 (7012):はこぶ/国際輸送のパイオニア
- 液化水素運搬船のパイオニアであり、2026年1月には世界最大級の大型運搬船の建造契約を締結しました。
2030年度までの国際間実証試験を見据えた動きが本格化しています。
海外から安価な水素を大量に運ぶための「海上の道」を作る役割として、サプライチェーン全体のコストダウンを握る重要な存在です。
- 液化水素運搬船のパイオニアであり、2026年1月には世界最大級の大型運搬船の建造契約を締結しました。
- INPEX (1605):つくる/エネルギー供給の源流
- 豪州の「Darwin Clean Hydrogen Hub(ダーウィン・クリーン・ハイドロジェン・ハブ)」をはじめ、中東など海外での低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトの検討・実証を本格化させています。
石油・天然ガス開発で培った知見と海外ネットワークを活かし、日本のエネルギーセキュリティにおける「上流(供給源)」を担う立場を目指した戦略を進めています。
- 豪州の「Darwin Clean Hydrogen Hub(ダーウィン・クリーン・ハイドロジェン・ハブ)」をはじめ、中東など海外での低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトの検討・実証を本格化させています。
- 旭化成 (3407):つくる/製造装置のトップランナー
- 再生可能エネルギー由来電力で水素を製造する「アルカリ水電解システム」の開発・実証をリードしています。
福島の10MW(メガワット)級世界最大級設備や川崎パイロット設備の運転データを活用し、さらなる大規模化である「100MW級システム」の実証・設計を目指しています。
これにより、化学工場や発電所など、大量のエネルギーを必要とする産業界への水素供給において、世界トップクラスの技術力を争っています。
- 再生可能エネルギー由来電力で水素を製造する「アルカリ水電解システム」の開発・実証をリードしています。
4. 投資家が押さえておくべき「リスク」と「現実」
過度な期待を避けるため、公平な視点でのリスク管理も重要です。2026年現在の水素を取り巻く現実は、期待の裏側にいくつもの障壁が存在します。
① グローバル競争:日本・中国・欧州の構図
日本企業は燃料電池や運搬船の技術で先行してきましたが、海外勢の追い上げが鮮明になっています。
- 規模を武器にする中国:
中国は水素ステーション整備数で世界最大規模(累計400〜500基規模)となり、水電解装置の大量生産による低コスト化も進めています。数量面での圧倒的な実績が、将来的な国際標準の形成に影響を与える可能性が高いと見られています。 - 欧州のインフラ戦略:
ドイツは「国家水素戦略」に基づき、2026年までに研究開発等へ約123億ユーロを投じるなど、巨額の投資を継続しています。特に欧州は既存のガスパイプラインを水素用に転用する「水素バックボーン」構想を推進中です。
日本が島国として海上輸送に注力する一方で、欧州は陸上のパイプライン網による供給コスト低減を狙っており、中長期的なコスト優位性の面でリスクとなり得ます。
② 代替技術との競合:多角的な棲み分けシナリオ
「すべての移動体が水素になる」のではなく、複数の技術が用途ごとに棲み分けるシナリオが現実的です。投資家は**TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)**の視点を持つ必要があります。
- BEV(電気自動車)との役割分担:
都市内の近距離配送や小型モビリティでは、効率面に優れるBEVが主流となる可能性が高いです。水素はBEVでは対応が困難な「長距離・大型・高稼働」の領域で有力な選択肢になると予想されています。 - e-fuelやバイオ燃料の台頭:
既存のエンジンや給油設備をそのまま使える「e-fuel(合成燃料)」や「次世代バイオ燃料」は、特に航空(SAF等)や船舶、長距離トラックにおいて水素と競合、あるいは補完関係にあります。水素一本に絞った投資シナリオではなく、複数のソリューションが共存する未来を想定することが重要です。
③ 依然として高い「政策・実行リスク」
- 補助金への依存:
現在の水素ビジネスは、水素社会推進法などの「国の支援」なしでは採算確保が困難なプロジェクトが少なくありません。将来的な支援策の変更や、技術開発の遅れによって収益化が遠のくリスクは依然として存在します。 - 長期化するR&D:
水素関連銘柄は巨額の研究開発費(R&D)を継続的に投じています。これは将来の成長の芽ですが、実益が伴う商用化フェーズまでには相応の期間が必要であり、投資家には「忍耐」が求められるフェーズが続きます。
5. まとめ:水素は「夢」から「初期投資対象」へ
2026年の水素投資は、もはや一時的なブームを追う段階ではなく、国の制度を背景に2030年以降の導入拡大を見据えた**「初期商用・投資フェーズ」**に入りました。
投資家として、以下の3つの視点を持って向き合うことが大切です。
① 「成長投資」と「株主還元」の両立をチェック
次世代エネルギーへの巨額投資は、短期的にはキャッシュフローを圧迫する要因となります。
一方で、トヨタやホンダといった主要メーカーは、中期経営計画などで「PBR(株価純資産倍率)の改善」や「資本効率の向上」を明確に掲げています。
具体的には、将来の収益基盤を作るための水素投資を行いながらも、配当の安定維持や機動的な自社株買いといった株主還元を両立させようとする姿勢が目立ちます。
投資家としては、決算資料を通じて「投資が未来の利益に繋がっているか」と同時に、「現在の還元が維持されているか」をセットで確認することが、長期保有の判断基準となります。
② サプライチェーン全体を「パッケージ」で捉える
現在の政策(水素社会推進法など)は、「つくる(上流)」「はこぶ(中流)」「つかう(下流)」のサプライチェーン全体を一体として支援するよう設計されています。
そのため、特定の自動車メーカー一社に注目するだけでなく、INPEX(上流)、岩谷産業・川崎重工(中流)、旭化成(製造技術)といった関連企業を一つのパッケージとして捉える視点が有効です。
サプライチェーンのどこか一箇所でコストダウンや技術革新が起きれば、それはチェーン全体の活性化に繋がります。
関連銘柄を組み合わせて考えることで、リスク分散と成長機会の両取りを目指す戦略が現実的です。
③ 十数年単位の「時間軸」でゆとりを持つ
水素社会の構築には、十数年規模の時間がかかります。
2026年はあくまで「本格的な商用化に向けた初期フェーズ」であり、価格差支援制度も10〜15年という長期スパンで設計されています。
これは投資の回収期間も同様に長くなる可能性があることを意味します。
短期的なニュースによる乱高下に一喜一憂せず、2030年のフェーズ1目標、さらにその先の2050年に向けたエネルギーミックスの変化を信じて、ゆとりを持った時間軸で運用する姿勢が求められます。
今後も別の個別株も解説していきますので、ひとつの参考にしてみてください(^^)